陶芸教室の帰りに少し歩いてきた。若葉が燃える山々だった。帰宅すると疲れて、ソファーで一休みしていた。夕方、灯を入れた自分のさくらの陶灯に癒された。コロナ疲れか。
「縁側に寝転んで、はらりと花びらが散るのを見たことがある。何もなかったようにまた時が流れていく。真っ赤に沈んでいく太陽を見て、なぜか涙が流れたことがある。打ち寄せる波の音だけが聞こえて、静かに時が過ぎていく。そんな時間を求めて、私はここに一軒の家を探しました。あなたと私のために。この家をいつでもあなたの使いたいときに、使ってください。安らいで、安らいで静かな時間のなかで、あなたの体や心をやすめてください。静かなときを、あなたの気配をそっと感じながら過ごしたいと思うのです。」
上の文章は、昨日の書類整理で出てきた九十九里浜の白子町というところに借りた一軒家のパンフレットの一文です。3000坪のレストランの中にある、風情のある建物でした。その庵の名前が「あ・うん」でした。離婚後、だいぶ生活が落ち着いて、まわりに踊らされた部分もあるのですが、そんなことをしました。お友達や塾関係の人たちが利用してくれました。結局、忙しくて手放しましたが、「あなた」は「私」だった気がしました。
私の中にある真っ赤に沈む太陽に涙が流れるものは、なんなのだろうか。同じものを持っているあなた、何なのだとおもいますか。