こんなに桜が植わっていたのかと思うくらい、車窓からみえる景色に淡いピンクの霞が見えます。ほんの一片、一片散り始めています。2時間以上かけて都下のグラウンドに出かけました。武蔵野の面影が残るこの地域は、大きな構えの農家が野菜を直売していたりします。竹林も残り風情があるところです。
お友達のお姉さんがご主人を亡くされてから、半年経ちました。ご主人と二人暮らし、仕事をしていらしたしっかりされた方でした。それでも、体調を崩されることもありお友達は週に2回くらい訪ねていきます。一緒に習い事をしたり、お能を見に行ったりいろいろしているようです。ご主人が病気のときでも、旅行に行ってしまったりして、覚めた方なのかな と思っていましたが、逆につらくて逃げ出していたのかもしれません。そんな姿にふと母の姿が重なりました。父が亡くなってすぐ、背広などをどんどん処理していた母。私も一番仕事が忙しいときで、しっかりしてるので大丈夫だろう と過ごしていました。
ああ、私は人に気持ちを考えずにきてしまったなぁ と思いました。母のことだけではありません。弟の気持ちも夫の気持ちの大事な友達の気持ちも。つらいといって泣いている人ばかりはいないのですね。いや、泣いている暇もないのかもしれません。そして、ご病気の主人をもった方や病気の友達をもったような方の気持ちも。
電車が川を渡ります。河岸の桜が続いています。急に悲しみが襲ってきました。もっとやさしいひとでありたいと。