午前中から夕方までかかったお稽古茶事が終わりました。家に戻ると、別世界から戻ったようで、きものを片付けながらぼーっとしていました。隔離された空間にいることができることがとても嬉しいと、久しぶりにお茶席に来られた方が話しておられました。
あれはだいぶ前のことだと思うのですが、50歳も過ぎると、夫婦も別々の空間を過ごして、週末などに「あら、お久しぶり・・・」という感じで食事を共にするのがいいのではないか という意見が載っていました。ある有名は漫画家のご夫婦の話です。お二人とも創作的なお仕事をされているのかもしれませんが、そういう空間が欲しいと思うのは普通のことのように思います。お友だちご夫婦は、ご主人が『濡れ落ち葉』で、彼女は自分の時間は車で街のコーヒーショップに出かけて2時間くらい過ごしています。でも、「書斎が欲しい」という男性の声も聞きます。
子供部屋はあっても、ご主人の城はないといいます。何もしないでぼーっとしているのかもしれませんが、そんな場所は必要なのでしょうね。会社が終わってから、寄り道して帰る「夕暮れ族」なるものがあるそうです。でも、私の知人のなかには「毎日、定時帰宅なのよね。たまには寄り道してほしいのに」という人もいます。
独り身の私は自分の時間ばかりですが、年をとると現実から隔離されて空間でものを考えたいと思うこともあります。背負うものがあればあるほどそんな空間が必要なのではないでしょうか。だから、私の夢は狭くてもいいのでお茶室がほしい ということです。できましたらいらしてくださいませ。