ちいさな秋

　紅葉の便りが届くようになりました。山もそろそろ雪化粧です。昨日、母に食料を送りました。母は最近は宅配のお弁当を夕食に週３回取っています。「おいしいというほどではないけど、温めるだけで食べられるから」と料理好きの母が言います。お金の管理ももう出来ないので、と私に頼みました。生活費を渡すと「悪いね、こんなにたくさんもらって」と。「これはお母さんの年金だから遠慮なく使ってね」と言うと「でも、ありがとう」という母。落ち込んでいた母には会話が一番と毎日電話していると、だんだん元気になり、短期記憶も以前ほどひどくなくなりました。毎日の電話では明るい笑い声を聞くことができます。「認知症」は現代の病かもしれないと思うのです。デーサービスのようなサロンがたくさんできるといいですね。

同じ夢を見る

　木枯らしが吹いたという。さすがに朝晩は寒くなった。年賀状が発売される時期になった。今年も残り少ない。「しばらく飛ぶ夢をみない」は山田太一の本だったろうか。恋をしない若者たちは夢もみないのだろうか。結婚して、二人で夢を持つことはないのだろうか？子どものこと、家のこと、旅行のこと、商売のこと、等など二人で夢は見ないのだろうか。隣に眠っていても同じ夢をみることはない　と誰かが言った。たしかにそうだけど、小さな夢でも二人で追い続けていけたら幸せだろうな　と思う。年甲斐もなく、少女のようなことを言うようだが、二人で叶えたいと思う夢があることは何よりの宝もののように思う。そんな絆で結ばれていたら、なにもいらないなぁ。だから私は、超貧乏なのだろう。

篠田桃江

　秋晴れの日。毎晩ブログを書こうとパソコンを開くのだが、書かずに終わることが続く。体力がなくなった。そんな折に交通事故の賠償関係で動きが出て、さらに心労している。Ｅテレで何日か前に、書家の篠田桃江さんを見た。１０３歳の凛とした姿、きりりとした口調。ぐずぐずですみません　と謝りたくなる。この世の人ではないようだ。彼女は自分は非日常を生きている、だから自分の書は非日常なのだ　と言う。非日常を生きているから、結婚などという現実は生きられないという。いいなぁ　と思う。非日常のような愛を生きても、現実は日常を生きなくてはならない。生活に追われる。買った筆はないという。作らせたと言う筆はなんとも穂先の長い筆だ。その筆が自分の腕の一部だと。彼女の着物も彼女の一部のように美しい。１０３歳でも妖艶な魅力もある。そして彼女は言う「一人で生まれて、一人で死んでいく。孤独に決まっているじゃないですか。寂しいなんておかしいのですよ。」と。「はい」というよりほかにない。

中澤佑二と遠藤保仁

　爽やかで明るい朝。冬に向かう前の静かな日和。サッカーの代表のイランとの試合も体力不足で見なかった。マリノスの中澤佑二と遠藤保仁がＪリーグで５００試合　というニュースがあった。どちらも好きな選手だ。かって代表戦で中澤と闘莉王とのバックは安心して見られた。今よりもはるかに身体の切れがよかった気がする。中澤は３７歳。いわゆるエリートコースではなく独自で勝ち取ったような選手生活ではないだろうか。中田英が引退を決めた代表が負けた試合のとき、そばにいた中澤の姿は印象的だった。あれからも中澤は試合を続けている。遠藤も海外へ出ない選手だ。まだ、彼に代わるゲームメーカーはいない気がする。彼のように味のあるプレイヤーはもういないかもしれない。今の代表選手たちとは一味違うプレイヤーだ。Ｊリーグの選手としての５００試合。素晴らしい数字だと思う。

愛情の定期積立預金

　木の葉の先が少し色づいてきた。秋深し。「髪の毛の色も少し変ったんだね」そんな歌詞があった。髪の毛を秋色に染めてみた。（どんな色？）美容室へ行くと女性週刊誌を読むことがある。不倫の末、病死した女性の話があった。筆者は「そんな無駄なことは止めなさい」と散々アドバイスしたという話だ。筆者は言う。「結婚は少しずつ毎年毎年、愛情を相手の積立預金口座に貯めていくが、不倫はそれがなく別れれば何も残らない。夫婦なら途中お休みすることがあっても、老後はその預金を大事に夫婦で崩しながら暮らしていく」と。なるほど、愛情は預金出来るのだ　と思った。でも、騙された挙句病死した女性は不幸だったのか？相手の気持ちがどうのこうのではなく、彼女が純粋にその男性を愛していたとしたら・・・・。それはそれでいいのではないだろうか。結婚の愛情は、安全な定期積立預金なのかもしれない。そういうものを越えた「愛」もあると思うのだが・・・・。