のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

【ドラマ】ぴんとこな

2013年09月20日 01時08分09秒 | テレビ鑑賞
■ぴんとこな
■2013年度夏クールドラマ
■TBS木曜21時
■脚本:高橋麻紀
■出演
 玉森裕太、中山優馬、川島海荷、松村北斗、ジェシー
 山本耕史、高嶋政宏、榎木孝明、江波杏子、岸谷五朗

■感想 ☆☆*
歌舞伎を題材としたドラマだというので楽しみに見始めたのですが、回を追うごとに歌舞伎の場面が少なくなってごくごく普通の恋愛ドラマになってしまったのが非常に残念でした。
優馬さん演じる歌舞伎の門閥外故に努力を続けている一弥が今までの努力で培った技術力、演技力で玉森さん演じる主役の恭之介さんを圧倒していた初回、第2回を経て、どんでん返しを見せつける第3回が私の中でのクライマックスでした。それまでは一弥の努力に基づいた技術力、演技力を目の当たりにして、敗北感を味わってきた恭之介が、持って生まれた「華」で初めて一弥を圧倒する回。しかも恭之介自体は自分に華があることにも一弥が自分に対して敗北感を抱いたことにもまったく気付かない、そんな回です。

役者として大成するためには勿論、努力が必要不可欠だけれど、努力だけでは芸能の世界で人を惹きつけ、輝き続けることは難しいんだろうなぁ、という説得力にあふれた回でした。言うなればBOSSのCMで宇宙人ジョーンズさんがSMAPさんたちに「歌も踊りもうまくはないけれど、でも。」と感嘆しているのも、きっとそういうことじゃないのかなぁ、と思うのです。
ふたりの関係は「ガラスの仮面」で言うところのマヤと亜弓さんの関係。だからふたりがお互いに切磋琢磨して芸を磨きあうところがもっともっとじっくり丁寧に見たかったなー、と思うのです。ついでに少しとっつきにくいところのある歌舞伎の世界についても、もっともっといろいろと説明してほしかったな。第3回では演目についての注目ポイントも江波さんが丁寧に説明してくれていて、そういった面でもとても親切で見やすい回でした。そういった回がちゃんとあったのに、そのテイストを終盤まで活かしてくれなかったことがとても残念です。

ストーリーは単純明快。非常に説明しやすく、たまたま遊びに来て初めて見ることになった妹さんには「あ、このドラマ、『花より男子』だと思ってください。」の一言ですべて通じました。ストーリーは本当にほぼ『花より男子』です。オレ様キャラでデレ要素が高い玉森さんは完全に道明寺だったし、貧乏でおんぼろアパートを追い出され、玉森さんちで一緒に住まわせてもらうことになる海荷ちゃんも細かいエピソードからしてつくしちゃんで、色んな場面でデジャブを感じまくりのドラマではありました。ただ、優馬さん演じる一弥は、花沢類らしく海荷ちゃんに対しては王子様のように優しかったけれど、通常仕様はクールビューティ、かつ毒舌、にも関わらず、芸の道に対しては熱血漢、というかなり花沢類とは異なるキャラクターを持った人物でした。歌舞伎界においては、歌舞伎の家に生まれたか、そうでないか、で待遇は大きく異なる(らしい)ため、名門、木嶋屋でぬくぬくと育った恭之介に対して大きなコンプレックスとやっかみを持っているところも、道明寺と同じく恵まれた人だった花沢類とは大きく異なる設定でした。門閥外だからこそ、恭之介より何倍も努力する必要があることを自覚して芸の道を突き進む姿が彼の意志の強そうな眼差しにとても合っていました。

脇を支えていた高島兄さん、岸谷父さん、江波さんは、どの方も重厚感あるたたずまいで「歌舞伎」を愛し、「歌舞伎界」で誇りを持って生きている方々だということが伝わってきました。高島兄さんの少し舞台色の強い若干、くどい演技は「歌舞伎」とよく合っているなぁ、という気がします。ただ、岸谷父さんには少し違和感を抱いてしまったかも。私は岸谷さんの軽い演技のほうが好きなのかもしれません。重厚な雰囲気を出せば出すほど、「コメディ」っぽく認識してしまったのは完全に私のせいです。岸谷父さんは悪くない。
そして山本耕史兄さん!重厚感がまったく漂わない山本兄さんは飄々としたキャラクターにも関わらず歌舞伎に対する真摯な姿勢や深い愛情がきちんと伝わってくる素敵な先輩でした。

・・・というわけで、やっぱりこのドラマ、もっともっと面白くなったはずなんだけどなぁ、という気持ちがぬぐえません。
もしかすると、こういったテーマのドラマは視聴率とか度外視できる(というわけではないけれど、そう公言することが許される)某国営放送局で作ったほうがいっそ清々しく歌舞伎に主軸を置いて作成できたのかも。歌舞伎に対する映像や情報も多く持ってそうだし。歌舞伎に青春をかける若者の姿を主軸で描いて、それに恋愛要素をちらりとかませる、ぐらいのほうが面白かったんじゃないかなぁ、という気がしてなりません。好きな題材で好きなキャストで好きなテイスト、と「好き」が揃っているドラマだっただけに残念。

【ドラマ】SUMMER NUDE

2013年09月19日 01時10分56秒 | テレビ鑑賞
■SUMMER NUDE
■2013年度夏クールドラマ
■フジテレビ月曜21時
■脚本:金子茂樹
■出演
 山下智久、香里奈、戸田恵梨香、長澤まさみ、勝地涼、窪田正孝、高橋克典、板谷由夏、山本美月

■感想 ☆☆☆*
ドラマに関しては、単純なもの、ハッピーエンドで終わるものが大好きです。
考えさせられるもの、余韻を楽しめるもの、余白を楽しむものも好きではあるのですが、なにぶん根が単純なので「よかったねー!」「おもしろかったねー!」という一言で感想が言えるぐらいの単純なドラマは疲れず見続けることができて好きなのです。

そんなわけでさまーぬーど。いつも以上に感想が長いですよー!
夏らしく爽やかで小難しいところのまったくないドラマ運びとか、「夏!海!花火!すいか割!勿論、水着!楽しい!」っていう夏の小道具全部使っちゃうよ!的な王道の展開といい、ひねたところのまったくない素直な恋愛物語っぷりが好きなドラマでした。好きだったんですけど!
でも!毎回毎回エンディングで力が抜けてたかなー。なぜー!?と最終回まで毎回毎回飽きもせず打ちひしがれてました。真心さんの(というかYO-KINGさんの、か。)歌声がエレカシの宮本さんと並んで、この世で最もかっこよく色気のある歌声だと信じてやまない私は、エンディングが来るたびに諦め悪くテレビの前で「なんで真心さんの歌声そのままでドラマを締めてくれないのかしらー!」とフジテレビに向かって叫んでました。でもって、肩の力を落としていました。
山下さんに恨みはまったくないんだけどっ!でもっ!!真心さんの歌うオリジナルのほうが「夏!!」って感じだったよねぇ、と思うのです。完全にひいき目です。

ただ、ドラマは好きでした。折に触れ、男性陣が筋肉を見せてくれたり、「この会話のやりとり、面白いでしょ?おしゃれでしょ?」と押し付けられているような気にさせられたり、そういうあざとさがあちこちにちりばめられている気はしましたが。でも、好きでした。そういうところも含めて好きでした。楽しんで見ていると、「え?その会話のやりとり、おもしろい、とか思ってんの?」と真顔で突っ込みたくなるような場面が出てくる。なんていうかそういう油断ならないところも面白かったです。

山下さん演じる朝日が相変わらずのへたれっぷりで。みんなが「俺らのリーダーだから。」「朝日の発案は外れなしだよね。」みたいに持ち上げてくれるのがまったくよく分かりませんでしたが、でも、こんなふうに「一度好きになったらずっと好き。諦めきれないんだ・・・」という一途な(のに、一途ではなく、うじうじしているなぁ、とへたれな感じになってしまう)ところがとてつもなく山下さんっぽくて、これでこそ山下さん!と思って見ていました。すごくかっこよくてすごく優しい顔立ちをしているのに(だから?)片思いが似合うところが山下さんの素敵なところなのです。片思いされるのではなく、片思いしてこその山下さん。

というわけで、非常に男前でかっこいい戸田嬢演じる波奈江ちゃんが山下さん演じる朝日を一途に思い続けているところを見かけるたびに何かの間違いではないか、と思わずにはいられませんでした。いやいや、戸田嬢はそもそもレンアイに興味ない子でしょうに。(・・・SPECを引きずりすぎている気がしないでもない。)あんなにさばさばと気持ちを隠しもせずに「好きー!好きー!」と言い続けている子があんなにうじうじと何年も片思いをしているものかしら?と思うわけです。しかもあんなに超絶にかわいい子が。ただ、長年片思いをしていた相手が振り向いてくれそうになった途端に「やっぱりなしで!」という気持ちになったあの気持ちはわかるかも、と思いました。ずっとずっと片思いをしていたからこそ、振り向かれると怖くなっちゃったんだろうな、とか、ずっとずっと片思いをしていたけれど、「片思い」という状況が日常になっていて、「彼が自分を好きになってくれる」という状況を想定してなかったんだろうな、とか、きっと彼女は朝日を見てきたからこそ、彼がどれだけ「好きだ」と伝えてもその言葉を完全には信じられないだろうな、とか。ずっとずっと何年も他の人を思い続けて、彼女の看板の前から動けなくなっていたような彼を目の当たりにし続けていたら、やっぱり「好き」という言葉は信じられない気がします。結局、好きな相手が自分のことをどう考えているかわからない不安を抱えながらドキドキして過ごすよりは、一緒にいて安心する相手と過ごすほうが幸せなんだろうな、と強く共感しました。
そして波奈江ちゃんをずっとずっと好きだった光君。うん。波奈江ちゃんの片思いはまったく信じられなかったけど、光君の片思いは真実味があった!見ていて切ない気持ちになったし、全力で応援していました。好きな人が手の届くところにいて、そして他の人を向いている、という状況は朝日より数倍切ないシチュエーションなんじゃ、と思っていました。彼の思いがかなって本当によかった!すごくすごくうれしかったんだけど、でも・・・。彼らの結婚式二次会で流したあのお礼の映像(?)は気恥ずかしかったかな。まだ彼のナレーションがなければよかったのに。映像だけで見せたほうがよくなあい?と思いました。そして結婚式当日にバタバタと帰る新郎・・・。のくだりは必要だったのかなぁ・・・。

そして、香里奈嬢演じる夏希ちゃんは、朝日が片思いをしていた年月を共有していないから、彼の「好きだ」という告白を受け入れられたんだろうなぁ、と思いました。朝日も自分がへたれだった頃をあまり知らない夏希だから、自然体で話せたことって多かったんだろうな。ふたりがやり取りするメールが少しずつ増えていくところとか、少しずつお互いを気にしだすところとか、気になるけど、でも、今の関係を壊したくなくて動けないところとか、ゆっくりと距離を縮めていくふたりがじれったくて素敵でした。夜中にふたりで花火して、好きだという気持ちを自覚しているのにキスすらしないでお別れするだなんて!かわいすぎる!
それにしても、このふたりを見るたびに「カバチタレ」ではセーラー服と学ランだったのに!!と感慨深い気持ちに襲われました。あの頃の香里奈嬢は本当に超絶美少女で、世の中にはこんなにかわいい女の子が存在するんだなぁ、と感嘆していたのに、今や見事にかっこいい大人の女性。彼女の二の腕の筋肉の付き具合とか程よくて好きだったなー。白いタンクトップTシャツにジーンズをあんなにおしゃれにかっこよく着こなすって素敵すぎると思うのです。
それにしても、ふたりのラストの告白シーンはすっごく好きだったけど、とてつもなく気恥ずかしくて、改めて自分の非恋愛体質ぶりを思い知らされました。
欲を言えば、あれだけ3カ月間、「仲間」とか「夏の友情」を描いてくれたのだから、ふたりの両想いをみんなが知って「今更??」とか「もうずっと両想いだったじゃん!」とか「ようやく思いを伝えあえたんだー!」とか突っ込まれたり盛大に喜んでくれたりする場面が見たかったなぁ。ふたりが痴話喧嘩しながら東京に帰る場面ではなく、みんなで過ごしたみんなが大好きなあの海の家の前でみんなに囲まれて喜ばれている場面で終わってほしかったです。

それにしても朝日の幼馴染を演じた勝地くん。あんなに優しくてあんなに周囲の人のことが見えて、気苦労をいっぱいしているのに、それをまったく見せない。そんな素敵な人があんなに軽く扱われたままドラマが終わってしまうなんて!と憤懣やるかたない気持ちでした。彼にもなにかいいことがあってもよかったと思うんですけどー!主役のふたり(朝日と夏希)は彼に感謝しても感謝したりないはずー!朝日が勝地さんに「付き合うようになったから。」と照れ臭そうに報告する姿が欲しかったです。でもって「俺のおかげだからな。」とかいつも通りにおちゃらけた感じで恩を売って、その直後にすごくすごーく優しい表情でふたりに笑いかける勝地さんが見たかったなぁ。という具体的な場面が簡単に想像できちゃうぐらい、勝地さんが好きでした。
あと、何気にもっとも直球勝負でファインプレーを連発していた山本美月ちゃん。なんというか裏表や邪気や欲がまったくないいい子だったなぁ、と思うのです。彼女ももっと幸せになっていい子だったと思う。役柄も好きだったし、何より美月ちゃんの顔がドストライクで好みでした。かわいかったなぁ・・・。
そして!かわいいと言えば!長澤嬢!すばらしく可愛く、健康的に色っぽかったです。再放送の「プロポーズ大作成」をつい最近見ただけに、あの頃から飛躍的に美しくなっている長澤嬢を見かけるたびにほぉっとため息をついていました。出演場面があまりなかったのが残念。そして、長澤嬢のせいでは全くないのですが、ドラマ開始前の数々の番宣にて、すごく思わせぶりに「謎の女性」と紹介され続けていたのは番宣ミスではないかと思わずにはいられませんでした。謎の女性?なの?と肩すかしをくわせられた気持ちになったのも残念です。
とはいえ、毎週、どんなに遅くなってもその日のうちに録画を見ていたぐらい楽しみにしていました。夏が終わっちゃったなー。

それにしても語りすぎ。あまりの長さに自分で読み返してびっくりしました。

【再放送】プロポーズ大作戦

2013年08月29日 21時37分57秒 | テレビ鑑賞
■プロポーズ大作戦
■2007年春クール フジテレビ月曜21時
■出演:山下智久、長澤まさみ、藤木直人、平岡祐太、濱田岳、榮倉奈々、三上博史    

■ストーリ
岩瀬健は意地っ張りで恋に不器用な男。彼の幼馴染、吉田礼は明るく負けん気が強いため、会えば憎まれ口を言い合ってけんかになることもしばしば。しかし、お互いにお互いを理解し、意識し合っている。それなのに二人とも恋愛には奥手で、どうしても幼なじみという関係から抜け出せない。
他の男と結婚することになった礼をあきらめきれずに後悔する健。「やりなおしたい。あの頃に戻れたら・・・。」すると妖精が現れ、健は過去にタイムスリップできることに。彼は過去に行き、礼との人生を変えて、新郎の席に座ることができるのか?

■感想 ☆☆☆☆
あー。好きだったなー、このドラマ。と思い、ついふらふらと録画しちゃいました。
今現在、放送されているドラマにも追いついていないっていうのに!
「半沢直樹」をまだ1話たりとも見れてないですよー!録画たまっちゃってますよー!
と思いつつ、ラスト4話のみ録画して鑑賞。

見終わってから、このドラマがもう6年も前のドラマなのかー・・・とそら恐ろしくなりました。
ついこの間、放送されたばかりのドラマのような気がするんだけど。
登場人物全員、誰も全然、年を取ってないんですけど。
むしろ、今のほうが若返ってるんじゃ・・・と思う人もいるんですけど。
少なくとも主要登場人物は全員、この頃より今のほうが断然、素敵です。
魅力的な年の重ね方をしている人ばかり。
特に長澤まさみちゃんと榮倉奈々ちゃんの女子高生コンビは、今のほうが100倍キラキラ輝いてるな、と思いました。

それにしても甘酸っぱいドラマでした。
恋をしている時の楽しいだけじゃない気持ちが小さなエピソードで積み重ねられていて胸がいっぱいになりました。

好きなのに、好きでいるだけじゃ物足りなくて、不安になってしまう気持ちとか、
想いを伝えたいけれど、やっぱり怖くて伝えられない切ない気持ちとか、
好きな人とわいわい騒いでいる時のすごく楽しい気持ちとか、
好きな人と同じ空間にいて、楽しい時間を共有できて、
こんなに幸せなんだから、この幸せを壊したくないな、と思ってしまう気持ちとか。
どれもこれも共感できるエピソードばかりで、なんだか見ていて泣きたいような、照れくさいような気持ちになりました。

不器用で意地っ張りで不憫な主人公、ケンゾーに思いっきり肩入れしながらの鑑賞です。
ジャニーズの三大挫折顔(と私は思っています。あとふたりは錦戸さんと風間さん。)山下くんがケンゾーを熱演。
あんなに綺麗な顔をしているのに「ちょっと残念」な子がすごく似合っていてさすがだなぁ、と思いました。
好きで好きで好きで諦められない、けど、行動を起こせないへたれっぷりがとっても似合ってました。
どれだけもがいても、何度過去に戻っても、「今」を全然変えられないために、
「もう諦めたほうが楽なんじゃないかな。」と考えて、礼から離れようとした回のケンゾーがとても好きでした。
毎年恒例の初日の出参拝イベントをひとりだけ欠席し、
大晦日のゲームセンターで黙々とストラックアウトをするケンゾー。
礼を好きだと思う気持ちを封印しようとしているのに、
頑張れば頑張るほど、礼とのこれまでの日々が鮮やかに蘇ってくる場面です。
忘れようともがけばもがくほど礼を好きだと思う気持ちに縛られてしまう。
結果、苦しくて苦しくてやっぱり無理に忘れることなんてできないんだ、と気付く回。


諦めようともがくケンゾーも、そんなケンゾーを見守る仲間たちもどちらも切ない回でした。
高校を卒業し、大学ももうすぐ卒業、という時期。
高校時代のように毎日一緒に過ごせるわけではなくて、
「これまで通り」ではない未来に不安になるみんなが愛しかったな。

明るくていつも笑顔のヒロイン、長瀬さんが本当にかわいいのです。
でも、「かわいい」だけではなくて、好きな人の前では全然、素直になれない意地っ張りなところとか、
幼馴染という関係性についつい甘えてしまって、ケンゾーにだけは言いたい放題で過ごしているところとか、
言いたい放題が過ぎてしまって、ついつい好きな人と喧嘩をしてしまうところとか、
好きな人に対してだけ、すごく不器用なエピソードが各話に満載でいじらしいヒロインでした。

そして、藤木さん。
ヒロインを見守る大人の男性。
もっとも大人なのに、計算がまったくなくて、「傷つきたくない」なんていう防衛本能もなくて、
自分の気持ちに素直なところがとても素敵でした。

ケンゾーが「打ち上げ花火を見終えたら」「みんなと離れたところに連れ出してから」
と告白のタイミングを計っている隣で、
ついぽろりと「好きです」とシンプルに想いを伝えてしまったエピソードがとても好きでした。
自分を守ろうとする計算がまったくない彼となら、礼は穏やかな幸せを手に入れられるんだろうな、
と思わせてくれる男性でした。

でも、冷静に考えた時の計算通りに動けないのが「恋」で。

最終回、過去に戻っていろんなことをやり直して、
でも、やり直すのも所詮へたれの自分だから、ほんの少しの勇気しか出せなくて、
ほんの少しの勇気では、物事を劇的には変えられなくて。
そういった冒険を何度も何度も繰り返した主人公がようやっとのことで
「違うんだ。そうじゃないんだ。」と気付く。その場面で胸が熱くなりました。

過去をやり直すのではなく、今、ここでできることをしよう、と決意するケンゾーが清々しくて、
ついつい「頑張って!」という気持ちになりました。
普段だったら、断然、藤木さん派なんだけどな。
披露宴のさなかに想いを伝えるなんて、もってのほか!と思っているんだけどな。
でも、今回は、ぜひともケンゾーと幸せになってほしかったので、
披露宴会場から駆け出した礼の姿を見て、とても幸せな気持ちになれました。
10年かけてようやく素直に向き合えたふたりを見れてほっと安心しました。
「よかったよう!!」とまるで自分の友達のことのように喜んじゃった。

とにかく徹頭徹尾、甘酸っぱい気持ちを満喫させてもらいました。
やっぱり好きだったな、このドラマ。
そして、モンゴル800さんの曲!
こちらも久々に聴いたけれど、やっぱり好きでした。
「広い宇宙の」っていう初めの初めの1フレーズを聴いただけで、思わず泣きたいような気持ちにさせられる。
曲の持つ力ってすごい。そう思いました。

間違われちゃった男

2013年07月06日 00時13分46秒 | テレビ鑑賞
■間違われちゃった男
■2013年度春クールドラマ
■フジテレビ土曜23時
■脚本:宅間孝行
■出演
 古田新太、中丸雄一、戸田菜穂、佐藤めぐみ、大河内浩、石田えり、金田明夫、小木茂光、伊藤高史
 木村了、三倉佳奈、阪田マサノブ、ICONIQ、大久保佳代子、中村玉緒、南明奈、カンニング竹山

■あらすじ
主人公のコソ泥・沢木裕次郎は、舎弟のヤスを連れてある晩東京の下町・蔵前にある寿司屋「寿司政」に忍び込むが、あっさり見つかってボコボコにされる。ところが失神したふたりが目覚めると、10年前に店から失踪した腕利きの板前・テルにそっくりな沢木のことをテルだと勘違いした寿司政の面々から思わぬ大歓迎を受ける。なんとか逃げ出そうと画策するものの、寿司政の置かれた窮状を知ったお人よしの沢木は逃げ出すことができない。その上、寿司政の大将の娘・秋子に一目惚れしてしまった沢木はますます深みへとはまっていく。

■感想 ☆☆☆☆☆
すごくすごくすごくすごく温かいドラマでした。中盤までひたすらにコメディ色の強かったこのドラマ。見始めた当初は、まさかラスト3話であんなに泣かされるとは予想だにしていませんでした。
1話が1日分のお話で、沢木とヤスが寿司政にコソドロへ入った日から10日間のお話です。けれど全11話。残りの1話は、このドラマの始まりの始まり(0日目)を種明かしする第9話。その第9話がこのドラマの転換点でした。一気にシリアスへ引きずられていく弟9話。すべてのきっかけの話。そして、そこからあちこちに散りばめられ、隠されていた伏線がすべてあらわになり、その伏線が見事に回収されていく。あぁ、この0日目があってこそ、この怒涛のラスト。と大いに納得した弟9話でした。

寿司政とその周辺の面々がみなあたたかく寄り添いあっていて、見ていて気持ちのよいドラマでした。思いやりあって大事にし合って「家庭」が、「家族」が守られている。「家庭」や「家族」というものは、決して血縁だけの関係ではなく、傍にいて、お互いに思い合うことで育つものなんだな、ということがしみじみと伝わってきました。「好意」や「親切」や「義理人情」が通用しない面々もいる。どんなに親切にしても、どんなに大切に思っていても、その気持ちが踏みにじられてしまうことはある。「お互いにいたわりあう」「思い合う」ということを利用する輩もいる。世の中はきれいごとだけではない。
けれど、思えば思い返してくれる人もちゃんといる。家族じゃなくても、血がつながっていなくても、家族のように労わり合うことはできる。小さな日常が積み重なって、「大丈夫?」と気遣ってくれる人や「あの人のためなら」と一肌抜いてくれる頼もしい味方が現れる。だから絶望することはない。投げやりになることもない。すぐ傍にいる人を大切にしなきゃ。と、素直にそう思えるドラマでした。
とにかくあったたかった!最終話で、商店街の面々が寿司政のことを「大丈夫?」「大変なんだって?」「大丈夫なんだろ?」「ひどいことするヤツいたら、絶対に許さない!」「オレ、なんとかするから!」「アタシが守る。守るから!」「カンパしよう。みんなで。」「少ししかできなくても、なんかするから!」「絶対に大丈夫だから。」と思いやる様子が畳み掛けられ、心配してもらえるってこんなにもあたたかいんだなぁ、と思いました。この場面を思い返すだけで、胸がぎゅっとつかまれるような、切ない気持ちがよみがえってくる。

古田さんは勿論、安定の存在感。なぜにあんなにコメディの似合う姿かたちをしていて、嫌な役をすると、そこなしに嫌な、不気味な存在感を放つのか。一転して、沢木になった途端に柔和なコメディ似合ういでたちとなり、そしていざというときはものすごく頼りになるかっこいい男になる。酸いも甘いもかみわけた、って彼のような人のことを言うんだろうな。古田さんの演技も喝舌も存在感も大好きです。

でもって、中丸氏。カツンで唯一の草食系男子。このドラマでは、ジャニーズ臭を見事に消して、頼りなくてふにゃふにゃして情けなくてお人よしのヤスを見事に演じていました。頼りない。けれど、優しくてあったかい。寿司政の面々と出会って、「家族同様」の扱いを受けるうちに少しずつ少しずつ成長していくヤス。好きな人のためにがんばる健気なヤスはかわいかったな。中丸氏の真骨頂。イメージ通りでした。とにかく似合ってたな。

戸田嬢は、本当にすごくすごくすごく素敵なヒロインでした。最初は酔っ払ってばかり、泣いてばかりで、なんて頼りにならないんだろう、と思っていたけれど、彼女のか弱さやおびえ方、酔っ払い方は故あってのことだったのか、と9話で大いに腑に落ちました。とにかく熱演。壮絶で、危なっかしくて、今にも折れてしまいそうで、女性の私が見ても、「守ってあげたい。」「守ってあげなきゃ」と思わせられるヒロインで、だからこそ、周囲の面々が一致団結して彼女を守ろうとした気持ちに強く共感しました。そりゃ、あんな戸田嬢を見たら、誰もが助けてあげなければ!全力で!と思うに違いない。そう納得できました。こんなにも「触れなば落ちん」みたいな風情の戸田嬢(の役柄)は、久しぶりのような気がします。

石田えりさんは変わらずキュートで、大河内さん演じる旦那様が大好きで大好きでたまらない、というのがものすごく伝わってきました。このキュートさが似合うのは石田さんならではだと思うのです。大河内さんも朴訥としたご主人をかわいらしく演じてくれていて、このふたりのかわいらしい存在感が「下町」の空気を出してくれていたな、と思いました。

原作が舞台なので、同じシチュエーションで、同じメンバで話が繰り広げられていくのですが、毎回毎回、ちょっとしたゲストがいて、その面々が面白かったな。声優の三ツ矢さん、元スケート選手の清水さん、ミヤネさん、カンニング竹山さん、中村玉緒さん、羽鳥さんなどなど・・・。みんな人柄が滲み出る演技で、その人選にくすりと笑わされてました。人柄が滲み出るといえば、ラストでスタッフロールが流れる間、3、4分間の即興芝居。「素」な感じの台詞回しや展開がかわいらしくて面白くて大好きでした。

こんなに面白かったのにな。視聴率悪かったみたいで残念です。

純と愛

2013年04月02日 23時23分36秒 | テレビ鑑賞
□純と愛
□脚本:遊川雅彦
□2012年度下期NHK朝ドラ(8:00~8:15)
□出演
 夏菜、風間俊介、武田鉄矢、森下愛子、速水もこみち、高橋メアリージュン、渡部秀、舘ひろし
 若村真由美、岡本玲、堀内正美、吉田羊、城田優、田中要次、映美くらら、朝倉あき、余貴美子

□感想 ☆☆
かなりの打率で朝ドラを見続けています。半年かけてじっくりと物語を作り上げるだけあって、見ごたえがあると思うのです。長ければいいってものでもないけれど、ゆっくりと時間を取れるからこそ、描けることってあると思う。朝ドラを見るたびに、そう思います。
とはいえ、今回は、かなり見続けるのがきついドラマではありました。私は一週間目あたりで早々と挫折しかけていましたが、母上は「見ていると癖になる。」と言いながら最後まで見続けていました。そんなわけで私も土曜日のみ鑑賞。

いろんな災難がヒロインに降りかかってくるジェットコースタードラマでした。いろんなところで夏菜さん、風間君が「朝ドラっぽくない展開です」「後半、もっともっとびっくりするようなことが起こります。」といい続けていましたが、ヒロインの父、武田さんが亡くなったときに「このことかー!」と納得しました。「びっくりすることがある」と聞いていたのに、それでもびっくりしました。まさか後半、そんな展開が待っていようとは。ラストのラストまで結論がまったく見えなかったなー。

ようやっと自分の思うホテルを実現できると思いきや、もうあと数話しかないよ!という状況で、ホテルが台風に見舞われてぼろぼろになったり、最愛のだんな様が病に倒れたり。。ヒロインを見守り続けた旦那さんが病気で倒れたり。つらいことばかり。

ただ最後のこの展開は「何もかも失った人」へのメッセージなのかな、とも思いました。どんなにこつこつ地道にがんばっていても、人の力の及ばないところは絶対にある。一夜にして大切なものをすべて失うことはある。大好きな人がある日、突然、亡くなることもある。絶望的な状況の中で、人はどう生きていくのか。どういうふうに一歩を踏み出すのか。

人間は、「大切な人がいるからがんばれる」のかもしれないし、「大切な人のためにがんばる」のかもしれない。
けれど、どうしよもない出来事で不意に大切な人がいなくなったとしても、「大切な人の記憶」や「大切な人への思い」がありさえすれば、それを足懸かりにして前を向くことも一歩を踏み出すこともできる。そんなことをそっと語りかけてくれるドラマでした。(「そっと」と言うには全編通してひたすらにヒロインがにぎやかなドラマだった気がしないでもないですが。)どうにもこうにも苦手なタイプのヒロインでした。「女友達がいない」っていうヒロイン像も珍しいな、と思いましたが、見続けているうちに「そりゃそーだよね。いませんよね・・・。」と腑に落ちました。

それにしても、風間君!「ジャニーズらしくない」と言われ続けている風貌をあますところなく存分に生かしきっていた気がします。
そして、風間君の母親役を演じた若村さん。見事な鬼母っぷりを楽しそうに演じていました。きっと爽快だったんだろうなー。

ビブリア古書堂の事件手帖

2013年04月02日 23時22分43秒 | テレビ鑑賞
□ビブリア古書堂の事件手帖
□月曜夜21時フジテレビ放送
□出演
 剛力彩芽、AKIRA、高橋克実、安田成美、水野絵梨奈
 鈴木浩介、北川弘美
□お気に入り度 2012年度冬クール4位/4作品
□感想
話題になっていた本なので、意識はしていましたが、読書生活の8割を図書館に依存している身としては、リアルタイムで出会えるわけもなく、数年後に人気が落ち着いたら読めるかもね、とあきらめていました。が、ドラマ化と聞いて好奇心がむくむく。通勤途中に手持ちの本をを読み終えてしまったことに後押しされて購入。無事にドラマを見る前に読むことができました。

つまり、私はドラマ化のキャストを伺ってから、原作を読んでいるわけで、ドラマ化決定後のあの「ヒロインのキャラクターが原作と違いすぎる!」という違和感の嵐には、乗り遅れてしまいました。「剛力ちゃん」と思って読んでいたからなぁ。ただ、「剛力ちゃん」と思って読んでいても若干の違和感はぬぐえなかったので「イメージと違う!」と騒がれた気持ちもわからないでもありませんが。

そういった一抹の不安を抱えながらの初回拝見でしたが、原作の雰囲気が壊されることなく、愛情を持ってドラマ化されていたように思いました。取り上げられる本の薀蓄が面白くて、読みたいなぁ、と興味をひかれました。それに、古本の世界の奥深さをわかりやすく、とっつきやすく教えてくれていたように思います。
個人的には大野さん主演の「鍵のかかった部屋」と物語の雰囲気や場面転換、音楽の使い方がとても似ていたと思うのです。特に場面転換はことあるごとに大野さんドラマを思い出させてくれて、懐かしい気持ちになりました。あれからもう1年かー。

とりあえず、声を大にして言いたいのは、剛力ちゃんがめっちゃくちゃかわいかったよ!ってこと。私、元来、剛力ちゃんのファニーフェイスが好きではあったのですが、このドラマの剛力ちゃんは通常の5割増しでかわいかった気がします。透き通るような白い肌が古本屋の少しアナログ、かつセピア色の世界とよく合っていました。おっとりとしたたおやかな語り口調も魅力的でした。

あと、安田さん!私は、彼女の周囲の時の止まりっぷりに驚かされました。ちっとも変わってない。私が中学生のときに見ていたドラマ「素顔のままで」のときとほぼ同じ髪型!同じ表情!20年というときの経過を忘れさせてくれる安田さんに感嘆しました。何をどうやって過ごしていたら、こんなに「変わりなく」年が重ねられるのやら。不思議でなりません。

いつか陽のあたる場所で

2013年03月27日 23時08分45秒 | テレビ鑑賞
□いつか陽のあたる場所で
□火曜夜22時NHK放送
□出演
 上戸彩、飯島直子、斎藤工、浅野温子、藤田朋子、大東駿介
 松金よね子、竜雷太、前田吟、阿南健治、藤吉久美子、江波杏子

□お気に入り度 2012年度冬クール2位/4作品
□ストーリ
 小森谷芭子(上戸彩)はホストクラブで働く亮(松下洸平)にお金を貢ぐため、
 出会い系サイトで知り合った男性を睡眠導入剤で眠らせた上で金銭を奪う犯罪を
 繰り返した末に逮捕される。裁判で懲役7年の実刑が下り、北関東女子刑務所に服役中、
 同じく服役囚の綾香(飯島直子)と知り合う。綾香は家庭内暴力を繰り返す夫から
 子供を守るために、夫を殺していた。
 刑務所を出たふたりは下町で肩を寄せ合い生きていく。

□感想
 NHKさんならではの丁寧なつくりのドラマで、安心して最後まで見ることができました。
 もし、私の身近な人が犯罪を犯して刑務所に入ってしまったら、私はどういうふうに
 その人を迎えるんだろう?やはり知り合いだと思われたくなくて、隠してしまうんだろうか?
 家族でも、家族だからこそ、隠したい、と思ってしまうんだろうか?
 そういうことを考えさせられるドラマでした。

 たぶん、私は、身近な人ではなく、まったく知らない人が「元犯罪者」だと知ったら
 疑いもせず「こわい」と思ってしまうと思うのです。どうして犯罪を犯してしまったのか
 とかその敬意を知ろうともせず、その人と距離をとる気がします。
 差別をしているという意識もないまま、無意識のうちに差別をしてしまっている気がします。
 では、それが家族だったら?
 何度考えても、まったく答えは出ませんでした。

 このドラマを見て、何度も思い出したのは、東野圭吾さん原作の映画「手紙」でした。
 「手紙」の中で、主人公はお兄さんが殺人事件の犯人というだけで、いわれのない
 差別を受け続けます。自分は何も悪いことをしていないのに。そんな主人公に
 働いている会社の会長が諭すように言う言葉が何度も頭をよぎりました。
 「今の君は辛いだろう。何でおれが差別されなきゃいけないんだ、と思うだろう。
  でも、君が差別されるのは当然なんだ。人には防衛本能があるんだから。
  犯罪から少しでも遠ざかりたいと思ってしまうんだ。
  お兄さんはそこまで考えなきゃいけなかった。自分が罪を償えば、それでいいというわけではない。
  お兄さんが犯罪を犯すことによって、君までもがどれだけ苦しめられるか、傷つけられるか、
  そこまで考えなきゃいけないんだ。」

 それでも、このドラマでは、ふたりは一生懸命に前を向こうとしていき、そんなふたりを
 下町情緒溢れる温かい雰囲気の町が少しずつ受け入れてくれる。そんな素敵な循環が見られる
 ドラマでした。ドラマだから、フィクションだから、かもしれないけれど、でも、
 人はわかってくれる人、寄り添ってくれる人がいたら、強くなれる。
 「明日」は絶対にあるから、ここからまたやり直せる。そういうふうに前向きになれる作品でした。

 そっか。「家族」だと距離が近すぎて、かえって寄り添うことが難しいのかな。
 特に母親と娘は距離が近いから。双方に愛情を抱いているのに、その愛情をうまく伝えられない関係が
 切なくてもどかしくて、すごく現実味があった気がします。親子だから素直になれないっていうのは
 身につまされる設定でもありました。

 竜雷太さん、前田吟さん、そして、江波杏子さん、ベテラン勢の演技がこの作品に重厚感と
 説得力を与えてくれていました。主人公ふたりへのあからさまではない、これみよがしではない優しさ。
 気付くか気付かないかの距離感でそっと寄り添ってくれている人たち。
 こういうことができるのが年の功なんだろうな、と思いました。
 こういうふうにそっと寄り添える年配者になりたいな、と思いました。

信長のシェフ

2013年03月26日 23時41分09秒 | テレビ鑑賞
□信長のシェフ
□金曜夜23時テレビ朝日放送
□出演
 玉森裕太、志田未来、香椎由宇、及川光博、市川猿之助、ゴリ、
 宇梶剛士、稲垣吾郎、芦名星、カンニング竹山、星野真理、正名僕蔵

□お気に入り度 2012年度冬クール2位/4作品
□ストーリ
料理人ケンは、戦国時代にタイムスリップし、記憶を失ってしまう。間者と思われ斬り殺されそうになり、川へ飛び込んで逃げた。川を流れていた瀕死のケンを助けたのは、夏という女性の刀鍛冶。自分の過去も、現代人であることも思い出せないケンだが、料理の技法や料理に関連する記憶だけは残っており、まだ蒲焼しか調理法が無いウナギを開いて白焼きにする。京の都で評判になったケンを、織田信長は自分の料理頭に取り立て、数々の難題を申しつける。材料も調味料も無い中、ケンは創意工夫で乗り越えていく。

□感想
 「ATARU」を見て以来、すっかり玉森ファンになってしまった私は
 「こりゃ見なければ!」といそいそと見始めたドラマです。
 これがまったく期待していなかった割にとてもおもしろいドラマでした。
 時代物ではありますが、一番馴染み深い時代が舞台となっていて、理解しやすかったり
 それぞれのキャラクターがわかりやすくデフォルメされていて、頭使わずとも楽しめたり
 料理のうんちくがあちらこちらに散りばめられていて「なるほどー」と思う場面が多かったり
 とにかく期待以上に面白かったのです。ごめんよ、玉ちゃん。完全に侮ってましたよ・・・。

 役者さんも、それぞれのキャラクターも、どちらも私の中で温めていたイメージと近くて
 「そうそう!こんな感じ!!」と興奮しながら見ていました。特に織田信長!
 この織田さんは私の思い描いている織田さんとすごく近かった!
 そう!こんな感じ!悪い人ではないの!不器用なだけなの!
 こんな感じの織田さんをイメージしているから、私は織田さんのことが嫌いになれないの!!
 と興奮しながら見ていました。

 でもって、ちょいちょい意味深な登場の仕方をする明智さんを見て
 「稲垣さん、楽しそうだなぁ・・・。」と心底思いました。
 主役じゃなくて脇役でドラマに出ている稲垣さんは、いつ見てもものすごーく
 楽しそうなので、私も「うんうん。よかったね。」という気持ちになるのです。
 今回も終始楽しそうでした。

 そして!忘れてならないのがかめじろーさん!(いまや、猿之助さんなんですね。
 「かめじろー」って響きがあの風貌にぴったりだと思うのに!!)
 わたくし、どうにもこうにも歴史オンチなので、顕如さんという方を初めて知ったのですが
 初めて知ったにもかかわらず、顕如さんはかめじろーさん以外、考えられないよう!!
 と、誰かれ構わず訴えたくなるぐらいのはまり役でした。
 顕如が登場した途端、その場の空気がかめじろう色に。
 声の出し方も風貌も、独特の台詞回しも顕如の底知れない恐ろしさにぴったりでした。
 僧侶なのに。なんだ、この迫力。この恐ろしさ。と目が離せませんでした。
 すばらしいアクの強さだったなぁ。あと、なんだか妙に色っぽかったです。僧侶なのに・・・。

 どうやら視聴率もよかったみたいで、すでにスペシャルドラマが決定しているんだとか。
 よかったねー。と心からほっとしました。
 これで低視聴率男、みたいな言われ方をしなくなるね。とほろりとしました。
 ・・・なんだ、この親心。

泣くな、はらちゃん

2013年03月25日 23時46分37秒 | テレビ鑑賞
□泣くな、はらちゃん
□土曜夜21時日本テレビ放送
□出演
 長瀬智也、麻生久美子、丸山隆平、忽那汐里、薬師丸ひろ子
 奥貫薫、賀来賢人、清水優、甲本雅裕、光石研、白石加代子
□脚本:岡田恵和
□お気に入り度 1位/4作品
□ストーリ
かまぼこ工場ふなまる水産に勤務する独身女性・越前さんは、地味かつ薄幸で損してばかりの生活を送っている。そんな彼女は、自身の心の叫びを自作の漫画にぶつけることで日頃の鬱憤を紛らわしていた。主人公のはらちゃんを始め、漫画の世界の登場人物は彼女の恨み辛みを反映した暗い話をさせられることにうんざりするとともに、次第に暗く重くなりつつあるこの世界の行く末を危惧していた。
そんなある日、その漫画が描かれたノートに衝撃が加わったことで漫画の世界に影響が生じ、漫画の世界を抜け出したはらちゃんは実体化して現実の世界へ足を踏み出す。自分たちを生み出した神様(作者である越前さん)と出会ったはらちゃんは、越前さんが幸せになれば自分たちの世界が明るくなると考え、現実の世界で訴え、働きかけるうちに彼女に片思いする。

□感想
 あらすじを読み、おもしろそう!と思っていましたが、脚本家が岡田さんと知り、その思いは確信となりました。
 大好きな脚本家さんのひとりです。「ちゅらさん」も「イグアナの娘」もどれだけ楽しみに見ていたことか。
 なのに、いきなり第一話を録画し忘れました。友人たち数名から「おもしろかったよね!!」
 「長瀬君はこういう役やらせたら天下一品だよね!」とテンション高いメールが届いて
 「おーのー!!」と叫ぶとともに、やっぱり面白かったんだ・・・。私の見る目に狂いなし!と嬉しくなりました。
 ふふふん。だてにテレビっ子を続けていませんよー。っと。

 そんなこんなで第一話見逃しましたが、それ以降は楽しみに見続けました。面白かった!
 そして、とてつもなく切ない作品でした。くすくす笑いながら見ていた前半では、
 ドラマ終盤でここまで切ない思いをさせられるなんて想像だにしていませんでした。

 漫画の世界しか知らないはらちゃんが現実世界に出てきて「世界」を知っていくときの
 素直な反応がかわいくて面白くて、なおかつ、とても幸せな気持ちにさせてくれるものでした。
 長瀬君がオーバーリアクションで「美味しいです!」「嬉しいです!」「大好きです!」と
 世界を楽しむ姿を見て、この世界に溢れている素敵なものに改めて気付かされた気がします。
 嘘くさいぐらいのオーバーリアクションでもまったく「うそ臭くない」「不自然じゃない」のは
 長瀬さんの人柄なんだろうなぁ、とそれだけで幸せな気持ちになりました。
 30過ぎてこんなにもピュアなちびっこみたいな役柄が似合う長瀬さんに感嘆。

 「好き」という気持ちを知って、「両思い」を知って、「自分を好きになること」
 「一生懸命生きること」「人を好きになって切なくなること」を体験していくはらちゃん。
 シンプルな言葉で「生きること」を掴んでいくはらちゃん。

 生きていくことは楽しいことばかりだと信じて疑わないはらちゃんが終盤に来て、一転、
 世界の悲惨な現実も知っていく部分で、このドラマが決してファンタジーではないこと
 きれいごとだけではなく、「にんげん」を「この世界」をきちんと見据えているドラマだったんだと
 いうことに気付きました。第8話のラストではらちゃんたちは、戦争、震災、貧困、動物虐待、
 原発などを伝えるニュース番組を見ます。そのときの衝撃と涙とこの世界に対する恐怖、
 そしてシンプルな疑問が心に響きました。
 そして、この問いに対して静かに答える越前さんのお母さんの答えも。
 「これもこの世界ですか?」
 「そうね。悲しいけど、これもこの世界の出来事なのよ。全部。嫌な世の中よね。」
 いつもは明るいお母さんの静かな口調が心を揺さぶりました。

 世界は楽しいことだけではない。
 いやなこと、つらいこともたくさんある。
 そして、それは遠い世界の出来事ではなく、私たちのすぐ身近にも起こりうる出来事で
 私たちは「こわいこと」「つらいこと」「いやなこと」と隣りあわせで生きている、
 ということをしっかりと描いてくれていたドラマでした。
 そして、そのことを踏まえて、それでもなお「この世界は素敵だ」「生きるって楽しい」
 ということを真剣にまじめに伝えてくれているドラマでした。
 最終回ではらちゃんが切々と訴える「自分と両思いになってください。
 世界と両思いになってください。」という言葉に胸が熱くなりました。

 コメディとシリアスを行ったり来たりしながら、肩に力を入れずに大事なことを教えてくれた
 素敵なドラマだったなぁ、と思います。
 登場人物全員が愛しいドラマでもありました。

 うん。やっぱりドラマって脚本がとっても大事!と改めて思いましたが
 このドラマの長瀬さんの異常なはまり具合を見ると、脚本だけじゃないなぁ。
 役者さんも大切。すごーーーーーーく大切!と思いました。
 はらちゃんだけじゃなく、その他の登場人物も見事に役者さんの魅力とマッチしていたし。
 特に越前さんのお母さんを演じた白石加代子さん、越前さんの同僚を演じた薬師丸さん!
 素敵だった!こんなふうに年を重ねたいなぁ、と心から思いました。

【再放送】ロングバケーション

2012年10月25日 22時24分25秒 | テレビ鑑賞
■ロングバケーション
■1996年春クール フジテレビ月曜21時
■出演
木村拓哉、山口智子、竹野内豊、稲森いずみ、松たか子、りょう
豊原功補、森本レオ、広末涼子、小林すすむ

■感想 ☆☆☆☆
ひっさびさの再放送にテンションがあがって録画しました。
再放送があるとほぼ必ず見返してる気がします。それぐらい大好き。
再放送があるたびに見ているので、もう5回目か6回目の視聴です。
今回はそれでもかなり久々感が強く、懐かしいっ!!という気持ちになりました。

あれ?いつぶりに見返すんだっけ?と思い、
過去のブログ記事を探ってみたところ、どうやら前回に見たのは2008年
つまり4年前かー。と思い、そもそも、このドラマって何年前なんだっけ?
と思い、ぐーぐる大先生に尋ねたところ、なんと16年前の作品でした。

・・・じゅ、じゅうろくねんまえでしたかー。

そりゃね。
そりゃ、出演者の洋服やお化粧の感じがね、
ずいぶん、突飛な感じに映るはずだよね。
2008年に見た私は「時代を感じさせない!」と驚いていましたが
今回の私は随分と「時代」を感じました。
特に洋服とお化粧。と、出演者のテンション。
もうバブルはとっくに弾けているはずなのに
それでもみんなのテンションが高くて
まだまだ日本が元気な時代だったんだなぁ、としみじみ思いました。

けれど、今回一番時代を感じたのは、
携帯がこれっぽっちも顔を出さない恋愛ドラマだということに、でした。
連絡のやりとりが家電(いえでん)!
そっか!そうだよね!!
この頃は、まだそれが当たり前だったんだよね!
あまりに急速に、そして自然に携帯が私たちの身の回りに馴染んでしまったので
明確な線引きがよくわからないでいるけれど、
確かに1996年、当時大学1年の私は携帯を持っていませんでした。
それが今や、携帯を使わずに連絡をとりあっている姿に思わずノスタルジーを感じる始末。
それが16年の月日の流れなんだなぁ、としみじみ。

そういえば、当時、このドラマは
「30代の女性が初めて月9(恋愛ドラマ)のヒロインになる!」
とニュースになったドラマでもあるのです。
それがいまや40代の女性だって、20代の男性と恋愛を繰り広げちゃう。
その辺も「時代」なんだろうなぁ、と思いました。

そういった時代背景に、小道具に、そして出演者(と彼らのテンション)に
色々と時代を感じましたが、それでもやっぱり
大好きなドラマであることに変わりはありませんでした。
大好きな場面がたくさんあって
全然、そらで言えちゃうセリフがたくさんあって
BGMを聞くだけで、その場面が思い浮かべられて。
私はこのドラマを構成するパーツのひとつひとつが本当に大好きだったんだなあ
と改めて確信しながら、ドラマを改めてゆっくりと味わいなおしました。

34歳になった私が今回、もっとも心を揺さぶられたのは
このドラマの31歳(!!もはや年下になってる!)のヒロイン、南と
彼女の後輩であるところの桃ちゃんふたりが繰り広げた会話でした。

桃ちゃん
「先輩。私たち、流行りのオシャレな服着て、
 胸なんか寄せて上げちゃったりして、仕事して自立して、
 いわゆる大人の女ってやつやってるじゃないですか。」

「やってるやってるー。」
桃ちゃん
「でも中身は女の子のまんまなんですよね。
 ときどきぶっかぶかの靴履いてるような気がするよ。」

「ほんっとそうだよねー。
 変わり・・たい?いや変わりたくない。」
 結婚したら変わるのかなぁ。」
桃ちゃん
「子供産んだら変わるかな。」

「このまんまだったりしてね。」
桃ちゃん
「かもね。」

当時もこの場面、大好きだったけど、
今、この年で見ると、セリフの重みがまったく違う。
幸いにも(・・・いや、幸い、なのか?)私の周りの友人は
環境も外見も性格も「変わらないねぇ。」という人が
圧倒的多数を占めていて、おいてけぼり感を感じることは皆無なのですが。
会うと「あの頃」と変わらない彼女たちが
普段はちゃんと「大人」として仕事をしていて。
その姿を思い浮かべると、すごくくすぐったい気持ちになるのです。
そして、「変われずにいる」のか「変わらないことに固執している」のか
どちらが今の私なのか自分でもよくわからなくて切ない気持ちになるのです。
きっとどちらの気持ちも私の中にあって。
「変わりたい」という気持ちと
「変わりたくない」という気持ちの中をふらふらしているから
だから、今の私にとってこの場面が胸に刺さったんだろうな、と思いました。

それにしても、みんな若かったなー。
そして、木村さんはとてつもなくかっこよかったです。
たけのうちさんは今のほうがダンディで好きです。
松さんはこの頃も今もまったく変わらない。驚異的!