のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

過去の自分が分からない。

2010年01月31日 23時56分22秒 | 日常生活
何の気なしにブログの記事を「状態」別にしてソートをかけたところ
なんと書きかけの記事をいくつも発見しました。
なぜ途中でやめたのかもよくわからないまま
(おそらく、すべて時間がなくて後で続きを書こう、と
 やめたまま忘れていたと思われます。)
読み進めてみましたが、意外と楽しめました。

2006年10月に1行だけ書いて忘れられていた文章。

タイトル:お年頃?

文  章:自己満足もほどほどに。



・・・一体、何が?
何が起こって、この1行のみ書き留めたのか
それすら定かではありません。
が、おそらく、よほど反省したと思われます。自分の言動に。

しかし。
現在のワタクシに、この反省が活かされた様子がまるでありません。

1月の映画ライフ

2010年01月31日 14時07分48秒 | 映画鑑賞
映画からすっかり遠ざかっていたここ数年ですが
昨年末から、徐々に徐々に映画熱が再燃しています。
とはいえ、まだまだ映画館にはほとんど行けてません。
深夜映画を楽しむ程度。
しかし、深夜の映画放送が充実する年末年始は、
かなり充実の映画ライフでした。・・・かな?
でも、映画はやはり映画館で集中して見るほうが好きです。

1.サウス・バウンド/2007年日本
■ストーリ
 「税金など払わん、学校へなんか無理に行かなくていい」
子供の迷惑顧みず、「不正」に向かって突進する元過激派のオヤジ。
 そんな父親を迷惑な存在だと思っている子供たち。
 しかし、長男、二郎が友達のためにいじめっ子にたち向かったことが
 学校で問題になると、オヤジは「誰もが歩む人生に、たいした価値が
 あるとは思えないので、東京での生活を終わりにします」 と宣言し、
 一家は沖縄の西表島にへ移住する。
■出演
 豊川悦司、天海祐希、北川景子、田辺修斗、松本梨菜
 松山ケンイチ、平田満、吉田日出子、加藤治子

■監督・脚本:森田芳光
■原作:奥田英朗
■感想 ☆
 ・・・そうでした。私、森田監督がとてもとても苦手だったんでした。
 原作が非常に面白く、大好きだったので、思わず録画しましたが
 原作だけでは駄目なんだな・・・と思いました。
 あんなに面白かった原作がどうしてこんなことに??

2.日本以外全部沈没/2006年日本
■ストーリ
 西暦2011年。日本以外のすべての陸地が海に沈んでしまう。
 命からがら逃げおせた各国の難民たちは、狭い日本に押し寄せる。
 当然のごとく勃発する食糧難に物価の高騰、失業率の上昇といった
 危機的状況を打開すべく、日本政府は超法規的措置として
 「GAT〈外人アタック・チーム〉」を組織する。
■監督:河崎実
■原作:筒井康隆
■出演
 小橋賢治、柏原収史、松尾政寿、村野武範、藤岡藤岡弘
■感想 ☆☆☆
 小松左京の小説「日本沈没」をパロディとした「日本以外全部沈没」が
 原作だそうです。本家本元の「日本沈没」がリメイク映画化された際
 同時期に完全映画化された作品。
 ワタクシ、このタイプの映画にめっぽう弱いのです。ついつい食指が
 動くというか・・・。パロディではありますが、予想していた
 コメディ風味ではなく、ブラックユーモア風味。
 しかし、もし現実に日本以外のすべてが沈没したら、この映画のような
 展開になるのではないか、と思える内容で見ごたえがありました。
 見終わった後、ほろ苦く哀しい気持ちになります。

3.菜緒子/2008年日本
■ストーリ
 長崎県波切島。喘息の療養中に両親に連れられて船釣りに出た小学生の
 奈緒子は誤って海に落ち、助けてくれた男性が命を落とした。
 数年後、助けた男性の子供、雄介は天才ランナーに育ち、奈緒子と偶然
 再会する。彼らの複雑な事情を知った陸上部の西浦監督は、奈緒子を
 マネージャーとして迎え入れ、彼らにとって忘れられない夏が始まる。
■出演
 上野樹里、三浦春馬、笑福亭鶴瓶
■感想 ☆☆*
 上野樹里さんの演技にひきつけられた映画でした。
 本当にすごい!特にラストの彼女の表情は圧巻です。
 中盤、やや中だるみしているような印象を受けましたが、最後の
 樹里さんの表情を見て、しみじみと「いい映画だな」と思いました。

4.福耳/2003年日本
■ストーリ
 29才のフリーター、里中高志は、入院した病院の看護士に一目ぼれし
 彼女の転職先となる高齢者向けマンションで働くことになる。しかし、
 彼はそこで亡くなった老人、藤原富士郎にとり憑かれてしまう。
■出演
 宮藤官九郎、田中邦衛、高野志穂、司葉子、坂上二郎、宝田明、谷啓
■感想 ☆☆☆
 2回目の鑑賞です。1回目の感想はコチラ
 何度見ても面白いです。那衛さんとクドカンさんのコンビネーションが
 絶妙です。「年を重ねる」のも悪くないな、と素直に思える映画です。
 年を重ねても、誰かを思う気持ちや仲間を慈しむ気持ちはずっとあるし
 そういった気持ちを大切にし続けたい。そう思いました。
 役者としてのクドカンも魅力的。素敵です。

5.ガリレオ 容疑者Xの献身/2008年日本
■ストーリ
 元夫を殺してしまった花岡靖子を救いの手を差し伸べる隣人、石神。
 彼は天才数学者であり、彼の緻密な計画のもと、警察は苦戦する。
 そのため、警察はかねてから捜査に極力を仰いでいた天才物理学者
 湯川に相談を持ちかける。
■出演
 福山雅治、柴咲コウ、堤真一、松雪泰子、北村一輝、渡辺いっけい
■感想 ☆☆☆☆
 予想以上に重厚な映画で、見ごたえがありました。
 主演は福山さんというより、堤さん。それぐらい堤さんの演技に
 魅せられました。でも、やはりヒロインはどうにも苦手です。

6.サマータイムマシン・ブルース/2005年日本
■ストーリ
 ひょんなきっかけでタイムマシンに遭遇した「SF研究会」のメンバ。
 彼らはタイムマシンで前日に行き、壊れたクーラーのリモコンを取りに行く。
 しかし・・・。「昨日」と「今日」だけのタイムトラベル物語。
■出演
 瑛太、上野樹里、与座嘉秋、川岡大次郎、永野宗典、真木よう子
 佐々木蔵之介
■監督:本広克行
■感想 ☆☆☆☆☆*
 2回目の鑑賞です。初めて鑑賞した際、あまりの面白さ、脚本の緻密さ
 構成の見事さにわくわくしましたが、2回目の鑑賞でもその感想は変わらず。
 2回目なのに、感嘆しながら見ました。面白い!
 やはりドラマにしろ、映画にしろ、私のツボを左右するのは脚本だな、
 と改めて思いました。

7.ビッグ・フィッシュ/2003年アメリカ
■ストーリ
 身重の妻と暮らすジャーナリストのウィル・ブルーム。彼の父、エドワード
 ・ブルームは自らの人生を巧みに語って、聞く人を魅了するのが得意だ。
 ウィル自身も幼い頃は父の奇想天外な話が好きだったが、いつしか父の話を
 素直に聞けなくなっていた。父と息子の和解の物語。
■監督:ティム・バートン
■主演:ユアン・マクレガー
■感想 ☆☆☆☆
 ティム・バートン監督ならではの映像美と発想の面白さはこの映画でも
 変わらず。しかし、ほかの作品とは異なり、ストーリは非常にシンプル
 です。シンプルなのに、その表現力で「ありきたり」の物語では
 なくしてしまうところがこの監督のすごいところだと思うのです。
 最後はしみじみとしました。少し奇抜だけれど派手ではない、非常に
 堅実な素敵な映画でした。

8.モンスターズ・インク/2001年アメリカ
■ストーリ
 毛むくじゃらの青いモンスター、サリーと、その相棒である
 一つ目モンスターのマイクは、大企業であるモンスターズ株式会社で
 働いている。ある日、サリーは人間の女の子、ブーがこちらの世界に
 入って来る場に居合わせてしまい、サリーとマイクは、彼女をなんとか
 人間の世界に戻そうと奮闘する。
■感想 ☆☆☆*
 好き。どうもこういったアニメ映画は好みのどストライクなのです。
 サリーもマイクもブーも、みんなとてもキュート。
 途中にある「お約束」のけんかも仲直りも、すべて予定調和。
 だからこそ、の面白さにあふれた映画でした。

9.あ・うん/2000年
■原作:向田邦子
■出演
 串田和美、田中裕子、小林薫、樋口可南子、森繁久彌、池脇千鶴
 窪塚洋介、高田聖子、竹中直人
■感想 ☆☆☆☆☆
 映画ではありませんが・・・。「映画」と言ってもいいのではないか
 と思うのです。それぐらい丁寧に作られたドラマでした。
 主人公の串田さん、田中さん、小林さんの演技がすばらしいです。
 特に田中裕子さん、小林薫さんのお互いを想い合いながらも
 その感情を抑え続ける演技に匂いたつような色気を感じました。

10.プラダを着た悪魔/2003年アメリカ
■出演
 アン・ハサウェイ、メリル・ストリープ、 スタンリー・トゥッチ
■感想 ☆☆☆*
 見ていて、元気になりました。オンナノコでよかったなぁ、
 オンナノコって悪くないなぁ、と思える映画でした。
 普段、ファッションに疎い私でさえ、美しくなることは
 とても楽しいことなのだと素直に思えた作品。
 ただ、ラストにはしんみり。仕事にすべてをささげる編集長の
 孤独にやりきれない思いも抱きました。

11.天使にラブソングを/1992年アメリカ
■出演
 ウーピー・ゴールドバーグ、 マギー・スミス、ウェンディ・マッケナ
■感想 ☆☆☆☆☆
 何度見たか分からないぐらい見た映画です。
 そして、何度見ても大好きな映画です。
 見るたびに元気をもらいます。音楽の持つ力ってすごい。
 音楽によってどんどん変わっていく修道女たちがとてもキュート。 

1月の読書

2010年01月30日 23時01分41秒 | 読書歴
2010年の読書ライフは、2009年最後に読み始めた
宮部さんの作品とともに始まり、そのまま宮部さん祭りに突入しておりました。
ひたすら宮部さんの作品のみを読み返した1月前半。
宮部さんの作品はやはり好きです。ものすごく好きです。

1.パーフェクト・ブルー/宮部みゆき
■ストーリ
 高校野球界のスーパースターが全身にガソリンをかけられ、焼き殺された。
 俺、元警察犬のマサは、現在の飼い主であり、蓮見探偵事務所の調査員
 でもある加代ちゃんと共に落ちこぼれの少年、諸岡進也を探し当て、
 自宅に連れ帰る途中でその現場に遭遇したんだ。

■感想 ☆☆☆☆*
 宮部さんの長編デビュー作です。1989年の作品。
 ということは21年前の作品ですが、まったく古さを感じさせません。
 「犬の一人称」ということもあって、軽妙な語り口。
 けれど、そのテーマも事件の描写もどれも深刻で悲惨。
 結末もやや救いのない展開ですが、それでも暖かさ、やわらかさを
 失わないのが宮部さんのすごいところだと思うのです。

2.心とろかすような/宮部みゆき
■ストーリ
 パーフェクト・ブルーの続編。連作短編集。
 あの諸岡進也が、こともあろうに俺の糸ちゃんと朝帰りをやらかした!
 いつまでたっても帰らない二人が、あろうことかげっそりした表情で、
 怪しげなホテルから出てきたのである!
 お馴染み用心犬マサの目を通して描く五つの事件。

■感想 ☆☆☆*
 連作短編集ということもあって、前作より更に軽妙なタッチで
 軽く読める作品です。マサと加代ちゃん、糸ちゃんの関係も相変わらず
 暖かく、「家族」が押し付けがましく自然に描かれています。
 だからこそ、表題作「心とろかすような」の薄気味悪さ、後味の悪さは格別。

3.恋愛写真/市川たくじ
■ストーリ
 カメラマン志望の大学生、瀬川誠人(まこと)は、ひょんなきっかけで
 知り合った個性的で謎めいている同級生、里中静流(しずる)と知り合う。
 おくてだった誠人だが、彼女とは自然にうちとける。まことに思いを
 よせる静流。しかし、誠人には好きな人がいて、その思いを受け取れない。
 「恋をすると死んでしまう」という宿命を背負っていた静流は、
 それでも誠人に恋をしてしまい、そして姿を消した。

■感想 ☆☆☆☆
 あらすじだけを読むと、なんのこっちゃ・・・と思われるかもしれませんが。
 ファンタジーです。ファンタジーとして受け止め、その世界に入り込む
 ことができる人でなければ楽しめないのではないかと思います。
 入り込むことさえできれば、市川さんのこのファンタジックな世界観と
 その中で、不器用に生きる登場人物たちがいとしく思える作品です。
 恋をすると死んでしまう。その運命を受け止め、それでも人を好きになることを
 恐れないヒロインがとても魅力的です。自分の運命を知っていても
 好きにならずにはいられない人と出会えたヒロインが少し羨ましい。
 堤幸彦さんが監督を務めた映画「恋愛寫眞」の共作として
 書き下ろされた作品です。映画は確か広末涼子さん主演でした。
 映画のほうも見たいなぁ。
 
4.誰か/宮部みゆき
■ストーリ
 今多コンツェルンの広報室に勤める杉村三郎は、義父であり
 コンツェルンの会長でもある今多義親からある依頼を受けた。
 会長の専属運転手だった梶田信夫の娘たちが、亡くなった父についての本を
 書きたいらしいから、相談にのってほしいという。
 梶田は、石川町のマンション前で自転車に撥ねられて亡くなった。
 犯人はまだ捕まっていない。依頼を受けて、梶田の過去を辿りはじめた
 杉村が知った事実とは・・・。

■感想 ☆☆☆☆*
 亡くなった運転手さんの過去をたどる主人公。
 運転手さんが過去に遭遇した事件がつまびらやかにされるラスト。
 しかし、そこで安心していると、ラストのラストで、更に驚かされる。
 主人公を待ち受ける人間の闇が恐ろしい。
 宮部さんの作品は文章がとても暖かい。しかし、そこに描かれる
 登場人物全員が暖かく、優しいわけではない。理解できない人、
 共感できない人もきちんと描かれている。暖かくやわらかい文章だからこそ、
 人間のくらいところ、汚いところが、しっかりと見えるのだと思う。
 
5.名もなき毒/宮部みゆき
■ストーリ
 今多コンツェルンの広報室では、ひとりのアルバイトを雇った。
 しかし、編集経験があると自称して採用された原田いずみは、
 質の悪いトラブルメーカーだった。解雇された彼女の連絡窓口となった
 杉村三郎は、極端なまでの経歴詐称とクレーマーぶりに振り回される。
 折しも、街では連続無差別毒殺事件が多くの注目を集めていた。

■感想 ☆☆☆☆*
 宮部作品によく出てくる「理解できない人間」「共感できない人間」に
 真正面から取り組んだ作品。「名もなき毒」を持った人間の心を
 しっかりと描いていて圧倒されます。
 宮部作品はその文章のあたたかさから受けるイメージが大きいのですが
 描かれている物語も登場人物も、「穏やか」とか「やさしさ」とか
 そんな言葉だけではあらわせないところが結構、多かったんだよね、
 ということを思い出しました。

6.火車/宮部みゆき
■ストーリ
 休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の
 行方を捜すことになった。自らの意思で失踪し、徹底的に足取りを消して
 いる彰子。なぜ彼女はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?
 いったい彼女は何者なのか?
 謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき、自己破産者の凄惨な
 人生に隠されていた。

■感想 ☆☆☆☆☆*
 何度読み返したか分からない大好きな作品。
 人生で生まれて初めて、「どうか、どうか犯人を助けてあげて」と
 心から思った作品。読み返すたびに、何がどうなって、彼女がこんな道を
 歩むことになったのか、誰が悪かったのか、どこが運命の分岐点だったのか、
 いろいろと考えるのですが、何度考えても、避けられようのない
 運命というものがあるのではないか、と思えます。
 「知識」というものの大切さ、「カード社会の恐ろしさ」を
 ひしひしと感じる作品です。

7.あやし/宮部みゆき
■ストーリ
 14歳の銀次は木綿問屋の「大黒屋」に奉公にあがることになる。
 やがて店の跡取りである藤一郎に縁談が起こり、話は順調に
 まとまりそうになるのだが、なんと女中のおはるのお腹に、
 藤一郎との子供がいることが判明する。おはるは、二度と
 藤一郎に近づかないようにと店を出される。しばらくして、銀次は
 藤一郎からおはるのところへ遣いを頼まれるのだが、
 おはるがいるはずの家で銀次が見たものは・・・。
 江戸を舞台とした怪談小説。

■感想 ☆☆☆
 舞台や時代をかえても、宮部作品の真髄は変わりません。
 「怪談小説」ではありますが、そこに描かれているのは人間の闇であり
 人間の怖さです。いるかいないかわからない「おばけ」よりも
 誰もが必ず抱えている「闇」のほうが数倍恐ろしい。そう思える作品です。

8.レベル7/宮部みゆき
■ストーリ
 レベル7まで行ったら戻れない。
 謎の言葉を残して失踪した女子高生。記憶を全て失って目覚めた若い男女。
 かれらの腕に浮かび上がる「Level7」の文字。
 少女の行方を探すカウンセラーと自分たちが何者なのかを調べる二人。
 二つの追跡行はやがて交錯し、思いもかけない凶悪な殺人事件へと導かれる。
 緊迫の四日間を描く長編小説。

■感想 ☆☆☆☆*
 初めて読んだ宮部作品。一気に物語にひきつけられ、のめりこみました。
 この作品をはじめて読んだときのドキドキと、結末を早く知りたい
 とやきもきしたあの感覚は今も忘れられません。出会えて本当によかった。
 何度も読み返しているため、作品のあらすじをほとんど覚えており
 初めて読んだころのあのドキドキはもう味わえませんが
 それでも何度読み返しても、あらすじも結末を知っていても
 それでも面白いと思える作品です。
 「推理小説」という枠組みを超えて好きな作品。

9.加茂川ホルモー/万城目学
■ストーリ
 このごろ都にはやるもの。勧誘、貧乏、一目ぼれ。
 葵祭の帰り道、ふと渡されたビラ一枚に腹を空かせた新入生が
 ノコノコと誘われ、出向いた先で見たものは、世にも華麗な女(鼻)でした。
 このごろ都にはやるもの。協定、合戦、片思い。
 祇園祭の宵山に、待ち構えるは、いざ「ホルモー」。
 「ホルモン」ではない、是れ「ホルモー」。戦いのときは訪れて、
 大路小路にときの声。恋に、戦に、チョンマゲに、若者たちは闊歩して、
 魑魅魍魎は跋扈する。京都の街に巻き起こる疾風怒涛の狂乱絵巻。

■感想 ☆☆☆*
 なんでこんな作品を生み出せるのだろう、と読みながら感嘆しました。
 作者の想像力と発想力を心から尊敬した作品。
 青春小説らしく、「恋愛」と「自意識」に悩む主人公をしっかりと
 描いていますが、「青春小説」などといったカテゴリをすっかり
 忘れさせてくれます。作者の構築する作品世界にすっかり入り込んで
 しまいました。すごい、の一言。彼の想像力に圧倒されました。
 この作品、映画化されています。ぜひ、映画も見てみたいです。

10.フィッシュ・ストーリー/伊坂幸太郎
■ストーリ
 届けよ、誰かに。頼むから。
 売れないロックバンドが最後のレコーディングで叫んだ声が
 時空を越えて奇蹟を起こす。

■感想 ☆☆☆☆☆
 帯文句「届けよ、誰かに。頼むから。」という言葉にひかれて
 購入した作品。もっとも伊坂作品なので、いずれは購入していたと思うのです。
 それでも、この帯文句に期待は更に高まりました。
 その期待がまったく裏切られなかった作品。中短編4編をおさめた作品集
 ですが、やはりなんといっても表題作。
 現在、過去、未来を自由自在に行き来する場面設定。その時代時代で
 起こった出来事が徐々に徐々につながり、そして最後に大きな奇跡へと
 つながる。その過程と結末で、なんともいえない大きな幸せを味わえます。
 どこかで誰かが誰かに影響している。そんな当たり前のことに
 はっきりと気付ける作品。
 この作品だけでもいいからぜひ多くの人に読んでほしい。
 ・・・でも、ほかの作品もお勧めです。面白いです。

DAZZLING SOUNDS/真心ブラザーズ

2010年01月28日 23時43分22秒 | 音楽鑑賞
年末、ばたばたすごしていたら、
なんとiPodの充電用USBケーブルを紛失してしまいました。
・・・ええ。年末は特に関係ありません。
根がずぼらなので、しょっちゅう、
何かをどこかに落としたりなくしたり壊したりしているのです。

しかし、USBケーブルが出てこないのは非常に困る。
ワタクシの優雅な通勤ライフが・・・。
というわけで、探し出すのを諦め、新しく購入してしまいました。
ひさしぶりの通勤のお供、久しぶりの音楽ライフです。

復帰第1弾をどのアルバムにしようか迷いましたが
迷った末に、結局は真心さんへたどり着きました。
決め手は「All I want to say to you」。
無性に聴きたくなったのです。

誰かを好きになって、心弾む気持ち
誰かをいとしく思う気持ち、
大切な誰かができたことを照れくさく思う気持ち
そんな気持ちが曲からも歌詞からも伝わってくる
この曲は大好きです。

特に

All I want to say to you is I Love you
ただ一言の意味をたぐれば君がいた

というところがとにかく好きです。
この表現がいかにも真心さんだなーと思うのです。
そのほかの曲も耳なじみのよい曲ばかり。
聴いていると、心が安らぎます。あったかくなります。
あまり聴く機会のない桜井さんがボーカルを務める曲も
2曲入っていて、楽しめます。
「あれあれ、あの、あれ」なんて
桜井さんのキュートな人柄がどどーんと伝わってくる楽しい曲です。
歌声とあいまって、聴いていると、ついつい微笑んでしまいます。
かわいいなぁ。

今回、聴いて、特に心に響いたのは2曲。
「家巣、愛無 OK!」
  宇宙もいいけど 家もいいのさ
  家で満たされないやつが 宇宙へ行っても
  その場で感動だけして 家へ帰ればまた地獄

・・・思わず、ワタクシのことかと。
身につまされました。共感しました。
おのれを省みました。

そして
「Very Very Very」
  君はいい匂いで やわらかくて
  声がはずむようで 僕はいつも
  救われるような 不安になるような
  うまくいえないけど 僕は変わったんだ

   (中略)
  一瞬目があった 一瞬微笑んだ
  全部永遠ならいいな そうだといいな

思うに、ワタクシは真心さんの、
いえ、桜井さんの愛情表現がとてもすきなんだと思います。
そして、その言葉を「自分のもの」として歌う
ヨーキングさんの少しかすれた歌声がとてもとてもすきなんだ思います。

またライブに行きたくなりました。

数少ないチャンス。

2010年01月28日 00時00分19秒 | 日常生活
明日、朝礼当番の先輩が朝礼のスピーチのことで頭を抱えておりました。
約1ヵ月半に1度回ってくる朝礼当番。
その当番は朝礼の最後に短くスピーチをしなければいけないのです。
どうやらネタがまだ見つかってない模様。

「この前ののりぞうくんのスピーチがよかったよね。 
 あれ、見習いたいんだよね。
 短かったし。簡潔だったし。起承転結あったし。」

褒めれらた!
褒められましたよー!!
業務ではめったに、というか、ほとんど褒められたことのないワタクシですが
新しい部署でのスピーチは3回連続で褒められました。
なんだ、この確率。

しかし、褒められた内容をよくよく思い返すと
どれをとっても、社会人への褒め言葉とは思えないような内容ばかりです。

1回目:声が大きくてよく聞こえた
2回目:水戸黄門のお銀の話は面白かった
3回目:短くてよかった

・・・もしかすると。
いや、もしかしなくても。
朝礼へのコメントは、
業務で褒める機会のないワタクシに対する
同僚からのあたたかな心配りだと思われます。

もっとも。
「心配り」や「気遣い」や「励まし」だったとしても
褒め言葉は嬉しいので、素直に受け取ります。
素直に受け取って、
落ち込んだときに自力で浮上するためのエネルゲンとして、
大切に心の奥底へ保管するのです。

・・・どんだけ「自己完結」なんだよ、と自分でも思う今日この頃。
おかげでワタクシ、立ち直りだけはとても早いです。

八月生まれの午年です

2010年01月27日 08時14分50秒 | 日常生活
友人からお年玉をもらいました。
以前から「かわいい!かわいい!」と目をつけていた
羊のぬいぐるみの小型バージョン。携帯ストラップです。
覚えてくれてたんだ!と感激し
触り心地も素敵♪とうっとりし
心からのお礼を伝えました。

帰宅直後、すぐさま母上に自慢。
長年の経験から言って、この羊は間違いなく、母上の好みなのです。
案の定、目を細めながら
「かわいい!どしたん?」と食い付いてきました。
やろー?かわいいやろ?
さやちゃんにもらったんよー、と再度自慢。
すると、母上が驚いた表情でワタクシをみつめました。
「え!?私に!?これ、私になんやない?」


・・・イミガワカリマセン。
どこをどう解釈すると、そんな言い分が出てくるのさ?
と、首を傾げていると

「あ。そっか。あんたも八月生まれやけん、あたしと同じ羊年やったね。」

と納得した模様。

待て待てい。
その納得もワカリマセン。

確かにワタクシも母上も同じ八月生まれ。
獅子座のA型、女王様気質です。
そして、母上は羊年生まれ。
しかし、ワタクシは午年です。

・・・そもそも羊年と八月生まれに関連性がないっつーに。

「そうやったねー。勘違いしとったわ。」
あっけらかんと笑う母上。
と、おもむろに真顔になって言いました。

「じゃあ、やっぱりそれ、私の?あんた午やもんね。」



・・・違いますっ。

ずるい。

2010年01月24日 23時14分14秒 | 日常生活
しばらく続いていたぽかぽか日和がいったん影を潜め
朝、起きた瞬間に「どうやら今日は寒いぞ・・・。」と覚悟を決めた土曜日。
寒さに対する覚悟は決めたものの、
できることならば、外に出たくはないぞ。
可能な限り、外には出ませんよ!
という決意をこめて、着替えもせずに大好きなアーティストの
ライブDVDを楽しんでおりました。

・・・でも、そろそろ顔ぐらいは洗わなきゃね。
ていうか、着替えたほうがいいかもね、
昼ごはん過ぎてもパジャマ姿なんてよろしくないわよね・・・
と反省をし始めた昼ごはん時分。
反省をしたものの、女性としてのたしなみよりも、
食に対する欲望がはるかに発達しているワタクシは、
現在が昼食時であることを確認するべく携帯を取り出したのでした。

なにせ、我が家の時計はどれも等しく狂っており、
どの時計を見ても、すぐには正しい時間が分からないのです。
携帯を開くと、メール到着の表示。
おやおや、またやっちまったい。
どうして、こうもメールに気付かないのかしら?
なにゆえに、携帯の存在を忘れてしまうのかしら?
と反省をしながら、メールを開くと

「またもや、友人との約束を一日間違えてしまったよ。
 明日の約束だったのに、今、小倉。もはや笑えます。
 もし、お暇だったら、そして元気だったら、
 お相手してもらえませんか?」


・・・!!
なんですと?!今、小倉?!
え?日にちを間違えた??

笑えません。笑えませんよー。
大丈夫なのかー?

と、動揺しつつ、メール到着時刻を確認すると、今から30分前。
まだ小倉におるとかいな?と心配しつつ、すぐに電話をすると
メールの文章どおり、のほほんと笑っている友人につながりました。

「あははは。いやー。もう面白すぎるよー。
 信じられんよね。あほやん。自分の間抜け加減にびっくりするけん。」

・・・うん。
本当にびっくり。
しかも、メールの文章どおり、彼女が日にちを間違えるのは
「またもや」なのです。今回が初めてではないのです。
数年前のゴールデンウィーク。
彼女から今回と同じようにメールが届いたのでした。

「明日の約束だったのに、今日が待ち合わせかと思って
 お店に来てしまったよ。
 『予約しているはずですけど。』
 とお店の人に言ったら『明日ですよ。』と言われた・・・。」

・・・。
大丈夫なのでしょうか?
よほどお疲れなのでしょうか?
と、彼女を心配する反面、
やはり、彼女もワタクシの友人だなぁ、
としみじみと納得する自分も発見。
うんうん、やはり類は友を呼ぶんだよね。
会うべくして会った友人なんだよね。
と昔の方の格言に思いを馳せたのでした。

しかし、その数時間後。
似たもの同士として友情の絆を深めた(つもりの)ワタクシに
友人は、あっさりと「似たもの同士」を否定。

「ぜんぜん、似とらんやん。
 私、この前、先輩に『本当に君はまともだねぇ。』って
 しみじみと感心されたとよ。
 のりぞうは「まとも」って言われたこと、なかろう?」
得意げに話す友人。

・・・ずるい。
ずるいですよー!
ええ、ええ。予想通りですとも。
ワタクシは、先輩からも上司からも
「まとも」だなんて言われたことありませんよー。
感心されたこともありません。

あ、でも、そういえば。
「君は妙に図太いところがあるね。物怖じも遠慮もせんよね。」
と感心されたことはあったっけ。

・・・「自慢じゃありませんが」というレトリックが
うそ偽りなく使えるっつーに。
本当にまったくもって自慢になりません。
同じようなカテゴリで過ごしているはずなのに、この待遇の差。
いったい何が彼女とワタクシを隔てているのやら・・・。

というようなことをうだうだとまったりまったり話して楽しんだ土曜日の昼下がり。
友人のうっかりさんのおかげで、思いがけず
とってもとっても久々に彼女とのふたりデートを楽しみました。
のーんびり、ぐるぐると小倉の町を散策。

あぁ。至福の休日。

会社に行く理由

2010年01月16日 00時42分35秒 | 日常生活
退社直前、打ち合わせにでかけていた部長が戻ってきました。
できれば部長が戻ってくる前に、こっそり帰ってしまいたいと
もくろんでいたワタクシですが、部長が持っているナニカを発見した瞬間
もう少しこの場にとどまろうと決意いたしました。

案の定、ナニカを持ってワタクシたちのところへやってくる部長。
部長が手に持っているソレは一体、なんですか?!
と、わくわくしながら待ち受けているワタクシに
持っていた紙袋を渡してくださいました。

紙袋の中には東京土産のお菓子が!
やったー!やったー!!わーい!
と、大喜びするワタクシ。
なにせ、お久しぶりの「お土産」なのです。
総務にいた頃は、会社の玄関口だけあって、
お客様からのお土産がしょっちゅう回ってきていたのです。
年末なんて、本当に大喜びのお土産三昧だったのです。
そんな天国のような日々とも部署異動と共にお別れを告げたワタクシが
実に半年振りに遭遇するお客様からのお土産です。

そりゃ、テンションもあがるっちゅーに!

というわけで、大喜びをしながら、
当然のようにワタクシがお菓子を預かり、
ものすごくナチュラルに、お菓子をワタクシの机の中へ
なおしこんで退社しました。
「これは月曜日のおやつですからね。」
とえらそうに宣言までしてきました。

その姿をニコニコしながら見守っていた先輩。
まるで父親のような包容力を醸し出しながら、穏やかにおっしゃいました。
「よかったねぇ。これで月曜日は会社に絶対、来るね。
 お菓子が待っとうもんね。」




・・・お菓子につられて出社する会社員。
あながち外れていないところが先輩のすごいところです。

拝啓 妹殿

2010年01月14日 23時16分53秒 | 日常生活
拝啓 妹殿
 俳優 北村有起哉さんの父上は、風間杜夫さんではありません。
 彼のお父上は北村和夫さんです。
 北村和夫さんは、「ちゅらさん」に出てた
 島田さん(東京の下宿先のご老人)ね。

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年末、のりぞう家女性陣が楽しみに見ていたドラマ「マイガール」。
我が家では不慮の事故が起きてしまい、最終回のみ録画に失敗しました。
ワタクシ以上にショックを受けた母上は、
同じくドラマを楽しみに見ていた妹にすぐさま連絡。
妹が録画に成功していることを確認し、
先日、妹の家におしかけて、ようやく最終回を見ることがかなったのでした。

その母上が帰宅すると同時に、
いそいそと最近の口癖で話しかけてきました。
「知っとったー?」

最近の母上の口癖です。
同じぐらい気に入っている口癖が「言ったっけー?」
どうも、自分の記憶力に自信がないお年頃らしく
常に確認口調で会話を始めます。

で、何を?
情報を出し惜しみせずに、さっさと話してくださいな。

「マイガールに出ていた主人公の上司役の人。」

あぁ、北村さん?かっこいいよね。あの人、好き。

「あの人のお父さん、風間杜夫らしいよ!
 似てないよねぇ!びっくりした。
 風間杜夫って、あんなおっきい子供がおったんやねぇ。」

・・・いやいやいや。
それ、情報まちがってない?
だって、北村さん40前後だよ?
風間さんていくつ?確か50半ばじゃなあい?
年齢的に、風間さんの息子じゃないんじゃないの?
それにワタクシ、
北村さんの父上は北村和夫さんだって
どこかで聞いたことがある気がするよ?
・・・いや、ワタクシの記憶力もたいがいあてにはならないんだけれども。
でも。
風間さんではなかったような。
そんな気がするような。

「うそー?だって、私ものぶくんも(妹君の夫君)
 『似てないねぇ・・・』って驚いとったのに
 あの子は、『そう?私は分かる気がするよ。面影あるやん』
 て言いよったよ!」

・・・はて?面影?
赤の他人のどこに面影を?
いや、血がつながってなくても似ていることはままあるけれども。
北村さんと風間さんはまったく似てないやい!
その「面影」はいずこから?

と、母上と共に大笑いをしましたが。
自分の記憶力に1ミリたりとも自信がないワタクシは
先ほど、WEBにて、再確認いたしました。

というわけで。
妹よ。北村有起哉さんの父上は、風間杜夫さんではありません。
北村さんの父上は、北村和夫さんですよ。妹よ。
今度、どこに面影を感じたのか、ぜひ教えてくださいまし。

風と風邪と大雪

2010年01月13日 23時41分56秒 | 日常生活
今朝の通勤時は、大雪による交通機関の乱れで、
約一時間の遅刻。
しかし、しっかりと雪が積もっているのに、バスは遅れつつも、なんとか会社にたどりつけたのでした。
天気など関係なく働く社会に(みなさまに)尊敬したり、がっかりしたり。

そういえば、新聞も五時には届いてました。
本当に本当にお疲れ様です。

そんなこんなで、ようやくの思いで会社にたどりついたものの、
根性とまったくご縁がないワタクシは、
あっけなく風邪をひいてしまいました。

昼休みあたりから、頭痛がひどくなり、昼休み明けには体が重くなり、次第にお腹も気持ち悪くなる始末。
健康管理室で体温を計ったところ、見事に熱が上がっており
コンサルタントさんから
「しょっちゅう、風邪をひいとるよね。」
と呆れられました。

・・・そうなんです。
見掛けによらず、意外と体が弱いのです。
ある意味、見掛け通り。根性なしなのです。


そして、その根性なしキャラが定着しつつあるワタクシ。
もし、明日、休みを取ったら、
単なる「冬眠」と思われること、まちがいなしだと思うのです。


・・・オオカミ少年の気持ちがよく分かる気がします。