のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

春は出逢いの季節です。

2005年04月30日 01時32分54秒 | 日常生活
最近、帰りが遅いとタクシーを使うようになりました。
以前はどんなに遅くてもてくてく歩いて帰ってものですが。
社会人生活も五年目。
のりぞうも大人になったものだ。。。。
と、ひとりで感慨深さをかみしめるのりぞう。

種明かしをすると、これ見よがしに
遅くまで残業しているのりぞうを気遣って
部長がタクシー券をくださるのです。

うーん。甘やかされてます。

まあ、そんなわけで、最近は週に一度ほどタクシィです。
気分はかっこいい大人の女性。
乗るだけでちょうご機嫌な気分になれます。

先日も、タクシーにるんたるんたご機嫌で乗車。
すると

「お客さんのおうちはあそこでしょ?」

行き先を告げてもないのに当てられました。

す、すげぇ。。。
最近はこんなサービスまでやってんの?!
ていうか、なんで分かると?

ぷちパニック。
「できる女性」の仮面があっという間に剥がれ落ちます。

「お客さん、先週も乗ったでしょうが。
 覚えてなかと?おかしかねぇ。
 次に出会えたときは携帯電話の番号を
 交換しましょうねぇ、
 って言って別れたやなかとですか!
 おいさんは覚えとうよー。」

いや、タクシーの運ちゃんと
そんな約束を交わした覚えはまったくありませぬ。
ていうか、そんな甘ったるいお約束
今までの人生でどなたとも交わしたことありませぬ。

・・・・淋しくなんかないやい!

でも、よくよく話を伺っていると
確かにこのおいさんに見覚えが。
そういえば、先週の今頃、出会ったような。。。。

一人暮らしののりぞうに
心底同情してくださった親切なおじ様です。
うわぁ。あのおじ様ですか?
奇遇ですねぇ!
まさかまたおじ様のタクシーに乗れるとは!

と、思い出したところで我が家に到着。

「おいくらですかー?」
「まだ、おいちゃん、電話番号聞いてないよ?」

えっと。それはもういいです。

「いやいや、おいさんも
 たまたま今独り者なんよ。
 奇遇やねぇ。
 やけん、正々堂々と電話番号の交換できると。」

いや、だからそれはもういいですってば!

「独りもんどうし、いいご縁やと思うんやけどねぇ。」

まさかタクシーのなかで
こんなにいいご縁を拾うなんて思いもしませんでした。
出逢いはどこに転がってるか分かりませんね。

・・・・・拾ってませんよ?

トニー滝谷

2005年04月29日 12時01分34秒 | 映画鑑賞
■ストーリ
美大を卒業後、イラストレーターとして独立した
トニー滝谷(尾形)は、出版社に勤める英子(宮沢)と
結婚する。しかし英子はほどなくして交通事故で
死んでしまう。あとに残されたのは、英子が買った
大量の洋服。そしてある日、トニーの前に英子と
体型がそっくりな久子(宮沢)が現れる。
トニーは久子に、彼の助手として働く間、
制服代わりに英子の服を着てくれと頼む。 

■感想 : ☆☆☆☆☆
痛い哀しい。
そんな感情に刺激され続けた1時間半。

自分が孤独だということにも気付かないまま
少年時代をすごし、大人になったトニー。
初めて人を愛し、二人で過ごす時間をもつことで、
ようやく自分が孤独だったことに気付く。
孤独の意味を知り、再び孤独に戻ることを恐れるトニー。
愛する人と過ごす穏やかな幸せと
幸せは決して永遠ではない、ということに
気付いているからこその不安。

そして、ある日、本当に訪れた
愛する人との別れ。

お葬式を終え、骨壷を持って帰り、入浴後
一息ついたところで急激に彼を襲う孤独。
背中しか移さないのに彼の孤独が
私の胸を締め付けた。

また、そんな彼に愛され、恋人を捨てて
トニーと生きることを選ぶヒロイン英子。
彼女もまた心の中に孤独を抱え込んでいる。

「自分の中の空っぽを埋めるために
 洋服を買うんです。」

彼女が持っている虚無感の原因は
映画内では語られない。触れられない。
洋服を買うために街を歩き回る彼女の歩調は
余裕がなく、洋服を選ぶ彼女の表情は険しい。
そこには「虚無」だけではない
何かに追われているような切羽詰まった感情が
あるように思えてならない。

トニーの前で穏やかな表情を見せる英子。
お茶目な表情で車を洗う英子。
車の中で今返してきた洋服を後悔する英子。
洋服なんて本当はそんなにいらないのに、と
自問する英子。

彼女の孤独は、トニーと違い
愛する人と過ごすだけでは
埋められないほど大きかったのだろう。

全編を通して流れるピアノの音。
そして穏やかな西島さんの語り。
彼の語りはこの映画の世界観によく合っていて
第二の主役、と言ってよいだろう。

ラストは唐突に訪れる。
だが、映画の余韻はいつまでも続く。
唐突なラストを振り返ると
「明日」や「未来」への希望が
確かに伝わってくる。

阿修羅城の瞳

2005年04月29日 11時38分09秒 | 映画鑑賞
■ストーリ
時は文化文政。人の姿を借りた魔物が潜む江戸の町。
かつて「鬼殺し」と怖れられた腕利きの病葉出門(市川)は、
現在では一切を捨て舞台役者として活躍していた。
ある日出門は、ふとした偶然から盗賊団≪闇のつばき≫の
つばき(宮沢)に出会い、二人はたちまち恋に落ちる。
その頃、鬼を率いる尼僧姿の鬼女、美惨(樋口)は、
伝説の鬼の王・阿修羅の復活を確信する…。

■感想 : ☆☆☆
宮沢りえさん演じる椿が美しすぎる。思わずため息。
そして、市川さん演じる出雲さんが色っぽすぎる。
舞台がかった台詞回しも役者らしい三枚目のお茶らけた
言い回しもすべて自分のものにしている。
全体的にふたりとも見せ所、決め所を
きちんと理解して演じている。

劇団新感線の舞台を映画化にしたというこの作品。
どうやってこの映画を舞台でやっていたんだろう?
ぜひオリジナルを舞台で見てみたい。
ただ、そのときもぜひ主役二人は
市川さんと宮沢さんで。
そのくらいお似合いの二人でした。

出雲が椿に惹かれていく感情、
ちゃらちゃらした口調でその感情を表現しつつも
どんどん愛情が大きくなっていく様子が
ふとした表情に出ていて、本当に切ない気持ちになった。

恋をすると鬼になっていく女性。
鬼になっても「恨み」という感情を捨てきれずに
愛した男性を待つ鬼。
鬼であろうと人間であろうと愛憎は同じ。
憎しみも愛情も紙一重、なのだ。

前半は徐々に引かれていく二人の恋愛感情が
美しく切なく表現されていて引き込まれたが
椿が阿修羅になってからは失速。
クライマックスシーンも美しかったが
盛り上がりには欠け、結末にもなんとなく納得がいかない。
舞台もこういう終わり方だったのだろうか。。。


真夜中の弥次さん喜多さん

2005年04月29日 11時04分47秒 | 映画鑑賞
■ストーリ
ワイルドで男らしい商家の若旦那、弥次さん(長瀬智也)と
ヤク中の役者、喜多さん(中村七之助)は深く愛し合っている。
喜多さんのヤク中を治そうと、ある日、ふたりは
「何でも願いが叶う」というお伊勢様を目指して旅に出る。

■感想 : ☆☆☆
これでもか、というくらいのクドカンワールド。
馬鹿馬鹿しさや意味のないこだわり、
無駄に豪華な競演陣(でもマニアック)を
追求する姿勢についつい惹かれてしまう。
そういったクドカンの作品「らしさ」が
この映画では結集されている。

至るところにコネタ満載。
馬鹿馬鹿しさを追求し、時代劇の中でいかに時代劇を壊すか、
「リヤル」から離れていくか、にパワーを注ぎ込み
観客のことなんてうっちゃっている姿勢。
ついてこれる奴だけ、ついてこい!という潔い姿勢は
いっそ清清しいし、クドカンファンは彼のそういった
「自分が作って楽しいものを作る」ところが好きなんだろう。
彼が楽しんで楽しんで織り込んでいるコネタを
見つけていく楽しさは共犯意識に似ていて、
そういった「仲間意識」もクドカン作品の醍醐味のひとつだ。

だが、クドカンの作品は決して「馬鹿馬鹿しさ」だけで
終わらない。一筋縄ではいかない。
中盤、「リヤル」を求めて旅立ったはずのふたりは
「リヤル」を突きつけられ、実は始めからこの旅の目的が
「リヤル」から逃げることだったと自覚する。

この時点で、モノクロ映像とカラーの意味がようやく理解できる。
極彩色で彩られた世界は嘘っぽさ、ぺらぺらさを表し
私たちも今まで楽しんでいた作品が「ありえないこと」であり
現実世界は楽しくも美しくもないことを突きつけられる。

原作がしりあがり寿であり、私は彼の作品のディープさが
どうにも苦手なので、結末にも話の展開にも
うーん・・・・。というところが多々あった。
クドカンさんのオリジナル脚本のほうが私は好きだ。

だが、しりあがりさんとクドカンさんの世界が融合して
できあがったこの作品は、話のぐだぐだ感といい
支離滅裂さと言い、彼ららしくてほほえましい。
伝えたいメッセージをオブラートに包み込んで
決して声高に立派なことを言わない恥ずかしがり屋さんな
ところなんてそっくりだな、と思うのである。

「何でも願いがかなう」お伊勢様に二人はたどり着かない。
そんなところ、どこにもないのだから。
馬鹿馬鹿しいコメディなのに
見終わった後、そういう気分にさせられる。

けれど、ふたりは旅を続ける。

「幻」を「幻」と思い込ませるためには
ありったけのパワーが必要。
それだけのパワーを使って二人は再び旅を楽しみ始める。

私たちも現実世界が思うようにいかないところだと知っている。
それでも、「美しいところ」だと信じて
「願いはかなう」ときがあると信じて
精一杯に生きていくことが幸せに生きるコツなのだろう。

■追記
 一番の驚きはこの映画を「文化庁」が支援してたこと。
 いいのか?!こんな映画を支援して?
 どなたにでもお勧めできる作品ではありません。

どちらも成長

2005年04月28日 01時04分32秒 | 日常生活
本日まで1.5日間、昨年度新人さんの成果報告会でした。

ひとり10分ずつの発表。新人は23名です。
・・・入社した人数は27名なんですけどね。

色々と複雑な思いも去来しつつ、
それでも久しぶりに旧新人さんと触れ合うことができ
朝から幸せ気分です。

東京、名古屋、千葉など各地に散らばっているため
本当に久しぶりに顔をお見かけする人もいますし
社内にいても、フロアが違うだけで
どうしてこんなに会えないんだろう、という方もいます。

まあ、研修時代のように毎日会えるなんてこと
絶対にありえませんから仕方がありません。

ところでこの成果報告会は、
新人に久しぶりに会える素敵なイベントですが
のりぞうにとっては「試練」のイベントでもあります。
なにせ、新人たちの発表をただ聞くだけ。
しかも発表内容は一年間の成果報告ですから
各部署の業務に特化した内容も多く
のりぞうにはちんぷんかんぷんなことも
多く含まれているわけです。

かといって、担当者があくびをしながら
興味なさそうに見るわけにもいきません。

というわけで、昨年までは
一生懸命、少ない精神力を寄せ集めて
このイベントに備えてました。
なんならこの忙しい時期に、
ほんの少しだけ早く帰宅させてもらい
明日に備えて早く眠る、などといった
努力もしていたわけです。

ところが、今年はそんな努力もできず。
あまつさえ、前日、高校の先生から久しぶりに
お声がかかり、嬉しさの余り、思わず飲みに行くなどという
後先考えない荒業に挑んでました。

もはやこれまでか、と観念して
出席した成果報告会。
いつ眠気に襲われるかとびくびくしていました。

ところが。



ねむくなーい!
ちっとも眠くなーい!




それどころか、感動のあまり、
目頭が常にじーんと熱くなりっぱなしの1.5日間。
若干二名ほど、本当に泣いちゃいました。

なんでしょう?どうしたのでしょう?
年を重ねて、放出される母性本能が
多くなってきているのでしょうか?
新人たちの成長振りに心底感動してしまいました。

いやね。冷静に考えるとですね。
新人たちのこの発表。上司レビューを受けてますから
おそらく見栄も手伝って、建前の部分も多いと思います。
それでも、こんな立派な建前を
口にできるようになったのね。。。と思ってしまうのです。

本当に久々にお仕事で喜びを感じた二日間でした。


・・・ていうか、
ちっとも眠くならなかったのりぞうも褒めて!
成長の証です。

・・・出発地点がかなりお粗末すぎますが。

秘訣なんてありません。

2005年04月23日 00時20分54秒 | 日常生活
新人さんの飲み会に出席しました。
総勢60名の飲み会。大迫力です。
テーブルも10はありそうな勢い。

いやぁ。みんな楽しそうですなぁ。
と感嘆しながら、こっそりと端っこの席に参列。

のはずが
「わあ、のりぞうさん到着ですよー!」
「まあまあ、まずは一杯。」
「ビール入ってますかー?」
新人さんたちが次々に気を使ってくれます。

あぁ。。。
こんな扱いを受けるようになったのね、とほろり。
嬉しいようなせつないような複雑な気分です。

酔いが回ってきた頃
他のテーブルの新人さんが呼びに来ました。
「のりぞうさん、色んなテーブル回ってくださいよ。
 色んな方々とお話してくださいよー。」

・・・・はい。回らせていただきます。

たどりついた席では
新人さんたちが待ち受けていました。

「のりぞうさん。
 いい加減、一日一ボケに抑えましょうよ。」
もう慣れっこになりつつある新人たちの駄目だしです。
ふん。何を言われようともどんとこい!さ。
人間は成長する生き物なんです。

成長の方向が間違っている気がしないでもないですが。

するとのりぞうの隣でにこにこ笑いながら
会話を聞いていた女性が
感心したようにため息をつきました。
「のりぞうさんは
 なんでそんなに失敗しても
 平気ですか?
 恥ずかしくないですか?」

この子、中国出身の方で笑顔がちょうらぶりい。
のりぞうのひそかなお気に入りです。
笑顔に性格の良さがにじみ出てるんです。

そんな穏やかにこやからぶりぃさんからの
きつーい突っ込みにその場の空気が
凍りつきました。

「??」
不思議そうならぶりぃさん。
周囲の新人が慌ててとりなしました。
「らぶりぃさん。そりゃちょっと言いすぎだよ」

慌てるらぶりぃさん。
「違う、違う。今の誉め言葉。
 私だったら失敗の連続、絶対に落ち込みます。
 でものりぞうさん、何も考えてなさそう。
 いつも笑顔です。すごいです。」

・・・・・ありがとう。
なんだか分かりませんが、誉めていただいているようです。

落ち込まない秘訣なんて
のりぞうが知りたいくらい。
自慢じゃありませんが、のりぞうはネクラです。
ただ、のりぞうが唯一誇れること。
それは
 「忘れるのが得意」


・・・・だから失敗も多いのか。。。。

ちっちゃい人間です。

2005年04月21日 02時20分44秒 | 日常生活
最近、先輩からいじめられっぱなしののりぞうです。
気のせいなんかじゃありません。
ちゃんと課長のお墨付き。

「指導というより、いじめだよなぁ。これは。」

のりぞうと同じくらいのほほんとしている
課長でさえ、そう感じるのであれば
胸を張って「いじめられっこ」を名乗れます。

きゃ。すてき。

というわけで、今日も耐えかねて
課長と先輩に愚痴って・・
もとい相談させていただきました。

おふたりとも親身になって聞いてくれて
ちょうすっきり☆
さ、お仕事がんばるぞ!と
前向きな気持ちになったのりぞう。

そんなのりぞうを見ながら
課長が諭すようにおっしゃいました。

「まあまあ、のりぞうさんが気にしすぎないことですって。
 気を大きく持ってどーんと構えなさい。」

あぁ、なんだかとても上司チック。

「・・・ま、のりぞうさんの胸じゃちっちゃすぎて
 受け止められないかもしれませんが。」




・・・・かちょー?
今の今まで、のりぞうは感動してたんですけど。
胸のちっちゃさまで課長のお墨付きです。

モチベーションアップ

2005年04月19日 01時48分20秒 | 日常生活
新人相手にきりきりまいしていたら
先輩が飲みに誘ってくれました。
というわけで22時から合流。

到着したら、ほとんどの方が出来上がってました。

女性がのりぞうひとりだったこともあって
皆さんがちやほやしてくれます。

うーん。気分がいいっ!

お客様A「のりぞうさん、ほら、あの人に似てる!」
のり「どなたですか?人間ですか?」
お客様A「まつしまななこ」
のり「本当ですか!嬉しいです!」

誉め言葉は素直に受け取ります。
たまにしか誉められないので。

お客様A「やべ。信じてるよ。
     ていうか、お世辞だと疑ってもないよ」

・・・・なんですと?!

店長「のりぞうさんは、まつしまななこじゃないよ。
   ほら、てづかさとみににてない?」
のりぞう「え?嬉しいです。色っぽいですよね」

大人の魅力もついに開花?!
自分のことながらどきどきしてしまいました。

お客様B「のりぞうさん、こっち向いて」
のり「はい?なんでしょう?」
お客様B「・・・・・違うな。」

・・・・・えっと。
みなさん、酔っ払いのたわごとです。
真剣に受け止めたり批評したりしなくていいです。
気持ちよく酔わせてください。。。。

スパイク/松尾由美

2005年04月19日 01時25分10秒 | 読書歴
デビュー時から一貫して「女性の自立」を
ミステリーとファンタジーを絡めつつ
論じてきた松尾由美には珍しく、
本作品は「恋物語」である。

それも「切なさ全開」の恋物語。

詳細を話すと、どうしてもネタバレになってしまうため
詳しくはいえないが、おとぎの国の住民といわれてきた
のりぞうにとっては「理想」の恋だった。

「恋愛」って生身の人間が織り成すため
どうしてもどろどろしたものになってしまう。
そのどろどろしたものがどうしても苦手で
ついつい避けてしまうけれど、本来、その感情自体は
かわいらしいもののはず。

そういった恋愛感情の「かわいらしさ」には
共感できた。もっとも、松尾由美らしく
シニカルな視点も織り込まれているのだが。

シニカルといえば、本書で大活躍する
主人公の飼い犬「スパイク」の
もうひとつの意味からしてシニカルである。