のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

掘り出し物の由来

2005年10月30日 00時28分45秒 | 日常生活
木曜日は教会のバザーです。

というわけで、バザーの準備を手伝ってきました。
会場レイアウトからフリマ商品の棚卸、
値段付けなどしていたらあっというまに一日が終わります。

それにしてもフリマ商品のピンキリときたら!
明らかにホンモノの「ご家庭の不用品」から
「私にとっては」必要ないからね、という
善意の掘り出し物まで
多岐にわたって並べられています。

のりぞうも目を光らせながらほしいものをチェックしつつ
あくまでも丁寧に商品を並べるお手伝い。
ほしいかも、と思ったものは
売れ残るように願いながらそっと奥へ。

・・・なるほど。
「掘り出し物」という言葉の由来がなんとなく体感できました。
人間とは本当に欲張りな生き物でございます。

一日めいっぱいがんばったら
フリマ商品の中から報酬をいただけました。

ティッシュ1パック(6袋入り)!
わーい!






ガラスケース入り五月人形じゃなくてよかったぁ。。。

前世占い

2005年10月29日 20時41分39秒 | 日常生活
風邪は治りかけですが、用心のため
家でじっとひとり遊び。
週末に誰とも会わないなんて本当に久しぶり。
自称引きこもりですが、日曜日は教会に行ってるので
誰とも会わない、という日は少ないのです。

今日のひとり遊びアイテムは妹に買ってきてもらった雑誌とこの占い。

前世占い

のりぞうは「歌舞伎役者」でした。
うわぁ。かぶき者ですよ。うふふ。
久々に占いの結果で楽しませていただきました。

人物像は、ふんふんって感じで読んだのですが
面白かったのは恋愛のタイプ。
いや、片腹痛いわ。
普段、のりぞうの恋愛能力に疑問を抱いている
同期に見せ付けてあげたい・・・。
「ほらほら、こんなに情熱的らしいよ!」って。

いや、こういう結果を面白がってるところが
駄目なんですけどね。

結果は↓こんなんでした。

-----------------------------------------------------------
■人物像(要旨)
 理想の自分を演じている(つもりの)ため、表面上で
 本当の自分を覆って明るく装い、本当に信用できるのか、
 自分に合うのかとシビアな目で人を試しているところが
 あるのかも。また、意外と繊細でロマンチスト。
 自分の世界観を大事にしているので、あなたにとって
 大切なその世界を理解しないような野暮な人のことは、
 心のどこかで軽蔑しているはず。
-----------------------------------------------------------

くす。のりぞうの底意地の悪さはきちんと見抜けてますね。
はい。心の中でいろんな線引きを確実にしております。
でもでも!「繊細でロマンチスト」!
繊細でロマンチストってあーた!久々に聞いたわ、こんな人物描写。
少女漫画の王子様みたい・・・。


-----------------------------------------------------------
◆人間関係(要旨)
 人に対して壁は作っていても、それを見せないようにして
 割り切ってつき合えるタイプなので、人づき合いはそれなりに
 うまくやっていけるはず。
-----------------------------------------------------------

目指す理想は間違いなくそこですけど。
そのためにがんばって猫を数匹被ってますけど。
でも、現実はそんなに甘くないんです。
「それなりに」うまくやっていけてるのか甚だ疑問。

・・・・そもそも目指す理想が間違ってるという正論は受け付けません。


-----------------------------------------------------------
●恋愛傾向(要旨)
頭の中にはいつも大恋愛という舞台があり、恋愛中でなくても
 恋愛のことでいっぱい。恋愛にかなりのめり込むタイプ。
 ただ、自己防衛本能が強いので、三角関係や大ゲンカのような
 ドロドロの愛憎劇は苦手。修羅場になる前にサッと身を引いて
 しまいがち。
-----------------------------------------------------------

すげー。ちょっとあっぱれなくらい「女」じゃありませんこと?!
自分で自分を褒めてあげたい!(いや、占いを褒めてあげるべき?)
頭の中に大恋愛を飼う女。・・・・すてき。
いや、一度はこんな恋愛体質の女になってみたいもんです。

・・・・いや、待てよ。
恋愛中でなくても恋愛のことでいっぱい?
それってただの「妄想女」では?!

まあ、否定はいたしません。


-----------------------------------------------------------
●こんな人に惹かれがち(要旨)
 ナイーブで傷つきやすいあなたは、会話ひとつにも細かい
 心配りができたり、自分の世界観を理解してくれる人に
 心が揺れます。無神経でガサツな人やお調子者は×。
-----------------------------------------------------------

ちょっと待て!
会話ひとつにも細かい心配りができたり
自分の世界観を理解してくれる人に心が揺れない人なんているの?!

「あたし、あの人だめー!
 だってさ、会話に気配りしすぎじゃない?」
とか
「あの人ってさ、私の世界観理解しすぎ。
 超うざーい!」
なんていう人がいたらお目にかかりたいわ!

「あのがさつなところがすてき☆」
なんてうっとりしている婦女子にも出会ったことありませんけどね。
ま、がさつさなんて惚れちまえば「男らしさ」として
受け入れられちゃうものね。うふ。


午後のひととき、思いっきり楽しみました。

ひとり遊びアイテム(もしくはお風呂グッズ)

2005年10月29日 19時01分36秒 | 日常生活
寝込んでから約一週間、外出してません。
外出できてません。
風邪は治りかけですが、さすがにまだ外に出るのは怖い。

というわけで本日はひとり遊び。
ひとり遊びアイテムもちゃんと妹に買ってきてもらっています。
テレビとパソコンとCDだけで十分という気がしないでもないのですが、
週末に多いバラエティ番組は苦手ですし、
パソコンと一日向き合ってるのも疲れますし。

という状況を見越して、妹に
購読している雑誌の最新号を買って来てもらってたのです。
ふふふ。ワタクシってば、あったまいいー♪
これにあったかい飲み物と音楽があれば準備おっけい。

購読している雑誌たちは、実はお風呂グッズです。
お風呂で本を読んでいるといい具合に汗をかけて気持ちいいのです。
しかし、気持ちよすぎて寝てしまうのが欠点。
文庫本を2冊ほど落っことしてしまいました。。。。
というわけで、雑誌に切り替え。
雑誌だと自分が普段読まないジャンルの小説も掲載されていて、
新規開拓もできます。まさに一石二鳥。

最近買っている雑誌は以下6誌。
基本は上から4誌です。
早々と読み終えると他の雑誌も買い漁ります。

■OGGI
 驚きのファッション誌。
 実はファッション誌も読むのは好きなのです。
 値段を見てはこんなに高い服があるのね!と
 驚ける楽しい雑誌です。

 ・・・間違った使い方をしている自覚あり。
 純粋に綺麗なお姉さんを見るのは楽しいし
 私もがんばらねば!という気分にさせてくれます。

■REAL SIMPLE JAPAN
 おっされーな暮らしのヒントがたくさん掲載
 されている雑誌です。今月創刊。
 記事のレイアウトもこじゃれていて素敵です。
 ひとつひとつの記事が見開き1ページで完結されていて
 読みやすいのです。こんな暮らし方したいな、と
 うっとりしながら読みました。
 
■野生時代
 昨年から買い始めました。購入したきっかけは
 V6岡田君の表紙写真なんですけどね。
 執筆陣が私の好きな方ばかりで
 外れがほとんどないのが嬉しいのです。

■papyrus(パピルス)
 創刊したばかりの雑誌。まだ創刊2号です。
 2号を探し出すことができず、ようやく手に
 入れました。エンターテイメント色強いものの
 読みやすく、巻頭インタビューはかなりの読み応え。
 インタビューの受け答えにもその人の人柄が出るので、
 読むのは大好きです。創刊号は中山美穂さん、
 2号は中田英寿さんでした。
 まだ創刊したばかりだからかもしれませんが
 執筆陣はとても豪華です。

■レタスクラブ
 以前も書いたようにレシピを読んだり眺めたり
 するのは大好きです。・・・実践すればいいのに。。

■サンキュ
 奥様節約術も読むのが大好きです。
 小さい頃から図書館に通うたびに母親がこういった
 雑誌を借りていたのが濃厚に影響しています。
 あと住宅雑誌も大好き。こじゃれた住宅雑誌ではなく
 「団地でいかに快適に暮らすか」とか
 「効果的な押入れ活用法」とか
 ちょっぴり生活臭漂う特集が組まれているような雑誌が
 特にすきなのです。

菊花の香り~世界で一番愛された人~

2005年10月29日 16時54分17秒 | 映画鑑賞
■ストーリ
 大学時代、同じ電車に乗り合わせたビジェに惹かれたイナ。
 サークルの先輩でもある彼女にふられても、7年間
 彼女を思い続けたイナ。ようやく気持ちを受け入れてもらえ
 結婚したふたり。ところが、ビジェの体は癌に犯され・・・。

■感想 ☆☆
 主人公二人組はとても魅力的。
 ふたりの魅力がきちんと描かれていて、ふたりの新婚生活は
 見ているこちらも幸せな気分にさせてくれます。

 ただ、映画の登場人物になりきって見る性癖のあるワタクシ。
 今回は図々しくもヒロインに感情移入していたのですが
 (まあ、たいてい、主人公周辺の刀のですが)
 どうしても7年も思い続け、ラジオで彼女への想いを
 告白し続けるイナに拒否反応を示してしまいました。

 ひねくれもののワタクシは、そこでうっとりできずに
 こわい。。と思ってしまうのです。
 とことん恋愛体質ではありません。
 素直に映画の世界に入り込めれば、とても感動できる
 作品なんだろうなとは思います。
 こういう作品を素直に楽しめる乙女になりたいです。

半分は同じなのに

2005年10月28日 16時01分56秒 | 日常生活
体調を崩しているのりぞうを救うために
妹かぼちゃんがまたもや遊びに来てくれました。

・・ていうか、もとから友人と遊ぶ約束をしていて
とまらせて、と頼まれていた日なんですけどね。
でも、のりぞうの風邪を気遣って
遊びに出かける直前まで、部屋を掃除したり
洗濯してくれたりしてました。

そんな働き者の妹と世間話をしていたら
名前の話になりました。

いもーと「名前さ、芸名っぽいってよく言わん?」
のりぞう「・・・・なんで?
     仏壇関係者っぽいって言われん?」
いもーと「へ?そっちこそなんで?
     華やかな名前やね、って言われん?」
のりぞう「いや、どの漢字をとっても
     寺や仏壇に関係ありそうやん。」
いもーと「そういわれてみれば、確かに。。。
     私の印象は苗字を名前が補ってるのかなぁ。」


・・・でもさ。
氏名4文字のうち半分を占める
苗字は同じなのにさ。
姉妹でこの違いはどうなのよ?!

・・・こんな話ができるぐらいまでには
体調も回復したことを喜ぶとするか。。。

体を張ってプライドを守る

2005年10月28日 15時49分18秒 | 日常生活
久々に風邪をひきました。
どうやら急激な温度変化に体がびっくり驚いた様子。
久々に会社をえらく長く休んでしまいました。


そういえば、倒れる前日に知り合いと
体調について話したばかりでした。

知り合い「最近、どう?」
のりぞう「いや、普通。元気よ。」
知り合い「あぁ、あなた風邪とかひきそうにないものね。」
のりぞう「うん。いたって元気よ。」
知り合い「そういう意味じゃなくて!
     ほら、なんとかは風邪ひかんって言うやん。」
のりぞう「あぁ。そうみたいね。
     でも、元気が一番だし。」


と、相手にしていないつもりだったのですが
どうやら体さんはいたくプライドを傷つけられた模様。
その翌日からさっそく寝込んでくれました。

いや、すごいわぁ。
そのプライドの高さに感服。

ラッシュライフ/伊坂 幸太郎

2005年10月28日 15時15分04秒 | 読書歴
■ストーリ
 泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。
 父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは
 不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は
 野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場――。
 並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、
 彼らに待ち構えているのは・・・。

■感想 ☆☆☆☆
 考えながら文字を追う面白さを久々に味わった作品。
 小難しい理屈などはまったくないけれども、頭を使わせてくれる。
 読んでいる途中から爽快な気分にしてくれる。
 けれども、決して「ハッピーエンド」ではなく、
 きわめて現実的な話の終わらせ方。
 それなのに、この後味の爽やかさはなんだろう。

 何人も現れては消える登場人物たちが、
 どこかでつながりを持ち、どこかですれ違い、
 そして、同じ場所で違うことを考え、違う行動を選ぶ。
 いくとおりもの生き方、考え方が地球上にうずまいていて
 まさに「芳醇な人生」。

 この原作のテイストを損なわずに、スタイリッシュに
 映像化してくれる方がいないかな。
 きっと面白い映画になると思うんだけどな。

星願~あなたにもう一度~

2005年10月28日 14時37分48秒 | 映画鑑賞
■ストーリ
  目が見えず、口も聞けないという二重苦にもかかわらず、
 明るいキャラクターで人気者だった青年オニオン(リッチー・レン)は、
 不慮の事故でこの世を去ってしまう。しかし神様の計らいで
 5日間だけ地上に戻ることを許された彼は、生前恋していた
 看護婦のオータム(セシリア・チャン)に自分の想いを
 告げようとするのだが……。

■感想 ☆☆☆
 目が見えず、声も出せず、それでも明るく幸せそうに
 過ごしているオニオン。彼はただ、好きな人と一緒に
 過ごすだけ、彼女の話を聞くだけで幸福そうに微笑む。

 多くを望まないから、今の幸せを素直に受け入れられる。
 幸せは「欲張らない」「願わない」ほうが
 ずっと簡単に手に入れられるのだろう。
 人間には想像力があるため、何かを願ってしまうと、
 それが手に入らないときの落胆を予想して、
 その予想で簡単に落ち込むことができるのだ。

 思いもかけず、あきらめていた視力と言葉を
 取り戻した彼は、あせり、悲しみ、嫉妬を
 たくさん味わうことになる。
 いろんな気持ちを経験した上で、最後に彼は語る。
 「今を、この瞬間を大切にしてほしい
  目を閉じて、隣の人のぬくもりを感じてほしい。」

 頭でわかってはいても、ついついもがいてしまう。
 だって、それが人間だからね。

 でも、素直に感動できた。

幸福な遊戯

2005年10月25日 23時12分04秒 | 読書歴
■ストーリ
 ハルオと立人と私。恋人でもなく家族でもない三人が
 始めた共同生活。この生活の唯一の禁止事項は「同居人
 同士の不純異性行為」―本当の家族が壊れてしまった
 私にとって、ここでの生活は奇妙に温かくて幸せなもの
 だった。いつまでも、この居心地いい空間に浸っていたかったのに…。
 表題作「幸福な遊戯」他「無愁天使」「銭湯」全三篇。

■感想 ☆☆
 私は幸せな家庭で愛されて育った。
 平凡だけれども満たされた毎日を送っている。
 幸せをわざわざ実感することもないほど、幸せに囲まれて
 日々の生活を送っている。そういったことを目の前に
 突きつけられるような作品。

 作品の中で、主人公たちは自分の居場所を探してもがき
 あがいている。今とは違うところを求めて、平穏を求めて
 じたばたしているのに、一生懸命進んだ場所はやはり
 沼地で身動きがとれないでいる。
 その痛々しさに私まで窒息しそうになる。もがいてもがいて
 それでも彼女たちは、人に助けを求めようとしない。
 自分ひとりで現実を受け止める。

 いや、違う。彼女たちはもがいて苦しんではいるけれども
 それは「現実を乗り越えるため」ではなく「現実から
 逃避するため」のもがきなのだ。だからもがいても
 もがいても、次にたどり着く場所は今までとたいして
 変わらない場所なのだろう。どの作品も、彼女たちが
 ようやく現実を真正面から受け止めるところで終わりを迎える。
 圧倒的な痛々しさとほんの少しの希望。
 甘えを許さない姿勢に息苦しくてたまらない時間を味わった。

春の雪

2005年10月25日 23時09分23秒 | 映画鑑賞
■ストーリ
 大正初期。幼なじみの二人、侯爵家の子息・松枝清顕(きよあき)
 と伯爵家の令嬢・綾倉聡子。いつからか聡子は、清顕を恋い慕う
 ようになっていた。そんな聡子の気持ちに気づきながらも、
 不器用な愛情表現でしか想いを伝えられない清顕。だが、綾倉家では、
 宮家の王子と聡子の縁談が進められていた…。

■感想 ☆(ただし、映画としてはすばらしいと思います。
      三島作品の優美な世界が再現されてました。
      そういう意味では☆☆☆☆)

 試写会があたり鑑賞。
 「春の雪」は以前お勧めされて読んだのですが、主人公の
 おろかさにはらわたが煮えくり返るような想いを抱いた覚えが。
 「ロミオとジュリエット」を読んだときと同じ類の怒りが
 こみあげてきました。もっとちゃんと考えて行動しようよ!
 感情と勢いだけで周囲を振り回すのはやめようよ!

 とは言え、さすが三島様。美しい日本語に酔いしれることが
 できました。のりぞうの中では、谷崎様と並んで優美かつ
 エロティックな文章を書く尊敬の的の作家先生です。

 さて、映画。
 というわけで、たいして期待していませんでした。
 試写会を申し込んだのもお金払ってみたくないなぁ、
 と思ったからでして。大体、「文芸作品の映画化」って
 微妙なものが多いですし。重厚な世界が5割程度軽くなって
 しまう割合高し。

 しかし、この作品は美しい映像で見事に原作世界の
 優美で愚かな貴族社会を、そして苦しく痛く切ないふたりの
 恋を、美しく再現していました。珍しく原作との違和感を
 感じることなく映画に没頭できた作品。

 が。
 没頭できたからこそ怒りと腹立ちで拳が震えた二時間半。
 さきほど「恋」と書いたものの、清顕の聡子に対する想いは
 「恋」ではないのではない、という想いがぬぐえない。
 「愛」も「恋」も相手への思いやりの上に成り立つ感情。
 彼の感情には「執着」という言葉が一番似合う。

 ただ、小さい頃からすべてを与えられ、上流社会の虚実混じった
 世界を見て育ち、「跡継ぎ」としてのプライドと責任を
 求められ続けた彼は幸せに対して鈍感に育ってしまった
 のだろうとも思う。
 自分が誰を思っているのか、何を欲しているのか
 彼自身も失った後でしか気づくことができなかったのだろう。

 そもそも虚実交わる人々のお世辞や追従の世界で育った
 彼は人の愛し方を知らなかったのかもしれない。
 そして、落ちぶれた伯爵家であるがゆえに、表舞台に
 出てこれず人間の醜い部分は見ずに、しかし伯爵家令嬢として
 優美なものには触れて育った聡子だけが、彼のプライドや
 倦怠感の底に隠れているものに気づき、惹かれた。
 だからこそ、聡子は慈しみにも似た感情で彼のすべてを
 受け入れることができたのだろうか。

 とは言え、見終わった後に残るのはやはり「腹立ち」なのだ。