「外国小説」が読めるようになったので、ちょっとしたブームになりました。
引き続き、「海外文学」コーナーチェックに勤しんでいます。
111.美女と竹林/森見登美彦
■ストーリ
美女と竹林。それは、森見氏がやみくもに好きなものである。妄想と執筆に明け暮れ、多忙にして過酷な日々を送っていた森見氏を支えてくれたのは、竹林であった。美女ではないのが、どうにも遺憾である。竹林の拝借に成功した作家は、将来の多角的経営を夢見る。虚実いりまぜて、タケノコと一緒に煮込んだ、人気文士の随筆集。
■感想 ☆☆☆☆
随筆コーナーに並べられていたこの作品。内容紹介にも「人気文士の随筆集」と紹介されていましたが、声を大にして言いたいっ。「いやいやいや!!」随筆じゃあないんじゃない?虚実いりまぜて、って言うか、どこをどう切っても「虚」だらけじゃない?
と、ひたすらに脱力しながら読んでいましたが、文句を言いつつも相当に!ものすごーーーーーーーーーく好きでした。もう!虚実の入り混ぜ方が清清しいったら!こういう茶目っ気、大好き!
112.ハイランダーと魔法の乙女/ジェン・ホリング
■ストーリ
16世紀末、スコットランドに魔女狩りの嵐が吹き荒れていた頃、族長の娘で母親ゆずりの不思議な力を持つイソベルは、母の不幸な死をきっかけに、イングランドの貴族に預けられていた。ある日、彼女の元に父親が差し向けた美しく逞しいハイランダー、サー・フィリップが到着する。彼はイソベルに、キンクリーグ伯爵との縁談が決まったと知らせ、護衛役として故郷まで同行するという。こうして騎士と魔法の力を持つ乙女の旅がはじまった。だが、婚約者の元へ無事に令嬢を届ける使命をにないながらも、フィリップはイソベルにひかれていく。そして、イソベルにはどうしても見えてしまう過去や未来があった。
■感想 ☆☆☆☆
表紙の感じから受ける印象では、期待しないほうがよさそう・・・でも軽く読めるかなー?という感じだったのですが、あまり期待していなかったからなのか、びっくりするぐらい楽しめました。ロマンスあり、冒険あり、謎解きあり、秘密あり、魔法あり、の極上のエンターテイメント!最後まで息つく暇もなく読み終えました。ロマンスの割合が多すぎず少なすぎず、ですごく読みやすかったなー。ヒロインは三人姉妹の長女。というわけで、全三部作のようです。ぜひとも読み通したい!
113.風の竪琴弾き/マキリップ
■ストーリ
イムリスの戦は拡大を続け、アン、ヘルン、アイシグ、オスターランド、そしてモルゴンの故郷ヘドでさえものみこもうとしていた。なぜ自分は命を狙われるのか、偉大なる者はどこにいってしまったのか、変身術者とはいったい何者なのか。答えを求めて、モルゴンはレーデルルとともに、生き残った魔法使いがいるランゴルドへ向かう。
■感想 ☆☆☆*
読みながら、作者のイマジネーションの壮大さに圧倒されました。三部作の最終作。第2作目まで読み終えて、この話にどう決着をつけるつもりなんだろう。話の終わりがまったく見えないっ!とやきもきしていましたが、話の終わりが私ごときに見えるはずもなかったわ・・・。広がり行く壮大な世界観に「そう来ましたかー!!」と引きずり込まれました。「物語の世界」に入り込む楽しさを味わいました。
114.まばたきを交わすとき/エロイザ・ジェームズ
■ストーリ
19世紀初頭のイングランド郊外。ホルブルック公爵レイフのもとに、亡き父と愛人のあいだに生まれた異母弟ゲイブが現れる。彼は屋敷の中の私設劇場で芝居を上演させてほしいと頼みに来たのだ。これまで存在すら知らなかった弟の突然の訪問におどろくレイフだったが、ゲイブの人柄に親しみを感じて上演を快諾。後見しているイモジェンを巻き込んで、芝居の準備がはじまった。愛する人を亡くしたあと失意の日々を過ごしていたイモジェンは、洗練された紳士のゲイブに胸の高鳴りをおぼえる一方で、荒んだ暮らしを送るレイフのことが気がかりでならない。そこにかつての恋敵や舞台女優がやってきて、なにやらひと波瀾の気配。
■感想 ☆☆
エセックス四人姉妹の三女の話。
・・・残念ながら、三女の恋模様についていくことができませんでした。なんかなー。「情熱的」と「ワガママ」は決してイコールではないと思うのです。イモジェンは若干、「ワガママ」が過ぎるかな、と思いました。イモジェンが誰かを好きだと思う気持ちにも共感がしにくかったかな。
115.時間を巻き戻せ!/ナンシー・エチメンディ
■ストーリ
ギブはある日、森で出会った不思議な老人に、失敗を取り消すことができるという機械「パワー・オブ・アン」を手渡された。なぜぼくに?そもそも、この機械は本物なの?
その夜、親友と移動遊園地に行ったギブは、連れて行くよう両親に言われた妹のロキシーの世話にほとほと手を焼いていた。ところが、ロキシーはトラックにひかれ、意識不明の重体に!「パワー・オブ・アン」を使えば、ロキシーの事故をくいとめることはできるか?
■感想 ☆☆☆
児童書です。あっという間に読み終えてしまいます。けれど、「児童書」と聞いてイメージするような「よかった!よかった!」のハッピーエンドではないところが素敵な作品でした。何かを得るためには、その「何か」が大事であればあるほど、犠牲を強いられるのかもしれない、その犠牲を払ってでも、手に入れたい、どうにかしたいと思えるものにしか「奇跡」は起きないんだろうな、と、そういうふうに思える作品でした。
116.華麗なる探偵たち/赤川次郎
■ストーリ
鈴本芳子は、父親の莫大な遺産相続をめぐり、睡眠薬を飲まされ精神病院九号棟に強制的に入れられてしまう。そこで出会ったシャーロック・ホームズ、ダルタニアン、エドモン・ダンテスを自称する変わった仲間たち。芳子は彼らの協力を得て気ままな探偵業を開始する。
■感想 ☆☆☆
久しぶりに赤川さんを読みたくなって借りた作品。この第9号棟シリーズは大好きでした。今も大好きです。疲れているとき、文字を読めないかも・・・という気分になったとき、いつでも戻るのは赤川作品なのです。
117.ザ万歩計/万城目学
■感想 ☆☆☆
森見氏の「美女と竹林」と異なり、正真正銘の随筆集です。そう!こういうのを随筆集って言うのよー!と思いました。森見氏の「随筆」も大好きなんだけどね。というか、いかにも「森見氏」らしくって、「これはこれで、ある意味随筆だな」という気がしないでもないですが。対して、いつもは森見氏と文章も文体もテイストもとても似ている万城目氏が今回は独自路線の(というか、随筆としては実に当たり前の)まっとうな路線。軽い文体の合間合間に余韻の残る文章が混ざっていて、この人の感性って素敵だな、と思いました。
118.君が僕を見つけた日(上)(下)/オードリー・ニッフェネガー
■ストーリ
愛する人は未来からやってきた。やがてくる別れを知っていた。初めての出会いはクレア6歳、ヘンリー36歳。未来から来たヘンリーが、突然クレアの前に姿を現わしたのだ。以来、彼がたびたび時空を超えてやってくるのをクレアは心待ちにするようになる。だが、18歳になったころ、彼はぱったりと姿を見せなくなり・・・。
■感想 ☆☆☆*
タイムトラベル能力を「超能力」ではなく「障害」と捉え、SFではなく、恋愛小説として描いて見せた作品。その描写に、登場人物たちの心情に、非常に説得力がありました。
120.三匹のおっさん
■ストーリ
定年退職後、近所のゲーセンに再就職した剣道の達人キヨ。柔道家で居酒屋「酔いどれ鯨」の元亭主シゲ。機械をいじらせたら無敵の頭脳派、工場経営者ノリ。孫と娘の高校生コンビも手伝って、詐欺に痴漢に動物虐待・・・身近な悪を成敗するおっさん三匹。
■感想 ☆☆☆☆☆
ぜひぜひぜひっ!!ドラマ化をオネガイシマスっ!!と切望しています。熱烈に。
私の中ではキャスティングも完璧にできあがってます。見たいなー、ドラマ。
最初から最後まですっきり爽快で気持ちよい作品でした。ドラマ化したら絶対に好評だと思うんだけどな。
引き続き、「海外文学」コーナーチェックに勤しんでいます。
111.美女と竹林/森見登美彦
■ストーリ
美女と竹林。それは、森見氏がやみくもに好きなものである。妄想と執筆に明け暮れ、多忙にして過酷な日々を送っていた森見氏を支えてくれたのは、竹林であった。美女ではないのが、どうにも遺憾である。竹林の拝借に成功した作家は、将来の多角的経営を夢見る。虚実いりまぜて、タケノコと一緒に煮込んだ、人気文士の随筆集。
■感想 ☆☆☆☆
随筆コーナーに並べられていたこの作品。内容紹介にも「人気文士の随筆集」と紹介されていましたが、声を大にして言いたいっ。「いやいやいや!!」随筆じゃあないんじゃない?虚実いりまぜて、って言うか、どこをどう切っても「虚」だらけじゃない?
と、ひたすらに脱力しながら読んでいましたが、文句を言いつつも相当に!ものすごーーーーーーーーーく好きでした。もう!虚実の入り混ぜ方が清清しいったら!こういう茶目っ気、大好き!
112.ハイランダーと魔法の乙女/ジェン・ホリング
■ストーリ
16世紀末、スコットランドに魔女狩りの嵐が吹き荒れていた頃、族長の娘で母親ゆずりの不思議な力を持つイソベルは、母の不幸な死をきっかけに、イングランドの貴族に預けられていた。ある日、彼女の元に父親が差し向けた美しく逞しいハイランダー、サー・フィリップが到着する。彼はイソベルに、キンクリーグ伯爵との縁談が決まったと知らせ、護衛役として故郷まで同行するという。こうして騎士と魔法の力を持つ乙女の旅がはじまった。だが、婚約者の元へ無事に令嬢を届ける使命をにないながらも、フィリップはイソベルにひかれていく。そして、イソベルにはどうしても見えてしまう過去や未来があった。
■感想 ☆☆☆☆
表紙の感じから受ける印象では、期待しないほうがよさそう・・・でも軽く読めるかなー?という感じだったのですが、あまり期待していなかったからなのか、びっくりするぐらい楽しめました。ロマンスあり、冒険あり、謎解きあり、秘密あり、魔法あり、の極上のエンターテイメント!最後まで息つく暇もなく読み終えました。ロマンスの割合が多すぎず少なすぎず、ですごく読みやすかったなー。ヒロインは三人姉妹の長女。というわけで、全三部作のようです。ぜひとも読み通したい!
113.風の竪琴弾き/マキリップ
■ストーリ
イムリスの戦は拡大を続け、アン、ヘルン、アイシグ、オスターランド、そしてモルゴンの故郷ヘドでさえものみこもうとしていた。なぜ自分は命を狙われるのか、偉大なる者はどこにいってしまったのか、変身術者とはいったい何者なのか。答えを求めて、モルゴンはレーデルルとともに、生き残った魔法使いがいるランゴルドへ向かう。
■感想 ☆☆☆*
読みながら、作者のイマジネーションの壮大さに圧倒されました。三部作の最終作。第2作目まで読み終えて、この話にどう決着をつけるつもりなんだろう。話の終わりがまったく見えないっ!とやきもきしていましたが、話の終わりが私ごときに見えるはずもなかったわ・・・。広がり行く壮大な世界観に「そう来ましたかー!!」と引きずり込まれました。「物語の世界」に入り込む楽しさを味わいました。
114.まばたきを交わすとき/エロイザ・ジェームズ
■ストーリ
19世紀初頭のイングランド郊外。ホルブルック公爵レイフのもとに、亡き父と愛人のあいだに生まれた異母弟ゲイブが現れる。彼は屋敷の中の私設劇場で芝居を上演させてほしいと頼みに来たのだ。これまで存在すら知らなかった弟の突然の訪問におどろくレイフだったが、ゲイブの人柄に親しみを感じて上演を快諾。後見しているイモジェンを巻き込んで、芝居の準備がはじまった。愛する人を亡くしたあと失意の日々を過ごしていたイモジェンは、洗練された紳士のゲイブに胸の高鳴りをおぼえる一方で、荒んだ暮らしを送るレイフのことが気がかりでならない。そこにかつての恋敵や舞台女優がやってきて、なにやらひと波瀾の気配。
■感想 ☆☆
エセックス四人姉妹の三女の話。
・・・残念ながら、三女の恋模様についていくことができませんでした。なんかなー。「情熱的」と「ワガママ」は決してイコールではないと思うのです。イモジェンは若干、「ワガママ」が過ぎるかな、と思いました。イモジェンが誰かを好きだと思う気持ちにも共感がしにくかったかな。
115.時間を巻き戻せ!/ナンシー・エチメンディ
■ストーリ
ギブはある日、森で出会った不思議な老人に、失敗を取り消すことができるという機械「パワー・オブ・アン」を手渡された。なぜぼくに?そもそも、この機械は本物なの?
その夜、親友と移動遊園地に行ったギブは、連れて行くよう両親に言われた妹のロキシーの世話にほとほと手を焼いていた。ところが、ロキシーはトラックにひかれ、意識不明の重体に!「パワー・オブ・アン」を使えば、ロキシーの事故をくいとめることはできるか?
■感想 ☆☆☆
児童書です。あっという間に読み終えてしまいます。けれど、「児童書」と聞いてイメージするような「よかった!よかった!」のハッピーエンドではないところが素敵な作品でした。何かを得るためには、その「何か」が大事であればあるほど、犠牲を強いられるのかもしれない、その犠牲を払ってでも、手に入れたい、どうにかしたいと思えるものにしか「奇跡」は起きないんだろうな、と、そういうふうに思える作品でした。
116.華麗なる探偵たち/赤川次郎
■ストーリ
鈴本芳子は、父親の莫大な遺産相続をめぐり、睡眠薬を飲まされ精神病院九号棟に強制的に入れられてしまう。そこで出会ったシャーロック・ホームズ、ダルタニアン、エドモン・ダンテスを自称する変わった仲間たち。芳子は彼らの協力を得て気ままな探偵業を開始する。
■感想 ☆☆☆
久しぶりに赤川さんを読みたくなって借りた作品。この第9号棟シリーズは大好きでした。今も大好きです。疲れているとき、文字を読めないかも・・・という気分になったとき、いつでも戻るのは赤川作品なのです。
117.ザ万歩計/万城目学
■感想 ☆☆☆
森見氏の「美女と竹林」と異なり、正真正銘の随筆集です。そう!こういうのを随筆集って言うのよー!と思いました。森見氏の「随筆」も大好きなんだけどね。というか、いかにも「森見氏」らしくって、「これはこれで、ある意味随筆だな」という気がしないでもないですが。対して、いつもは森見氏と文章も文体もテイストもとても似ている万城目氏が今回は独自路線の(というか、随筆としては実に当たり前の)まっとうな路線。軽い文体の合間合間に余韻の残る文章が混ざっていて、この人の感性って素敵だな、と思いました。
118.君が僕を見つけた日(上)(下)/オードリー・ニッフェネガー
■ストーリ
愛する人は未来からやってきた。やがてくる別れを知っていた。初めての出会いはクレア6歳、ヘンリー36歳。未来から来たヘンリーが、突然クレアの前に姿を現わしたのだ。以来、彼がたびたび時空を超えてやってくるのをクレアは心待ちにするようになる。だが、18歳になったころ、彼はぱったりと姿を見せなくなり・・・。
■感想 ☆☆☆*
タイムトラベル能力を「超能力」ではなく「障害」と捉え、SFではなく、恋愛小説として描いて見せた作品。その描写に、登場人物たちの心情に、非常に説得力がありました。
120.三匹のおっさん
■ストーリ
定年退職後、近所のゲーセンに再就職した剣道の達人キヨ。柔道家で居酒屋「酔いどれ鯨」の元亭主シゲ。機械をいじらせたら無敵の頭脳派、工場経営者ノリ。孫と娘の高校生コンビも手伝って、詐欺に痴漢に動物虐待・・・身近な悪を成敗するおっさん三匹。
■感想 ☆☆☆☆☆
ぜひぜひぜひっ!!ドラマ化をオネガイシマスっ!!と切望しています。熱烈に。
私の中ではキャスティングも完璧にできあがってます。見たいなー、ドラマ。
最初から最後まですっきり爽快で気持ちよい作品でした。ドラマ化したら絶対に好評だと思うんだけどな。