のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

【ドラマ】私、結婚できないんじゃなくてしないんです

2016年07月13日 17時40分33秒 | テレビ鑑賞
■私、結婚できないんじゃなくてしないんです
■2016年春クール 金曜22時TBS放送
■脚本 金子ありさ
■出演
中谷美紀、藤木直人、徳井義美、平岩紙、夏木マリ、長谷川京子
松井珠理奈、大政絢、マルシア、蘭寿とむ、瀬戸康史

■感想
中盤辺りにふと見始めて(おそらく夫さんのいない夜、アイロンかけのお供にテレビをつけたと思われます。初回時点ではまったくもってノーマークでした。)あまりに思い当たる節があるというか、痛いところをぐさぐさと突きつけられるので、毎回、録画して見るようになりました。

・・・でも、まあ、私は結婚「しなかった」わけではなく「できなかった」んですけど。
ヒロインが再三にわたって「できないんじゃなくて、しないんです!」と力いっぱい主張していましたが、そりゃそーだ。このふたつはかなり大きな違いだと思うわけです。そして、私は断然「できなかった人」なのです。母上にも祖母にも、そして親戚にも何度「結婚しないんじゃなくて、できないんです!相手がいないんです!殿方からまったくもって相手にされないんです!」と言って来たことか。(書いてて悲しくなってきました。でも、事実。)

つまり私は、このドラマのヒロイン雅さんのように美人さんでもないし、成績もよければ頭もよい、行動力もある、なんていうハイスペック女子ではまったくもってなかったわけで。共感できるところなんて、これっぽっちもあるわけないのに、それでも見ていたら、思い当たる節がありすぎて胸が痛くなりました。なんだろなー。「自分のことはちゃんと分かってますから」と客観的な目線で自分を評価しているつもりなのに、その自分に対する客観的評価が年を重ねて変化していることに気付けないでいる感じとか、自分で自分のことを分かっているつもりで自虐的なことを言っては空回りし、周囲にかえって気を使わせてしまう感じとか、「無理をしてまで結婚する必要なんてない」と思いながらもひとりで生きることに寂しさを感じてしまう瞬間とか、時が来たらごくごく自然に(特に苦労なんてすることなく)好きな人と結婚できると思っていたのに、みんなが自然にしている「結婚」がものすごく難しいことだと感じる瞬間だとか、なんか・・・分かる・・・・と思うところ満載で、時には真剣に泣いちゃうぐらい感情移入して見てしまいました。

またね、きらきら輝いていた高校時代を回想する場面が毎回毎回あって、そこでまさに私世代にとってどんぴしゃのBGMが流れているんです。そりゃ、胸が締め付けられてしまうというもの。
スピッツ「空も飛べるはず」、プリプリ「M」、ミスチル「抱きしめたい」、サザン「涙のキッス」、井上陽水「少年時代」、今井美樹「PIECE OF MY WISH」、中山美穂「世界中の誰よりきっと」、ドリカム「すき」、ユーミン「卒業写真」・・・って、どの曲も私自身の高校時代も彩ってくれた曲ばかりで、ドラマのストーリーを追いつつ、自分の高校時代も懐かしく思い返しました。どの曲聴いても自分の高校時代の具体的なエピソードが蘇ってくる・・・。曲の持つ力ってすごいです。

面白かったし、切なかったし、ヒロインのことを心から応援してみていましたが、でも私は紹介された手法なんて使えないなー、と思うクチです。紹介された手法をアドバイスに従って使えるような器用な人だったら、「結婚できないんじゃなくて、しないんです!」とか「私は結婚できなかったクチです!」なんて声高に主張するようなメンドクサイこじらせ方をせず、早いうちに結婚して王道の幸せを手に入れてるんじゃないかしら?と思います。

それにしても藤木さん、かっこよかった!
どれだけひどく罵倒されても、全然嫌になりませんでした。なれるわけがない!むしろテンポよく的確に具体的にヒロインのダメなところを指摘する藤木さんはものすごーーーーーーーーーーーくかっこよかった!
ヒロイン雅さんとの遠慮のない、でもつかず離れずの関係は少し物足りませんでしたが、でもきっと二人はこうやってお互いの気持ちを分かりつつ、でも素直にはなれず、ふたりで一緒に時を重ねていくんだろうな、ということが伝わってくる終わり方で満足しました。最終回でいきなり藤木さん演じる戸倉さんが今までの毒舌キャラを脱ぎ捨てて甘い言葉を雅さんに投げかけてたら、違和感しかなかったと思うし。そんな「いかにも最終回」みたいな無理矢理、かつ少々違和感のあるハッピーエンドを選択せず、自然で「このふたりでこそ」な素敵な終わり方を見せてくれたことで、なおさらこのドラマを好きになりました。

しっかし、雅の初恋の相手、桜井さん。
彼と雅さんの関係を見ていたら、つくづく結婚って縁とタイミングだな、と思いました。ずっと両想いだったのに、結ばれないし、ようやく思いが通じ合えたと思ったら、40目前の女性に対して「好きだ。でも結婚はまだ考えられない。」とか「え?今、この年でそんな告白しちゃいます?」というようなセリフを悪気なくまじめに誠実に(あくまでも「誠実」ゆえのセリフっていうあたりが本気で厄介・・。)伝える厄介な男性だし、それでも、付き合いを重ねることでようやく彼も雅さんと「結婚したい」と自然に思えるようになったというのに、その時には雅さんの心は自分から離れているなんて。本当に恋も結婚も、つまるところ人の心というものは厄介極まりないったらないのです。

[ドラマ]世界で一番難しい恋

2016年07月12日 18時26分15秒 | テレビ鑑賞
■世界で一番難しい恋
■2016年春クール 水曜22時日本テレビ放送
■出演
大野智、波留、小池栄子、杉本哲太、北村一輝、小堺一機、清水富美加

■感想 ☆☆☆☆
久々の大野さん主演ドラマ。しかも恋愛もの!というわけで張り切って見ました。
当初の期待では「大野さん初の恋愛ドラマ!」というところに重点を置いていたのですが、見続けるうちに、どうやらこのドラマは恋愛ドラマではないぞ・・・という結論に至りました。私の中では。恋愛ストーリーをベースにしてはいるものの、結局のところ描かれていたのは大野さん演じるゴーイングマイウェイな主人公の成長ドラマだった気がしてなりません。でも、その成長ドラマが丁寧に描かれていて、「従業員なんて人間じゃない」「女性なんて俺の人生に必要ない」と言わんばかりに自分にも他人にも厳しかった大野さんが少しずつ少しずつ「誰かと共に過ごす時間」を愛しく思うようになる姿に自然と笑顔が誘われるドラマでした。
ものすごーーーーーーーーく自分勝手でわがままで人間としての器が小さい男性を大野さんがとてつもなくキュートに演じていて、実際にこんな男性がいたら迷惑なことこの上ないし、「ありえない!」と本気で怒ること間違いなしなのに、いつの間にか両手を握りしめて大野さんの成長を心から応援していました。
・・・そういった意味では、私は大野さんを最初から最後まで両親のように見守り続けてしまったわけで、このドラマの中では秘書の小池さん、タクシー運転手の杉本さんの立場にもっとも感情移入していたのではないかと思われます。的確に冷静に社長の人間としての器の小ささを指摘するクールビューティな小池さんも、恋に悩む大野さんの遠回り、かつナナメなことこの上ない解決法を本気で心から応援する甘々な杉本さんもどちらも素敵でしたが、彼らの心からの応援があったからこそ、大野さんが「単なる嫌な人」になっていなかったのだと思います。彼らが大野さんのことを仕事上の関係だけではなく、人間として信頼し、尊敬し、彼の幸せを心から願っているから、大野さんが表面通りのワガママ勝手な社長というわけではないことが私たちにも伝わったんじゃないかな。

両想いになったところで「ハッピーエンド」としてドラマを終えるのではなく、そこから「ふたりで歩む時間」もかなり丁寧に描いてくれたところも素敵でした。お互いに「好き」だという気持ちが通じ合ったとしても、そこで「あがり」となるわけではなく、そこからふたりで歩む新たな人生が始まるんだよ、ということを昨年9月の結婚式にて、牧師さんから言われたなーなんてことを懐かしく思い返しました。
「結婚」や「同棲」は今まで異なる生活習慣で生きてきた人たちがひとつ家で暮らすことになるため、「我慢」や「忍耐」を求められることもあるけれど、どちらか一方がただただ我慢をするのではなく、お互いの違いを認め合いながら、ふたりで寄り添いあえること、なんだよね・・・ってことを伝えてくれたところが素敵だし、そこでも紆余曲折を経て「大切な人と暮らすこと」を楽しみ始める大野さんが微笑ましかったです。

しっかし、大野さんの恋愛ドラマ、と聞いてものすごく期待していたのですが、大野さんはやっぱり大野さんで、ある意味すごいな、と思いました。35歳の会社社長役でこんなにもキュートな怪物君仕様の男性が出来上がるだなんて。告白も抱擁もキスもすべてがかわいらしくて、恋愛ドラマにもかかわらず、ここまで「いやらしさ」とか「ドキドキ」とか「切なさ」無縁になるとは・・・と感嘆しました。この役を嘘くさくなく、大げさにデフォルメしすぎることなく演じられるところが大野さんだな、と思うわけです。(ファンの欲目です。分かってます。でも、本当にナチュラルにキュートでした!)
でも、いつか。いつか「魔王」で演じた弁護士さんのような年相応の渋い役で切ない感じの恋愛ドラマも見てみたいかなー。色気溢れる大野さんも見てみたいかなー。

[ドラマ]トットチャンネル

2016年06月23日 20時18分24秒 | テレビ鑑賞
■ドラマ:トットチャンネル
■土曜20時15分NHK

■感想 ☆☆☆☆☆
30分×7回=210分。
3時間半のこのドラマに喜怒哀楽(の怒以外)の感情をすべて揺さぶられました。何回泣かされたか分かりません。祝福と喜び、孤独と切なさがたくさん詰まった密度の濃いドラマでした。そして、長生きをすることの喜びや切なさ、寂寥感を追体験できたドラマでした。

テレビの黄金期を祝祭的な雰囲気で描き出した前半4回とテレビの黄金期を共に支え続けた仲間たちとの別れを淡々と描いた後半3回。まったくテイストは異なるけれど、どちらも湿っぽくなく、説明しすぎることなく、行間を大事に描いてくれていて、画面から伝わってくる喜び、おかしみ、哀しみ、孤独に涙腺を刺激されっぱなしの2か月でした。なんでもスタッフはほとんど「あまちゃん」制作陣なんだそうです。道理で感情の押し付けがまったくない展開だったはずだ!と納得しました。

テレビ草創期の「面白いテレビを作ってやるんだ!」という熱量の大きさと、その熱量に技術がまったく追いついていないドタバタした毎日、そして、その伴っていない技術を出演者とスタッフが一致団結してカバーしていく一体感。「もっともっと面白いテレビが作れるはず。作ってやる。」という気概を持ちながらも、気負いすぎずにただただ無邪気に「テレビ」というものを楽しむスタッフと出演者たち。みんながテレビを作るためにドタバタしていて、でもそのドタバタを心から楽しんでいる。それらすべてが羨ましいぐらいに幸せそうでした。テレビ草創期を彩ってきたスターたちも、セリフを覚えられなかったり、そもそもセリフを覚える気すらなかったり、忙し過ぎて生放送中に寝てしまったり、決して演技が上手というわけではなかったり、どこか欠陥がある困ったところのある人たちばかりで、でも、その「困ったところ」を「欠陥」として咎めるのではなく、文句を言いつつも、その人たちの個性、その人ならではの「味わい」として周囲がまるごとおおらかに受け止めていて、見ている私まで幸せな気持ちにさせてもらえました。無邪気に明日を信じるスターたちの笑顔で胸がいっぱいになりました。

勿論、「あの頃はよかった」だけではすまされない問題もたくさんあったわけだし、今には今の良さがちゃんとある、今の方が良いところもたくさんたくさんある!とも思うのだけれど、でも、やっぱりあのおおらかな時代の空気はどこまでも羨ましいものでした。そして、私たちはどこかで便利さとか技術の向上と引き換えに何か大切なものを失ってしまったんじゃないのかな、と思わずにいられませんでした。

後半3回はテレビの黄金期を支えた向田邦子さん、渥美清さん、森繁久弥さんとのお別れにフォーカスを絞り込むことで、「戦後」という華やかで右肩上がりに生活が良くなっていくと信じられた時代の終焉も描いてくれていたように思います。30分という短い時間の中に彼らとの幸せな思い出をぎゅっと濃縮させて描き出し、一方で彼らとの別れを直接的な映像表現ではなく、行間にしまいこんでみせる演出に泣かされっぱなしでした。
3人それぞれがトットちゃんと信頼し合い、尊敬しあい、親愛の情を抱き続けた「家族のように特別な仲」だったにも関わらず、互いに寄りかからず、もたれ合わず、でも全てをさらけ出すことはせず、適度な距離を保ち続けて誇り高く生きていて、その関係の潔さと気品にも時代を感じました。長生きをするということは孤独と向き合う時間が増えるということ、果たせない約束が増えるということ、大好きな人たちとの別れをしっかり受け止めるということなんだな、と改めて実感させられたドラマでした。

いつも明るく無邪気で、そしてどこまでも鈍感なトットちゃんが大好きな人たち、尊敬する人たちの死をじっと受け止める姿、涙を流すことなく「泣いてたまるもんか」「おもしろいおばあちゃんになってやる」と決意する姿に胸がいっぱいになりました。
また、老いて難しいことを考えたり喋ったりすることが面倒になった森繁さんの歌う「知床旅情」にトットちゃんや王さんが感情を揺さぶられる姿に「時代を超えて歌い継がれてきた歌」「多くの人に愛された歌」の持つ力の大きさを見た気がします。よぼよぼになって、老人ホーム仲間の輪の中に入ろうとしなかった王さんが森繁さんがささやくように歌う「知床旅情」を喜び、みんなと共に大声で歌いだす場面も、今まで大切な人たちを亡くしても決して泣かずにじっと目を見開いてこらえていたトットちゃんがくしゃくしゃに泣き出す場面も、どちらも森繁さんの魅力をそっと表していて素敵でした。

ラストは亡くなった人たちも全員再登場で、みんなで歌う「はじまりのうた」。
「昔はよかった」ではなく、「これから」を信じて、「明日」を信じて笑顔で歌う3人のトットちゃんの姿に泣きながら元気をもらいました。本当に本当に素敵なドラマでした。何度思い返しても胸がいっぱいになる。そんな幸せなドラマでした。

【ドラマ】ラブソング

2016年06月20日 17時40分44秒 | テレビ鑑賞
■ラブソング
■2016年度春クールドラマ
■フジテレビ月曜21時
■出演
 福山雅治、藤原さくら、水野美紀、菅田将暉、夏帆、駿河太郎、山口紗弥加、田中哲司、宇崎竜童

■感想 ☆
主役の藤原さんが福岡市出身と聞いて興味がわき、鑑賞。決して美人さん!というわけではないけれど、味のある表情や声質が素敵な女の子でした。
とはいえ、私は完全にヒロインの幼馴染で児童養護施設仲間のふたり、菅田さんと夏帆さんを「主役」と思っていた節があります。ものすごく魅力的なふたりでした。若いのに芸達者な二人だなーと感嘆しながら見届けました。ドラマ自体はどんどんどんどん展開が乱暴になっていっていたし、いろんなキャラクターが大味な感じで「こういうストーリーにしておこうか!」みたいな投げやりな雰囲気を感じさせる残念なところが多々あったのですが、それでも二人はそんな中で二人の役を嘘くさくなく、演技臭くなく、演じてくれていた気がします。もう完全に空一目線で見ていたために最終回の流れも私の中では「完全なるハッピーエンド」です。空一、よくがんばった!ヒロインへの思いを貫き通した空一にスタンディングオベーションをしそうになりました。

でも、実際、さくらの神代さん(福山さん)への想いって「恋」だったのかな?と私には思えて。頼りになる大人の男性が自分のコンプレックス克服のために親身になって相談に乗ってくれる。そういった状況では大人の男性である福山さんに恋愛めいた気持ちを持ってしまう、というのはわかる気がします。私だって前川清さんが親切に相談に乗ってくれて、私のために歌を歌ってくれたら完全に「好きです!」と告白してしまうもの。(でも、前川さんは絶対に親身に相談に乗ってくれない気がします。「わかんないよー。おれ、自分のことで精いっぱいだもん。」とかにこにこ人懐っこく笑いながら冷たくあしらわれる気がする。そこが清さんの素敵なところなんですが。大好き!)
頼りになる大人の男性(しかもかっこいい男性!)を意識してしまう気持ちはわかるけれど、それは本当に「ずっと一緒に生きていきたい」という気持ちだったのかな?と疑問に思っていました。なんとなく現実味が伴わない感じ。ずっと遠慮がある感じ。一緒に生きて、一緒に笑って、一緒に泣いて、遠慮なく怒って笑える空一とのほうが断然、お似合いだな、と思いました。

それにしても。脇役さんたちの無駄遣いが甚だしかった・・・。意味ありげに出てきた春乃さん(福山さんのなくなった恋人)とか、ほっとんどエピソードに絡んでいない気がします。もっと何かあると思ってましたですよ。あと、りょうさんとかリリーさんとか田中哲司さんとか・・・もったいないにもほどがあるですよー!

【ドラマ】ダメな私に恋してください

2016年03月27日 07時03分25秒 | テレビ鑑賞
■ダメな私に恋してください
■2015年度冬クールドラマ
■TBSテレビ火曜22時
■出演
 深田恭子、ディーンフジオカ、三浦翔平、野波麻帆、ミムラ、竹財輝之助、佐野ひなこ、小野武彦

■感想 ☆☆☆☆

軽ーい気持ちで楽しく見られそうなドラマだなー、ということで見始めましたが、その予感は大当たりで最後の最後まで肩に力が入ることなく気軽に見れて、大いに楽しませてもらいました。
もうね、ストーリーはどうだっていいんです!(いや、よくないけど。)
でも、少々の粗はまったく気にならなくなるぐらいフカキョンがかわいくてかわいくてかわいくて。最初から最後までメロメロでした。
こんなにかわいいのに貢ぎ体質ってどゆこと?そんなファンタジーなことがこの世の中にあっていいの??と半ば憤りながら見ていました。

フカキョン・・・デビューしたての頃はとにかく気が強そうな顔立ちで、いじめられっことか気弱なオンナノコとかてんで似合わなかったのに。いつの間にかラブリーなオトナオンナノコの代表格になってしまわれて。なにやらとてつもなく感慨深いです。そして、年を重ねれば重ねるほどかわいくなるなんて、どんな魔法を使っているのか、ぜひとも教えてほしいです。いや、もう教えてくれなくていいから、このままこの道を突き進んでほしい。このまま「カワイイ」を追求してほしい。「カワイイ」を追求するフカキョンをひたすらに見守りたい!そんな気持ちで見守ったドラマでした。

・・・ホントにストーリー、ほぼ関係ない感想ですみません。
それぐらいフカキョンの鑑賞に没頭した3か月間でした。

あ!あとは野波姉さん!
野波姉さんも大好きなキャラクターでした。
美人でかっこよくて、目力があって(少しわけてほしいです・・・。)、色気もすんごくあるのに、男にまったく媚びていない。とにかく見ていて気持ちがいい女性でした。
かといって女を捨てているわけでもなく、「かっこいい」に走りすぎることもなく、キュートなオンナノコの部分もきちんと残っていて。酔っ払って泣いちゃうところも、酔っ払って殿方を食っちゃうところも、すごく「困ったさん」な性癖ではあるものの、それを見事に「憎めないんだよなー。」と思わせてくれる野波姉さんをほのぼのとした気持ちで見守らせていただきました。野波姉さんのような人柄であれば、男と女の間にも友情って成立するのかもなー、酔っ払った勢いで食っちゃったとしても「ごめんっ」で許されて(←赦しを乞うほうが野波姉さん。なんて贅沢!)また「オトモダチ」に戻れちゃうのかもなー、と感嘆しながら見ていました。私が30回ぐらい生まれ変わり直してもこの人格にはなれない気がします。だからこそ、かっこいいなぁ・・・と憧れました。

野波姉さんと三浦くん演じる最上くんがこの後、どんなふうに「恋人」としての日々を歩んでいくのか、そして、ディーンさん演じる「主任」さんがどんなふうに「恋人」モードになるのか、とても興味深いので、ぜひぜひスペシャルドラマで「3か月後のみんな」を見せてほしいなー。

【アニメ】進撃の巨人

2014年05月13日 23時18分45秒 | テレビ鑑賞
従兄弟が「絶望的な気持ちになるからぜひ見てみて」とおススメしてくれた
(改めて思い返すとヒドイ進め方だな。)「進撃の巨人」をようやっと鑑賞。
見終えて「なるほどね・・・。」とため息をついたのでした。

今や社会現象にもなりつつある人気作品ですが、物語は謎に満ちていて
アニメ作品の最終回では、張り巡らされた伏線がまったく回収されませんでした。
それでも特に不満を感じなかったのは、私がこの作品に対して
「謎の解明」を求めていなかったからなのかな、と思いました。
私にとって、この作品は「デフォルメされた現代社会」そのもので、
描かれているのは、「考えることをやめて、楽な方向に流されている私」の姿でした。
「どうあがいても無駄。何も変わらない。
 だったら、変に頑張らず、この壁の中で今を楽しんで生きたほうがいい。」
そう思ってしまう私の弱さを目の前に突き付けられた気がします。

考えて行動することには勇気が必要とされる。
判断することによって、自分自身にも責任が生じてしまう。
その怖さ、不安を丁寧に描いた上で、それでも
 「考えることをやめるな。」
 「自分で考えて行動するんだ。」
と自分自身を鼓舞する主人公の姿に作者の問いかけが重なる印象的な作品でした。

また、「正解」を求め、考えて考えて考え抜く主人公に
 「どれだけ考えて行動しても、正解なんて分からない。」
 「どちらに動いても犠牲が生じる可能性はある。
  考えて行動するということは、
  その犠牲を受け入れる覚悟が必要とされるということなんだ。」
といった厳しい姿勢に耳につまされる作品でした。

私は、今を何も考えずに生きているけれど、
私が、「今何も考えず、世の中の流れに身を任せている」ということも
今の社会に大きな影響を与えている。
何も考えない私ですら、今の社会を確かに形成している。
人間の(私たちの)敵は「巨人」だけではない。
もっと言うならば「巨人」ではない。のかもしれない。
人間を脅かすものはいつだって、私たち人間なのかもしれない。

そういったことに思い至ることのできる作品でした。

最終回で挿入されていた示唆にみちた「壁」の話は静かな怖さに満ちた話だったな。
シーズン2もぜひ放送されてほしい。
この世界観にどういった決着をつけるのか。
未来にかすかな希望を見せてくれるのか。
楽しみに待ちたいと思います。

【ドラマ】独身生活

2014年01月29日 23時45分27秒 | テレビ鑑賞
■独身貴族
■2013年度秋クールドラマ
■フジテレビ木曜22時
■出演
 草剛、北川景子、伊藤英明、平岩紙、藤ヶ谷太輔、蓮佛美沙子、デヴィ夫人

■感想 ☆☆☆*
草なぎさんの演技がとてつもなく大好きです。
役に見事に寄り添っていて、あまりにナチュラルに役に憑依するため
毎回毎回、「きっとこの人、本当にこんな人なんだわ。」と思わせてくれます。
そういうところが大好き。

というわけで、今回も「結婚に何の魅力も感じていない独身男性」を
生き生きと演じる草なぎさんに惚れ惚れと見とれていました。
自分の好きなものにだけ囲まれて、
自分の好きなものをこだわり持って選んで身に着けて
自分の好きなものを丁寧に料理して食べて
自分の好きなことを職業にして
自分のこだわりだけで採算のなかなか取れない事業に誇りを持って取り組んでいて、
ワガママ極まりなくて、辛辣なことばかり言っている独身男性。

自分勝手なのに「嫌な男性」にはならず
「いるよね。こういう人。」と思わず笑いながら見てしまったのは
彼の言動が決して、人に不愉快を与えるものではないからだと思うのです。

自分の好きなものに対して固執するけれど
そのために人を傷つけたり、人にエゴを押し付けたりしない。
自分の仲間たちにはあくまでもジェントルマン。
癖の強いおばさんにもあえて逆らわず、
おばさんの言いつけをある程度は守る。
自分第一のようでいて、自分第一ではない。
そんな彼の姿がきちんと描かれていたために、
辛辣な言葉で結婚を嫌がっていても、
「こんな男性、こっちからお断り!」という気持ちにはなりませんでした。

むしろ、見れば見るほど、
「あぁ。きっと彼は本当に好きな人に出会えてないだけなんだろうな。」
という気持ちにさせられました。

だからこそ、北川さん演じるヒロインと出会い、
自分ではまったく気付かないままにどんどん距離を詰めていく様子を
にやにやしながら見守ることができました。
基本的にはジェントルマンなのに、仕事には妥協しない彼が
自分のこだわりをヒロインに押し付けるところとか
ただ押し付けるだけではなく、ヒロインと論議を重ねるところとか
そのために、いつの間にか自分のテリトリーのはずの自宅へ
ナチュラルにヒロインを入れてしまうところとか
誰かと食卓を共にし、「美味しい」と思っているのに
「食べられないことはない。」と言いながら美味しそうにぱくつくところとか。
どれもこれもとてつもなくかわいい距離の縮め方だったー!

また、ヒロイン北川さんが眩いばかりに美しすぎて。
ひたすらにため息つきながら見ていました。
この人、本当にきれいだわー。

ただ、このヒロイン。
「仕事に没頭するあまり、オシャレにも気を使わず
 普段はぼさぼさの姿。恋愛にも縁遠い。」という役柄だったのですが
いついかなるときも綺麗で、全っ然っ、恋愛に縁遠く見えませんでした。
全っ然っ!女性を捨ててなかった!いついかなるときも「女性」でした。

というわけで、設定には違和感があり、
ついついその分、とても役にはまっていた深窓の令嬢「玲子さん」に
思いっきり肩入れをしながら見てしまいました。

玲子さんのいい人っぷりが半端なかったですよー。
当初は空気の読めない傍迷惑なお嬢様、という立ち位置なのかと思っていましたが、
中盤以降、どんどん切ない役柄に。
草なぎさんの気持ちにちゃんと気づいていて、
でも、彼女も草なぎさんのことが好きだから
たとえ見合いでも諦められなくて、
彼が結婚に全然気乗りしていないこともちゃんとわかっているのに
それでも「断れないから結婚しようとしている」ことを受け入れたうえで
「好きな人といたい」と思っている。
そんないじらしい女性を肩に力入れず、ナチュラルに演じられてました。
だからかなー。すっごく草なぎさんとお似合いでした。

北川さん演じるヒロインは確かにとてつもなく綺麗だけど
眩いばかりに美しすぎて、「告白したけど、ダメだったよー。」とか
泣きじゃくる姿も今ひとつ似合わない、というか、場違いな感じが否めなくて。
いやいや!どう考えても麗子さんのほうが切ないんだよ!
とついつい思ってしまいました。

過去、これほどまでに脇役さんを心から応援したこと、あったかしらー。
というぐらいの肩入れっぷりでした。

だからかなー。
すっごくハッピーエンドだったんだけど、
今ひとつハッピーエンド感は味わえず。
すっごく楽しみに見ていたドラマだったんだけどな。

【ドラマ】都市伝説の女2

2014年01月16日 23時22分50秒 | テレビ鑑賞
■都市伝説の女2
■2013年度秋クールドラマ
■テレビ朝日金曜23時
■出演
 長澤まさみ、溝端淳平、竹中直人、平山浩行、宅間孝行、伊武雅刀、

■感想 ☆☆☆☆
 いつの間に・・・!と感嘆しながら長澤さんをみつめ続けたドラマでした。
いつの間にこんなに輝くように美しくなっちゃったんだろう、と。「美しい」という形容詞が似合うのに、近寄りがたいところが全くないのも長澤さんの魅力だなぁ、としみじみ思いました。「キュート」とか「愛らしい」という形容詞も似合っちゃう。
 あんなに完璧なスタイルがあって、その上、かわいくて美しいって、どゆこと?!と思わないでもないけれど、それなのに、まったく憎めないのが最近の長澤さんの魅力だな、と思うのです。
 数年前は、すっごくかわいいけれど、それ故にその「女性らしさ」「女の子っぽさ」がちょっと苦手・・・と思っていたのですが、(主に彼女が演じた役のせいではないか、と思わないでもない。それ故に、私は彼女が「ラストフレンズ」で演じた美知留も、「ゴールド」で演じたなんかとてつもなくドンくさいけどポジティブな秘書さんの役も大好きでした。どちらも、なんというか「女性をイライラさせるオンナノコ、女性に嫌われやすいオンナノコ」キャラが当時の長澤さんにすっごくはまっていたと思うのです。けれど、いつの頃からか、そしていつの間にか、「女性に仲良くなりたい!と思われる大人のチャーミングな女性」になったんだなぁ、すごいなぁ、と尊敬しながら見ていました。というか、素直に憧れながら見てました。月ちゃん、かわいすぎる。。。
平気で下ネタを言っちゃうところも含めて大好きでした。下ネタを口にしても、清潔感が消えないのも彼女の素敵なところ。しゅ

 そして溝端さん。かっこよかったー!
かっこいいのに、残念なキャラクターを楽しそうに生き生きと演じてるところが好きでした。月子に振り回されるMっ気気質のキャラクターなのに、マイペース月子の行動をまっとうに突っ込み続けるとか、素敵すぎました。

 期待通りのクオリティで、期待通りの中身のなさが大好きなドラマでした。週末に何も考えずに楽しめる、「わははー」と笑えるそんなドラマでした。エンディングも大好きだったなー。主要キャスト3名のキュートでポップなダンスがPerfumeさんの曲とよく合ってたなぁ。長澤さんと溝端さんのすらりとした手足が際立っていて、スタイルの良さをあますところなく見せつけてくれました。竹中さんは・・・何をやっても竹中さん。なんであんなに楽しそうなのかなー。ダンスの切れ味がめちゃんとよかったなぁ。同じダンスなのにひときわ目立つコミカルさで、さすが竹中さん!と思いながら楽しんでました。

また再会できるかなー。再会できますように!パート3を楽しみに待ち望みます。

【ドラマ】あまちゃん

2014年01月15日 22時47分44秒 | テレビ鑑賞
■あまちゃん
■2013年度上期NHK朝ドラ(8:00~8:15)
■脚本:宮藤 官九郎
■出演
 能年玲奈、小泉今日子、尾美としのり、宮本信子、蟹江敬三、有村架純
 橋本愛、小池徹平、平泉成、八木亜希子、杉本哲太、吹越満、福士蒼汰
 塩見三省、でんでん、木野花、美保純、片桐はいり、渡辺えり
 松田龍平、古田新太、薬師丸ひろ子

■感想 ☆☆☆☆☆☆
 高視聴率のドラマ「半沢直樹」を(録画はしているものの、まだ全話)見ていなかったために「ヒネクレモノ」認定を受けました。けれど、私、今や国民的大人気といっても過言ではないドラマ「あまちゃん」は見ていました。そして、がっつりはまってました。全然、ヒネクレテないのです。(ちなみに半沢さんは挫折しました。無念・・・。)
 ・・・と書き出してから早3か月。書き上げるまでにえらいこと時間かかりました。好きすぎて、全然、文章をまとめられませんでした。クドカンさんの作品って感想をまとめるのが難しいのです。

 大好きな脚本家、宮藤さんが朝ドラを描くと知った時から「絶対に見る!」と息巻いていたドラマでした。そして、いざ始まると、私が抱いていた「楽しみ!」という期待なんて軽々と300倍ぐらい上回る「楽しいっ!!」を与えてくれたドラマでした。毎日毎日、15分間という短い時間で笑って泣いて、やっぱり笑って。朝から喜怒哀楽の中の喜と楽を堪能して、その結果、さわやかに一日を始められる。そんなドラマでした。とにかくすっごく好きだった!
 早い段階で登場人物ひとりひとりがいつの間にか「ご近所さんの方々」になっていました。大好きなご近所さん。主役とか脇役とかそういったテレビの中の人ではなく、「アキちゃん」で「ユイちゃん」で「夏ばっぱ」で「眼鏡会計ババア」で「ストーブさん」で「大将」。愛称で認識できるし、周囲の人たちとも愛称で語り合う。それぐらい登場人物が私たちにとって身近な知り合いとなったドラマでした。みんな一癖も二癖もある面倒くさい人たちで、その面倒くささ故に愛すべき人たちでした。彼らがわいわいとやかましく収集がつかないままに文句を言い合ったり、笑いあったり、益体もないことを言い合ったりする様子を見ているだけで、こちらまで笑顔になる。ちょっぴり泣きたいような気持になる。そんなぬくもりを与えてくれる人たちでした。大好きだったなぁ。本当に。

 とはいえ、舞台は東北。ドラマ開始当初から、私たちにとって特別な意味を持つようになった「あの日」、2011年3月11日について描くことが公言されていたため、毎日、楽しくドラマを見ていても、未曾有の大災害が襲った「あの日」をクドカンさんがどのように描くのか、心のどこかでずっとずっと気にかけていた気がします。楽しくドラマを見ていたからこそ、見れば見るほど、どのキャラクターにも思い入れが増えて「大切な人たち」がどんどん増えたからこそ、どんどん不安になった中盤。

 不安は杞憂でした。「あの日」を安易な描写で見せなかったこと、「あの日」を過剰演出で「悲劇」として描かなかったこと、私たちの想像力や記憶力を信頼して「震災」を描きすぎなかったこと、中途半端に「お涙ちょうだい」な展開にしなかったこと、静かにシンプルに丁寧に「震災」に焦点を定め、そのシンプルさが私たちの記憶を掘り起こしてくれたこと、どれもがとても細やかで丁寧な配慮に満ちた描き方だな、と思いました。
 「未曾有の大震災」だったけれど、私はあの日、あの震災が発生したときも、それから数時間後、ニュースで津波の映像を見るまでの間は今、何が起こっているのか、どれだけ被害が深刻か、それすらわかっていませんでした。何が起こっているかよく分からない不安もこのドラマでは丁寧に描いてくれていた気がします。

 そして、震災後の北三陸市の人たちの変わらない朗らかさ、風景も環境も変わったけれど、その中で自分も大切なものも見失わない強さは、私が安易に抱いていたこのドラマに対する不安を吹き飛ばしてくれました。「ご心配ねぐ。」たった一言のシンプルなメール。「生きていくのに特に必要のない」俳優業を再開することについて、「なんだか申し訳なくて。」と仕事に復帰できないでいる鈴鹿ひろみに対して「東北の人間が『働け。』って言ってるんです。」と言い切る春子のたくましさ。「自然が人間に牙をむくことは昔からずっとあること」「今までとなんも変わらね。」と言い切る夏ばっぱの静かな口調。「これくらい許されるでしょ、被災地だもの。」とほくそえむ観光協会の面々のしたたかさ。
 辛い現実から目をそらさず、日常の一コマ一コマを温もりある視点で丁寧に拾い、その中で笑って過ごしている人たちと「明日」を無邪気に信じるヒロインに強さを感じた後半でした。生きていれば、震災に限らず、辛いことはたくさんある。「あのときに比べれば。」と言われるかもしれないけれど、辛いことに大小なんてない。辛いときは辛いし、誰であれ「今」の「自分」の感情がすべて。それでも「辛いときこそ、辛いからこそ」「いつも通りに」笑って生きていこう、「いつも通り」を大切にしよう、そんな強い意志が柔らかく描かれていた気がします。
「『絆』とか『ひとつになろう』とか言われても息苦しいばかりだった。けど、ここに戻ってきて、分かったことがある。おらはおらのできることをやる。」と宣言したアキは、すごくすごくかっこよかったし、私もそういう地に足の着いた強さを手に入れたい、と強く思いました。
 アキの持つ一見、根拠のない自信に見えるこの強さは「今」や「ここ」を肯定する強さ。震災前、東京に憧れるユイちゃんに対して「ここが一番いいのに。」と北三陸の良さに気付いたのも、「でも、ユイちゃんには私に見えてない東京のよさが見えてるんだな。」とユイちゃんの憧れを否定せず受け入れたのも、すべてこの強さにつながるんだろうな、と思いました。そして、それは、きっと今までの私たちが失いかけていたものだったんじゃないかな、と思うのです。今、自分がいる場所を肯定できずに「もっといいもの」「もっと便利なもの」を追い求めてきて足元を見失ってしまったのが今の「地方」なんじゃないかな。

 いろんな要素が詰め込まれたドラマだったけれど、私は女性たちの友情がかっこよく描かれているところも好きでした。中盤、ユイがやさぐれていたときに「そういう姿、ユイちゃんはおらに見られだぐねえはずだから。おらも見だぐねえし。つれえけど聞かなかったことにする。親友でも緊張感は必要だ。」と言ってのけたアキに男前だなぁ、とほれぼれしたし、確かにユイちゃんは、アキにだけは自分のそういう姿を見られたくないだろうな、と納得もしました。大好きな友達だから弱いところ、ダメなところを見られたくない、かっこいい自分だけを見ていてほしい、という友情も確かにあると思う。
 だからこそ、終盤でユイちゃんがアイドルを「やりたいよ!」と力強く宣言し、かっこいいユイちゃんが本格復活した場面は大好きでした。鳥肌が立っちゃった。その勢いで毒舌早口で他のアイドルを的確に評価し、ライバル視するユイちゃんと、そんなユイちゃんを見てうれしそうに「ユイちゃんが戻ってきた。」と喜ぶアキ、そんなふたりの関係性が大好きでした。
 ユイとアキだけでなく、海女さんクラブの面々も、アキの母親、春子さんも大女優、鈴鹿ひろみさんも、出てくる女性陣がみんなみんなかっこよかった。そして、みんなみんな自分の生き様に揺るぎない誇りを持っている人たちでした。悩んだり迷ったり、落ち込んだりすることもあると思うのに、そういった部分を周囲に見せない強さ、明るさで包み込んでしまうたくましさに、心から「カッケー!」と思いました。
 でもって、愛すべき男性陣になんとも癒されたドラマでした。ミズタクに駅長にパパさんにストーブさんに組合長さんに市長さん。みんないい年をした大人なのに、というか、どう考えてもいい年をしたオジサンが大半を占めているのに、女性陣が持っていない「キュートさ」満載で、かれらのとぼけたやりとりが大好きでした。かっこよくはないんだよなぁ。どちらかというと、めんどくさいし、ちっちゃい。でも、愛すべき男性陣なんだよなぁ。

【ドラマ】なるようになるさ

2013年09月26日 23時07分40秒 | テレビ鑑賞
■なるようになるさ
■2013年度夏クールドラマ
■TBS金曜22時
■脚本:橋田 壽賀子
■出演
 浅野温子、舘ひろし、志田未来、紺野まひる、安田章大、泉ピン子

■感想 ☆☆
よく「キムタクは何を演じてもキムタク」とか「田村正和はいつでも田村正和」などというふうに表現をされる役者さんがいるけれど、脚本家さんにもかなり特徴はあると思うのです。私が「これ、好きなドラマだわー!」と興奮すると、たいてい同じ脚本家さんです。脚本大事!(私にとって。)
というわけで、このドラマは「スガコはいつだってスガコだよね!!」という感想に尽きるドラマでした。よくも悪くもスガコテイストたっぷり。役者さんの顔ぶれがどんなに変わってもスガコはスガコなのです。あ。スガコ(のふと気が付くと癖になる世界観)大好きです。念のため。思わず橋田壽賀子大先生を愛称で呼んでしまうぐらい親しみを感じてます。なにせ、私が小さい頃には既に第一線で活躍されていたのです。あの特徴あるせりふ回しがあってこそのスガコ。(もはやスガコと言いたいだけのような気がしてきました。)

そもそも浅野温子嬢もキムタクさんや田村さん側の役者さんで、非常に特徴的な演技をする方だと思うのです。その浅野さんがスガコワールドとマッチして生き生きと自由に動いている姿が非常に印象的でした。スガコワールドの個性の強さもすごいし、そのスガコワールドで「浅野さん」を失わずにあの長台詞をよどみなく滑舌よく明るく演じる浅野さんもすごい。
浅野さんは、子供たちがみんな独立した途端、子供たちにすがることなく自分の好きなことを楽しみ始める溌剌としたところが素敵なヒロインでした。今までのスガコドラマにはいないタイプの女性。・・だと思って見ていましたが、血縁に頼らず自分の足で立つ彼女を見て、やはり彼女もスガコワールドの女性だわ、と思いなおしました。
血縁を信じていないわけではないけれど、血縁があるからこそ家族というのは厄介だと知っていて、だからこそ、あえて息子たちに頼らない、息子たちを突き放す強いお母さんでした。家族って、「家族だから」という理由でつい甘えてしまうし、遠慮なく言い過ぎてもしまう。つい気遣いを怠った状態で、関わりすぎてしまうのが家族の厄介なところなんだろうなぁ、と思うのです。だからこそ息子たちとの距離感を意識してコントロールしている。でも、息子たちが甘えてきたら、無下にはせず、結局、手を差し出してあげる。そんな「日本のお母さん」でした。常に今の自分を肯定して楽しんでいる。なおかつ、今の自分の環境や幸せが周囲の人の協力あってこそだと深く理解している。そして、きちんと感謝を言葉で示す。そんなすごくすごく素敵なヒロインでした。
だからこそ!だからこそ、息子たちの不甲斐なさが目立って目立って。息子たちが出てくるたびにはらわた煮えくり返る思いで睨み付ける羽目に。こんなにも明るくて精神的にも自立している素敵なお母さんが育てた息子たちが三人共に自分勝手で、なおかつ「自分の家族最優先」の精神で親を蔑ろにする子ばかりってどういうことだ!とドラマのことながら憤慨し続けました。
でも、よくよく考えると、今の世の中、子供は結婚すると同居することなく、別の家庭を築く人が大多数を占めるわけで、子供が巣立つということは、自分の親兄弟より大切な場所ができるということなのかもしれない、巣立った息子たちが自分の家庭を最優先にするのは致し方ないことなのかもしれない、とも思いました。思おうとしました、が。
巣立ったにも関わらず、親のやることにいちいち文句だけ言いにやって来て、文句を言ったらバタバタと帰っていく3人の息子たちは最後までひっじょーーーーーーーーーに憎たらしかったです。家族ゆえの遠慮のなさって怖い、と思いました。「母さんたちのことを思って言ってるんだ」という気遣いの押し付けほど嫌なものってないな、とも思いました。そして、それが「3人の娘たち」ではなく「3人の息子たち」っていうのがなんとも「現代」だなぁ、と思いました。

というわけで、母親役の浅野さんに必要以上に肩入れをしながら鑑賞していたため、奥さんに対してもダンディな姿勢を崩さない舘さんには随分と救われました。そういえば舘さんはスガコドラマであっても、「舘さん」でした。ダンディが崩れることはありませんでした。さすが舘さん。スーツ姿の舘さんがお店に帰ってきて、腕まくりしながら晩酌する姿はかっこよかったなぁ。奥さんに理解があって、優しくて、料理もできて、どうやら会社でも重役で部下にも慕われていて、と完璧すぎて、普通の人が演じたらうさんくさくなること間違いなしなのに、それを舘さんが演じるとうさんくさくなくなるという不思議。舘さんだもの、で納得できちゃう不思議。
ただ、浅野さんと対照的に居候、兼店員のワケアリ3人衆に対して穏やかに暖かく、でも「見守る」の範囲を超えて少々「お節介」の領域に迫る勢いで関わる姿がひねくれ者の私にとっては、非常に鬱陶しいわぁ・・・と思わされるダンディ舘さんではありました。「他人は他人、自分は自分」という自分の冷たい人間性を毎回突きつけられました。私があのワケアリ3人衆だったら、絶対にダンディ舘さんの過干渉を鬱陶しく思ったり、「上から目線だわー」とうんざりしたりしていたと思います。もっとも一緒に見ていた母上は私の「ダンディ舘さんって、アドバイスが上から目線じゃない?」という疑問をまったく相手にせず、「本当にあんたってひねとうよね。」とため息つかれたため、この感想は完全に私のヒネクレモノフィルターがかかっているためだとは思われます。

でも好きなドラマでした。母上となんやかんやいろいろ感想を言いながら楽しむ、というドラマの古き良き楽しみ方をまっとうしました。
ただ!最終回の終わり方がえらいどたばただったのは私の気のせいじゃないと思うのです。なんなの?!この雑な終わり方!とびっくりするぐらいワケアリ3人衆の問題がバタバタバタと解決していきました。それも何か劇的な出来事があって解決した、とかではなく、本当に「最終回を迎えるために解決してみました。」といわんばかりの解決っぷり。びっくりした!
イラストレーターとしての仕事が軌道に乗り始めた安田君を両親が認めて「帰ってこい」と懇願するのは百歩譲ってわかる。(でも、イラストレーターという職業があんなにとんとん拍子で軌道に乗るわけない!とは思う。いきなりお菓子メーカーの広告がとれて、なおかつ、それが気に入られてアニメーション作らないか?という誘いが来るってどゆこと?更にそのイラストを気に入ってもう一社オファーが来るってどゆことだ!世間の荒波をなめんな!と思いました。ぐうたら生きているこの私が。)

旦那さんからDV受けていた紺野さんが仕事が決まって反省してきた旦那さんの元に戻るのもわか・・・る。ことにできる。仕事が決まったからもう大丈夫。やり直せる。息子も父親になついているし。という心境になるのは、なんとなく分かる気がしないでもない。私はダメと思ったら絶対にダメなのでわからない気持ちのほうが大きいですが。でも、そう思ってしまう優しい女性も世の中にはいることもあるってことは分かる。(でも、ダンディ舘さんからの「君にも悪いところがあったんじゃないか?仕事を失った旦那さんをそんなふうに冷たい怖い表情で呆れたように見てたんじゃないか?だから旦那さんもやりきれなかったんじゃないか?」というアドバイスは全っっ然っ!!ワカラナイ!!なんだ?!それ?!と心底思いました。今、思い返しても腹が立つっ!!)

でも、志田未来ちゃんをネグレクトしていたお母さんが突然、「悪かったわ、許して。」と改心してきたのはまったくわからん。何きっかけで「悪かったわ。許して。」となったのかこれっぽっちも分かりませんよー。あなた、未来ちゃんが家に帰った時、シンデレラのようにこき使ってたじゃないですかー。「今まで私が甘やかしてたから、あなたがつけあがったのよね。これからは全部、あなたに働いてもらう。」って宣言してたじゃないですかー。そこから何が起こっての心境の激変?とびっくりしました。本当に「最終回だから」という回答しか思いつかんかったですよ。

というわけで、はてなマークが頭の中にばらまかれた最終回でした。なんで?なんで?と驚いているうちに最終回が終わってしまいました。で、しばらく「なんで?」と考えて考えて、「あぁ。スガコだから。」という回答に至りました。真剣に考察した結果の結論です。だって、スガコさんは今まで「1クールで話をまとめる必要がなかった人」なのです。しかも、1回の放送枠が半年だった人なのです。そりゃ、10回や11回で話が終わるわけないよねぇ、きっとこれからじっくり「解決にいたるまで」を書くつもりだったんだよねぇ・・・としみじみ(勝手に。)納得しました。すっきり納得できました。