のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

自覚なし

2009年01月10日 08時50分27秒 | 日常生活
二日間で、三人に顔のひどさを心配されました。
あくまでも「心配」です。
純粋に「心配」です。

「ちょっと!!顔、ひどいよ?大丈夫?」



・・・心配されるほど、ひどい顔って・・・。
しかも、そこまで神妙な面持ちでの心配って・・・。
ワタクシってば、そんなにひどい顔してるの?
自覚がないだけで、本当は疲れてるの!?
と、好奇心にかられて向かった洗面台で見た己の顔は
いっそ清々しいくらい「見慣れたもの」、「いつもどおり」でした。



・・・うわーん!!

セレブと貧乏太郎

2009年01月10日 01時59分17秒 | テレビ鑑賞
■セレブと貧乏太郎
■のりぞう的2008年度秋クール4位
■火曜21時フジ放送
■出演:上戸彩、上地雄輔、国仲涼子、柏原崇、
    若村麻由美、山下真司、風間杜夫、三浦理恵子
■ストーリ
 世界のホテル王の父親と女優の母親を持ち、何不自由ない環境で
 育った令嬢・美田園アリス。5年前に妻と死別し、3人の子供を
 養いながら極貧生活を前向きに送る青年・佐藤太郎。
 地位も価値観も正反対、住む世界が違うと思われたふたりだったが、
 ひょんなことから出会い・・・。

■感想
 完全に流し見でしたが、在宅していれば必ず見ていました。
 上戸彩ちゃんがめちゃくちゃかわいい!!
 ファッションショーさながらに数々の洋服をくるくると
 着替えていましたが、どれもこれも完全に着こなしていて、
 とにかくかわいい!!ウィッグも似合う!!

 ひたすら上戸さん目当てで見ていたドラマでした。

 大好きな若村さんも美しく妖艶で素敵でした。
 上戸さんと若村さんのデュオ姿はワタクシの中で
 このドラマ最大の山場。
 年齢がちょうど倍ぐらいなのに、上戸さんの隣でもまったく
 見劣りしない若村さんの素敵さにくらくら。

 ・・・ドラマの内容はかなりしょうもない感じだったんですけどね。
 そして、突っ込みどころも満載だったんですけどね。
 でもあまりに「予想通り」だと、かえってイライラしないというか
 このドラマにリアリティ、とか、内容とか、求めてない、というか
 とにかく「ふんふんふん♪」とかーるく流し見しつつ楽しめました。

 あの可愛らしさは見事だったなぁ。
 と今でも思います。
 単にファッションがとてつもなくワタクシ好みだっただけかも
 しれませんが。見ているだけで幸せ気分を与えてくれる女優陣でした。

イノセント・ラブ

2009年01月10日 01時52分47秒 | テレビ鑑賞
■イノセント・ラブ
■のりぞう的2008年度秋クール5位
■月曜21時フジ放送
■脚本:浅野妙子
■出演:堀北真希、北川悠仁、香椎由宇、
    福士誠治、成宮寛貴、内田有紀
■ストーリ
 幼い頃に両親を殺害され、兄も殺人容疑で逮捕されてしまう
 ヒロイン、秋山佳音が、次々と困難に見舞われながらも、
 ひとりの男性を愛し抜く現代版シンデレラストーリー。

 ・・・なるほど。そういう話だったんだ。。。

■感想
 久々に突っ込みどころ満載のドラマでした。
 始まるまでは、割と楽しみにしていたのです。
 で、第1回を見終わって「ついていけないなー。」と
 遠い目になりました。
 ヒロインがね、不法侵入しまくりなんです。
 好きな人の家の鍵が開いていたら、
 「あ、開いてる。」と軽ーい感じで入っちゃうような子なんです。
 ・・・捕まるよ?

 それ以来、見ていなかったのですが、妹の
 「ヒロインのお兄ちゃんがめちゃくちゃ怖いけん、見て!」
 という言葉につられて、中盤以降、在宅しているときに限り視聴。

 ・・・・すげー。
 このドラマってラブストーリーじゃなかったんだ。
 ホラー?サスペンス?・・・を装ったコメディ?
 
 ていうか、ヒロイン。
 相も変わらず、不法侵入しまくりだけど、大丈夫?
 完全にストーカーっぽいけど大丈夫?
 この人、本当にヒロインであってる?
 視聴者の共感を得てるの?

 と、ハラハラしっぱなしのドラマでした。
 噂どおり、ヒロインのお兄ちゃんも素敵な怪演ぶりでしたし。
 この人、好きなのにー!!
 ある意味、このドラマの中で一番オイシイ役だったけどー!!

 ちなみに最終回は見逃しました。ザンネン。

篤姫

2009年01月10日 01時45分00秒 | テレビ鑑賞
■篤姫
■のりぞう的2008年度1位
■日曜20時NHK放送
■原作:宮尾登美子
■脚本:田渕久美子
■出演:宮あおい、瑛太、堺雅人、小澤征悦、原田泰造
    堀北真希、松田翔太、長塚京三、樋口可南子
    松坂慶子、稲森いずみ、中嶋朋子、高橋由美子
■感想
 人生で初めて最初から最後まで見通すことができた大河ドラマです。
 ・・・数年前の上川さん主演「功名が辻」もしっかり見ていたのですが
 なんと最終回を見逃してしまったのです。
 前半は楽しんで見ていたものの、
 戦いが続き、ひたすら人が死んでいった終盤に
 若干、辟易としていたため、つい気が緩んでしまった模様。

 今回の「篤姫」はそんなこともなく、
 第1話から最終話まで、あますことなく存分に楽しみました。
 主役だけでなく、登場人物全員が自分の道をまっすぐに
 誇りを持って生きていて、見ていて背筋が正されるドラマでした。
 混沌とした時代の変わり目に
 多くの人が立場を超えて、身分を越えて、自分の利害をも超えて
 「明日のために」「国のために」「未来を生きる人たちのために」
 動いた時代。動けた時代。
 そういうふうに「動けてしまった」ほど、「幕府」や「国」「政府」が
 混乱し、大変だった時代だったのだろうけれど
 「変化」が必要な時期だったんだろうな、と思いました。

 常々、人も時代もいいところ悪いところ双方あって
 ドラマの書き方ひとつ、視点ひとつでがらりと変えることができると
 思ってはいたけれど、このドラマで改めて実感。
 まさか井伊さんをこんなふうに描けるとは。
 かっこよかったです。
 出演期間はごくわずかだったのに、
 そして、井伊さんだけでなく、演じた中村梅雀さんも
 ワタクシにとって苦手な役者さんだったはずなのに、
 彼と篤姫の対面場面は1年を通して最も心に残った場面でした。
 ワタクシの中の井伊さん像を見事に覆されました。

 史実とは異なるかもしれないけれど
 彼の他人の思惑に左右されない生き方と
 女性陣の男性に頼らずに自分の力で道を切り開いていく生き方が
 とにかくカッコ良いドラマでした。
 フジの「大奥」は「オンナの牢獄」でしたが
 このドラマでの「大奥」は「プロフェッショナルの集団」。
 そういうふうに描けてしまうほど
 「今」が女性の時代になったということなのかな、とも思いました。

 BGMも場面を邪魔せず、雰囲気壊さず
 なおかつ、場面場面の感動を盛り上げる素敵な曲ばかり。
 サントラ購入予定です。

流星の絆

2009年01月10日 01時31分37秒 | テレビ鑑賞
■流星の絆
■のりぞう的2008年度秋クール1位
■金曜22時TBS放送
■原作:東野圭吾
■脚本:宮藤官九郎
■出演:二宮和也、錦戸亮、戸田恵梨香、三浦友和、要潤
    尾美としのり、設楽統、中島美嘉、柄本明、森下愛子
■ストーリ
 神奈川県・横須賀市にある洋食屋『アリアケ』の子供、功一、
 泰輔、静奈は家を抜け出し流星群を見に行った夜に、両親を
 殺害された。養護施設で幼少期を過ごした彼らは、いつしか
 三人で詐欺を働くようになり、金を持っている男達を騙すようになる。
 事件から14年が経ち、時効目前のある日、洋食チェーンの御曹司
 戸神行成を詐欺のターゲットにした3人は、彼の父親・政行こそが
 両親を殺害し、レシピを盗んだ犯人と確信する。

■感想
 クドカンってやっぱり素敵!クドカン万歳!と心から思った作品。
 シリアスで重苦しい原作世界を壊すことなく、見事に
 「クドカンワールド」にしてみせて、第1回から心を鷲掴みに
 されました。毎週、見終えた瞬間に「来週が待ちきれない~」と
 思ってました。

 出演陣も骨太で「クドカンワールド」に負けない味(癖?)の
 ある方ばかり。クドカンさんの脚本を「自分色」に染めなおしてます、
 という感じで、楽しそうに演じてました。

 特に尾美さん!すごくすごく楽しそうでした。
 というか、最近の尾美さんは役や作品に関係なくブレがないな、
 そんな姿がかっこいいな、と。大好きです。

 でもって二宮君。
 妹とふたり
 「嵐の中で、マツジュンとニノがちょっぴり苦手なのよねー。」
 などと言っていたのにもかかわらず、このドラマを見始めてからは
 「ニノ、かっこいいね・・・。」
 「さすがニノだね。すごいね。演技力あるね。」
 「ていうか、ニノがかっこよく見える!!」
 と言い合うように。簡単にドラマに影響を受ける姉妹です。

 でもでも。
 彼の、一言でドラマの流れを変える力はすごいなー、と。
 しっかりコメディ部分も演じていて、
 直前まではへらへらうだうだしていたはずなのに
 たった一言でここまでバシッと場面を引き締めてしまうなんて。
 ただただ驚嘆しながら見ていました。

 「妹が敵の息子を好きになってもいいのかよ?」
 という弟のセリフに対して彼が放った「いいわけないだろ!」。
 「両親を殺した犯人が見つかったらどうする?」という刑事の
 質問に対する、彼の「殺しますね」という簡潔な回答。
 このふたつは、このドラマ全体を通して最も好きな場面です。

 あまりにドラマに愛着がありすぎて
 ぜひぜひハッピーエンドにしてほしい、と願っていましたが
 その願いも見事にかなって大満足。
 ちなみに、このドラマでの中島美嘉さんの存在感と愛嬌も
 ものすごかったな、と。少し苦手だった彼女ですが
 このドラマの中の彼女は大好きです。

スキャンダル

2009年01月10日 01時20分17秒 | テレビ鑑賞
■スキャンダル
■のりぞう的2008年度秋クール1位
■日曜21時TBS放送
■出演:鈴木京香、長谷川京子、吹石一恵、桃井かおり
    沢村一樹、遠藤憲一、光石研、石原良純、戸田菜穂
    小日向文世、加藤虎之助

■ストーリ
 白石理佐子は、久木田慶介との結婚式に、お互い何の接点もない
 高柳貴子・河合ひとみ・鮫島真由子・新藤たまきの女友達4人を
 呼びつける。その日の夜、彼女はレストランで、それぞれが
 男をナンパして連れてくる「逆ナンゲーム」を提案。
 渋々応じた4人だったが、その直後、理佐子が失踪してしまい・・・。

■感想
 「やっぱりオンナって素敵!」
 「オンナ友達、サイコー!」と心から共感したドラマでした。
 ミステリー仕立てで先が見えず、結末も見えず、
 毎回毎回、ドラマが終わるたびに
 「どういうこと?!これから、どうなると?!
  先がまったく見えんっ!!」
 と大騒ぎしながら見ていましたが、
 このドラマの魅力はそういったミステリー仕立ての部分ではなく、
 ヒロイン4人そのもの。
 妹いわく
 「第1回を見たときは、『いい人がひとりもおらんやん!』
  と驚いたけど、見るうちに憎めんくなってきたんよねー。
  どんどん、好きになってきたもん。」

 いかにも「オンナならでは」の「いやな部分」を
 妙にリアリティのあるセリフによる
 容赦ないオンナ同士の応酬で構成してみせた脚本と、
 それらの「いやなオンナっぷり」を正々堂々と潔く演じて、
 可愛らしくキュートにしてしまった女優さんたちこそが
 このドラマの魅力だったなー、と思うのです。

 「妙に正義感ぶる学級委員的オンナ」とか
 「自分の魅力をしっかりと分かっていてワガママを貫くオンナ」とか
 「人を見て、自分の意見をころころ変えたり
  その場にいない人の悪口を言うことで自分を守るオンナ」とか
 「どこまでもマイペースで自分を曲げないオンナ」とか

 「いるいる!こういう人、いる!ていうか、会ったことある!!」
 とあまりのデジャブ感に、思わず握手したくなるようなオンナたちの
 ぶつかり合いとか厭味や皮肉の応酬は見事で
 「イヤな部分」のはずなのに
 「これでこそ、オンナだよね。」とにやりとしてしまうというか、
 むしろ、すがすがしい気持ちにさせてくれるドラマでした。

 なのに、終盤では「友情」とか「正義」とか「夫婦の絆」など
 正面から語るにはちょっぴり照れくさいテーマで、目頭が熱くなる
 展開が繰り広げられていました。
 大人になってからって、学校という環境がないため、友人を新たに
 作るのが難しい環境だと思うのです。そんな中、出会った四人が
 お互いにうんざりしつつも、徐々に大切な存在になっていく過程は
 リアルで、だからこそ、羨ましい関係でした。
 ヒロインの
 「友達っになるってすごいことなんです。大人になればなるほど、
  すごいことなんです。若い人には分からないでしょうけど。」
 という言葉は説得力があったなぁ。

 オープニングも4人が無邪気にじゃれあう姿が
 「オンナの友情」というテーマとぴったりだし、
 心から楽しそうだし、で大好きでした。

 脚本家は「きらきらひかる」も担当された井上由美子さん。
 なるほどね、あの番組も「働く女性の友情」を本音でつづって
 たものねー、と心から納得しました。

手紙/2006年日本

2009年01月10日 01時07分44秒 | 映画鑑賞
24.手紙/2006年日本

■ストーリ
 工場で働く20歳の武島直貴(山田孝之)は、職場の人間とも
 まるで打ち解けず、人目を避けるように暮らしていた。
 唯一の家族である兄・剛志(玉山鉄二)は、直貴の学費欲しさに
 盗みに入った邸宅で老婆を殺してしまい、現在、服役中だ。
 兄が罪を犯したのは、自分のせいだと自責する直貴は、
 せめてもの償いにと服役中の兄から届く手紙に丁寧な返事を
 書き続けていた。しかし、兄のせいで夢も愛も失った直貴は
 兄を捨てようと決意する。

■感想 ☆☆☆☆☆
 2回目の鑑賞。
 1回目の鑑賞時の感想はコチラ。
 予想以上に長文でびっくりしました・・・。

 2回目の鑑賞。初めて鑑賞した際は、原作の重厚さには敵わないと
 感じましたが、2回目の鑑賞では、原作よりも希望のある終わり方を
 する映画のほうが好きだな、と思いました。
 時間制限がある映画でここまで丁寧に作品世界を作り上げたのは
 すごいことなのではないか、とそう思いました。
 この頃はまだ「清純派」だった沢尻さんがさすがの演技力で
 主人公を健気に支えるヒロインを見事に演じています。
 彼女の演技がこの映画を静かに、でも確実に支えていると思うのです。
 この方の演技を久しぶりに見て、この方の演技がやっぱり好きなのよね
 と痛切に思いました。「やりすぎない」感じの「清楚さ」が絶妙です。

 2回目の鑑賞でも、杉浦さんの演技と言葉に泣かされてしまいました。
 なぜ犯罪を犯してはいけないのか。
 なぜ犯罪者の家族までもが社会的制裁を受けるのか。
 そういった問いかけに対して説得力のある解答を用意してくれています。
 少なくとも私は、この杉浦さんの言葉に納得しました。

転々/2007年日本

2009年01月10日 01時00分47秒 | 映画鑑賞
23.転々/2007年日本

■監督・脚本:三木聡
■出演
 オダギリジョー、三浦友和、小泉今日子、吉高由里子、ふせえり
 松重豊、岸部一徳、笹野高史、石原良純、広田レオナ

■ストーリ
 大学8年生の文哉は、家族もなく、孤独で自堕落な生活を送っていた。
 いつの間にか作った借金は84万円。返済期限まで残すところ3日と
 いう時に、借金取りの男、福原がやってきて、吉祥寺から霞ヶ関まで
 歩くのに付き合ったら、借金をチャラにすると提案される。
 返すあてのない文哉は福原の条件を呑むしかなかった。井の頭公園の
 橋から、男二人の奇妙な旅が始まる。調布の飛行場に着いた時、
 福原は妻を殺したことを告白したのだった。

■感想 ☆☆☆☆
 オダギリジョーさんと三浦友和さん、加えて「時効警察」のスタッフ陣
 という私にとって夢のようなメンバのコラボで作られた映画。
 予告を見た時から「絶対、面白いはず!!」と確信していましたが
 確信どおり、素敵な映画でした。

 あくまでも「時効警察」のスタイル、テンポを崩さずゆるやかで
 随所にふざけ調子が漂うものの、終盤は家族について視点を絞り
 切なさ満点で見終えました。
 予告から、どころか、見始めて1時間ぐらいも
 こんな気持ちで見終えるなんてまったく想像していませんでしたとも。
 まさに予想外。でも、気持のよい予想外でした。
 切なくて寂しくて泣きたい気持ちになったけれど
 主人公と共感できたからこそ、そして登場人物たちに
 愛着をもてたからこそ、味わえる寂しさで、
 しみじみと「素敵な映画だったなー」
 「こういう雰囲気好きだなー」と思いました。

 最近の三浦さんは、こういった飄々とした中に殿方の渋さが
 垣間見える雰囲気の役柄をよく演じられていて、
 どんどんどんどん好きになっています。

ズッコケ中年三人組Age41

2009年01月10日 00時43分48秒 | 日常生活
105.ズッコケ中年三人組Age41

■ストーリ
 ズッコケ三人組のマドンナ北里真智子が29年前と同じように
 三人の前に、突然あらわれた。政界・財界に多くの顧客をもつ
 美しいカリスマ占い師となっての登場だ。国際的なスパイ組織に
 追われていた真智子を救った三人組の心はあの頃と同様にふるえて・・・。

■感想 ☆☆*
 ズッコケ三人組シリーズの中で最も心に残っているのは
 今回のヒロイン真智子が三人の心をさらっていった
 「ズッコケマル秘作戦」だった。
 三人の甘酸っぱく、ほろ苦い初恋と、小学生にも関わらず
 小悪魔的魅力を備えた真智子の存在が衝撃的だった作品。
 今の私から見ても、真智子は嘘くさく、メッキが見えているにも
 関わらず、どこか魅力的なのだ。メッキがはがれないでほしい
 と願わずにはいられない危なっかしさがある気がする。
 そう思わせておいて、どこまでもしたたかに生き抜いていくのが
 真智子という女性なのだけれど。

 29年ぶりの再会を果たした際も、三人組は昔と同様、
 真智子にいいように振り回される。けれど、振り回されている
 三人は、「ごく普通の日常」「オトナの毎日」に突如現れた
 ささやかな刺激を楽しんでいたのかもしれない。楽しめる
 だけの余裕があるほど、今の三人にとって、真智子の存在は
 「過去」なのかもしれない、と思った。

 まだまだ続くらしい中年三人組シリーズ。
 最後の最後は、たとえ中年になっていても、三人らしく
 少年の頃のようなすかっとした味わいの終わり方を迎えてほしい。
 そう願っている。

せつないいきもの/竹本健治

2009年01月10日 00時29分20秒 | 読書歴
104.せつないいきもの/竹本健治

■ストーリ
 武藤類子は明峰寺学園高校の二年生。剣道部のエースにして、
 学園の有名人だ。それには理由がある。自身の才覚もさることながら
 彼女は史上最年少で本因坊に就いたプロの囲碁棋士・牧場智久の恋人。
 そして、一部でカリスマ的な人気を誇るミュージシャン・速水果月の
 想い人なのだ。しかも、彼女は不思議な事件に遭遇する奇縁も持ち合
 わせていた。賑やかな日常の狭間で、類子は孤独で歪んだ魂の軋みを
 聞く。

■感想 ☆☆
 副題「牧場智久の雑役」を見て、牧場智久シリーズの続編?!と
 興奮しながら借りてきた。しかし、副題は「牧場智久の雑役」。
 まさにタイトルどおりの本だった。主役だったはずの牧場さんは
 今回、姿も現さず、電話での出演のみ。
 ヒロイン、類子さんと共に活躍するのは「殺人ライブへようこそ」
 で主役を張ったことがあるらしい速水さん。中編3編が収録されて
 いるが、全編類子さんと速水さんのドタバタした会話が主で
 どこかライトノベルっぽい雰囲気が漂う。
 ライトノベルっぽい雰囲気が悪いわけではない。その雰囲気も
 好きだけれど、私が牧場さんのシリーズに惹かれたのは、
 天才が故に見えすぎて苦悩する牧場さんであり、天才にも関わらず、
 自分の才能の限界に気付き、それでも、上を目指してじたばたと
 もがかずにはいられない牧場さんだったのだ。

 あまりに初期と異なる作風に驚いた新作だった。
 もう元のテイストに戻ることはないのかな・・・。