2.流星ワゴン/重松清
吉岡秀隆◇ストーリ
死んじゃってもいいかなあ、もう・・・と思っていた38歳の秋の夜、僕は、5年前に交通事故死した父子の乗る不思議なワゴンに拾われた。そして、ワゴンの中で自分と同い歳の父親に出逢う。時空を超えてワゴンがめぐる、人生の岐路になった場所への旅。人生のやり直しは、叶えられるのか?
◇感想 ☆☆☆☆
ドラマ版の流星ワゴンが大好きだったため、原作も読んでみたくなり、図書館で借りてきました。
原作を読むことによって、改めてドラマ版の脚本のすばらしさ、チュウさん演じた香川さんのはまり具合を堪能できた気がします。香川さんだけでなく、主人公を演じた西島さん、西島さんの奥さんを演じられた井川遥さん、そしてワゴンの運転手、吉岡秀隆さん。原作を読んで、いかにこの人選がぴったりだったか実感できました。
ドラマと原作、どちらも好きでしたが、でもやはり原作を読んで改めて「ドラマの方が好きだったなぁ。」としみじみ思いました。
原作はあくまでも父と子に焦点を当て、そこをじっくりと描いていますが、ドラマでは原作にまったく出ていないチュウさんの奥さん(そして主役、西島さんのお母さん)のことも橋本さんの奥さん、そして西島さんの奥さんである井川さんなど、女性陣にもしっかりと焦点を当て、より一層「人が一緒に生きていくことのむずかしさ」「お互いに大切に思っているはずなのに、なぜかすれ違ってしまう哀しさ」を思い知らされました。
家族だから、近い存在だからこそ、許せなかったり、期待しすぎてしまったり、その結果、思うようにいかずにがっかりしてしまったりしてしまう。厄介な、そして愛しい存在が家族というものなんだろうな、と思いました。
実のところ、最近、少し香川さんの演技が少し苦手だったのですが、このチュウさんがあまりにも破天荒で厄介で不器用で愛しくて、またもや好きな役者さんに舞い戻ってきました。息子がかわいらしくてたまらないのに、どうしても感情を素直に表せなかったチュウさんが息子と同い年になり「家族」ではなく「朋輩(親友?)」として接することによって、不器用なりに素直に自分の気持ちを表せるようになる姿は、チュウさんがあえて息子と同い年の姿で現れた理由としてとても説得力があった気がします。
どんなときも一生懸命で「歴史の流れは変えられない」とどれだけ言い聞かされても、がむしゃらに息子のために、そして仲良くなったワゴンの親子のために泣いてわめいてさわぐチュウさんがとにかく愛しくてたまりませんでした。
・・・あれ?小説の感想、というよりはすっかりドラマの感想ですが、小説もドラマの雰囲気そのままでとてもおもしろかったです。
でもやっぱり、ドラマのほうが好きだなー。どちらもラストには希望がきちんとありますが、ドラマの方が希望の光が大きくて、そこもとても好みです。
吉岡秀隆◇ストーリ
死んじゃってもいいかなあ、もう・・・と思っていた38歳の秋の夜、僕は、5年前に交通事故死した父子の乗る不思議なワゴンに拾われた。そして、ワゴンの中で自分と同い歳の父親に出逢う。時空を超えてワゴンがめぐる、人生の岐路になった場所への旅。人生のやり直しは、叶えられるのか?
◇感想 ☆☆☆☆
ドラマ版の流星ワゴンが大好きだったため、原作も読んでみたくなり、図書館で借りてきました。
原作を読むことによって、改めてドラマ版の脚本のすばらしさ、チュウさん演じた香川さんのはまり具合を堪能できた気がします。香川さんだけでなく、主人公を演じた西島さん、西島さんの奥さんを演じられた井川遥さん、そしてワゴンの運転手、吉岡秀隆さん。原作を読んで、いかにこの人選がぴったりだったか実感できました。
ドラマと原作、どちらも好きでしたが、でもやはり原作を読んで改めて「ドラマの方が好きだったなぁ。」としみじみ思いました。
原作はあくまでも父と子に焦点を当て、そこをじっくりと描いていますが、ドラマでは原作にまったく出ていないチュウさんの奥さん(そして主役、西島さんのお母さん)のことも橋本さんの奥さん、そして西島さんの奥さんである井川さんなど、女性陣にもしっかりと焦点を当て、より一層「人が一緒に生きていくことのむずかしさ」「お互いに大切に思っているはずなのに、なぜかすれ違ってしまう哀しさ」を思い知らされました。
家族だから、近い存在だからこそ、許せなかったり、期待しすぎてしまったり、その結果、思うようにいかずにがっかりしてしまったりしてしまう。厄介な、そして愛しい存在が家族というものなんだろうな、と思いました。
実のところ、最近、少し香川さんの演技が少し苦手だったのですが、このチュウさんがあまりにも破天荒で厄介で不器用で愛しくて、またもや好きな役者さんに舞い戻ってきました。息子がかわいらしくてたまらないのに、どうしても感情を素直に表せなかったチュウさんが息子と同い年になり「家族」ではなく「朋輩(親友?)」として接することによって、不器用なりに素直に自分の気持ちを表せるようになる姿は、チュウさんがあえて息子と同い年の姿で現れた理由としてとても説得力があった気がします。
どんなときも一生懸命で「歴史の流れは変えられない」とどれだけ言い聞かされても、がむしゃらに息子のために、そして仲良くなったワゴンの親子のために泣いてわめいてさわぐチュウさんがとにかく愛しくてたまりませんでした。
・・・あれ?小説の感想、というよりはすっかりドラマの感想ですが、小説もドラマの雰囲気そのままでとてもおもしろかったです。
でもやっぱり、ドラマのほうが好きだなー。どちらもラストには希望がきちんとありますが、ドラマの方が希望の光が大きくて、そこもとても好みです。