のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

何がなんだか。

2008年11月30日 10時18分22秒 | 日常生活
来年の新人研修のための打ち合わせのため
九州四社の教育スタッフが集まりました。
ビジネスマナー研修を依頼する教育会社の営業さんも呼びつけて
今までより具体的に話を詰めていきます。

が。教育スタッフは女性四人。
話はあちらこちらへと飛び、雑談からいきなり本筋に戻ったり
本筋からいきなり今年の新人さんの近況報告に移ったり
営業さん泣かせかも、という言葉がちらりと心をかすめるほど
強引に話を進めていきます。
「論理的に話しなさいねー。」とか
「報告のときは結論からねー。」とか、どの口が言ってるの?!
てなもんです。

そんなこんなで営業さんがぐったりとしながら帰って行った後
突然、先輩が目をきらきらさせて叫びました。
「ちょっと!!いいこと思いついたんだけど!」

・・・なんでしょ?
その勢いに、思わず注目するワタクシたち。

「あの人、のりぞうさんのお婿さんにしちゃえばいいんじゃない?
 絶対、イイヒトだって!優しそうだし。」

・・・・は、はい?!
わ、ワタクシ?・・・え?!ワタクシ?!
「あの人」って今の営業さん?・・・え?!今、いらしゃっていた営業さん?!

「うん。今、ひらめいたのよ。絶対、いいって!
 あの人、独身だもん。」

「独身だもん」って。「絶対、いい」って!
「絶対、いい」の要素が「独身」しかないじゃないですか!!!

「見た目はそんなにかっこよくないけどさ。
 のりぞうさんのほうが背も高いけどさ。でも独身よ。」

いや!だから!!
「独身」ってことしか情報がないあたりが問題っつーか。
いや、その前にも色々と問題がたくさんありすぎるっつーか。
むしろ、そんな問題も発生しないぐらい
「無関係」な存在にしか過ぎないのに、
何をもって「絶対にいい」なのか分からないっつーか。

と、やや困惑している隙に、どんどん進んでいく話。
「よし。とりあえず、情報をもっと集めよう。」
「お食事にも誘わなきゃですねー。」
「私たち、ついていきます?1回目ぐらいはついていかなきゃですねー。」






・・・おーい?
ワタクシ、完全に置いてけぼりですよー?
ちゃんと連れてってー!!


・・・・いや、連れてってもらっちゃ困るけど!

明日に向かって走れ/エレファントカシマシ

2008年11月22日 12時21分01秒 | 音楽鑑賞
一度、アルバムを聴き始めたら、ひたすら同じものを繰り返します。
せっかくのiPodなのに。
百曲どころか、千曲だって余裕で入っちゃうのに。

今は、ようやくクルリの「ブレーメン」熱が少しおさまり(長かった!)
このアルバムに収録されている「昔の侍」のみ繰り返しています。
とにかくイントロからかっこいい!
好みドンピシャな曲は、始まった瞬間に分かるもんだなあ、と
初めてこの曲を聴いたときに思いました。

曲に負けず劣らず、歌詞にも力があって、
メロディだけが頭に残るわけではないところがまたイイのです。

いかにもエレカシ!なオトコの世界を醸し出す歌詞と
文語体が入り混じったちょっぴり堅さも感じさせる言葉がすごく合っていて
その堅さ、潔さ、ぴんとはりつめた感じが冬の朝にぴったりだと思う曲。

「たなびく雲 沈み行く夕日よ
 さよならさ、滅びし日本の姿よ
 さよならさ、我らが青き夢よ
 さよならさ、青き日々よ

 昔の侍は、自ら命を絶つことで
 自らを活かす道を 自ら知ってたと言う」

冬の夕べに聴いてると寂しくなります。
司馬さんなんて読んでると特に。

七瀬ふたたび/筒井康隆

2008年11月22日 09時54分52秒 | 読書歴
91.七瀬ふたたび/筒井康隆
■ストーリ
 生まれながらに人の心を読むことができる超能力者。美しきテレパス
 火田七瀬は、人に超能力者だと悟られるのを恐れて、お手伝いの仕事を
 辞め、旅に出る。その夜汽車の中で、生まれて初めて同じテレパシーの
 能力を持った子供ノリオと出会う。その後、次々と異なる超能力の
 持ち主とめぐり合った七瀬は、彼らと共に超能力者を抹殺しようと
 たくらむ暗黒組織と血みどろの死闘を展開する。

■感想 ☆☆☆
 七瀬三部作2作目。
 第一部「家族八景」では、七瀬はあくまでも「傍観者」であり
 七瀬が主体的に何かをすることはない。
 しかし、第二部に入り、七瀬は突如、自分の人生に積極的になる。
 超能力者であるが故に狙われる自分の身と仲間たちの命を守るべく、
 正体の見えない相手と懸命に戦い始める。

 第一部であれだけ人間のいやな部分、醜い部分を見続けた七瀬だが
 第二部で仲間を得て、仲間と過ごす中で、人として当たり前の生活を
 初めて楽しむことができる。そんな彼女の姿をみていると、人間は
 そう簡単に人間に絶望できないし、人間を嫌うことができないのだと
 実感できる。
 そして、「孤独」の辛さにも思いを馳せることができる。
 「テレパス」として、特異な能力を持ちながらも、
 能力を活用することなく、世間の片隅で目立たぬように生きてきた彼女が
 初めて能力を駆使したのは「仲間」を守るため、
 「仲間」が存在したため、だ。彼女は仲間を得ることで初めて
 テレパスとして「生きる」ことを始めたのだと思う。

 だからこそ、ラストの彼女の虚無と孤独に胸が痛む。
 
 現在、NHKでドラマ化されていますが、三部作の中でこの作品が
 もっともドラマ化されることの多い作品だということは読んでいて
 よーく分かります。視覚化しやすいし、話に華がある気がします。
 そして、さすがNHKさん。色々、細々と設定は変えているのに
 作品の持つ雰囲気自体は壊されていないな、と思うのです。
 (ヒロイン、七瀬は私の想像している「美人」とはかなり
  違ったけれど。ああいった寂しげな雰囲気の美人ではなく、
  かなり華やかな美人さんを想像していたので。)
 だからこそ、ドラマのほうでは、ぜひ七瀬にもう少し救いのある
 結末を用意してあげてほしいな、と思ってしまうのです。

家族八景/筒井康隆

2008年11月22日 09時24分37秒 | 読書歴
90.家族八景/筒井康隆
■ストーリ
 幸か不幸か生まれながらのテレパシーをもって、目の前の人の心を
 すべて読み取ってしまう美人のお手伝い、火田七瀬。
 彼女は転々として移り住む八軒の住人の心にふと忍び寄って
 マイホームの虚偽を抉り出す。

■感想 ☆☆☆
 自宅にあった七瀬三部作を久々に見つけ、読み直した。
 定価220円だったので、驚いて奥付を見ると、発行が昭和49年!
 かなりの年代モノ。そういった「時の流れ」を随所に感じる。
 それは「お手伝いさん」の存在自体にも感じるし、彼女が転々とする
 家庭の調度品だったり、家族の言葉遣いだったりからも感じさせられる。
 「時代の流れ」を如実に感じられるからこそ、「人間」の本質や
 人間たちの抱えている問題の変わらなさを実感できる。
 もしくはこの時代の人たちが作り上げた「時代」が「今」に
 大きく影響していること、同じときの流れに乗って「現代」が
 あることを強く感じることができる。

 「テレパシー」という切り口やコミカルで軽い文調のおかげで、
 とても読みやすいが、それでも読んでいるうちに、連続して見せられる
 「人間」の闇に、心が少し悲鳴をあげてしまう。疲れてしまう。
 だからこそ、七瀬が自分の能力を疎ましく思っている様子にも
 この力を悪用しようとしない様子にも共感できるのだと思う。

都市伝説が生まれるとき

2008年11月19日 23時56分28秒 | 日常生活
帰宅途中に博物館前を通る用事が発生し
閉館後、人通りの途絶えた博物館前をとぼとぼと歩いておりました。
ちょっとした計算違いから、
歩行者用の街灯がたっぷり設置されている歩道ではなく
駐車場側の道に出てしまったために
閉館後で電気も消えてしまった薄暗い博物館前を
本当にとぼとぼと歩く羽目に・・・。

実はビビリーなので、歩く速度もいつもより若干、早めです。
ヒールの音を静かな通りに響かせて
颯爽と(しかしビビリながら)歩いていると
30メートルほど前方にある信号機が青に変わるのを発見!

あの信号は、青信号より赤信号の時間のほうが長い魔の信号!
急げっ!今のうちに渡り切ってしまうのだっ!!

「待つ」ことが苦手なワタクシ。
歩く姿だけで露呈してしまっているらしい
鈍い運動神経をものともせず、ブーツで猛ダッシュ。
気持ちだけは、ものすごい勢いで猛ダッシュ。
信号にも余裕で追い付けそうな勢いで
(あくまでも勢いだけ)猛ダッシュ。

ちょうどそのとき。
ワタクシのすぐ前を自転車でちんたら走っていた
男子中学生3人組がちらっと後方を振り返り
ワタクシと目が合った瞬間、大慌てで自転車のスピードを上げました。

信号はまだ先。
おかげで走り続けるワタクシ。
自転車のスピードを上げ続ける男子中学生たち。
もう一度振り返る男子中学生たち。
さらにスピードを上げる男子中学生たち。
青信号がチカチカし出したために
最後の頑張りをひねり出してスピードを上げるワタクシ。
「もしやこの子達、何か勘違いしているのでは?」
という疑惑が頭の片隅をかすめつつも懸命のダッシュです。

その様子を気配で感じるのか、
更に更に速度を上げ、とうとう颯爽と信号を渡り切った中学生たち。

・・・ワタクシは間に合いませんでした。
土台、ナケナシの運動神経では間に合うわけがないのです。
日頃の訓練も足りていないし。
息をゼエゼエ言わせながら、信号の傍で無念をかみしめていると
信号の向こうから男子中学生たちの声が聞こえてきました。

「やべー!!チョー怖かった!!」
「すげーびっくりしたー。」




・・・やっぱり。
ちょっとね、思ってたのよね。
というか、確信してたのよね。
絶対、勘違いされてるなって。
というか、というか、ね。
自覚もしてたのよね。
第三者的に冷静に見ても、今のワタクシ、確実に怪しい人だなって。



・・・・。
もう。
変質者に注意するお年頃じゃなくなったんだよね。
と物悲しい気持ちに襲われました。

■本日の教訓
 暗い夜道にはくれぐれもご用心。
 不用意に猛ダッシュなんてしてはいけません。
 特に前方に若い子がいるときは。


ちなみに。
今日の今日まで遭遇したと思いこんでいた変質者の方々は
あの方もあの方もあの方もあの方も
若さゆえに、周囲がまったく見えていなかったあの頃のワタクシが
勝手に勘違い、思い違いによって仕立て上げた
架空の(妄想の)変質者だったのかも、
と申し訳ない気持ちでいっぱいになってきました。

えっと。
あの頃の方々、ゴメンナサイ。

■本日の教訓 その2
 若いって罪作り。

オンナの性

2008年11月19日 23時56分16秒 | 日常生活
もしかして、今年は冬なんて来ないのかも・・・
と、甘い期待を抱いていたのですが
朝起きたら、あっけなく、しかも唐突に冬がやってきていました。
確か先週まではコートどころか
ジャケットだって羽織らずに過ごしていたのはずなのに。
今朝はコート羽織って手袋つけて、と完全防備です。

それだけの完全防備で歩いているというのに
歩いている間中、ひたすら眉間に皺寄せておりましたとも。
あまりの寒さに、危うく家に帰るところでした。
今年一番の頑張りでなんとか駅にたどり着きましたが
自宅から徒歩15分の駅に着くころには
思春期、反抗期の中高生なんかには
まったく負ける気がしない不機嫌な顔つきに
校舎の窓ガラスなんて何枚でも割れちゃうんじゃないか
というぐらいの勢いで力んでいる肩で歩き続けていたため
それだけでぐったりと疲れ果てておりました。

・・・寒い。
寒いぞー!!
寒くてたまらんぞー!!

「暖冬だ」「暖冬だ」と言われている昨今
冬がきちんと寒いのは喜ばしいことなんだけれど!
11月も終わりを迎えようとしているのにこの暖かさはなんなのさ?!
と若干、不安を感じてはいたけれど!!

でも!でも!!
一晩のうちにここまでの寒さは求めてなかったっつーか。
ワタクシもそこまで心の準備ができてなかったっつーか。
来るんなら少しずつ近づいてほしかったっつーか。

・・・・どうせ、環境変化に弱いオンナです。
適応能力の乏しいオンナです。

というわけで、今晩から大好きな湯たんぽさんとの
甘い関係を復活させることが確定しました。
数年前は
「湯たんぽ?!・・・・ぷっ。」
と鼻で笑われていた湯たんぽさんも
昨今の「エコ」大流行によって、今年は完全に市民権を得ている模様。
なんなら、数年前に鼻で笑った方々の中にも
今では愛用している方がちらほらいるような気がしないでもないような。
あのときは、小馬鹿にしていたくせにー!!
と憶測だけで鼻息を荒くしている今日この頃。

湯たんぽさんの価値がきちんと認められ
再び多くの方々に愛されるようになったことは非常に嬉しいけれど。
一方で、ワタクシの胸の中には
応援していたアマチュアバンドがデビューして
思いがけなく大ブレイクしてしまったような寂しさもちらほらあるのです。

あのころから一番前に座って聞いてたんだからねー!
ワタクシが一番のなじみ客なんだからねー!
時代や流行に左右されていなんだからねー。
と大声で主張したくなるワタクシは
結構、独占欲の強いオンナなのではないかと思うのです。

クリスマスプレゼント決定

2008年11月16日 10時27分45秒 | 日常生活
来年のキャラメルボックス公演情報をチェックしたところ
衝撃の事実が発覚しました。・・・ていうか、発表されてました。




来年、キャラメルさんは福岡には来ません。


・・・・しくしくしく。
今年、日程が合わなくて見られなかったから
来年こそは!と楽しみにしていたのにっ。

しかも、来年の公演スケジュールを見ていると
ワタクシの大好きな作品が再演リストとして名を連ねているのに。
他の劇団に浮気なんかしちゃった報いでしょうか?
せつな過ぎる・・・。

あまりに切なくて、
とりあえず劇団のDVDを購入してみました。
自分へのクリスマスプレゼントです。
・・・・これまた、そこはかとなく切ないなー。

自分用のメモ

2008年11月16日 09時59分39秒 | 読書歴
どうも読書感想がまったく追いつきそうにない様相を示してきたので
とりあえず自分用にのみメモ。

90.家族八景/筒井康隆
91.七瀬ふたたび/筒井康隆
92.魔王/伊坂幸太郎
94. 子供たちは夜と遊ぶ(上)(下)/辻村深月
96.冷たい校舎の時は止まる(上)(中)(下)/辻村深月
99.凍れるくじら/辻村深月
100.ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(上)(下)
102.ハリーポッターと謎のプリンス(上)(下)
104.ハリー・ポッターと死の財宝(上)(下)
106.九年目の魔法/D・W・ジョーンズ
107.ふたり/赤川次郎
108.坂の上の雲(1)

通勤時間が増えたおかげで、以前より本と付き合う時間が増えました。
「通勤、大変でしょ?」
とよく言われますが、おかげさまで、幸せ通勤ライフです。

そこは納得なんだ・・・。

2008年11月16日 09時46分33秒 | 日常生活
先週末、ワタクシにさらっと駄目出しをした母上ですが
憤慨しながら妹に訴えていると、隣でいぶかしげな表情をしながら
「そんなこと、言ったっけ?私が?」
と抜けぬけと言ってのけました。
どうやら起こった出来事すべてを忘れ去っている模様。
記憶力のなさは確実に遺伝です。

そこから
「そもそも芸能人で誰に似てるって言われたことがあるん?」
と、妙に合コンチックな話題が展開されました。
前回、母上に手ひどい言葉を投げかけられたワタクシ。
打たれ弱いので、無難に「女優さんじゃない人」を挙げてみました。

「・・・・妖怪人間のベラ?」

「あ!!似とう!!しかも、最近のあんたは特に似てきた気がする!!」
満面の笑みを浮かべて、あっさりと肯定する母上。
「うんうん。確かに似とう。
 なんやろ?パーツは似てるところないのに、雰囲気そっくりやね。」
と、しみじみ感心する母上。



・・・・ふん。
そういえば、小学生のとき、母上から
「あんたって、楳図かずおの漫画に出てくる
 「ヘビオンナ」に似とるよね。特に口元が。」
と言われたっけ。
今回は「似ているパーツはない」のです。
ちょっぴり人間に近づいた気がしないでもないのです。

アカネちゃんと涙の海/松谷みよこ

2008年11月14日 00時45分30秒 | 読書歴
89.アカネちゃんと涙の海/松谷みよこ
■ストーリ
 もうすぐ1年生になるアカネちゃんに、とてもうれしいことがありました。
 なかよしのくつしたの、タッタちゃんとタアタちゃんが、帰ってきたのです。
 かなしいのは、おわかれです。モモちゃんとアカネちゃんは、
 パパといちばんかなしいおわかれをします。

■感想 ☆☆☆☆☆
 何度も読み返している「モモちゃんとアカネちゃん」シリーズ。
 特にパパとママがお別れをする第3作とシリーズ最終回のこの作品は
 もっとも頻繁に手にとって読み返している。今回も寝る前に読む本を
 選ぼうと本棚を眺め、久々に手を取った。

 モモちゃんもアカネちゃんも大きくなり、その興味は自分の身の回りの
 ことだけでなく、地球環境問題や戦争といった広い世の中の問題にも
 向けられ始め、ふたりの成長を具体的に実感することができる。
 だからといって、物語は声高に正義をふりかざしたりはしない。
 物語を小難しくすることもない。あくまでも読者にわかりやすく
 身近な感覚と言葉で作者の思いを伝えてくれる。

 そして、物語はふたりが父親の死を理解し、受け入れるところで、
 静かに終わりを迎える。あたたかく優しい言葉で描写されている
 この短い話は、何度読み返しても、ふたりの悲しみ、寂しさに
 胸がぎゅっとつかまれるような痛みを覚える。
 シリーズを通して、ふたりは少しずつ大きくなった。
 その間に父親と母親は別れ、別居することになったが、
 父親は折にふれて物語に登場する。「パパおおかみ」として
 ふたりと共に過ごし、ふたりを慈しんでいる。
 シリーズは全6作。しかし、第1作から6作まですべてが揃うまで
 実に20年。そういった長い年月をかけて、ふたりと共に過ごし
 パパとママとモモちゃんとアカネちゃんの姿や絆を追ってきたからこそ、
 ふたりの寂しさがまるで実在の友達のことのように迫ってくるのだと思う。

 児童向けのお話なので、一編はわずか5、6ページほどと短い。
 父親がなぜ亡くなったのか、どんなふうに亡くなったのか、
 ふたりにどんなふうに伝えられたのか、など詳細な情報や
 過剰な描写は全くない。
 物語は、モモちゃんとアカネちゃんの様子を眺める地球さんの
 ひとりごとで構成される。 
 シンプルな言葉だからこそ、伝わるものは多いことをしみじみと
 感じさせてくれる掌編だ。