13.虹の女神/2006年日本
■ストーリ
空に水平に走る珍しい虹を写メールして、アメリカにいる友人
あおいに送った智也。だが彼女からの返事はなく、帰ってきたのは
彼女の事故死の知らせだった。葬儀が行われる中、智也はあおいとの
出会いから今までを振り返る。
■プロデューサ:岩井俊二、橘田寿宏
■監督:熊澤尚人
■出演
市原隼人、上野樹里、蒼井優、酒井若菜、鈴木亜美
相田翔子、小日向文世、田島令子、佐々木蔵之介
■感想 ☆☆☆☆
見終わった後に、プロデューサーが岩井さんだと知り、心から
納得した。瑞々しく儚げな印象を与える映像、不器用な主人公と
ヒロイン、青い青い空のシーン、劇中に使われている大学や公園
それらがかもし出す雰囲気がいかにも「岩井さん」。
見終わった後に残る切ない感情も岩井さんの映画の特徴だと思う。
見ているこちらが歯がゆくなるようなすれ違いを繰り返す
主人公とヒロインを見ていると、つくづく恋愛には
タイミングと素直さが必要なんだなと思う。
目の見えない妹という存在があって初めて成立する
ラストシーンで主人公はようやく、自分とあおいが両思いだと
知ることができる。相手が亡くなった後に知ってしまう両想いが
全編を覆っている切なさに拍車をかける。
素直になるべきときに素直になれないもどかしさ。
傍にいるから分からない相手の気持ち。
自分の感情をコントロールするのに必死な未熟さが甘酸っぱい。
上野さん、蒼井さんの演技がとにかく見事。
特に上野さんは、当たり役立ったドラマ「のだめ」を
まったく感じさせない繊細で不器用で恋に臆病な女の子を演じていて
この映画の魅力を一手に引き受けている。
勿論、私が彼女の演技を好きという欲目もあるかもしれないけれど
この映画の上野さんはとにかく魅力的だった。
特に主人公の告白を受けて感情を爆発させる場面は見事。
冗談交じりにしか言えなかった主人公の告白に
もしかしたら、という嬉しさと、
冗談でしかなさそうな告白への困惑と、
その告白を受けられない「友人」という微妙な距離感への
やるせなさという感情が一挙に表れてぐちゃぐちゃになった姿が
いとしくてたまらなかった。すごく近くにいるからこそ
素直になれないヒロインのもどかしさが伝わってきた。
そして、屋上での告白シーン。
「日本にいればいいじゃん」と精一杯の勇気で引き止める
主人公に「日本、なんだ。そばにいればいい、じゃないんだ。」
と寂しそうに呟く上野さんは抱きしめたくなるぐらい可憐。
ありふれた初恋物語かもしれないけれど
映像も人物像も全編丁寧に作られていて、最後まで見入ってしまった。
劇中映画「The End Of World」も短編映画として見事。
雰囲気としては、この作品のほうが本編より好きかも。
■ストーリ
空に水平に走る珍しい虹を写メールして、アメリカにいる友人
あおいに送った智也。だが彼女からの返事はなく、帰ってきたのは
彼女の事故死の知らせだった。葬儀が行われる中、智也はあおいとの
出会いから今までを振り返る。
■プロデューサ:岩井俊二、橘田寿宏
■監督:熊澤尚人
■出演
市原隼人、上野樹里、蒼井優、酒井若菜、鈴木亜美
相田翔子、小日向文世、田島令子、佐々木蔵之介
■感想 ☆☆☆☆
見終わった後に、プロデューサーが岩井さんだと知り、心から
納得した。瑞々しく儚げな印象を与える映像、不器用な主人公と
ヒロイン、青い青い空のシーン、劇中に使われている大学や公園
それらがかもし出す雰囲気がいかにも「岩井さん」。
見終わった後に残る切ない感情も岩井さんの映画の特徴だと思う。
見ているこちらが歯がゆくなるようなすれ違いを繰り返す
主人公とヒロインを見ていると、つくづく恋愛には
タイミングと素直さが必要なんだなと思う。
目の見えない妹という存在があって初めて成立する
ラストシーンで主人公はようやく、自分とあおいが両思いだと
知ることができる。相手が亡くなった後に知ってしまう両想いが
全編を覆っている切なさに拍車をかける。
素直になるべきときに素直になれないもどかしさ。
傍にいるから分からない相手の気持ち。
自分の感情をコントロールするのに必死な未熟さが甘酸っぱい。
上野さん、蒼井さんの演技がとにかく見事。
特に上野さんは、当たり役立ったドラマ「のだめ」を
まったく感じさせない繊細で不器用で恋に臆病な女の子を演じていて
この映画の魅力を一手に引き受けている。
勿論、私が彼女の演技を好きという欲目もあるかもしれないけれど
この映画の上野さんはとにかく魅力的だった。
特に主人公の告白を受けて感情を爆発させる場面は見事。
冗談交じりにしか言えなかった主人公の告白に
もしかしたら、という嬉しさと、
冗談でしかなさそうな告白への困惑と、
その告白を受けられない「友人」という微妙な距離感への
やるせなさという感情が一挙に表れてぐちゃぐちゃになった姿が
いとしくてたまらなかった。すごく近くにいるからこそ
素直になれないヒロインのもどかしさが伝わってきた。
そして、屋上での告白シーン。
「日本にいればいいじゃん」と精一杯の勇気で引き止める
主人公に「日本、なんだ。そばにいればいい、じゃないんだ。」
と寂しそうに呟く上野さんは抱きしめたくなるぐらい可憐。
ありふれた初恋物語かもしれないけれど
映像も人物像も全編丁寧に作られていて、最後まで見入ってしまった。
劇中映画「The End Of World」も短編映画として見事。
雰囲気としては、この作品のほうが本編より好きかも。
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