のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

【アニメ】進撃の巨人

2014年05月13日 23時18分45秒 | テレビ鑑賞
従兄弟が「絶望的な気持ちになるからぜひ見てみて」とおススメしてくれた
(改めて思い返すとヒドイ進め方だな。)「進撃の巨人」をようやっと鑑賞。
見終えて「なるほどね・・・。」とため息をついたのでした。

今や社会現象にもなりつつある人気作品ですが、物語は謎に満ちていて
アニメ作品の最終回では、張り巡らされた伏線がまったく回収されませんでした。
それでも特に不満を感じなかったのは、私がこの作品に対して
「謎の解明」を求めていなかったからなのかな、と思いました。
私にとって、この作品は「デフォルメされた現代社会」そのもので、
描かれているのは、「考えることをやめて、楽な方向に流されている私」の姿でした。
「どうあがいても無駄。何も変わらない。
 だったら、変に頑張らず、この壁の中で今を楽しんで生きたほうがいい。」
そう思ってしまう私の弱さを目の前に突き付けられた気がします。

考えて行動することには勇気が必要とされる。
判断することによって、自分自身にも責任が生じてしまう。
その怖さ、不安を丁寧に描いた上で、それでも
 「考えることをやめるな。」
 「自分で考えて行動するんだ。」
と自分自身を鼓舞する主人公の姿に作者の問いかけが重なる印象的な作品でした。

また、「正解」を求め、考えて考えて考え抜く主人公に
 「どれだけ考えて行動しても、正解なんて分からない。」
 「どちらに動いても犠牲が生じる可能性はある。
  考えて行動するということは、
  その犠牲を受け入れる覚悟が必要とされるということなんだ。」
といった厳しい姿勢に耳につまされる作品でした。

私は、今を何も考えずに生きているけれど、
私が、「今何も考えず、世の中の流れに身を任せている」ということも
今の社会に大きな影響を与えている。
何も考えない私ですら、今の社会を確かに形成している。
人間の(私たちの)敵は「巨人」だけではない。
もっと言うならば「巨人」ではない。のかもしれない。
人間を脅かすものはいつだって、私たち人間なのかもしれない。

そういったことに思い至ることのできる作品でした。

最終回で挿入されていた示唆にみちた「壁」の話は静かな怖さに満ちた話だったな。
シーズン2もぜひ放送されてほしい。
この世界観にどういった決着をつけるのか。
未来にかすかな希望を見せてくれるのか。
楽しみに待ちたいと思います。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿