信州スロウライフ12ヵ月

野菜や草花と暮らす生活

八ヶ岳薪能

2009年08月03日 22時30分08秒 | Weblog
昨日まで雨が続き、しかも週末の2日間はゲリラ豪雨で道路が川になってしまうほどの降り方であった。
今朝起きたら、雨雲は無くなり青空になっていた。
急激に夏がやって来て午後は焼け付くような暑さがやって来た。
例年北杜市の身曾岐神社の能楽堂で8月3日に八ヶ岳薪能が奉納される。
今回は月曜日にあたった。
午後から休暇を取り、午後3時半開場のため車で諏訪から大急ぎ、小淵沢まで走った。
雨天決行を昨日まで予測していたが、流石に神様の集う森は青空が広がり、能楽堂の池では鯉が跳ね、周りの森ではひぐらしの蝉時雨となった。
日本一の能楽堂は1,500人くらいの観客が集まっている。
中高年の女性客、しかも多分平均年齢50歳代後半と見られる。

VIP席では市長や衆院議員、歌手のゆず、と様々。
今回の題目は能の西王母、狂言の清水、能の鞍馬天狗である。
これで移住して来て3回目の能を見るが、これまで平家物語や源氏物語に由来するもので物悲しさを味わっていたが、今回は若い継承者を中心に演じられていた。
世阿弥生誕100年目という記念の年で武蔵野大学の増田先生の解説があり、世阿弥の初心忘れるべからずの精神を説いていた。
人間常に生きている限り、初心であるべきで、60才を過ぎたら直線コースの仕上げ時期になるという。
もう年だからなどと引っ込んでいてはいけない。

約2時間半に亘り鑑賞したが、天候、周囲の環境、重厚な能舞台、暮れてからの篝火、全て夏の夜の贅沢な幽玄の世界に浸ることが出来た。
能の舞台を日常見る機会がないがこうして夏の八ヶ岳の麓でのイベントとして毎年鑑賞できるので、積み重ねをしていけば良いのであろう。
東京方面からの客が多く、これだけの観客が一斉に終了後車でそれぞれ戻っていくのだが、方向が違うのであろう、真っ暗の夜道を原村へ到着するまで前後の車もなく走った。
余韻が残ってこれもまた良かった。