Il film del sogno

現実逃避の夢日記

下町の太陽

2006-05-13 23:49:00 | 日記
5/11(木)雨のち曇り
小雨が降り、蒸し暑い。
その上、信号事故でダイヤが乱れた電車は超満員。不快指数はメーターを振り切る。

夕方、退屈な商談が品川であり。
そのまま山手線を半周。

池袋・新文芸坐にて「下町の太陽」を鑑賞。
場内は中高年のおっさんばかり、しかもガラガラ。
1963年松竹製作、モノクロ。
監督は本作が長編デビューの山田洋次。
前年に発表され大ヒットした倍賞千恵子の同名曲を映画化。共演は勝呂誉。
作家はデビュー作に向かって収斂する。
のちの寅さんをはじめとする監督の喜劇性や説教臭が全て出揃っているのに驚いた。
昭和38年、ヒロインの父は月給2万3千円、一家は荒川沿いの貧乏長屋に住み、正社員となり郊外の団地に住むことを夢見る彼氏がいる。
彼女は石鹸工場の女工である。
勝気であり健気である。
この時代の邦画を観ると風俗描写にばかりに注意がいってしまう。

藤原釜足・東野英治郎・左卜全・菅井きん・加藤嘉といった脇役陣が懐かしい。

唐突だが、世の中、貧乏はあったほうが良い、と改めて思う。
貧困には昨今もっとも失われつつある希望がある。
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好きだ、

2006-05-13 23:41:00 | 日記
5/12(金)晴れのち曇り
久々の晴天。
会合だ打ち合わせだとまぁ週末らしく慌しい。

東京・八重洲の百貨店最上階の割烹で宴席あり。
50歳を前に結婚を決めた知人を肴に大いに盛り上がる。
しかしそんなにしたいかね、結婚・・・。
来世は独り身が良いと考えるわたくし。

宴はてて21時。
有楽町シネカノンで『好きだ、』をレイトショウ鑑賞。

静かな恋愛映画。
主演の宮崎あおいと瑛太が17歳の高校生を、西島秀俊と永作博美が34歳になった大人を演じる。
変則ダブルキャスト。されど違和感なし。
科白と音楽がほとんどない。好ましい。
舞台は秋田・大館。
広い空と河川と土手。
アップと長廻し。
賛否分かれる作品だと思う。
中だるみもあるし、ラストも少し違和を感じた。
しかし、ゆったりとしたリズムがわが生理と完全一致。
二人の歯がゆさ、じれったさがなんとも良い。
だって恋愛って淡くて脆くて儚いもんでありましょう。
17年間、たった一言の告白が出来ずに過ごしてきた二人の生活が匂い立つように立ち上る。

小山田サユリ、野波麻帆、加瀬亮、大森南朋とキャスティングも渋い。

監督・脚本・編集は石川寛。
繊細な感性の持ち主とみた。
前作「tokyo.sora」は気にはなっていたが未見。探してみるか。
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