Il film del sogno

現実逃避の夢日記

残虐記

2006-05-30 00:18:00 | 日記
5/29(月)晴れ時々曇り
雨が降ればじめつき晴れれば蒸す、まこと梅雨の近きを思わせる天候。
早朝より青物横丁へ出向く。
慌しくプレゼン。
続いて来客あり、訪問先あり。
夕刻、分倍河原へ。
打ち合わせ、続いて懇親、宴席。

桐野夏生の『残虐記』を読了。
新潟県で起きた少女監禁事件に材をとった後味悪い作品。
もっとも読後感の不快なことは、この著者の持ち味ではありますが・・・。
失踪した女性作家が残した一編の原稿。
この女流小説家は、少女時代に若い男に誘拐され暗い過去を持つ。
突然、世界を閉ざされた少女の深層心理がリアルに語られてゆく。
少女は無事に解放され、実社会へもどるが、当然周囲と馴染めず苦悩する。
語り口に巧妙な仕掛けが施され、それが更なるリアリティを生む。
人心の深淵をえぐる作者の筆は冴えわたり、読む者の神経を揺さぶるのだ。
我々は誰もがみな、他者の厄災を、どこか興味本位で面白がっている。
嫌な生き物だなぁ、人間てぇ奴は。



コメント
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