Il film del sogno

現実逃避の夢日記

ヤング≒アダルト

2012-03-03 01:57:08 | 映画
3/2(金)曇り後雨
曇天から降雨。気温は上がったり下がったり。朝礼当番。社員心得唱和。終日友人宛のメールの下書きをする。今月の長期休暇を申請。定刻退社して強風霧雨の中を日比谷まで徒歩移動。異性の友人とゴジラの銅像前で待ち合わせ、簡単な健康食を摂ってシャンテシネで贔屓女優の新作を鑑賞。30代後半、バツイチ、都会暮らしの美貌の婦女子の帰郷譚。これはイタ面白い。ジェイソン・ライトマン監督、ディアブロ・コーディ脚本といえば『JUNO』のコンビである。監督の旧作『サンキュースモーキング』や『マイレージ、マイライフ』を見る限り、単純なガールズ映画になるとは思えなかったが期待以上の出来栄え。シャリーズ・セロンは美醜の落差を演じ分けて圧巻。脱ぎ惜しみしないところも宜しい。二日酔いの朝のコーラのラッパ飲みが実に様になる。全裸になるより恥ずかしいであろう下着姿などありましたが邦家の女優に欠けているのはあの辺の根性だな。彼女のフィルモグラフィーを眺めての雑感。キアヌ・リーブス[ディアボロス]の妻役で注目、ジョニー・ディップの妻役[ノイズ]でブレイク、トビー・マグワイアの恋人役[サイダー・ハウス・ルール]で評価不動、[モンスター]でオスカー獲得。申し分のないキャリアで年に1・2作と露出度は高くない。駄作にも出ていないわけではないが打率は極めて高い。選択眼が良いのだろう。近年の佳作はキム・ベイジンガーとがっぷり四つに組んだ[あの日、欲望の大地で]。女優の真贋は不倫ものを演じさせるに限る。女性にとっての化粧とは武装なのである。鏡の前の顔つきが徐々に戦闘モードに化けてゆく過程を描いて監督も意地が悪い。ヒロインが住むミネアポリスは人口40万に満たない地方都市(それでもミネソタ州最大の都市)らしいが日本に置き換えるとどんな感じか。千葉の柏市がちょうど同じ人口規模だった。印旛沼あたりの農家が実家で柏の駅前のワンルームマンションに住んで首都圏に通うアパレル企業のトウのたった広報担当ってところか。かつてのクラスメイトなどサブキャラに味があって良し。ホテルのフロントのお姉ちゃんの無愛想加減とやり取りなどが秀逸。サウンドトラックや小道具の類のアイテムが実に丁寧で良く出来ていた。サンリオに勤める友人がいるのでタイアップの有無を聞いたら≪知らぬ≫とのこと。キティーちゃんはディズニーキャラほどうるさくない?他者より秀でた才能(圧倒的ではない)、誰もが羨む美貌(但し下り坂)、過剰な思い込み(特に甘いノスタルジー)は行き場を誤まると極めて危険な凶器になる。そして大都会と云うのは、こうした秘めたる匕首を携えた上昇志向のある田舎者たちが、成り上がって造った街であることが今更ながらよく解った。大満足で日比谷公園を周回して帰路に就く。
コメント
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