HAPPY-GO-LUCKY!

E・コッカーと戯れる浪費派リーマンのゆるい生活

老害なの、俺?の巻

2022-12-05 16:24:25 | 本と雑誌

先日、中国新聞社さんの女性会員組織「STORY」の講演会に、内館牧子さんがいらっしゃったらしい。

その会員である奥さん、彼女の最新作を買ってましたよ。
借りて読んだら、ふむふむ。
なかなか面白い。





老害の人って、声が大きくて、自慢話ばかりで、相手の言うことは聞かなくて、とにかく自分勝手で…
さまざまに面白おかしく書いてありました。


で、最近、「あれ? 俺、老害の人?」って思うことがあったのよ。

それはね。
社外役員をやってる会社の取締役会があって、地方の小都市へ。
で、ホテルでしゃんしゃんと会を終え、部屋から真っ先に飛び出したのさ。

とゆーのが、新幹線の接続がギリギリだったのね。

新幹線駅まで5キロぐらいあるんだけど、発車までもう30分しかないってタイミング。
なので、フロントの女性に「タクシーをなるべく急ぎでお願いします」と声を掛けた58歳会社役員。
その便を逃すと、次の「こだま」は一時間後ってゆー、まあ、若干田舎だったわけです。




(文中と写真は関係ありません)

なんだけど、その20代フロント女性は頷いてはくれたものの、タクシー会社に連絡する気配がない。
フロントで接客してたところに御願いされたので、ムッとしたみたい。
ただ、チェックインのお客さんは時間を掛けていろいろ記入してるので、その間に電話してくれれば済む話なんだよね。


で、こっちはイライラ。
10分以上待ち、何の動きもない。
そんなところに彼女の上司らしき女性が通りがかったので、一言申し上げた。

「あのね、わしゃ、さっきから待っとるんよ。一本、電話入れられん?」ってのを極めて丁寧に。




(文中と写真は関係ありません)

すると、ホテルの支配人らしき人が出てきた。
で、「どうぞ、お送りしますので、お乗りください」と、ホテルのバスもエントランスに回された。


しかし、わしは「もうええ。乗らん!アンタらが呼んだタクシーを待つわい!」と、極めてジェントルに。





で、タクシーがやって来て、憤然と乗り込むワシ。

運転手さん、事情を多少聞いてたようで、「何時の新幹線です?」
わし 「3時です」
運転手さん 「あと13分か。やってみましょう!」

 

すると神のようなハンドル&アクセルさばきで、なんと間に合った!
「ええドライビングを見せてもらいました!」
あたしゃ、タクシー代より多いチップをオンさせていただきましたよ。





(文中と写真は関係ありません)


で、新幹線の車中、この「老害の人」を読みながら,ハタと気付いたのです。
「俺って、老害の人?」って。

相手側に立ってみれば、ちと強面のじじいが勝手にイライラしてるわけ。
で、なんかめんどくさそうだから、好意でバスを回したら、「特別扱いせんでええ!」ってドスを利かせられる。

「うわぁ、めんどくさ!」って話だよね。




(写真と文は関係ありません)


リアルな話としては、ちっちゃな権力(タクシー会社に電話をする、しない)を握ったフロント女性が明らかに意地悪してたので、
俺はムッとしたんだけどね。

でも、外形的には「老害の人」だよなあ~。
こりゃ、反省ですな。

 

そんな、高齢者を軸に描いた内館作品とは打って変わって、こんな本もわが家に。





あら、あっくん!(笑)

若者のための死の教科書 | 中川瑛 下山明彦 長谷川彰宏 前田陽汰 |本 | 通販 | Amazon


死生学、哲学方面に興味を抱いてきたセーネン。
いろんなことを考え、インドで瞑想し、樹海で過ごし、無人島でサバイバルしてきたわけだw
そんな彼が同世代に向けて書いた章は「人生には意味がある」だったっけかな?

宗教学者の島田裕巳氏の監修だそうな。

著者を代表して中川瑛からのメッセージ

「若者が語る、死の教科書を作ったらいいんじゃない?」 「えっ、教科書ですか!?」 宗教学者の島田先生に初めてお会いした時の会話が思い出されます。これが、先生の元で毎月のように集まって死や生について議論する勉強会と、その成果としての本書の始まりでした。 第1章「生まれてくる方がいい」では、自分がDVの加害者であると自覚した人にとって、子どもを持つとはどういうことかが検討されます。 第2章「人生には意味がある」では、神秘的な体験をした人にとって人生の意味とはどのようなものかが対話形式で語られます。 第3章「死は怖くない」では、関西のイジリの文化に傷ついていないフリをしていた人にとって、なぜ死が怖くないのかが描かれます。 第4章「死は限りなく美しい」では、介護にも携わり、死の容赦のなさについてよく知る人にとって、死は限りなく美しいのかが問われます。 本書は「教科書」という響きとは裏腹に、極めて個人的で個別的な話が並んでいます。もしかしたら、いまあなたが欲しい問いへの応答はここには書かれていないかもしれません。 しかし、どうやって考えたらいいのか、そのヒントにはなる。そんな1冊になったと思います。


とゆーことらしい。

いやあ、こりゃ、対照的だね。





社内外、地域で若者を応援しながら、老害をまき散らさないよう、静かに生きていきましょう。


近所にできたスープカリーのお店。「キング」
なかなか美味しゅうございましたよ。





 

 

SOUP CURRY KING FC じぞう通り店(スープカリーキング)|広島

札幌発!広島市じぞう通りに大人気のスープカレー専門店が初上陸!札幌の名店「スープカリーキング」のフランチャイズ第一号店です。「鶏ガラのコクスープ」と「和風1番だし...

SOUP CURRY KING FC じぞう通り店(スープカリーキング)|広島

 

 

うんうん。

 


TOKIOふらふら!の巻

2022-06-01 14:37:00 | 本と雑誌
久しぶりの上京。
まずは腹ごしらえの國松&武蔵坊。



やはりキング軒の方が好みだな。


で、TOKIOまでの4時間。
読書しましょう。




先日出たばかりのこれ。
知人がいっぱい出てきます。
この著者は知らないけどね。



で、あっという間に読んじゃいました。
面白い。

すべてが事実とは思わない。
著者から見た「事実」なんだろうから。

それにしても、身をつまされる内容でした。


からの新橋。
BAOさんとこ。




ここも久しぶりですが、変わらずよろしい。



退職したら、羊を出す店をやりたいなぁ。





いつも期待を裏切らない新橋でありました。




かしこ。

IWGP!の巻

2019-08-26 20:49:00 | 本と雑誌

IWGPって知ってるかい?

「池袋ウエストゲートパーク」。
石田衣良って人が書いた小説さ。
 
あの池袋が舞台。西麻布でも永田町でもない。
頭のいい奴、生きるのが上手い奴には縁がない街かもな。
 
でも、ストリートの匂いや熱に敏感な奴、そう、アンタなら分かると思うよ。だから、ご紹介さ。
 
 
 
 
これは、池袋を舞台にした、ストリートの物語だ。「今」を映してると言えるし、脆いけど崇高なまでに強い「人間」ってものがそこにあるかもな。
 
主人公はマコト。そしてマコトのダチは、池袋のギャングを束ねるキング・タカシだ。
 
彼らだけじゃない。それぞれに陰影のある登場人物は、物語をジェットコースターのように滑らせ、時に脱線させようとする。
 
そのスピード感は、流行りのファッションどころか、白い粉やイカしたビート以上のものだよな。
 
この文頭を読んでみなよ。
魂のどっかを持っていかれちまうだろ。これを読んでページを閉じる奴はどうかしてる。文章ってのはこれだ。そう思うよ。
 
 


そしてこの街で走り回って傷ついて、時に涙を流すマコト、そしてタカシ。ただ、奴らはありのままの自分でありたいだけなのさ。
動き、跳ね回る時代の中で、必死に自分を守ってる。自分の中で変わらない軸を守ろうとしてる。
 
 


 
それは本当に難しいことだ。だって、アンタだって、自分らしく生きるって大変だろ?
アンタに「軸」はあるかい?
今、それを持っていることこそが、まさに勇者なんじゃないかな。
 
時代にアジャストするのもいい。でも、何か硬い、誰にも侵されない部分を守り続けることも大事。池袋のストリートで紡がれるこの物語には、俺たちがリスペクトすべきそれがあるのさ。
 
だから、55歳の俺も何度も何度もこれを読む。そして、なんだか勇気が湧いてくるんだよな。
まあ、歳をとって、一度読んだストーリーを忘れちゃってるってこともあるんだけどな。年寄りの特典。
 
せっかくだから、最後に俺が好きなフレーズをいくつか紹介しよう。
 
この本に出てくるのさ。
 
 


マコトを大切に思うからこそ、タカシは火の粉が及ばぬように気を使う。
 
それに対し、マコトは怒り心頭だ。
 
 


 
「ほんとに危ない橋を一緒に渡り、どデカイ損を一緒に被る。それがダチだろうが」と。
 
そして暴力の嵐が過ぎ去った後、タカシの本音が明かされるのさ。
 
 


タカシはマコトに言う。
「俺には一緒に火のなかに飛び込んでくれるダチがいるが、あいつはいつもひとりぼっちだ。いいか、マコト。そいつはおまえが考えているより、ずっと大きなことだぞ」。
 
まさにその通り。
35年、組織の中でやってきた俺だけど、幸い今、そう思える奴はごくわずかいるよ。
だからこそ、俺はこいつらのためにやる。組織という、生き馬の目を抜く「ジャングル」の中でね。何を失ってもそいつらを守っていく。
そして、一緒に火の中に飛び込んでくれる奴らをこれからも探していくのさ。
 
などと、今回はマコトタッチで書いてみました。
もともと大好きなんだよね。
 


 
でも、まあまあ本気。誇りある生き方をしたい方、今、生き方に悩んでいる奴、こんな年寄りをせいぜいご利用下さいな。
 
俺、支えることと一緒に酔っ払うことには割と自信あるから。ウフフ。
 
 


 

「念願」か?の巻

2018-09-06 00:32:40 | 本と雑誌
数限りなくインタビューしてきたわけだが、自分が取材を受けるというのはそんなにない。

それが一流のジャーナリストからというのは、なかなか稀有な体験であろう。

寝室の本棚に転がってたこれ。
「おお、懐かしい」と久々に手に取ってみたわけだ。



鎌田慧さん。
「自動車絶望工場」などのルポで知られる、まあ、仰ぎ見るような方である。

その彼のインタビューを受けたのが、もう20年前か。

暴力団報道について問われたわけだが、正直、割と「素人」っぽく感じた。



まあ、それも話を引き出すテクニックだったんだろうな。

しかし、これは断じて否定しておきたい。
「暴力団担当ではあったが、決して念願ではなかった」と(笑)



まあ、そこで「腕」が多少なりとも磨かれた点は否定いたしませんが。

「お父さん、アタシは怖いのは嫌いだよ〜〜」って、ころっけは心配そう。



大丈夫だよ、お父さんは今、「ジブリ担当」だからね( ^ω^ )
そんな「ジブリの大博覧会」は、会期を20日近く残して、広島県立美術館の入場者記録を更新。
ありがたいことです。

極道から妖精へ。
対峙する相手は変わりますが、必死のパッチでやっております。ウフフ。


読書の秋 2017の巻

2017-11-03 13:35:27 | 本と雑誌
弊社で有数の読書家として知られる私w。

「これ、面白いよ~」なぞと、ワカモノたちがさまざまな本を持ってきてくれる。

まあ、年寄りも持ってくるんだけど。


で、悪漢シモクーボがかなり前に、「これ、今年一番面白かったで。読んでみいや」とのたまったのがコレだ。




最初に答えておこう。


おい、間違いなく、俺の中で今年一番だよ。




素材は、外務省の機密費漏洩事件。

乱脈を極める外務省のノンキャリと追い詰める刑事側の攻防が軸だ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96%E5%8B%99%E7%9C%81%E6%A9%9F%E5%AF%86%E8%B2%BB%E6%B5%81%E7%94%A8%E4%BA%8B%E4%BB%B6

ノンフィクションであり、現職の刑事ひとりを除きすべて実名で描く。

書く側の端くれとして思うに、これは相当な苦労であり、力業を必要とする。

しかし、その分リアルに満ちている。


前述したストーリーなわけだが、いわゆる刑事モノ、警察モノではない。

政府高官や有名政治家も多く登場し、永田町や桜田門のみならず時代の裏面史の様相だ。


事件として動き出したのが2000年の暮れで、表面化したのが2001年の年明け。

当時私は心筋梗塞(初回w)による死地から脱し、療養の後に東京に赴任したばかりだった。

底冷えする国会で、田舎記者として右往左往。

「加藤の乱」をめぐる自民党の両院議員総会の開会直前だったか、このノンフィクションでも重要な役回りをする鈴木宗男氏に親しげに声をかけられたことがある。

その後、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったあるセンセイとムネオさんの「抗争」の一端に触れたこともあったな。

そんな微かな記憶があるだけに、その時代に永田町界隈や霞ケ関をうろついた身として、余計に染み込んでくるわけだ。


警察という組織の周辺を、割と長く徘徊してきた私。

この作品を構成するパーツである、事件、刑事、記者、容疑者、そして家族ってのが、かなりストレートに染み込んでくる。


言うまでもないが、事件捜査は関わる者の人生を大きく変える。

濃淡こそあれ、逃げる側、追い詰める側、そしていち早く報じようとする側すべてが当事者であり、身の処し方にはそれぞれの人生観が横たわる。

もちろん否応なくその家族も巻き込んでしまう。

であれば、相応の覚悟が必要だし、こと取り調べとなれば価値観や誇りのぶつけ合いになることだろう。

調べる側、報じる側の立場で言えば、その行為に耐えうる生き方をしているか、そんな覚悟も時に問われるわけだ。


まあ、そんな大仰な話でなくとも、この作品は組織論としても読める。

意地や誇りをどこまで貫けるか、上位者はそれをどこまで尊重すべきか。

これを書いたのが巨大組織に牙をむいた作者であることを考えた時、「まあ、そういうことなんだろうな」と思ってしまうわけだ。


その「ドン」を描いたのがこれだ。




で、これについては5年前にこんなことを書いてるなあ。

http://blog.goo.ne.jp/19960408/e/dc4c97217889495edec2ee9ca3f5ce39

結局、俺はずっと同じ事を呟いてるわけだ(笑)




そして単純に驚いたこと。

2015年だったか、警視庁の汚職摘発件数はゼロだったとか。

ええっ!って。 警視庁がサンズイ、ゼロかよ。

そういえば、広島もあんまり聞かないなあ。


いろんな要因があるんでしょう。

刑事の力量低下、コンプライアンスの偏重、取り調べ可視化の影響…。

まあ、複合的なんだろうな。

その分、報じる側の責任も増しているような気もする。



てなことを思いながら、ある日に出社。

そしたらコレだ。




密教さんが置いてくれてました。

正直、アタマ、おかしいだろと。

実に嬉しいw




まさに正史と裏面史。



この週末、読み応えがあるのばかり。

いやあ、楽しいね~