私は今、寂寥感にさいなまれている。
心の中を寒風が吹きすさぶ。
ピューピューである。
なぜか?
それは三時間ほど前、車を買ったからだ。
すなわち黒カブ君との別離である。
淋しい。嗚呼。
南紀の旅の副産物というか、副作用とゆーか、
わが家ににわかに勃発したミニバン購入問題。
で、問題発生から3日目、あっさりと解決いたしました。
買っちゃったからである。エスティマ君…。
これで7台目の愛車であるが、ここまで心躍らないお買い物は初めてだ。
でもまあ、しょうがない。奥さんもチビも喜んでくれているし。
と、ここまではしんみりモードであるが、
そこはHAPPY MAN家。その購入記はお笑いに彩られる。
以後、エスティマ大ご商談会の顛末である。
もともとは、「追い金はなしにしよーね」ってお話でスタート。
で、アルファードはでか過ぎると奥さんが難色。
確かに乗ったらバスみたいだし、
何となくヤンキー車っぽいしね。
で、値段はほぼ同じエスティマに決定。
HUMMERなんぞは相手にもされませんでした。
で、今朝、セールスさんからの電話でたたき起こされた私。
午後から、のこのこディーラーにお出かけである。
嬉々として、「やっぱり広い車はいいですよねえ」なぞと奥さん。
前方見切り用のポールなんかも注文しちゃって、ゼッコウチョーだ。
対照的に、黒カブ君との別れに打ちひしがれている私。
やさしく、すこしオツムの弱い奥さんは、
「どーしたの? じゃあ、速いのにしていいよ」。
で、排気量は当初、予定の2.4から3.5に。
280馬力達成である。
さらに黒い内装がお気に召さない奥さん。
しかしベージュっぽいのは豪華仕様の「G」しかない。
「じゃあ、Gだね」と奥さんは思い切りがいい。
「どうせなら皮シートが豪華だよねえ」と私。
ここは夫唱婦随である。
そして、どんどん値が上がる我がエスティマである。
セールスさん、「こんなことになりますが、いかがでしょう?」と恐る恐る。
まあ、しょうがないや、と、ペッタン、押捺する私であった。
ところが、抑えが利かないとゆーか分別がないとゆーか、
契約書に判を押した瞬間、
私の頭の中で悪魔がささやいた。
「やっぱ、一番高いのがいいんじゃない、どーせなら…」。
私 「ねえねえ、やっぱエアロ付けたほうがかっこいいんじゃない?」
奥さん 「欲しいんでしょ。そうすれば。」
契約書、作り直しである。
で、こんな馬鹿なことを繰り返しながら、見積額は右肩上がり。
要するにカタログに出ている中で、最も高いタイプ。
自宅出発時よりも一本近く上乗せ。
値引きがなければ、500万ペソである。
追い金なしどころの話ではありませんな。
これが大金持ちの所業ならわかるが、我らは赤貧リーマン一家。
やっぱ、バカかもしれない…。