最近、とみにバカが加速しており、
一度読んだ本でも、内容を綺麗さっぱり忘れます。
とゆーことで、ほぼ新鮮な感覚で読み返せる。
悲しいような、嬉しいような。
ただ、読み返した際の心境で、以前とは印象もまた変わるもの。
例えば、これ。
かなーり面白いのは確か。
もう10年以上前に読んだんだけど、
その際はピカレスクロマンとゆーか、悪漢小説って感じで受け止めたわけ。
時に稚気、愛嬌さえ感じさせる評伝ものってゆーか。
ただ、そんなもんじゃないな、と。
今はそう思う。
そう思えなかった当時の俺に、「バーカ!」って言ってやりたい。
作者のまなざしに、一切、「愛」はない。
むしろ、彼を唾棄すべき存在と捉えているのがよくわかる。
この作品で取り上げた人物へのまなざしとは、まるで違うんだよね。
「メディア」 で描かれているのは、
権力にとりつかれた人間の独走であり、執念。
そして、彼的感覚がニッポンを動かしかねないことへの恐怖である。
で、俺が感じたのは、人間の弱さだなあ。
端的に表れ、怖いと感じたのは「忖度する」ってことだ。
側近がトップにおもねり、勝手に現場の判断を曲げちゃう。
トップは知らないから、その結果が世間から批判されても、権力は温存される。
今の国民球団で起きてることなんかこの最たるものだろうし、
世のさまざまな組織で、フツーに繰り広げられ、悲劇や停滞を生んでいるわけさ。
結局、保身とか虚栄とか、そんな人間の弱さから、邪悪なものは生まれちゃうわけ。
そして、弱い人々は踏みにじられる。
一つの方向に一気に流れちゃう今のこの国の風潮も、その危うさも、
こうした雰囲気と無縁ではないと思う。
異を唱えられない社会って、何なんだろうか。
いじめだって格差だって、差別だって、結局、われわれが作り上げてしまったもの。
そこに荷担しないよう強くありたいものだし、
その覚悟がない人間は少なくとも、影響力のあるポジションから去るべきだね。
別にそれで、命取られるわけじゃないんだから。
何より、人として恥ずかしいでしょ…
この本に取り上げられる人物についても、
作者は厳しい視線を送っているはず。
自分を鑑みながら、にやにや読むつもり。
サイクリングのお伴に最適でありましょうwww