
原作小説「ホビット」を、ロード・オブ・ザ・リング」3部作を作ったピーター・ジャクソンが描くとこうなる。
そんな感じなのかな?
なので、3部作で見た世界を再訪することになる。
しかし世界がまったく同じわけではないところがポイントかな。
時代はロード・オブ・ザ・リング」3部作よりも前。
まだ“滅び”の影はこれから忍び寄ろうとしているところで、世界に差す光は、夕暮れではなく朝焼けの光。
エルフはどこまでも優美端麗、ドワーフはあくまでも勇猛果敢。
回想シーンも含め、世界もその住民も“滅び行くもの”ではなかった頃の姿が描かれていく。
そして、監督のコンセプトはもうひとつ。
当初は2部作だった本作が3部作になった真の理由もここにある。
いくつかの重要なシーンで、映像の構図が「ロード・オブ・ザ・リング」3部作にそっくりだ。
監督は、この作品を「ロード・オブ・ザ・リング」3部作と対になる形で描くの?
だから本作も3部作にしなければならなかったんだ。
原作には登場しない登場人物の起用もそのため。
そして「ホビット」3部作が完成し、2つの3部作を並べて見たときに、初めてひとつの大きな作品が見えてくるのに違いない。
凄い商業意識だよ。
まぁ、そんな長旅が、また始まってしまったとは....。
しかし、そういうことなら付いていくしかないと靴紐を締め直す、そんな作品なんでしょ~。
蛇足だが、ゴブリンの地下帝国の巨大空間での逃走劇を映し出すフレームの、上下左右だけではない手前や奥への自在な動きと速度は、一見の価値あり。
3D空間の演出の進化と可能性を実感できるかもね。