ディズニーアニメ「美女と野獣」が製作されてから23年。野獣にかけられた魔法を愛が解くというこの物語も、おとぎ話の絵本より、アニメで出会う人のほうが多い。
そんななか、物語を生んだ本家フランスによる実写化。
主演は、何故か中年バンサン・カッセルとレア・セドゥー。
ふさわしい？
オーラ？
実力？
クールな美貌でありながら、純粋さや野獣への想いを表情の奥にたたえる姿は、さすがパルム・ドール女優。
いっぽう野獣は、マントをまとった後ろ姿はもちろん、アップになる野獣の口元も妙にエロティック。
野獣の姿にされる前の高慢王子ぶりにも危険な色気が漂うあたり、妖気すら感じさせたバンサンならではだ。
そして監督
ホラーやアクションを愛する男の作品である。
カリスマティックに目を奪われがちだが、おとぎ話をどう味付けしているかこそが最大の見どころ。
ドレスや野獣の城の装飾で女性好みのゴージャスなビジュアルも楽しませ、最新ＶＦＸを駆使して王子が野獣にされた理由を描きながら、怒濤のファンタジーな世界へと。
おとぎ話をここまで自分の色で描けることに、拍手。