Viedel/KukiHairDesign/ヴィーデル/クキヘアデザイン 四条烏丸 美容室

ヴィーデルは四条烏丸の美容室です。フランス仕込みの技術 ナチュラルで優しく ふんわりとしたヘアスタイル

ディオールとラフ・シモンズ

2015-05-17 06:15:20 | 映画
老舗ブランドに独自のセンスを持ち込んだデザイナー。
その勢いがあるファッション・ブランドはクリスチャン・ディオール。
シャーリーズ・セロン、ナタリー・ポートマン、マリオン・コティヤール、ジェニファー・ローレンスと、オスカー女優たちをメゾンのミューズに迎え新たな境地に進もうと言うのがディオールを率いるラフ・シモンズ。
デザイナーと言うよりはメゾンのクリエーションを統括するディレクター?
オスカーナイトでマリオン・コティヤールが着ていた、短いリボンの軽やかなイブニングは、2014年の春夏オートクチュール・コレクション。
そこにラフ・シモンズのディレクションが集約されている。
彼はオートクチュール独特の刺繍やビーズを重ね合わせた豪華なクラフトワークよりも、シンプルでスポーティブな感覚を老舗ブランドに導入した。
しかし、そこには彼をも予測だにしなかった緊張感とプレッシャーがあったことがよく分かる。
伝統に自分を投入して行く勇敢なプロセス。
彼は創始者が以前に発表したバルーンシルエットを踏襲する一方で、抽象画家の絵画を生地で再現させるという無理難題を指示。
メゾン内は反発分子が生まれるどころか、その道40年以上のお針子さんや各部門のスタッフが、むしろ創作意欲を掻き立てられ、生き生きと躍動しだし、デビュー・コレクション目指して限りを尽くす。
メゾンのアトリエではフランス人はもとより、アフリカ系やアジア系のスタッフが各々重要な仕事を任されている。
そんな多民族集団を率いるラフ・シモンズも、ベルギーのアントワープからミラノのジル・サンダーを経由してパリにやって来た。
ショーのクライマックス、ゲストたちの拍手喝采に迎えられるシモンズと、舞台裏で歓喜に沸くアトリエスタッフが、その瞬間感動を共有し合えるのは、ファッション界には差別は勿論、才能以外に何者も立ち入れないことの証。
恐らく作者が意図しなかったであろう、今の時代のメッセージが、歓声から聞こえてくる。