カメラは人物の心理や視線に置き換えられる。知っているはずの事実を誤ったり、突然言葉が抜け落ちてしまったのを、まだ物忘れだと感じている主人公が、ある日、 ジョギング中に走り慣れた場所で迷う。
カメラは恐怖で歪む顔と、視界が捉えたループする風景を映して、若年性アルツハイマーの症状を体験させる。
映画は時間の経過を画面に描く。
娘たちの話題を自分のことと勘違いする。
講義中の言語喪失とジョギング中の遭難。
病名の告知から退職通告。
しかしその後一気にスピードを上げる。
それまで、スマホに質問を書き込み、毎日答えることで消えて行く記憶に上書きを加え、病と対処していたが、瞬間、急階段を転がり落ちるように変貌する。
オスカーを受賞する演技で届けてくれるのは、病や環境の変化に対面しても、人は"自分らしさ"を失ってはいけないという。
しかし、"自分らしさ"とは何なのか?
実はけっこうあやふやな個性と自我。
ジュリアンムーアは主人公を通して語りかけている。
そして最悪な映画。最近あからさまに中国資本のハリウッド映画も増えてはいるが...
コレはどこかの福音派が出資者かも。
見る価値なし。
本当に途中で帰りたかった。