ああ、やっと会えた。ジャック・スパロウと会えた喜びを素直に享受できる。
前4作を見ていないにもかかわらず、さほどストレスを感じさせはしないが、シリーズを知っていれば「これぞパイレーツ！」と思わせる展開なのだろう。
呪いを解く力のある伝説の秘宝“ポセイドンの槍”をめぐって、さまざまなキャラクターと思惑が混在。
幽霊船に囚われたウィルのためにこれを求める息子のヘンリーと、まだ見ぬ父への思いからやはり“槍”の謎に挑む女天文学者カリーナが、3作目までのウィル＆エリザベスのポジションを担って華を添える。
そして“槍”のおかげで魔の三角地帯から解き放たれてしまったのが、ジャックとは浅からぬ因縁があるスペインの亡霊艦長、サラザール。
かつて自分をハメたジャックへの復讐に執念を燃やす彼がことの成り行きを語る回想シーンは、間違いなく本作のハイライト。
初めて海賊としての才覚を発揮する若ジャックの瑞々しさ。
そこにはまた、そんなジャックの姿にサラザールが心奪われる瞬間までもがしっかりと映し出されている。
ジャック・スパロウはといえば、今回も他力本願と超がつく強運によってヘラヘラと危機から脱出。
キャプテンっぽいカッコよさこそ回想以外ではなかなか見せてくれないが、「カリーナに惚れてるな？」とヘンリーを突くなど、ガキっぽさが相変わらずでかなり笑える。
それに今回はバルボッサも意外な一面を見せてくれて、非常においしい。
そしてゾンビ鮫のアクション、暢気さ・大らかさも生かして楽しませてくれる。
あり得ないほど派手でスピーディなアクションと笑えるジャック。
強烈な個性で萌えを呼ぶ悪役に懐かしキャラクター。
フレッシュな新キャラたちの冒険とロマンス。
泣かせる“出生の秘密”ドラマにあのスターのおじさん役カメオ出演まで、ノンストップの全部盛り大サービス。
これはもう楽しんだ者勝ち！