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女性活躍社会

2018-01-12 05:27:42 | 映画
「ラ・ラ・ランド」でアカデミー賞主演女優賞を魅了したエマ・ストーンの新作「Battle of the Sexes」を飛行機の中で見た。
これぞ海外エアラインの醍醐味の一つである。
彼女が演じるのは実在の女子テニスプレーヤー、ビリー・ジーン・キング。
1960年代から80年代前半まで活躍し、テニス史上最高のプレーヤーのひとりに数えられる人物。
しかしこれはサクセスストーリーではない。
焦点を当てるのは彼女の長く華麗なキャリアのごく一部。
女子テニス界のトップに君臨していたキングは、「Battle of the Sexes」と呼ばれる男女対抗試合をオファーされる。
お相手はすでに殿堂入りを果たしている男子の名選手ボビー・リッグス。
全米と全英で優勝経験があるとはいえ、とうの昔に引退しているクソおやじ。
29歳の現役女子チャンピオンが、55歳の元男子チャンピオンと本気で試合をしたら、果たしてどちらが勝つのか?
この男女対抗試合は大きな話題を集め、全米が視聴する世紀のイベントとなった。
本作は、その試合が行われた背景と意義を、ユーモアを絡めながら丁寧に描いていく。
女子ナンバーワン選手として君臨していたビリー・ジーン・キングは、女子の優勝賞金が男子よりもはるかに少ないことに不満を抱いていた。
女子は男子に力で劣るからだと説明する全米テニス協会に対し、集客力が同じなら同額を受け取るべきとキングは主張。
自分の考えが受け入れられないことを悟ると、彼女は他の女子選手とともに女子テニス協会(WTA)を立ち上げ、独自のトーナメントを主催することになる。
そんな彼女に注目したのが、ギャンブル好きで目立ちたがり屋の元チャンピオンのリッグス。
かくして、各方面の思惑が交錯し、男女対抗試合が実現することになるというストーリー。
この映画を見て驚くのは、40年以上もの昔が舞台なのに、そこで描かれる問題にあまり進展が見られないこと。
テニス界における男女の賞金格差はビリー・ジーン・キングのおかげで是正されたものの、一般社会における男女格差はなくなっていない。
また、70年代にレズビアンであることを隠さなくてはいけなかった彼女は、80年代にカミングアウトをしたものの、LGBTの人たちを取り巻く環境が、いまだに整ったとは言いがたい。
「Battle of the Sexes」自体は痛快なスポーツ映画だけれど、こうした要素があるおかげで、複雑な余韻を与えてくれる。