
長編デビュー作になる監督は新たな視点を書き加えている。
本来は従姉妹同士でありながら、スコットランドvsイングランドの覇権闘争に、カトリックvsプロテスタントの宗教対立が重なり、世継ぎを産むか産まないかの選択が、即、国家の存亡を左右する女性ならではの問題に直面する両女王に、強い同情と共感の目を向けている。
美貌に恵まれ、恋愛、結婚、出産とすべて経験した上で、イングランドの王位継承権をも主張するメアリーと、争いを避けるために女性としての喜びは捨て、自ら男になる決意を固めるエリザベス。
2人は一見対照的だが、どちらも女性が国を統治することの困難さを誰よりも知っている者同士。
コインの表裏の関係にあった。
表向きは女王たちに仕えながら、影で陰謀を張り巡らし、己の野望を実現することしか眼中にない男たちの情けない実態が、現代の社会構造を暗示している。