Viedel/KukiHairDesign/ヴィーデル/クキヘアデザイン 四条烏丸 美容室

ヴィーデルは四条烏丸の美容室です。フランス仕込みの技術 ナチュラルで優しく ふんわりとしたヘアスタイル

パーフェクトデイ

2024-01-16 09:50:19 | 映画

東京・渋谷で公衆トイレの清掃員として働く。
 古いアパートで毎朝、近所の老女が掃除する竹ぼうきの音で目覚め、毎日、同じように支度をし、毎朝アパートを出て空を見上げる表情、同じように静かに淡々と働く姿が、光と影とともに描かれる。
 寡黙な男は、規則正しく、ルーティンをこなす。
 毎朝植木に水をやり、仕事を終えると銭湯に行き、居酒屋で酒を飲み、部屋では古本を読みながら寝落ちする。
 極力他人と関わらないことで“孤独”では無く、自由を享受している。
 その研ぎ澄まされたような姿の彼が見ている世界、ふとした時に向ける視線の先には木々や光が溢れている。
 朝日、木漏れ日、夕日、街並みや公園、トイレ、運転中の車のフロントガラスなどの光の屈折や反射。
 さらに、自然音や日常生活から聞こえてくる音、そして劇中に流れる楽曲と、音も重要な要素となっている。
 早朝の竹ぼうきの音、夜が明けの小鳥の鳴き声、風の音、雨音、公園の子供の声、トイレ掃除の音すべては、繊細な音で積み重ねられている。
 車中でカセットテープで聞く音楽は彼の心情を表す。
 突然の訪問者や他人との関わりによって、平穏だった日常と心情が揺らぐ、しかしその流れにも自然に身を委ねる。
 彼に取って理想や完璧とは何ら意味を持たないかのよう。
 ありのままの自分、ありのままの毎日、ありのままの人生。
 ルー・リードの曲「PERFECT DAY」
 公園でサンガリアを飲み、暗くなったら家路に着く。動物園でエサをやり、映画を見て家路に着く。僕を辛うじて生かしてくれて、問題は全て置き去り、週末を楽しむ僕が何者であるかを忘れさせてくれる。あぁなんて完璧な1日なんだ。君は自分で蒔いたものを刈り取るだろう。
 ラストシーンの表情は全ての表現の結晶のように思えた。


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