◎造船疑獄(1954)とモリカケ問題(2017)
「森脇メモ」に端を発する造船疑獄(一九五四)について調べているうちに、この事件が、今日のモリカケ問題と、よく似た性格を持っていることに気づいた。
思いつくまま、両者の共通点を挙げてみよう。
・政府中枢が絡んだ疑獄事件であること。
・政界・官界・財界にわたる事案であること。
・その真相が明らかになれば、政権の崩壊につながる可能性があること。
・それゆえに、真相の究明を阻もうとする、強い力が働いていること。
・一部の新聞社が、告発者を貶めるような記事を載せていること。
一方で、両者の相違点も目につく。これも挙げてみよう。
・造船疑獄のときに比べ、モリカケ問題では世論やマスコミの姿勢が弱い。
・そのためなのか、モリカケ問題では、検察側の姿勢が及び腰に見える。
・モリカケ問題で「指揮権」が発動される事態は、まず起きないだろう。
・森友学園の籠池泰典・諄子夫妻の勾留が、異様なほど長期に及んでいる。
・そのために籠池泰典氏は、「真相」を暴露する機会を奪われている。
ところで、今月になって、ペジー社の詐欺、および、リニア工事における談合が浮上した。いずれの事件も、捜査が政府中枢に及ぶ可能性がある。捜査がどのように進むか、今のところ予断を許さないが、捜査のゆくえを左右するのは、まず間違いなく、世論の動向、そしてマスコミの論調であろう。