◎滑稽問答「これいかに?」(1939年1月)
通信販売の古書店から、『戦線銃後 笑の慰問隊』という冊子を入手した。大日本雄弁会講談社の雑誌『講談倶楽部』一九三九年(昭和一四)新年号の付録である。
実にさまざまな記事が載っているが、本日は、「滑稽問答 これいかに?」というものを紹介してみよう。
滑 稽 問 答 これいかに?
□おとなしい人でもきかん(機関)兵とはこれいかに?
□野暮な人でも粋(水)兵といふが如し
□遠くにあつてもソバ屋とはこれいかに?
□近くにあつてもトーフ屋といふが如し
□白い顔をしてゐてもクロウ(苦労)人とはこれいかに?
□黒い顔をしてゐてもシロウト(素人)といふが如し
□南に逃げても敗北とはこれいかに?
□西へ走つても逃(東)走といふが如し
□明日行くのに今日いく会(教育会)とはこれいかに?
□明晩の会を昨晩ん会(雄弁会)といふが如し
□一台でも千車(戦車)とはこれいかに?
□一台でも十(重)爆機といふが如し
□立つて歩いてもハイ(這ひ)キングとはこれいかに?
□ゆつくり歩いてもカケ取りといふが如し
□後から行つても先頭(戦闘)機とはこれいかに?
□先に打つても後射(高射)砲といふが如し