礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

藤子不二雄Ⓐさん作詞の「少年時代」があった

2022-04-29 04:30:02 | コラムと名言

◎藤子不二雄Ⓐさん作詞の「少年時代」があった       
 
 今月九日のブログに、「藤子不二雄Ⓐさんの代表作は『少年時代』です」という記事を書いた。そこで私は、東京新聞による訃報(四月八日23面)が、藤子不二雄Ⓐさん(安孫子素雄さん)の代表作『少年時代』に言及していないことに不満の意を表明した。
 しかし、昨二八日の東京新聞夕刊を見たところ、その三面にアニメ作家・鈴木伸一さんによる追悼文「藤子不二雄Ⓐさんを悼む」が載っており、そこには『少年時代』への言及があった。これは、うれしいことだった。その部分を引用させていただこう。

 8ミリ映画で遊んでいた時代のことを書いていて、安孫子氏が自分で製作した劇映画の名作「少年時代」を思い出した。彼の故郷である富山の作家・柏原兵三の小説に感動して漫画化(というより絵物語かな)した原作を篠田正浩監督で映画化し、なんと日本アカデミー賞をはじめ、その年の映画関係の賞を総なめにした名作になったのだ。
 この映画の音楽は、彼のマージャン仲間だった井上陽水さんに頼んだそうだ。そうしたら陽水さんに「それじゃ作詞をして送って…」といわれ、漫画のテレビアニメ化ではいくつも詞を書いているので、作詞して送ったそうだ。
 陽水さんの音楽ができて録音されたテープが届いた時に、安孫子氏から「音楽が届いたから聴く?」という電話があり、仕事場が近かったのでとんでいった。
 彼は「詞を書いてというから書いて送ったのに一行も使ってない」と不満げだったが、音楽を聴いてみたら私はとても気に入ったし「これはすごいよ、流行【はや】るだろうね」と絶賛した覚えがあり、彼の複雑な顔が今でも記憶に残っている。

 井上陽水さんの「少年時代」は、井上陽水作詞・作曲だが、その前に、藤子不二雄Ⓐ作詞の「少年時代」というものがあったことを、この文章を読んで初めて知った。

*このブログの人気記事 2022・4・29(9位になぜか「ホレーショの哲学」)

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