◎大屋久寿雄の『戦争巡歴』を読む
大屋久寿雄〈クスオ〉の遺稿を編集した『戦争巡歴』(柘植書房新社、二〇一六年九月)を購入した。定価七五〇〇円、これに消費税がつくと、八一〇〇円となる。高い。本文七四八ページ。厚い。あまりに厚いので、まだ、全部は読んでいない。
とりあえず、「敗戦雑記帳」の部を読んだ。文章がよい。興味深い話が多い。六八五一ページから六九一ページに、「終戦前夜」という文章が載っているが、その末尾に次のような「付記」があった。
(付記 私はその後、松本俊一氏から、終戦に至る詳細な事情を聞いて、これを「終戦の前夜」と題し一冊の小冊子に纏めて発表した。十一月十日)
この「終戦の前夜」というのは、時事通信社から、一九四五年(昭和二〇)一二月一五日に刊行された『終戦の前夜』〔時事叢書6〕のことである。
当ブログでは、この小冊子の本文全文を、九月一一日から一〇月四日にかけて、断続的に紹介した。この小冊子に素材を提供したのが松本俊一(戦争末期の外務次官)であったことは、今回、『戦争巡歴』を読んで、はじめて知った。
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