晴耕雨読なくらし

じねんじょに夢をかけるおじさんの物語

六百年を繋いで

2020-09-21 06:04:25 | 地域の文化や出来事
日曜の朝は小雨の中で墓掃除でした。
秋の彼岸入りしているけど個人の墓掃除でなく、
年に二回当番で回ってくる長寿クラブのボランティア活動です。

秋とはいえ枯葉が舞うような時期でなく、
掃除は30分ほどで終了です。

墓地の片隅に古びた五輪塔が鎮座しています。
水垢で刻字はほとんど読めないが、
これが貴重な文化財とも呼べる石塔なんです。

五輪塔は密教で説く五大を表す五つの形から成る塔。
地輪(四角)・水輪(円)・火輪(三角)・風輪(半月形)・空輪(宝珠形)の順に積み上げる。
各面に五大の種子(しゆじ)を刻む。
平安中期以後において供養塔として用い、
鎌倉以後墓標として広く用いられた 。(ネット辞書より)

でこれはいつの時代の物かというと、
室町時代の応永20年5月19日(1413年)に建立された希少な石塔です。
愛知県史に載せられています。

刻銘が「性忍禅尼」とあり、
戒名に禅尼の位号を使うのは曹洞宗の関係者だったであろうとされる。
私たちの菩提寺でかって入鹿池の中に有った福昌寺は臨済宗であるが、
すぐ隣の小牧市側に曹洞宗寺院が数多くあり、
中世当時の歴史的背景がうかがえます。
福昌寺の開基が永正5年(1508年)だから、
その100年前の信仰の一端を示しています。

六百年の時を経て今があるのは感慨ですが、
今を後世に残せるものは少ない。
むしろ消滅を加速させている面もあり、
先人や後世の人々に申し訳ない気持ちです。

< 六百年見つめ続けし五輪塔 >
コメント (2)
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