風吹く豆腐屋

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皮膚炎と温泉

2010-02-12 00:57:47 | Weblog
昨日、ほのかの湯に行ってきました。
(郊外にあるスーパー銭湯です)

普通の銭湯と一線を画しているのは、値段・・・だけじゃなくて湯質。
早い話が「人工温泉」です。
道後温泉と同じような単純温泉になるように調整してあるそうです。


「人工温泉」ながら、その施設でも温泉の効能がこれ見よがしに張り出されています。
「神経痛、筋肉・関節痛、うちみ、くじき、冷え性、疲労回復、健康増進etc」

・・・これってどの程度エビデンスに基づいているものなんでしょうか。

筋肉痛とか冷え性、疲労回復、健康増進あたりまではいいとしても
その中にリウマチとか通風、動脈硬化、糖尿病、高血圧とか
ごちゃ混ぜに放り込んでしまうのはどうなんでしょうね。

正直、あやしい。

「温泉が皮膚病に効く」という説は、
ヒゼンダニの感染症である疥癬の患者が硫黄泉に浸かることで、
ダニが死滅し軽快したエピソードに基づくという話があります。
今でも硫黄を治療に使うくらいなので、疥癬患者が硫黄泉に浸かるのは治療となりえます。

ところが、アトピー患者は硫黄泉に浸かるとむしろ症状が悪くなります。
ただでさえ表皮の皮脂が少なくなって易刺激性となっているのに
硫黄が皮脂を洗い流してしまうから酷くなるわけです。


上に挙げた冷え性などに対しても、体が温まる温泉は確かに効果的なんでしょう。
ところが、体温が上がって末梢の血管が拡張すれば、アトピーなどの皮膚炎は悪くなります。
早い話、かゆくなります。
詳しい動態は知らないけれど、炎症反応が強く現れることになるんでしょう。
そういえば、昨日見た看板のなかには、
もっと広い言葉である「湿疹」というのもあったけど、
湿疹は確か真皮の血管拡張によるもの(だよね?)
・・・身体が暖まったら悪くなるような気がするんだけど・・・?


ごちゃごちゃ書き並べましたが、
つまるところ、アトピーは温泉により増悪しうるんです。

それを思うと、炎症反応を抑えるためにステロイドや免疫抑制剤などを必死に塗りながら
「皮膚炎に聞く」という言葉を妄信して、温泉に行くのはちょっと愚かですよね。


だけど、僕は温泉が好きです。

昨日も頭のどこかに不安を残したまま、閉館ぎりぎりまでねばってきました。
翌日が祝日のときは営業時間が1時間遅くずれ込むんですよ。
小雨も降っていたし、人は少ないだろうと踏んで出かけましたが、読みは見事に当たりました。

混んでいない広々とした露店風呂にゆっくり浸かっていれば気分もよくなります。

薄く湯を張ったところに仰向けにねっころがって夜空を見上げる「ごろ寝湯」が特に気に入っています。
帝の夢占いによれば、僕には(も?)露出協願望があるらしいので、
さりげなくそういうところでそれを満足させているのかもしれません(ぁ



温泉について詳しい研究や調査もされているのかもしれませんが、
一般的に手にできる情報は、民間療法の域を出ず、汎用性がないように感じます。

ただ、気分安定薬の代表格である炭酸リチウムは、
温泉での飲水療法がもとで作られるようになったというし、
温泉はまだまだ色々な可能性を秘めているかもしれません。
 

今僕が知っている限りでは、概して温泉はアトピー性皮膚炎にはよくなさそうですが、
そういう細々した副作用を打ち消すだけの開放感が得られたらいいかなって思います。

ほら、風呂上りのコーヒー牛乳とか最高のプラセボだと思いませんか(笑 ?