風吹く豆腐屋

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恐怖

2008-09-16 00:04:57 | Weblog
「深い沈黙の中で、心臓が大きな乾いた音を立てていた。
体を曲げると、骨がきしんだ。
一瞬のことだけれど、
小村は自分が圧倒的な暴力の瀬戸際に立っていることに思い当たった。」

              (村上春樹『紙の子どもたちはみな踊る』)より

読んでいて、その「圧倒的な暴力の瀬戸際」・・・言葉では言い表せないような恐怖を感じました。
自分を失うと言う曖昧とした恐怖を、
こういう形でガツンとぶつけてくる文章ってなかなか無いんじゃないかと思いましたが、
以前読んだときにはそんなこと微塵も思わなかったんだから不思議です。


それに比べて、日本のホラー映画って特に怖くありませんよね。

そもそも恐怖の種類が違いますが、
あの手の映画の恐怖は酷く薄っぺらいものに感じます。

要素を抽出してしまえば

①びっくり・意外性
②グロテスク
③非人間性を強調する演出
④執拗に繰り返される行為
⑤「呪い」の要素

これだけあれば、とりあえず日本のホラーって言い尽くせません?
特に、いきなり出てきてびっくり、というパターン、あまりに多い・・・。

一人で見ろって言われたら無理だけど、
皆でいるときにホラーを見ても別に怖いと感じません。
もちろん、もし実際にその映画と同じ状況になれば怖いだろうけど・・・。


興を殺ぐかなぁとは思いつつも、茶化さないでは見られません。
ぁー、この子役の男の子、頑張って演技してるなーとか
やっぱこんな演技をさせられるんだから、幽霊役の役者さんはそれだけギャラがいいのかなーとか。

ホラーを見てみたいけど、怖そうだから・・・と躊躇している方がいれば是非呼んで下さい。
恐怖度は幾分下がるだろうと思います(笑



じゃ、僕は幽霊とか信じないのかと言うとそうではありません。
見たことは無いけれど、居てもおかしくないよな、と言う程度には思っています。


「ある」ことを証明するのは比較的容易だが、
「ない」ことを証明するのは難しい。

これは元々他の事について言われていたことですが、
霊の存在についても同じことが言えるんじゃないかと思います。
非科学的って批判は的外れです。
だって霊が絶対に存在しない証明なんて、「科学的」にはできませんもんね。


まぁ、そういう不確かさはホラーの怖さを担う重要な要素。

「幽霊なんか居ませんよ」
とかいいつつ、びくびくしている誰かさんとか面白すぎます(笑

昨日、夜中に鹿田の研究棟に忍び込んできもだめし(?)したんですが、
その誰かさんのリアクションが面白くて面白くて・・・

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3 コメント

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幽霊なんていないよ (福彦)
2008-09-16 10:47:14
幽霊なんていないさ!!だって、信じたら怖いだろう!!
だから俺は、例え目の前に「私、幽霊です。初めまして。」って言う人と会ったとしても、自分の前で人魂が踊ってても、部屋に帰ったら家具が暴れ回ってたとしても、絶対に信じないのです。

ちなみに、俺はむしろ海外のホラー映画のが薄っぺらく感じます。たいてい殺戮だけじゃん?異様なのとか猟奇的なことに違いはあったとしても。それに引き換え、日本のは心に響く恐怖だから見終わったあとも尾を引くんだよね。
いや、もちろんホラー映画なんて見ないんだけど!!俺はE.Tもホラー映画だと思うん。小さい頃、あれは怖かった…。
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Unknown (ソロモニア)
2008-09-17 03:12:12
いやあ呪いは怖いですよ
恨みつらみも同様ですが、負の感情ほど執念深いモノはございません
確かにあんまり分かりやすいモノだと喜劇化するでしょうけど(笑)
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Unknown (ジョニー)
2008-09-18 00:11:16
>福さん

信じてなくても怖いんでしょうw?
いや、「信じていない」から怖いんじゃありませんか?
僕はむしろ、自己紹介できる友好的な幽霊とは仲良くなってみたいです。

海外のホラーはたしかに薄っぺらそうですね。勝手なイメージですが。
でもETまでホラーにしてしまうのは多分変わってますよ(笑


>ソロモン

呪いは確かに怖いと思うよ。
負の感情も手に負えない。
ただ、僕が言いたいのは、ホラーのなかの「呪い」は作り物にしか見えないということ。
全てが演出に見えて味気ないんだよなぁ。

現実の恨みで喜劇化するものは想像できないな・・・
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