先日、娘が子供向けに直された「坊っちゃん」を読んでいました。
子供向けに短く編集してあるのもあって、すぐに読み終えてしまいました。読んだふりしただけじゃないかと内心疑い「どんな本だった?」と尋ねたら、
「マドンナが悪い人だった」
え、何その感想。
坊っちゃんは明らかな松山を舞台に描かれた小説ということもあって、地元の人間には割とよく知られています。坊っちゃん団子を筆頭に、小説にちなんだお菓子やら便名が割とたくさんあります。
だから娘もマドンナという登場人物がいることは知っていたようです。
しかし小説を読んで一番記憶に残るのがそこか。
僕も気になったのでその子供向けに訳された坊っちゃんを読んでみました。確かに、この本ではマドンナは婚約相手が貧乏になった途端に男を乗り換えた悪い女でしかない。
原本はもう少し詳しく書かれていたんだっけと思い、青空文庫で改めて読んでみました。
結果、元の小説でも変わらず悪い女でした。笑
これだけ今の松山にマドンナの名前を関したものがたくさんあるのに、小説内では「悪い女」っていいのかな・・。
しかし、今回原文を読み返してみて初めて思いました。純粋に面白い。
大人になって初めて実感できる痛快さがありました。
社会にはびこる面倒くさいもろもろに対し表も裏もなく手あたり次第に悪態をつく主人公。
ストレスを抱えながら働く大人こそが読むべき小説なのかもしれません。
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