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2022.7.16 『石山』(237m)  54年ぶりに訪ねた石の山

 土曜日の朝は雨竜町の田園地帯で目覚めた。

心配した雨は後に降り出すようで、

とりあえずは心配なさそうだった。

ところが、どうにものらない。

四季を通じて年間200回を超える山登りを続けていると、

ある日突然何の前ぶれもなく、

ただただ全く気持ちが前に向かないことがある。

それでどうしたものかと思ったが、

登ることが身体に染みついている身、

そのまま帰るわけにはいかないので、

とりあえず滝川市にある我が家の墓を見に行き、

その道中で思いを巡らせた。

我が家の墓が数年前に、

何者かによって傷つけられた。

それでたまに確認しなければならない。

墓石の写真を撮って女房に報告。

異常なし!

そしてやる気のない朝思いついたのが、

この日の『石山』だ。

 『石山』は砂川市の最も滝川市寄りにある里山だ。

麓には「子供の国」の広大な敷地が広がっている。

私がこの山に初めて登ったのが、

14歳(中学2年)のときだ。

栗山町の里山を見ながら幼少期と、

小学生いっぱいを過ごした後、

小学校の教員だった父親の転勤で滝川市に引っ越した。

そして滝川でも目はすぐ山に向き、

増毛山地や樺戸山地の風景を楽しんだ。

そこで反対側に位置する『石山』も眺め、

「この山なら登れそう」と目を付けた。

友達一人を誘い、

現在「子供の国」がある方とは逆の、

北側の牧草地まで自転車で行き、

牧草地を縦断して藪に入って登った。

結構な笹薮だったことを記憶している。

藪を越えたピークには小さな木造のヤグラが建っていた。

もう54年も前の話しだ。

 

  『石山』麓の公園施設に入って行くと、

登山道の入口があった。

広い舗装道路なので路肩に駐車できるが、

そこは管理された公園故、

どこでも勝手に駐車するわけにはいかない。

登山口を過ぎて200mほど行くと、

キャンプ場の広い駐車場があったので、

その隅に駐車させていただいた。

 歩き出すとキャンプ場の周りに、

どういうわけか山沿いの田園地帯で見られる、

「電気柵」が張り巡らされていた。

ヒグマからキャンプ場利用客を守ろうと言うのだろうか?

 登山口に着くと「立ち入り禁止」の貼り紙だ。

6月12日にヒグマが目撃されたとのこと。

半径50kmをテリトリーとして、

常に動き回っているヒグマが、

まだそこにいるはずもなく・・・

自己責任で中に入った。

しかし管理された公園故、

管理者側の人間に見つかりたくはないので、

極力隠密行動だ。

 予想よりずいぶん薄い藪が続く中の登山道は短く、

30分も歩くと広い頂上広場に出た。

そこにはニ等三角点があった。

そして大きな展望台施設だ。

開放されていたので階段を登ってみた。

100段以上の階段を上ると、

グルリ360度の景観を楽しめる施設だった。

この景観も54年前と比べてみたいものだ。

また下に下りて『石山』のおいたちなるものを拝見。

そこで我々が登った54年前より、

はるか昔石切山として栄えたことを知って驚いた。

全てを納得して下山。

 やる気のないこの日、

54年ぶりの『石山』に登ってみて本当に良かった。

満足の一座を得て帰途に着いた。

 

 

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