この前から度々「情実」という言葉を使っています。
シビアであるべき交渉ごとや推進すべき計画に対して、これに手心を加えるとか、当初なかったオマケのようなものを、関係者(この場合、主として反対の立場に立つ者)の忖度で与えてしまうことを言います。
勉強には邪魔でしかないゲームなどを子供に渡した挙句、「ゲームばかりしてちっとも勉強しない」と言って怒り狂うばかりか(←ここまではまだ情実ではない)、結局は子供の勢いに負けて当初の計画を曲げたり縮小したりすると、これが即ち情実になります。経験から言いますと、情実が二度三度と絡んで来ると、そこから先がうまく行ったことは少ないです。
子供に対して口やかましく、非論理的なまでに「勉強しろ勉強しろ」と繰り返す保護者が、そう言いながら子供の前でゲームに興じている図もある種の情実で、これで子供が自主的に効率的に意志と意欲と目的意識を持って勉強すると思うなら誰も苦労などしません。