子供の頃、住んでいた石川町五丁目から石川小学校に行く途中に通称坊主山という小高い丘があって、私はその頂上から関内方面の景色を眺めるのが好きでした。今そこには大きなマンションが建っていて、景色を眺める以前に、それをすべく立つ場所そのものがなくなってしまいました。
昨日用事で保土ケ谷区権太坂から東戸塚をとおり、川上町を抜けて三ツ境に向かいました。
東戸塚駅から川上町にかけては、以前は牧歌的な趣のある静かな町でしたが、昨日車の中から見る景色はどこもこじゃれたマンション風建物ばかりで風情もなにもありませんでした。よく立ちよった伊勢福や八宝といった蕎麦屋などもみな店そのものを閉じたようでひっそりとしていました。
突然頭の中に、町は激変する、という言葉が浮かびました。
夜、事務仕事をしていると、講師が生徒に説明している数学や理科の授業が聞こえてきました。
ここには激変もなにもなく、苦手科目に悪戦苦闘る子供と、なんとかしてこれを分かるようにしようと励む講師の昔ながらの塾の図がありました。