森友学園への国有地払下げで、文書改ざんを命じられた末に自殺に追いやられた財務省職員、赤木俊夫さんの手記が「週刊文春」に掲載されました。その手記には当時、理財局長だった佐川宣寿が改ざんの首謀者だった事が克明に記されています。新たな証拠が出てきた今、赤木さんの無念を晴らす為にも、国会で「文書は破棄した」と嘘の答弁を繰り返した佐川宣寿の国会再喚問を改めて要求します。
下記がその再喚問を要求するネット署名です。安倍首相や麻生財務相は、赤木さんの遺族に対して「お悔やみ申し上げます」とは言うものの、「再調査の必要はない」と繰り返すばかり。これには遺族も「本当に悔やむ気持ちがあるなら再調査に応じるはず。そもそも、この2人は改ざんのきっかけになる発言をしたり、私が断ったと嘘をついて墓参りにも来なかった。2人自身も再調査される立場なのに、そんな事言う資格があるのか?」と大変憤っています。是非、署名にご協力をお願いします。
発信者:「森友学園問題」を考える会 宛先:衆院議長、参院議長
森友問題は終わってなどいません。なぜ国有地がタダ同然で叩き売られたのか? 「石橋を叩いても渡らない」ほどに慎重でお堅い財務官僚が、本当に「忖度」だけで公文書改ざんというとんでもない不祥事をやらかしたのか? 政治家の指示はなかったのか?・・・等々、肝心の部分は依然として闇の中です。
今年8月9日、大阪地検特捜部は、刑事告発を受けていた財務官僚全員を不起訴としました。特捜部は昨年3月にいったん不起訴としたのですが、財務省理財局長(当時)でその後、国税庁長官となった佐川宣寿氏らについて、検察審査会が「不起訴不当」と議決したため、再捜査していたものです。改めて不起訴としたことで、不起訴が確定しました。
昨年3月、佐川氏は国会へ呼び出され証人喚問を受けましたが、公文書変造や公用文書毀棄で刑事告発を受けていたため、「刑事訴追の恐れがある」としてほとんど何も答えませんでした。
不起訴が確定し、佐川氏が刑事訴追される恐れはなくなりました。国会は、改めて佐川氏を証人喚問すべきです。
ウソの答弁をし、改ざんされた文書が提出された、つまりは、国会が軽視され、愚弄されたのです。与党・野党を問わず、政党・会派の違いを超えて、全ての国会議員は、公文書改ざん・公文書破棄・虚偽答弁について、真相を徹底究明すべきです。
真相究明に必要不可欠である佐川氏の国会証人喚問を、速やかに行ってください。
(参考記事)
近財職員の妻、佐川氏と国を提訴 森友事件巡る自殺
2020年3月19日 大阪日日新聞
学校法人「森友学園」に国有地が不当に値引きされた「森友事件」で、公文書の改ざんを迫られ命を絶った財務省近畿財務局の男性職員の妻が、改ざんを指示したと名指しされた佐川宣寿元財務省理財局長と国を相手に18日、総額約1億1千万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。(3月19日1、2、22、23面に関連記事)
提訴したのは、近畿財務局管財部の上席国有財産管理官だった赤木俊夫氏=当時(54)=の妻。訴状などによると、赤木氏は2017年2~3月、森友事件が発覚し国会で厳しく追及されていたさなか、国有地の取引について記した公文書を改ざんするよう繰り返し職場で迫られ、抵抗しても財務省幹部らに押し切られて何回も改ざんをさせられた。
これが精神的な負担となり、同年7月にうつ病と診断され休職した後も、現場の自分に責任が押しつけられるのではないかと恐れて病状が悪化し、18年3月に命を絶った。
これについて訴えでは、国だけでなく佐川氏も違法な改ざんを指示した責任がある上、死後に妻が弔問を求めても誠実に回答しなかったとしている。
提訴後に記者会見した弁護士は、冒頭で妻のコメントを読み上げた。
「夫が死を選ぶ原因となった改ざんは誰が何のためにやったのか、改ざんをする原因となった土地の売り払いはどうやって行われたか、真実を知りたいです」「そのためには、まずは佐川さんが話さなければならないと思います」
また、弁護士は「国と佐川氏は誠実に対応し、真相を明らかにする責務がある」と指摘した上で、赤木氏が残した「手記」と題された遺書で名前が上がっている佐川氏をはじめ、佐川氏の後任の理財局長だった太田充主計局長、近畿財務局長だった美並義人東京国税局長など、名指しされたすべての財務官僚らを証人として申請する考えを明らかにした。
「パブロフの犬」とは、「パブロフの実験」に出てくる犬の事だ。では「パブロフの実験」とは何か?旧ソ連のイワン・パブロフ博士が行った条件反射の実験の事だ。犬に餌を与える際に鈴を鳴らすようにしたら、最後には餌を与えなくても鈴を鳴らしただけで犬はヨダレを垂らすようになった。このように、何かする時に、ある仕草を習慣付けたら、別に何もしなくても、その仕草をしただけで、同じような反応を示すようになる。これが「条件反射」だ。それを証明したのが「パブロフの実験」だ。
これは何も動物に限った話ではない。人間にも大いに当てはまる事だ。現に私も、仕事中に、それとよく似た場面に何度も出くわして来た。例えば、普通、カゴ車に商品を積む際には、積荷のバランスや安定性を考え、重い物や数の多い物を棚の下に積み、軽い物や数の少ない物を棚の上に積むものだ。しかし、横着な奴は、バランスや安定性を考える事を邪魔くさがり、何でも棚の上に積もうとする。
「日本は単一民族国家」と言うのも大嘘だ。実際は大和朝廷とは別に、沖縄では琉球王国が栄え、東北・北海道でもアイヌ人が大陸と交易活動を行なっていた。ところが、日本では大和朝廷以外の歴史は全て闇の中に葬られて来た。島津藩の琉球侵略、松前藩のアイヌ侵略についても、学校の歴史の授業では一切教えられて来なかった。
だから、私はアイヌの歴史について、図書館で本を借りて読み、ブログでまとめるべく、資料もコピーしていた。
でも、何か気乗りがしないので止めた。気乗りがしない理由の一つは、本を読むのに時間が取られ、書くタイミングを逃してしまったからだ。その後も、河井案理の選挙汚職に新型肺炎流行と、次々と新しいニュースが流れ、麻生発言はいつしか後景に退けられてしまった。
もう一つの理由は、私自身も来月初めに転居を控え、もう麻生発言だけに構っていられなくなったからだ。今の私にとっては、少しでも預金の目減りを防ぐべく、より家賃の安い賃貸物件に移る事の方が最優先課題なのだ。
そこでハタと気が付いた。安倍政権がこれだけ不祥事を重ねても、何故、内閣支持率が高止まりしているのか?その最も大きな理由も、ロスジェネ世代の「諦め」「消極的支持」にあるのではないか。「ロスジェネ」とは「ロスト・ジェネレーション」の略だ。訳せば「失われた世代」となる。日本でバブルがはじけ、構造不況に突入した1990年代以降に社会人デビューした世代の事だ。
1990年代以降に社会人としてデビューし、現在50歳より下の世代は、「就職氷河期世代」として、それまでの50年間ずっと、不況の中で生活して来た。好景気を一度も経験していないのだ。特に1995年以降は終身雇用の見直し、正社員から非正規雇用への置き換えが進み、派遣切りにも遭って来た。
また、この時期は、社会党・総評ブロックの消滅や、ソ連・東欧圏の崩壊で、社会主義運動や労働運動が後退して行った時期に当たる。それ以前には普通に見られた春闘やストライキが、今やほとんど見られなくなった。今や労働組合がある職場は大企業に限られ、頼みの労組も正社員の事しか考えない御用組合が大半を占めるようになってしまった。
そんなロスジェネ世代からすれば、今の安倍政権の時代は、たとえブラックな求人ばかりだったとしても、求人そのものがはるかに少なかった民主党政権時代と比べたら、まだマシにしか見えないのだ。それがどれだけ日銀の株買い支え、株価バブルによるはかないものであったとしても、だ。
何故なら、それ以前のバブル景気や高度経済成長時代の事を知らないのだから。安保闘争や全共闘運動、沖縄返還闘争やベトナム反戦運動の経験もなく、ストライキの経験もないのだから。
権力と戦って何かを勝ち取った事もなく、ずっと続く不況の中で、我慢を強いられた経験ばかり。物心ついた時に経験した数少ない「革命」体験である自民党から民主党への政権交代も、惨めな失敗に終わった。
そんな境遇に何十年も身を置いていたら、たとえ官製相場であっても、実際に最低賃金や有効求人倍率を引き上げて来た第二次安倍政権を、積極的に支持しないまでも、容認する気持ちになるのも不思議ではない。
勿論、今の相対的「好景気」は決してアベノミクスのお陰ではない。長く続いた不況のせいで、生活が悪化し、結婚や子育ても出来なくなる中で、少子高齢化が進み、それが人手不足となり、たまたま最低賃金や有効求人倍率の増加となって現れているに過ぎない。これらは「自然増」に過ぎず、決してアベノミクスの成果なんかではない。
むしろ、今の日本は、1990年以降ずっと続いた不況のせいで、とっくに先進国の座から滑り落ちてしまっている。この30年もの間、GDP(国内総生産)はほとんど伸びなかった。中国・インド等の新興国だけでなく、欧米諸国も何倍もGDPを伸ばして来たにも関わらず。
日本に外国人観光客が殺到しているのも、別に外国人が日本文化に魅せられたからではない。デフレが長く続いたせいで、今や欧米だけでなく中国や東南アジア諸国よりも物価が安くなってしまったからだ。その安い物価でも日本人は生活に汲々としているのだ。どれだけ生活が悪化したか分かるだろう。
長い目で見れば、むしろデフレの弊害の方が大きい。小泉構造改革やアベノミクスによる規制緩和で、経済格差が広がり、労基法の骨抜きで、長時間労働や過労死が蔓延する事になった。昔は年間数万円だった国立大学の学費も、今や百万円を超えるようになり、学生はバイトや奨学金の返済に追われるようになった。社会保障も切り捨てられ、整骨院にも満足に通えなくなった。安くなったのは百均や牛丼、ドンキ等の「ド貧民が買う商品」だけなのだ。
今のロスジェネ世代は、決してアベノミクスや安倍政権の進める憲法改正、戦前回帰の政策を容認している訳ではない。モリカケや裁量労働制データ改ざん、「桜を見る会」疑惑を容認している訳ではない。それが証拠に、各種世論調査の結果を見ても、これらの項目については、安倍政権に否定的な回答が多数を占める。
ところが、安倍政権全体に対する評価となると、途端に内閣支持率が高止まりしたままとなる。個別の政策については、安倍政権の政策に反対の意見の方が多いのに、何故、全体評価となると、安倍政権支持が多数になるのか?
生活を守るのに精一杯で、投票に行く余裕もない中で、政治を変える事を諦めてしまっているからだ。それを安倍政権も良く知っているからこそ、民主党政権から返り咲いてからは、第一次政権の時みたいな改憲一本槍ではなく、アベノミクスで見せかけの「好景気」を演出しながら、それを改憲策動に利用しているのだ。
これは決して安倍晋三の力では出来ない。安倍晋三は、首相でありながら、一人では答弁原稿も振り仮名付きでないと読めない人物なのだ。誰でも読める「画一的」「背後」「云々」等の漢字ですら、「がいちてき」「せいご」「でんでん」と誤読する程の無能者なのだ。そんな無能者であるにも関わらず、何故、第二次政権では第一次政権とは対照的に、8年も政権を維持して来れたのか?政権中枢の中に、安倍晋三を操る策士がいるからだろう。おそらくCIAとも繋がりのある人物が。
それを唯一分かっているのが山本太郎だ。山本太郎率いる新党「れいわ新選組」が、何故、結党間もない参院選で、いきなり200万票以上も得票し、2名の新人議員を当選させる事が出来たのか?それは、「消費税廃止」「奨学金返済チャラ」等の分かりやすい言葉で、ロスジェネ世代にアピールする公約を前面に押し出したからだ。
「れいわ新選組」の公約も、格差是正に規制緩和反対と、他の野党の公約と余り代わり映えはしない。違いと言えば、財政出動を容認している(その一点でアベノミクスの手法も一定評価している)点ぐらいだ。でも、同じ格差是正を言うにしても、「奨学金返済チャラ」「公営住宅増設」を前面に押し出すのと、そうでないのとでは、有権者の受け取る印象は全く違う。ロスジェネ世代にとっては、「桜を見る会」疑惑追及よりも、「奨学金返済チャラ」の方が、より切羽詰まった問題なのだ。
「消費税廃止」の公約もそうだ。非正規雇用の労働者にとっては、住宅減税やベースアップなんかよりも、こちらの公約実現の方がはるかに重要だ。幾ら住宅減税やベースアップが実現した所で、自分の時給が上がる訳ではない。しかし、消費税が下がれば、惣菜屋で買えるメニューは確実に増える。
「桜を見る会」その他の疑惑追及も勿論大切だ。何故なら、それ自体が安倍政権の身びいき、不公平体質の追及に繋がるからだ。しかし、それだけを前面に出していては、ロスジェネ世代は動かない。彼らにとっては、疑惑追及よりも「消費税廃止」等の方が、自分の生活により直結する公約だからだ。同じ公平を訴えるなら、疑惑追及よりも、消費税や高い住宅家賃の不公正さを、もっと訴えるべきだ。
以上は、あくまで私の想像に過ぎません。でも、今なら何となく理解出来きます。私達ですら、非正規労働者の少ない給与では、食って行くだけで精一杯なのです。非正規労働者にとっては、今やフルーツすら贅沢品となってしまいました。その中で、夏場は物流センターでスイカの仕分けに追われています。自分達はスイカも満足に買えないのに、何故毎日、重たいスイカの仕分けに追われなければならないのか?腹が立って仕方がない。「一層の事、スーパーのスイカ売り場をテロで爆破してやろうか!」。私達ですら、そういう気持ちになる時があるのです。
エジプトやインドネシアのバリ島などの観光地で、たびたびテロが起こるのも、先進国との経済格差や、白人観光客の差別的眼差しに対する現地民の怒りの現れではないかという気がします。勿論、そんな幼稚な論理をそのまま肯定する事は出来ません。それどころか、アフガニスタンの平和復興、貧困撲滅の為に、白衣を脱いで自費で用水路を作り、不毛の砂漠を沃野に変えた中村哲医師すら、異教徒の侵略者と錯覚して殺害してしまうテロリストの狭量さには、憤りしか感じません。
その中で、あいりん地区は独特の立ち位置を占めています。なるほど、あいりん地区にやって来る外国人観光客は、あいりん地区に魅せられてやって来る訳ではありません。単に宿泊費や物価が安いからやって来るのに過ぎません。しかし、その宿泊費や物価の安さも、あいりん地区が日雇い人夫の寄せ場として差別されて来た結果なのです。逆に、ドヤ代や弁当代を吹っかける悪徳業者との闘いの中で、勝ち取って来た成果でもあるとも言えます。一見の観光客も、そのメリットを享受している意味では、あいりん地区の問題と無縁ではあり得ません。そこに、単なる観光客と現地民の垣根を超えた、交流や相互理解が成り立つ可能性を見出す事が出来るのではないでしょうか。
ベトコンがゲリラ戦で立てこもった秘密の地下トンネルや、米兵殺害用の落とし穴すら、今やベトナム観光の定番コースに組み入れられています。チェ・ゲバラが政府軍に処刑された南米ボリビアの山村も、今や革命の聖地として、世界中から観光客が押し寄せる様になりました。あいりん地区も、この様に過去の被差別の歴史を逆手に取って、反貧困運動発祥の地、新たな観光地として再生出来るのではないでしょうか。
あいりん地区では毎年、野宿者支援団体の手で、夏祭りや越冬闘争が取り組まれて来ました。夏祭り会場の三角公園では、ライブコンサートやスポーツ行事だけでなく、一年間で行き倒れになった野宿者の盆の慰霊祭や遺影展も執り行われて来ました。年末年始の越冬闘争でも、炊き出しや餅つき大会だけでなく、野宿者襲撃に備え、「一人の餓死者・凍死者も出すな」と、見回りパトロールや集団野営の活動が繰り広げられて来ました。近くのライブハウスでは、反原発の講演会や西成ジャズのコンサートも行われてきました。
菅官房長官が12月7日に、視察先の熊本地震の被災地で、「復興と地域経済の活性化を図る為に、今後各地に世界レベルのホテルを50か所ぐらい建設する」と述べたそうです(NHKニュースより)。インバウンド(外国人観光客)需要を当て込んでの大風呂敷発言で、「桜を見る会」疑惑の矛先逸らしの意図が透けて見えるような発言ですが、私は「そんな事をしても無駄だ」と思います。
その理由は、まず第一に、幾らそんな事をして外国人観光客を呼び込んでも、潤うのはホテル資本だけで、地域にはほとんど還元されないからです。その典型が大阪・西成のあいりん地区です。あいりん地区でも、この数年来、インバウンド需要を当て込んでのホテルの建設ラッシュが続いていますが、賑やかなのはJR新今宮駅や地下鉄動物園前駅周辺のホテルだけで、あいりん地区の中の方は依然として寂れたままです。
あいりん地区では、今年の10月末から11月にかけて、簡易宿泊所組合や行政が中心になって、「新今宮フェスティバル」や「フリンジフェスティバル」等のイベントが行われました。しかし、そのイベントの内容は、外国人目当てのタコスやたこ焼きの屋台、高級生ハムやワインの展示即売、ジャズやビートルズナンバーのコンサート、ネイルアート、英語落語などといったものでした。いずれも、昔からそこに住んでいる日雇い労働者やホームレスの人たちとは無縁の内容です。ホームレスの人にとっては、1本50円の激安自販機の飲料すら高根の花なのです。そんな人たちが、ネイルアートや一盛り600円もするタコスなどに手が出る訳ないでしょう。確かに、外国人観光客が来るようになって町の雰囲気は明るくなりましたが、逆にそのおかげで物価や地価が上昇し、かえって住み難くなりました。
左上が新今宮フェスティバルのチラシ。右上がその会場案内図。会場として賑わったのは、あいりん地区の中でも駅周辺の限られた一角に過ぎない事が分かる。
同じ事が他の地域でも起こっています。例えば、京都の下町でも、今まで寂れる一方だった商店街が、空き家を民泊に活用する事で、かつての賑わいを取り戻しつつあると言われました。しかし、実際に潤っているのは、民泊を経営しているホテル資本だけで、商店街への波及効果はほとんどありませんでした。それどころか、住民は観光客の出す騒音公害やゴミ公害に振り回され、物価や地価の上昇で逆に出ていく人が増え、かえって空き家が増えているのが現状です。
第二に、近年のインバウンド需要は、別に外国人観光客が日本の良さを認識したからではありません。他の先進国・新興国がインフレで物価がどんどん上がっている中で、日本だけがデフレから脱却できずに、物価が下がっているからです。その結果、安宿を求めて外国人観光客が殺到しているだけです。他の国は物価も賃金も上昇しているのに、日本では物価が下落し、賃金はそれをさらに上回って下落しています。「東京や大阪では最低賃金が時給千円を超えた」と言って喜んでいる人がいますが、台湾や韓国では既に全国一律でそのレベルに到達しています。日本の百均で売っている商品も、米国では162円、ブラジルでは215円、タイでは214円、生産地の中国でも153円で売られているのです。他国ではそんな値段で売られている商品が、日本では百円まで値下げしないと売れない。だから、かつて世界中のヒッピーがネパール・カトマンズの安宿に押し寄せたように、外国人観光客が日本に押し寄せてきているだけなのです。
左上は一人当たり名目GDP(国内総生産)、右上は労働者時給の推移。いずれも1987年を100とした場合の2018年の数値。全体通して数値が停滞・低下しているのは日本だけ。資料の原典は日経新聞の記事ですが、画像は「逝きし世の面影」さんのブログから拝借させてもらいました。
だから、本来なら国民も、インバウンド需要のバブルに浮かれている政府や企業に、「肝心の自国民の暮らしが安定してこそ、初めて外国人を気持ちよくもてなす事も出来るのだ。そうする事が出来るように、もっと国民の暮らしを顧みろ」と要求すべきなのです。消費税増税なぞ、もってのほかです。ところが、政府や企業は、福島原発事故の収束も進まず、台風被災者がいまだに仮設住宅で困難な暮らしを強いられているのに、オリンピックやカジノにうつつを抜かし、中小企業の低賃金やブラックな労働環境は放置したまま、人手不足の穴埋めを外国人労働者で埋めようとするだけです。その外国人労働者も、所詮は日本の派遣労働者と同じように使い捨てされるだけです。
第三に、その頼みのインバウンド需要も、日本政府の韓国・中国敵視政策のせいで、いつ何時、雲散霧消してしまうか分かりません。現に、それまで韓国人観光客で潤っていた長崎・対馬のホテルも、徴用工裁判をめぐるトラブルで韓国との関係が冷え込み、韓国からの観光客が激減してしまってからは、火が消えたように寂れてしまいました。来日観光客の大半が中国・韓国・台湾・東南アジアからの観光客です。ところが、肝心の日本政府の外交方針は、韓国・中国敵視政策で日本人のナショナリズムにおもねろうとするばかり。
そのナショナリズムも、目先のあぶく銭に汲々とする「ニセ・ナショナリズム」に過ぎません。本当に国を愛するなら、福島原発事故や台風の被災地を見捨てたまま、オリンピックやカジノにうつつを抜かしたりはしません。自国民の困窮をよそに、インバウンド需要にうつつを抜かしたりはしません。竹島や尖閣の問題だけでなく、沖縄・辺野古の米軍基地建設反対や北方四島返還についても、筋を通すはずです。今まで友好国だったイラクやイランを見捨てて、米国の言いなりになったりはしません。「香港の民主主義を守れ」と言いながら、肝心のおひざ元で、公文書破棄やデータ改ざんなぞで民主主義をないがしろにするような事なぞしたりしません。
今の「桜を見る会」の疑惑についても、世界の常識では、安倍首相はとっくに退陣していなければおかしいのです。政府主催で功労者を招待するはずだった観桜会が、いつのまにか安倍首相のお友達慰労会に変質してしまっていた。そこに税金が野放図に使われ、政治資金報告書にも使途が記載されなくなってしまっていた。「招待者名簿や会計報告を開示しろ」と迫っても、公文書であるにも関わらず「破棄した」の一点張り。それどころか、マルチ商法やヤクザの元締めと安倍政権との繋がりすら、指摘される始末です。普通なら、とっくに政権が倒れていなければならないはずです。
ところが日本では、この期に及んでもまだ、内閣支持率が若干下がっただけです。それどころか、「いつまでこの問題をやっているんだ」と、暗に幕引きをそそのかす勢力まで出てくる始末です。事は民主主義の根幹に関わる問題なのに。この問題をそのまま放置していると、最後には安倍首相だけでなく、日本国民も世界の人々から信用されなくなってしまいます。最大の景気回復策は、一刻も早く消費税を廃止し、安倍政権を退陣に追い込む事です。そうしてこそ初めて、日本も再び世界から信頼を回復し、私たちも気持ちよく外国人観光客をもてなす事が出来るようになるのです。
香港に再び栄光を!(願栄光帰香港・日本語版)《Glory to Hong Kong》《香港に栄光あれ》【動画版】
★「香港に栄光あれ」★
なぜ 涙あふれ
なぜ 怒りが湧く
頭を上げて 叫べ
自由よ 戻れ
なぜ 恐れ消えぬ
なぜ 信じてやまぬ
なぜ 傷ついても進む
自由なる 香港
星の 見えぬ夜に
霧に 角笛が響く
自由のため 集え 戦え
勇気 叡智 永遠(とわ)に
夜明けだ 我らが香港
正義の革命をいま
民主と自由 永遠(とわ)にあれ
栄光あれ 香港
★「願栄光帰香港」★
何以 這土地 淚再流
何以 令眾人 亦憤恨
昂首願栄光帰香港
拒默沉 吶喊聲 響透
盼自由 歸於 這裡
何以 這恐懼 抹不走
何以 為信念 從沒退後
何解 血在流 但邁進聲 響透
建自由 光輝 香港
在 晚星 墜落 徬徨午夜
迷霧裡 最遠處
吹 來 號 角 聲
"捍自由 來齊集這裡 來全力抗
勇氣 智慧 也 永不滅"
黎明來到 要光復 這香港
同行兒女 為正義 時代革命
祈求 民主 與自由 萬世都
不朽
我願 榮光 歸香港
上記の「香港に再び栄光を!(願栄光帰香港)」という歌は、自由と民主主義を求めて決起した香港の人々が、闘いの中で歌い継ぐようになったものだ。その中国語の歌詞を、我がブログの古くからの読者でもある「まっぺん」さんという方が日本語に訳してくれた。私も聴いたが、何度聴いても魂が揺さぶられる。ここに紹介するので、まずは皆さんも是非、聴いてほしい。
香港の犯罪者(その中には政治犯も含まれる)を中国本土で裁けるようにする「逃亡犯条例」に対する反対運動に端を発した香港の民主化運動は、今や条例撤回を勝ち取っただけに留まらず、「五大要求」の実現を掲げて、新たな広がりを見せている。先の区議選でも民主派候補が8割以上もの議席を制する結果となった。
「五大要求」とは、①警察の暴力行為を調査する独立委員会の設置、②有権者が1人1票を投じる普通選挙の実現、③条例の完全(永久)撤回、④抗議者の逮捕取り下げ、⑤抗議を暴動とした認定の取り消し、の5つである。この要求案を見て、「今の日本と何とよく似ている事か?」と思わざるを得なかった。こんな事を言うと、「日本は民主主義の国であり、共産主義の中国とは違う」という意見が必ず出てくるが、私はそうは思わない。
確かに、日本は表向きは民主主義の国という事になっているが、実際はどうか?安保法制も、共謀罪法案も、秘密保護法も、ろくに審議もせずに国会で強行採決されてしまったではないか。森友・加計問題や今の「桜を見る会」私物化問題にしても、次から次へと新たな疑惑が浮かび上がってくるのに、政府・与党は証拠隠滅に走り、全く情報を開示しようとはしない。そして、マスコミに圧力をかけて、この問題を国民の目から逸らそうと躍起になっている。御用メディアやネトウヨ(ネット右翼)を使って国民を黙らせようとしている。
国政選挙も、与党や大政党に有利な小選挙区制の下で、投票率は年々下がり、遂には4割の投票率で、有権者比では3割前後しか得票できなくても6~7割も与党が議席をかすめ取ってしまうようになってしまった。その結果、「戦争発言」の丸山穂高のような問題のある人物でも、世襲や金の力で楽々当選できるようになってしまった。今の日本も、本質的には今の香港や中国と何ら変わらないではないか。
それどころか、香港の人々が自由と民主主義を求めて立ち上がっているのに引き換え、日本の国民は大多数が安倍政権に飼い慣らされ、自分や目先の損得勘定だけで、「長いものに巻かれろ」と安易に勝ち馬に乗っかったり、ダンマリを決め込んだりしてしまっている。そういう意味では、香港よりも日本の方が、むしろ数倍も重症だと言える。このままでは、下手すれば日本も、今の中国のウェイボーみたいに、時の政権が認めたインターネットやアプリしか使えなくなるかもしれない。
かつては日本にも、今の香港のような時代があった。1960年の安保闘争や、60年代から70年代にかけて、ベトナム反戦運動、沖縄返還闘争、学生運動、公害反対運動、ウーマンリブ、革新自治体の運動などが、堰を切ったように広がっていった時期があった。しかし、せっかくのその運動も、やがて社会が保守化するに従い、次第に小さくなっていってしまった。今や、香港のような運動が今も続いているのは、辺野古移設・米軍基地問題を抱える沖縄だけとなってしまった。
かつて「総中流社会」と呼ばれた日本も、今やすっかり「格差社会」に変貌してしまった。「ブラック企業」「ワーキングプア」「過労死」「孤独死」「下流老人」「ひきこもり」「8050問題」「毒親」などが流行語となり、本来ならどんな人間でもかけがえのない個人として尊重されなければならないのに、財産や地位の違いで上層と下層に分かれ、互いに「上級国民」「ド底辺」と罵り合う様になってしまった。これも今の中国、香港と、一体どこが違うのか?
上記の「願栄光帰香港」の「香港」を「日本」に置き換えれば、日本でもそのまま通用するようになってしまった。しかし、我々は下僕でもなければ社畜でもない。この歌はもはや香港の人々だけのものではない。我々、日本人も、「香港」を「日本」に置き換え、この歌のように、かつての貧しくとも希望に満ちた時代の息吹を、再び取り戻そうではないか!
①弱者にとことん寄り添う公約。
私が「れいわ」のHPを観て最も心を揺り動かされたのが、「安い家賃の住まいを提供する」という公約だ。
今住んでいるホテルは水光熱費込みで家賃が月4万3千円余だ。昔ドヤだったのを観光客向けに改装したホテルなので、敷金・保証金は不要だ。お金を払ったその日から泊まれる。但し、元はドヤなので部屋の広さは三畳一間しかない。風呂も水道も共同で冷蔵庫もない。そんな賃貸物件でも月収の約4分の1もの家賃を支払わなければならない事に、常に矛盾を感じていた。
勿論、家賃だけでは、トイレ・風呂・台所付きでもっと安い物件がある事は知っている。しかし、そんな物件でも、初期費用を含めれば、最低でも10万円は用意しなければならない。立地も意外と不便な場所が多い。身元保証人も立てなければならない。契約変更や引越しの手間を考えると、やはり便利な今の所で我慢するしかないかと思ってしまう。
格差是正と言えば、今までは立憲民主党や共産党の十八番(おはこ)だった。確かに、それらの党も格差是正には熱心だ。しかし、それらの党も、所詮は持ち家の一般サラリーマン、中産階級向けの公約が中心だった。それ以下の層が一番求めている物は何なのか?それを「れいわ」だけが唯一知っていた。
②保身とは無縁の無私な姿勢。
私は初め、「れいわ」については胡散臭く思っていた。それは、「れいわ」なぞと言う時代錯誤の元号名に、「新選組」なぞと言う佐幕派テロリストの名前を党名に掲げていたからだ。代表の山本太郎についても、脱原発だけが取り柄のパフォーマーで、貧困とは無縁の金満タレント政治家だと思っていた。数ヶ月で4億円以上もの個人献金を集めた事についても、常識ではあり得ない額なので、野党分断を図る為に安倍政権が裏金を回しているのではないかと疑っていたぐらいだ。
しかし、その疑念も「れいわ」のHPを観て氷解した。先述の住宅政策に、時給1500円以上の最賃要求と、公約がことごとく身近で具体的で、弱者に寄り添うものだった。「我々、貧困層が何を求めているのか?」を一番よく理解していた。だからこそ、皆なけなしの金をカンパして、これだけの金額を集める事が出来たのだ。
しかも、単に格差是正を掲げるだけでなく、貧困に苦しむ当事者自身を候補に押し立て、代表の山本太郎はあくまで黒子に徹する姿勢を貫いていた。特に、難病患者や身体障がい者の方を比例の特定枠に入れ、自分はあくまで比例3位候補として、特定枠候補のサポートに徹する姿勢には感動した。その在り方は、自民党や他の野党が当選第一で、タレント候補や労組ぐるみ、党の専従職員の擁立に走ったのとは対照的だ。いずれも、保身とは無縁の無私の姿勢でなければ出来ない事だ。
③攻めの姿勢で、夢を現実に変えていく。
私の地元の大阪選挙区では、残念ながら4議席とも自公与党と維新に独占されてしまった。私が投票した共産党の辰巳コータローも、立憲民主党の亀石倫子と票を奪い合い、両者共倒れで終わってしまった。どちらかに候補を一本化していたら、自公・維新に議席を独占される事はなかったのにと、悔しくて堪らなかった。しかし、山本太郎の見方は違った。「4議席もあるのに2議席ぐらい取れなくてどうするのか?」と、自分の選挙もあるのに、辰巳と亀石の両方を応援したのだ。
私は、「幾ら何でも2人とも当選は無理だろう」と思った。実際に無理だった訳だが、しかし、では安全策を取って候補者一本化していたらどうなるか?今は当選する事が出来ても、そんな保身第一の消極的姿勢では、やがて1議席も確保出来なくなるだろう。
事実、大阪の自民党は、候補者を1人に絞っても、81万(2013年参院選)→76万(2016年衆院選)→55万(2019年参院選)と、票を減らし続けている。それに対し、維新は同じ時期に、2人擁立で票を1.3倍に増やしている(同じく105万→139万→138万)。
この「背水の陣」は見事に成功した。有権者は候補者に等身大の自分の姿を見出した。背広姿ではない普段着の候補者が、元ホームレスやLGBT、元コンビニオーナー、創価学会員、元東電社員・北朝鮮拉致被害者家族の立場で、安倍の悪政を指弾し、それに代わる未来を提示する姿に、どれだけ勇気づけられた事か。だからこそ、「れいわ」結成から僅か数ヶ月で4億円以上もの個人献金が集まり、山本太郎自身は落選したが、「れいわ」自体は得票率2%超の政党要件を満たして、確認団体(諸派)から正式な政党に昇格する事が出来たのだ。もう今後はマスコミも、諸派ではなく正式な政党として、「れいわ」の動向を取り上げざるを得なくなった。
今回、「れいわ」が獲得した約228万票(得票率4.55%)のうちの153万票は、支持層が被る共産党から流れて来た票だと思われる。しかし、それ以外の75万票は、無党派票や自公・維新からもぎ取った票である事は、出口調査の結果からも明らかだ。出口調査の結果によると、共産党票が高齢者に偏っていたのに対し、「れいわ」票の大半は30~50歳代が中心だった。名を捨て実を取る「れいわ」の作戦は見事に成功した。
次の衆院選では、れいわは100名規模の候補者を立てるらしい。安倍がこれだけ悪政三昧を繰り返しても、未だに与党の座でいられるのは、それに代わる政権構想を野党が分かりやすい形で有権者に提示出来なかったからだ。それでも、マスコミの流す「与党圧勝」報道とは裏腹に、自民党は今回の選挙でも、一人区で10名も取りこぼした。前回の取りこぼしを合わせると、何と一人区だけで20議席前後も失った計算になる。だから、自民党単独では過半数も維持出来なくなったのだ。改憲発議に必要な3分の2の議席も失い、もはや公明党がいなければ何も出来ないのだ。
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