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ゲシュタポの跳梁跋扈を許すな!

2007年06月14日 09時55分16秒 | 監視カメラよりも自由な社会に
 自衛隊情報保全隊が「反自衛隊活動」摘発の名目でイラク反戦・春闘や年金改悪反対の運動を逐一監視していた問題で、「自衛隊は悪くない、悪いのは自衛隊の内情をばらした方だ」という混ぜっ返しがそろそろ出てくると思っていたら、やっぱり出てきました。それもオルタナティブ運動の情報交換・交流が目的であるAMLの場に。

 「南熊麻衣」なる者による<[AML 14393] 自衛隊を擁護するわけではないが>という戯言がそれです。そもそもこの闖入者の戯言は、自身の付けたタイトル名とは裏腹に、「美味しい国」とそれを支える人民弾圧軍隊を「擁護するもの」以外の何物でもなく、AMLの前記趣旨とはどう見ても相容れないものですが、その言説の「痛さ」を世間に晒す為に、今回は敢えてAMLに掲載されたのでしょう。

 この戯言に対しては既に他のAML寄稿子からも反論が為されていますが、こういうゲシュタポの戯言、ヘイトスピーチをこれ以上のさばらせない為にも、是非ここは各人がそれぞれの自分の言葉で釘を刺しておく必要があると思います。

(1) 公益通報(内部告発)の意義・役割を貶め全否定するのか。

>むしろ問題なのはこのような文書を共産党がどのようにして手に入れたかという点です。自衛隊内に文書を共産党に渡すような内通者がいたのであればそれを摘発する必要があります。また共産党にそのようなルートが存在するという点も問題です。<(標記戯言より引用)

 騙るに落ちたとはこの事です。「南熊麻衣」なる者が、どういう政治的立場からモノを言っているのかが、非常によく分る言い回しです。第一、公益通報(内部告発)というモノの意義が全然分っていません。<自浄作用が期待できない組織において内部の不正を告発して外部から矯正を図る>というのが公益通報(内部告発)の趣旨ですが、この戯言にかかると、<不正を行った方は全然悪くなく、それを告発した「内通者」の方が問題だ>という事になってしまいます。

 自衛隊内でセクハラを行った加害者が悪いのではなく、それを提訴した被害者や外部に漏らした支援者やマスコミが悪いのだ。いい加減な品質管理を行っていた不二家が悪いのではなく、それをばらした内通者が悪いのだ。日勤教育や無理なダイヤ編成で事故を引き起こしたJR西日本が悪いのではなく、JR内部の実態をばらした内通者やそれを煽ったマスコミが悪いのだ。年金の杜撰な管理を行いそれを推進してきた歴代内閣・厚労相・社保庁幹部が悪いのではなく、その実態をばらした内通者やそれを煽ったマスコミが悪いのだ、と。要するに、悪事を働いた奴が悪いのではなく、それを告発した奴が悪いのだ、という「問題のすり替え」なのです。これではJRの事故も年金詐欺も全然無くなりません。「南熊麻衣」は、JR福知山線事故の被害者・遺族に向かっても、果たして同じ理屈が言えるのか。

 または、不二家やJRや年金は国防に関わる一大事ではないから問題ではないが、自衛隊が関わる事は国防に関わる一大事なのだから、たとえ不正があっても軽はずみに告発すべきではない、という理屈なのかもしれませんが、それもトンでもない暴論です。国防に携わっていたら何でも出来るというのであれば、それこそ戦前の憲兵政治と同じで、治外法権そのものです。そんな理屈で行けば、それこそクーデターでも「国防」の名で正当化されてしまいます。

 そもそも、自衛隊は国の何を守るのか。天皇制か、それとも今の与党・財界による「美味しい国」の支配なのか。違うでしょう。日本国憲法に基づく立憲体制であり、憲法が規定する国民主権・平和主義・基本的人権尊重の価値そのものでしょう。確かに、自衛隊の実態は違憲の軍隊そのものですが、それでも少なくとも建前上は「憲法あっての自衛隊」という位置付けになっている筈です。自衛隊が内部文書で「反自衛隊活動」のレッテルを貼っているイラク反戦や沖縄・岩国などの基地拡張反対闘争にしても、日本国憲法の価値を実際に実現しようとするものであり、憲法が認めた国民の正当な権利行使にしか過ぎません。それを、政治組織でもない自衛隊が、自衛隊だけの勝手な理屈に基づいて市民を監視対象にするなどとは、許されるものではありません。そんな理屈を認めてしまったら、シビリアン・コントロール(文民統制)など絵に描いた餅になってしまいます。

 イージス艦のデータが流失した件についても、それは隊員が勤務中にエロ画像をウィニーで交換し合っていて装備の情報などを流出させてしまったという、隊員の情報管理のお粗末さに起因するものです。謂わば「身から出た錆」、自業自得とも言うべきものであって、それを理由にして、国民の正当な権利行使を抑圧する口実にしようなどとは、盗人猛々しいにも程があります。

(2) 目的もなしにただ漠然と情報収集など誰がするか。

>先日、共産党が公表した自衛隊の内部文書ですが、文章の内容を一言で言えば、”どこでいつこんな内容の街頭演説があった”という事実をまとめたものです。それ以下でもそれ以上でもありません。
 その活動を自衛隊組織が取り締まりを行ったり弾圧を行ったりということもありません。ただ演説などの日時や参加人数などをまとめただけの資料です。
 極端な話をすれば、新聞の記事をあされば誰だって作成することのできるレベルのものです。<(同上戯言より)

 ”どこでいつこんな内容の街頭演説があった”という事実をまとめたものにしか過ぎないって?ウソつけ。それら全てに「反自衛隊活動」のレッテルを貼って、悉く監視対象にしているではありませんか。しかも、イラク反戦や基地拡張反対の動きだけでなく、春闘や消費税値上げ反対や年金改悪反対の行動まで手を広げて。これらの何処が「反自衛隊活動」なのか。要するに、お上に盾突く動きには全て「反自衛隊活動」のレッテルを貼って、監視・弾圧対象にしたいだけではないか。
 政府・与党は「年金改悪反対の動きも、イラク反戦運動情報との関連でついでに収集しただけ」と嘯いていますが、これ何をか況やです。年金改悪反対の動きもそれ単独で、新聞記事に載らないような少人数の行動まで、逐一こと細かに調べ上げているではないですか。監視対象も左翼限定なんかではなくて、共産党・社民党・新左翼や労組・市民団体から、民主党や一般文化人の、山田洋次映画監督の発言に至るまで、スパイしていたではないですか。民主党にはGL(グレイ・レフト、灰色左翼の意味か?)という隠語まで割り当てて。

(3) 言論の自由が大前提のマスコミ取材と言論抑圧のスパイ行為を同列視する詐術

>自衛隊がやってる「情報収集」、マスコミがやってることに比べれば問題ないレベルではないでしょうか。マスコミだって集会の内容とか写真とかを紙上や電波上に乗せていますし、時々プライバシーを平気で踏みにじった記事を載せてたりしますし。<(同上戯言より)

 しかも言うに事欠いて「自衛隊のやっている事はマスコミ取材と同じにしか過ぎない」云々に至っては、もう片腹痛いという他ありません。マスコミは自衛隊みたいに公然とスパイ行為を働いたりはしません。確かにマスコミ取材にも個人のプライバシー侵害やメディア・スクラムなどの問題がありますが、それは営利偏重のスキャンダリズムに起因するものであって、それを以って言論抑圧を正当化する理由にはなりません。そもそも、マスコミ取材は言論・報道の自由に則って行われるものであるのに対して、自衛隊のやってきたスパイ行為は言論・報道の自由を侵すものに他なりません。両者は似て非なるどころか、互いに対極に位置するものです。

 こんなゲシュタポ紛いの言説、ヘイトスピーチを、これ以上のさばらしてはいけない。その都度機敏に反撃を行い、ヘイトスピーチの自己増殖を食い止めておかなければならない。

(関連記事)

・[AML 14393] 自衛隊を擁護するわけではないが
 http://list.jca.apc.org/public/aml/2007-June/013936.html
・人民弾圧の軍隊が守るアベジョンイルの「美味しい国」
 http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/7d17bd6aeaedefdcde2fcf5a948b4a90
・横浜事件の再審を実現しよう!全国ネットワーク
 戦時中の言論弾圧事件である横浜事件は、今回の自衛隊による市民監視・人民弾圧の行き着く先を見事に暗示しています。何の変哲もない総合雑誌の一記事や、郷里での出版記念の集まりですら、治安維持法による弾圧の対象にされたのですから。
 http://members.at.infoseek.co.jp/yoko_hama/main.html
・マルチン・ニーメラー牧師の言葉
 これも今回の事態を考える上で非常に示唆に富んだ言葉です。
―はじめにやつらは共産主義者に襲いかかったが、私は共産主義者ではなかったから声をあげなかった。つぎにやつらは社会主義者と労働組合員に襲いかかったが、私はそのどちらでもなかったから声をあげなかった。つぎにやつらはユダヤ人に襲いかかったが、私はユダヤ人ではなかったから声をあげなかった。そして、やつらが私に襲いかかったとき、私のために声をあげてくれる人はもう誰もいなかった。―
 http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%EB%A5%C1%A5%F3%A1%A6%A5%CB%A1%BC%A5%E1%A5%E9%A1%BC
コメント (2)
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参考資料:AMLに登場したゲシュタポ妄言の全文

2007年06月14日 07時51分54秒 | 監視カメラよりも自由な社会に
※下記が、拙稿記事「ゲシュタポの跳梁跋扈を許すな!」で取り上げた当該AMLの全文です。以下、参考資料として掲載します。


[AML 14393] 自衛隊を擁護するわけではないが
南熊 麻衣 mai_puremind at yahoo.co.jp
2007年 6月 13日 (水) 14:58:07 JST

 先日、共産党が公表した自衛隊の内部文書ですが、
文章の内容を一言で言えば、”どこでいつこんな内容の
街頭演説があった”という事実をまとめたものです。
それ以下でもそれ以上でもありません。
 その活動を自衛隊組織が取り締まりを行ったり弾圧を行
ったりということもありません。ただ演説などの日時や参
加人数などをまとめただけの資料です。
極端な話をすれば、新聞の記事をあされば誰だって作成する
ことのできるレベルのものです。
私に言わせれば、こんなものは何の問題にもなりません。

 極端な話ですが、もし情報収集の域を超えて自衛隊の
闇部隊が文書に出ている市民活動家を暗殺したり、そこ
まで行かなくても、自衛隊により、これらの市民団体
が活動停止に追いやられるような妨害工作がなされたと
すればそれは問題だと思いますが、今回共産党が発表した
ものは新聞でも収集できるような情報をまとめただけに
すぎないのです。

 共産党や社民党は、鬼の首を取ったかのような勢いで
政府を追及する構えですが、むしろ問題なのはこのような
文書を共産党がどのようにして手に入れたかという点です。
自衛隊内に文書を共産党に渡すような内通者がいたので
あればそれを摘発する必要があります。また共産党にその
ようなルートが存在するという点も問題です。
度重なる自衛隊の情報流出が問題になっている今日、共産
党はこの点を説明する責任があります。
この文書が機密扱いなのかどうかはわかりませんが、機密
扱いだとすれば赤旗のHP上から簡単にダウンロードできる
状態にしていることも大変な問題です。

自衛隊がやってる「情報収集」、マスコミがやってること
に比べれば問題ないレベルではないでしょうか。
マスコミだって集会の内容とか写真とかを紙上や電波上に
乗せていますし、時々プライバシーを平気で踏みにじった
記事を載せてたりしますし。
最近の自衛隊に文句をつけるなら、「情報管理体制を何
とかしてほしい」これに尽きます。

一体どうやって、共産党は自衛隊の情報を手に入れたのか?
普段から共産党は二重三重の監視網を仕掛けているのか。
自衛隊が誰でも作れるような「反対者リスト」を作って
いたなんて話より、共産党の「諜報能力」の方に驚きを
感じます。

 http://list.jca.apc.org/public/aml/2007-June/013936.html
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