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自分の将来が見えた

2007年06月02日 09時50分40秒 | 安倍第1次投げ出し政権
 私のバイト先の職場でも年金の話題が出ています。この前も職場の雑談で、「自分が今まで納めてきた年金がきちんと記録されているかどうか、調べてもらわにゃいかんな」という話が出ていました。それで私も、昨日の休みに社会保険事務所にわざわざ出向いて、自分の年金記録を調べてきました。

 調べた結果、自分の納付記録には不備はありませんでした。巷で話題になっている年金の納付記録漏れ問題は、1997年の基礎年金番号への統合措置の時に、離転職や結婚・離婚・養子縁組などの異動で統合出来なかった年金が、記録から漏れて宙に浮いているという問題ですが、私の場合はこの前後の時期には職場も自分の氏名も変わらなかったので、どうやら事なきを得たようです。「25年の厚生年金納付期間もクリアしているので、年金受給権は在る」との事でした。

 それで一安心したのもつかの間、帰宅してからパソコンで社会保険庁のHPにアクセスして、開示された自分の年金受給データを基に、「自分で出来る年金額簡易試算」を出してみました。すると、65歳からの年金満額受給開始以後も、僅か月額10万円少ししか年金が受給されないという、恐るべき結果が出てきました。

 私の場合は、昭和3×年生まれの現在4×歳で、大学卒業後は正職員として20年近く一つの職場で働いた後(この期間は厚生年金)、そこを退職し、約3年の国民年金支払期間を経て(そのうちの9ヶ月は免除)、その後に今のバイト先で再び社会保険(厚生年金)に再加入しています。それで、今までの厚生年金時代(正職員時代+再加入後から今までの約2年)の平均月額給与25万円×既払い月数、国民年金の支払・免除実績、今後60歳までの予想平均月額給与16万円(バイトなので昇給は今後もほぼ無い)×予想支払残月数の、3つの主なデータを掛け合わせて、将来の年金受給額を社会保険庁のページで簡易試算した結果が、「年間見込み年金額130万円=僅か月額10万円少し」という事なのです。

 何の事は無い、以前の拙稿記事の中でも取り上げた「これでは食っていけない最低賃金」と、同じ境遇にしかならないのです。これが、25年以上もあくせくと年金を支払ってきた末の、国からの見返りなのです。しかもこの予測は、あくまでも、今の職場で大きな病気や怪我にも遭わずに、円満退職まで漕ぎ付ける事を前提にしての話なのです。実際はこの後に何が起こるか分りません。若し自分が怪我や病気に遭わない様に気をつけていても、会社が不渡り・倒産にでもなったら、それで一巻の終わりです。

 しかも、問題は自分の事だけではありません。両親もますます年老いてくるし、そうなると私も、ぼんくらおじさんと同じ様に、親の介護や入院にも向き合わなければならなくなります。そんな時に、最低賃金並みの、スズメの涙程度の年金一つだけで、一体どうやって生活して行けというのでしょうか。年金だけでは食っていけないから働こうにも、どうやって働けというのでしょうか。そもそも、そんな年老いてからも食うに追われる事が無い様に、という事で作られたのが、年金制度の筈ではなかったのか。 

 これで自分の将来が見えました。どうやら、60歳を過ぎても「安穏自適の年金暮らし」からは程遠い現実が待っている様です。国はどうやら、憲法9条だけでなく、憲法13条(国民の幸福追求権)や25条(健康で文化的な最低限度の生活を営む権利)も、本気で守る気などサラサラ無いようです。

 社会保険庁の「改革」一つとっても、デタラメもよい話です。社会保険庁はお役所仕事で、年金未納や記録漏れを引き起こしたから、これを「日本年金機構」に改組して、今まで国がやっていた業務もバラバラに解体して民間に身売りする、という話です。そんな事をしたら、5000万件にも上るという、今の宙に浮いた年金は、いよいよ雲散霧消してしまって、闇から闇に葬られるだけではないですか。
 国は「1年以内で年金記録漏れを無くす」と言っていますが、そんな、タカが1年以内で解決出来るような問題なら、今までとっくに手を打てていた筈です。それをしなかったから今が在る訳で。

 今度の年金「改革」も、財政破綻隠蔽狙いの「平成の市町村合併」と同様の、問題そのものの雲散霧消・帳消しが、狙いじゃないのですか。それだけでなく、自分たちが引き起こした問題を、更に民間の金儲けの道具に供して、民間と利権の山分けを狙っているだけではないのですか。民間に丸投げすればみんな良くなるというのなら、JR福知山線の事故や損保ジャパンの保険金不払い事件は、何故起こったのでしょう。

 また安倍・自民党政府は、「お役所仕事」の責任を末端職員や公務員労組だけに一方的になすりつけて、自分は頬かむりを決め込んで逃げ切る算段でいるようですが、そもそも問題は、利権確保や天下りに汲々としてきたトップの高級官僚の仕事ぶりにこそ在るのであって、一部に見られる「お役所仕事」にしても、上がその体たらくだから下もそうなる、というだけの事でしょう。それを、下の一部の体たらくだけを槍玉に挙げて、上の仕事振りは「よくある事、どこも同じ、必要悪」の論理で頬かむりするとは、一体どういう了見なのでしょうか。

 今回の事があるまでは、年金の話なんて今まで余りピンと来ませんでした。もっと他に、もっと目先の事で、色々な心配や不安の種がありましたので、正直言って「年金なんて、まだ遥か先のオジンの世界の話」だと思っていました。ところが実際は、全然そうではありませんでした。
 また国は、政治腐敗や反動化など、政治の方向性では色々問題はあっても、こと国民生活に直結する身近な実務については、もう少しソコソコちゃんとやってくれているものと思っていました。ところが蓋を開けたら、こんな事例が次から次へと出てきます。こんな「国家ぐるみ」による「やらずぶったくり、年金詐欺」が横行するようでは、運転免許更新や住民票交付レベルの実務に至るまで、もはや役所業務には一切信用が置けない、という事になります。所詮は日本も、他のアジアの国々と同様に、「上に政策あれば下に対策あり」で臨まなければならない「普通の国」でしかなかった、という事です。もうこうなれば、官邸や各省庁に監視カメラを据え付けて、その仕事振りを国民が逐一監視する、ぐらいしないとダメなのかも。


(関連記事)

・年金支給漏れ:各社保事務所へは心配する人が次々と(毎日新聞)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070601-00000123-mai-soci
・安倍政権 年金支給漏れなどで国会戦略にほころび(同上)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070601-00000000-maip-pol
・年金支給漏れ 時効停止特措法案可決 厚労委の1日審議で(同上)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070531-00000000-maip-pol
コメント (2)
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