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やっとGW(ゴールデン・ウィーク)が終わりました。まあ私には関係ない話ですが。
私のバイト先は某スーパーの物流センターなので、GWは逆に普段よりも忙しいのです。特に4月30日は特売品の入荷が殺到し、商品をさばくのに大わらわでした。
当然、GWだからと言って、世間と同じ様には休めません。私の会社では社員もバイトも、会社が組んだ勤務シフトに沿って、交替で休みを取ります。毎月20日には次月度の公休日が決まるので、事前に休みたい日が分かっている人は、前の月の10日位までに会社に休暇届を出す決まりになっています。例えば5月21日からのシフトの中で、5月31日の土曜日に休みが欲しい場合は、5月10日までに届け出る事になります。しかも、うちの会社の場合は、土・日曜日でも平日と同じ扱いですから、休む場合は定休(公休)で休むか有休で休むかも自分で決めなければなりません。有休の残日数が少なかったり、通勤交通費(各月度とも20日以上出勤しないと支給されない)が惜しい人は、有休ではなく定休で申告する事になります。定休にすれば出勤日数は減りませんから。
ちなみに、私のGW期間中の休みは上記写真のカレンダーの赤丸印の日でした。そのうちの有休は5月3日の1日だけで(母の三回忌)、後の4月27日、28日、5月3日、5日、9日、11日、16日、20日は全て定休です。4月27~28日は連休になっていますが、これも勤務シフトの都合で一方的に決められただけで、別にこちらから事前に希望した訳ではなかったので、結局どこにも旅行には行かずじまいでした。私にとっては競馬の「春の天皇賞」がGWの最大のイベントでしたw。
だから、祝日と言っても全然有難味がないし、下手すると曜日の感覚も無くなってくるので、日本には一体どれだけ祝日があるのだろうと軽い気持ちで調べていくうちに、意外な事が分かってきました。「国民の祝日に関する法律」(祝日法、昭和23年法律第178号)には、その第2条で下記の祝日が定められています。
●元日(1月1日):年のはじめを祝う。
●成人の日(1月の第2月曜日):おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。
●建国記念の日(政令で定める日=2月11日):建国をしのび、国を愛する心を養う。
●春分の日(春分日):自然をたたえ、生物をいつくしむ。
●昭和の日(前の昭和天皇の誕生日=4月29日):激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。
●憲法記念日(5月3日):日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。
●みどりの日(5月4日):自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。
●こどもの日(5月5日):こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。
●海の日(7月の第3月曜日):海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。
●敬老の日(9月の第3月曜日):多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。
●秋分の日(秋分日):祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ。
●体育の日(10月の第2月曜日):スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう。
●文化の日(11月3日):自由と平和を愛し、文化をすすめる。
●勤労感謝の日(11月23日):勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう。
●天皇誕生日(12月23日):今の天皇の誕生日を祝う。
この祝日のほとんどが皇族の誕生日や天皇家の家内行事にちなんだ日だという事が分かりました。
架空の神話物語(記紀伝説)に基づく「建国記念の日」(昔の紀元節)や、「昭和の日」「天皇誕生日」(昔の天長節)は言うまでもなく、それとは無関係だと思っていた「春分・秋分の日」もそれぞれ春季と秋季の皇霊祭にちなんだ日だし、「海の日」も「海開き」ではなく明治天皇が東北巡礼から船で横浜に帰ってきた日との事でした。「文化の日」も昔の明治節(明治天皇の誕生日)だし、「勤労感謝の日」も昔の新嘗祭(にいなめさい:天皇家がその年の五穀豊穣を祝った)だし・・・。天皇誕生日だけならまだ「日本の象徴」として許せるとしても、ここまで天皇中心だと、「一体この国は本当に主権在民の民主国家なのか?この国の主人公は一体誰なのか?」と思いたくなります。
「みどりの日」に至っては、昔の昭和時代の天皇誕生日(4月29日)を、天皇の代替わりで誕生日が変わった為に「みどりの日」と改称したのを、更にGWの連休確保の為だけに5月4日に移動し、天皇は生物学がお好きというだけで「みどりの日」と・・・環境保護と何の関係もない事が分かりました。
特に「建国記念の日」なんて全く無意味です。今から2700年近く前の2月11日に、初代の神武天皇が橿原神宮で即位したのにちなんで設けた祝日だそうですが、邪馬台国の卑弥呼の時代ですら今から1800年近くも前なのに、それより更に900年も前の石器時代に、橿原神宮なんて存在する筈がありません。だから史実に基づく「建国記念日」ではなく「建国記念の日」でお茶を濁しているのです。そもそも、15代目の仁徳天皇ぐらいまでは、実在したかどうかさえ定かではないのに。今の大阪・堺にある仁徳天皇陵も、あれが本当に仁徳天皇の墓かどうか怪しい物です。宮内庁が未だに天皇陵の発掘調査を拒んでいるのも、本当の史実が明らかになるのを怖れているからではありませんか。
本当に日本の歴史に思いを馳せ、今の日本を民主国家として世界にアピールしたいのなら、こんな架空の神話や天皇家の私的家内行事に基づく何チャラの日や何チャラ祭なぞではなく、戦後再出発の原点となった8月15日の終戦記念日や、反核平和の原点となった広島・長崎原爆慰霊の日や、防災と脱原発の必要性を思い起こさせてくれた3月11日こそ、「国民の祝日」(祝日と言うのが語弊があるなら記念日でも可)にすべきだと思います。
そのくせ、国際労働デーとして今や80ヶ国以上で祝日となっているメーデーが未だに祝日ではありません。普段は土日も祝日も休めず、労働組合に入りたくても組合すらない非正規雇用や派遣のバイトにとっては、せめて5月1日のメーデーぐらいは全国一律に休みにしてもらわないと引き合いません。実際、会社に組合もない職場では、個人で地域労組や合同労組に加入している組合員は、組合の行事一つに参加するだけでも大変なのですから。普段はあれだけ「国民の団結」とか「絆」が大事だとか言っておきながら、なぜ労働者の団結に背を向けるのか。また、アベノミクスであれだけデフレ脱却を言っておきながら、非正規のバイトにはなぜ休みもまともに取らそうとしないのか。デフレ脱却なんて、アベノミクスでわざわざ無理にバブルを演出しなくても、一週間ぐらいみんな休みにして、数万円ほど賃上げすれば直ぐにでも実現出来ます。それが直ぐには無理だとしても、一年間のうちでたった一日ぐらい休めなくて、どうやって生活向上が図れるのか。
「最近の若者は労働組合なぞには関心が無い」と言う意見をよく耳にしますが、本当は無関心なのではなく「知らない」だけでは。そもそも、メーデーにも参加出来ずに、どうやって労働組合について知る事が出来ますか。大企業や官公庁の少なくない組合が会社や当局べったりの御用組合に成り下がり、あるいはただの親睦会のような名前だけのイベント組合に成り下がってしまったのも、政府や会社や組合幹部がこれら非正規労働者を切り捨て、参加させないようにして、自分たちの保身しか考えなくなったからです。それを打ち破る為にも、まずは、せめてメーデーぐらいは誰でも参加できるようにしなければなりません。単に「勤労に感謝する」とか言う抽象的なお題目ではなく、自らの権利要求で生活向上を勝ち取る為に。メーデーのきっかけとなった19世紀米国シカゴ労働者のゼネストから百年以上も経つのに、未だに八時間労働の原則が反故にされ、過労死されられる人が後を絶たない現状を変える為にも。