

先日、業務改善要望書に22項目の要望を書いて所長に提出しましたが、それ以降もまだまだ改善してほしい事が一杯あります。
その一つが作業日報の廃止です。私たちバイトは、毎日、個人別の日報提出が義務付けられています。朝、自分のIDカードを勤怠管理用のパソコンにかざして始業時間を打刻してから、退勤時間を打刻して帰るまで、自分の行った作業の内容(コード番号)と所要時間を、帰る時に日報に書いて出さなければなりません。
なぜ、そんな物を毎日出さなければならないのかと言うと、個人別のデータを集約して、職場全体の労働生産性向上と業務改善に役立てる為に、作業日報を付けているのだそうです。しかし、私に言わせると、実際はほとんど機能していません。そんな日報なら、もはや付ける意味がないので、一層の事、廃止してしまったらどうかと、今日の日報用紙(左上写真)の裏に書いて出しました(右上写真)。以下はその全文です。但し、引用するに当たり、必要に応じて注釈を所々に付け加えています。
(引用開始)
☆作業日報の記入について
毎日、作業日報をつける意味が分かりません。
「人時生産性のデータを取る為」と言う事ですが―
(1)ハンディ導入で、仕分け・紐付(注:ひもつけ=台数カウント)作業については、ほぼ機器で作業員の動きが把握可能となりました。あと、捕捉しきれていない作業はベンダー系(注:業者委託作業)の検品と搬送作業の2つ位です。それだけなら、わざわざ日報なぞつけなくても疑問があれば担当作業員に個別に聞けば済む事ではありませんか?
(2)毎日、データを分析して日常的に業務改善に生かしてこそ初めて、日報をつける意味があるのに、現状では日報記入自体が目的化してしまい、単なる「仕事の為の仕事」に成り下がってしまっています。
(3)新システム導入直後の、まだ作業フロー(手順)が確定していない時期なら、個人別にデータを収集してフローを確定しなければなりませんが、ハンディ導入・モギリ廃止で今のフローが確定すれば、もうそんな必要もなくなるのではないでしょうか?
(4)従って、現状では、わざわざ個人別作業日報をつける意味が見出せません。敢えて言えば、タイムカード(注:前述のIDカード)打刻漏れのチェックに使うぐらいですが、それはタイムカードを確実に打刻する事で解決できると思います。
「××が出来ていないので△△でそれを補わなければいけない」なんて言っていたら、いくらでも仕事は増える一方です。
(5)日報の作業番号区分(注:前述のコード番号)についても、現状と乖離(かいり)している部分について見直して欲しい旨、以前に言った事がありますが、
(例:30番従来の農産仕分けと31番PC農産仕分けを現状ではきっちり区分して記入する事なぞ無理です)
それでも「大体で良いから区分して記入する様に」との返事でした。しかし、そんな「大体で良いから」なぞと言うどんぶり勘定の日報なら、わざわざつける意味は無いと思います。
(引用終了)
そもそも、本当にこの個人別作業日報のデータを業務改善に生かすつもりなら、前述の「業務改善要望書」4項目目の「PC農産廃棄物置場の清掃」や、前回記事の「カット長芋転倒事故」の原因となった床の傾斜や人手不足についても、もっと早くから手を打てているはずです。廃棄物置場の床がゴミで汚れまくって滑りやすくなっている事も、ちゃんと職場巡視をしていたら直ぐに気が付くはずです。いずれも「日報で個人別データを収集する」とか言う以前の問題です。
その肝心の業務改善を全く怠り、さぼりまくっているくせに、個人別作業日報を形だけ提出させて、さも効率アップや業務改善に取り組んでいる「ふり」をしているだけではないですか。そんな作業日報なら、もはや付けない方がマシです。
![]() | トヨタ 仕事の基本大全 |
クリエーター情報なし | |
KADOKAWA/中経出版 |
そして、うちの社員にトヨタに研修に行かせて、業務改善の何たるかを学ばせて来たら良いのです。トヨタ自動車は、一方では鎌田彗(かまた・さとし)さんのルポルタージュ「自動車絶望工場」にもあるように、「乾いたぞうきんを更にしぼる」ような過酷な労務管理(カンバン方式)で悪名高い会社ですが、その一方で、QCサークルと言うのを社内に作って、全社あげて業務改善に取り組んでいる大企業としても有名な所です。上記の「トヨタ 仕事の基本大全」という本に、その内容が詳しく載っています。
もちろん、その「業務改善」も、「カンバン方式」と表裏一体の関係にあり、労働者の立場からすれば、必ずしも称賛できるものではありませんが、それでも、こんなアリバイ的な個人別作業日報の提出にばかり力を入れ、床がゴミや汁まみれになっていても知らんふりするような事なぞ、少なくともトヨタでは考えられないでしょうから。この前の私のカット長芋ドーリー転倒事故についても、もしトヨタなら、「個人の不注意」で片づけたり、「ドーリーを1台ずつ持って運べ」と言ったピント外れな対策を立てたりはしないでしょう。「なぜ、その転倒事故は起こったのか?」と言う事を、施設面(事故現場の床の傾斜や、あちこち動き回り方向が定まらないドーリーの駒の構造、等)や人の問題(1人作業の問題も含め、当日の作業配置は適切であったのかどうか等)も含め、徹底的に掘り下げて追求するはずです。そうすれば、うちの社員も、もっとまともに仕事に取り組むようになるでしょう。