アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

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そんな事は肉屋を支持する豚にこそ言え!

2019年05月29日 12時37分56秒 | 貧乏人搾取の上に胡坐をかくな

 川崎殺傷事件(左上ニュース)で、模倣犯を生まない為にも犯人への過度のバッシングを諌めた人が、逆にネットで叩かれている。「死にたいなら他人を巻き添えにしたりせず、さっさと一人で死ねば」。この書き込みを見た自殺願望の持ち主が、更に逆上して「そんな事書かれる位なら、一層の事、他のリア充も皆殺しにしてやる」となるのを防ぐ為に、過度の犯人叩きを諌めただけなのに、「犯人をかばうのか」と叩かれている。

 川崎殺傷事件「死にたいなら一人で死ぬべき」という非難は控えてほしい(藤田孝典)https://news.yahoo.co.jp/byline/fujitatakanori/20190528-00127666/

 「犯人をかばうのか」と言ってる人に私は逆に問いたい。「秋葉原の無差別殺傷事件をもう忘れたのか?」と。スパルタ教育で育てられた挙句に、両親から疎んじられ、派遣切りに遭った犯人が、腹いせに東京・秋葉原の歩行者天国で無差別殺人に及んだ事件だ。当時は今とは違って、犯人が犯行直前まで綴ったネットの書き込み(右上はその一部)を見て、「よくやった」「俺も同じ想いだ」という書き込みがネットに溢れたものだ。

その後、一時的な政権交代を挟んで、派遣切りから今のアベノミクスに時代は変わった。しかし、根本的には何も変わっていない。見かけの有効求人倍率こそ上昇したが、相変わらず食って行けない様なブラック求人ばかり。上がったとされる最低賃金も、当時から僅か100円程度引き上げられただけだ。

フルタイムで働いても月収20万行かない時給千円への最賃引き上げにも、日商会頭が反対を表明した。そして、政府の審議会では、今の65歳からの年金支給を70歳や80歳に引き上げる事すら議論され、「公的年金で賄えない分は投資や個人年金で賄え」とまで言われる有様だ。

それに対し、「何でも自己責任で済ますなら、今まで払った年金保険料全て返せ」と反論しても、「公的年金で賄えないのは贅沢品購入やレジャー費用だけだ。一部の発言だけ切り取り騒ぎ立てるな」と言われる。

人生100年時代に自助努力を、と国が示して怒っている人は、「一部」と「全部」の大違いが分かっていない(山崎俊輔)https://news.yahoo.co.jp/byline/syunsukeyamasaki/20190527-00127495/

一部しか見てないのはどちらか?大企業や中堅企業に正社員として就職し、結婚して妻は専業主婦に。子ども2人産んで、定年まで勤め上げ…今やサクセス・ストーリーでしかない、そんな昔の標準世帯をモデルに、ようやく貰える月22万円ほどの公的年金を引き合いに出して、「今も福祉制度は立派に機能している。一部の発言だけ切り取り騒ぎ立てるな」と言う輩の方が、よっぽど「木を見て森を見ず」ではないか。
途中でリストラに遭い、正社員から非正規雇用に変わっただけで、年金支給額は大幅にダウンする。月22万円どころか10万円あるかないかだ。派遣切りで失業し、家賃も払えずホームレスになった人は、社会保険料どころか食費や治療費も払えない。中高年の未婚率も、非正規雇用に限れば6割にも及ぶ。「一部の発言だけ切り取り騒ぎ立てるな」と言ってる奴は、そんな実態なぞハナから頭に無いのだろう。

最低賃金を時給千円に引き上げ、1日8時間フルに働いても、月収僅か17万円から18万円にしかならない。税金や社会保険料を払えば月15万円にも満たない。そこから家賃や光熱費を払えば、もう食べるだけで精一杯。投資どころか貯蓄もままならない。

私も時給千円の非正規雇用だが、本業だけでは食べて行けないのでダブルワークでしのいできた。ところが、ダブルワーク先で契約を切られ、代わりのダブルワークもことごとく不採用。多分、ダブルワークで入れる時間が少なかったからだと思うが、なら「過労死するほど働け」と言うのか?やむなく本業バイト先に事情を話して、月40時間ほど残業する事を認めてもらって、何とか家賃支払いに見合う増収を確保できる目処が立った。

残業規制が強められる中で、よりによって「残業を認めてもらう」とは。呆れられた方もおられると思う。私も好き好んで残業なぞしたくはない。でも、慣れないダブルワークの、不安定な掛け持ちバイトでアゴでこき使われる位なら、まだ同じ職場の慣れた仕事で残業した方が良い。ご多聞にもれずウチも人手不足。それを逆手に取ったまでだ。

1日8時間働いたら誰でも普通に食べて行けるなら、それに越した事はない。何も贅沢している訳ではない。たまには安売り弁当だけでなく美味しい物も食べたい。たまには有休取って旅行にも行きたい。こんな当たり前の願いすら、贅沢に分類され、「楽しむ分は自己責任で賄え」と言われる。

今も日本は秋葉原の事件の頃と何も変わっていない。それどころか、マスコミは更に政権の顔色をうかがうようになった。川崎の事件も直ぐには速報で流れず、令和改元やオリンピックのお祭り騒ぎばかりが垂れ流される。朝乃山優勝の際も、以前は女性看護士が急病人搬送の為に土俵内に立ち入る事も拒否しながら、相撲観戦に訪れた米国のトランプ大統領には、升席を取り払って椅子まで用意し、スリッパ履きで土俵入りする事も認める不公平さ。この国の主人公は一体誰なのか?

「最低賃金が上がった」と言われるが、実質賃金は逆に低下。他の先進国がデフレ脱却に成功し、実質賃金も上昇する中で、日本だけがずっと低下し続けている。有効求人倍率が上がったのも、少子高齢化で労働人口が減っているからだ。アベノミクスとは無関係。むしろ、安倍政権が後押しする企業リストラのせいで、少子化による人手不足が起こっているのだから、求人増も「不幸中の幸い」と言うべき代物でしかない。

 
右上グラフは、1997年を100とした場合の2016年の実質賃金指数。他国が軒並み100を超えているのに、日本だけが89.7と逆に低下(全労連の資料より)。本当にアベノミクスで好景気なら、ダブルワークなぞしなくても済む筈だ。大人にも安い値段で食事を提供する「おとな食堂」(左上、5月26日にあいりん地区で開催)も必要ない筈だ。
 
ところが、実際は求人内容もブラックなものばかり。形ばかりの残業規制と引き換えに、労働時間規制そのものを取っ払う「高度プロフェッショナル制度」まで認められてしまった。
 
「運送会社を解雇され、社名入りのトラックで人混みに突っ込んでやろうか」という人が労働相談に現れた事は、ニュースには絶対に流れない。こんな世の中では、川崎や秋葉原のような事件は、今後も増える事はあれ減る事はない。しかし、それをネットで告発しても、「一部だけ見て騒ぎ立てるな」と言われる。
 
そして、何も考えずに「ハッピー令和」だの「オリンピック」だのと浮かれ、見掛け倒しのアベノミクスに騙され、まるで「肉屋を支持する豚」みたいに安倍政権を支持する。昨日の川崎殺傷事件でも、容疑者叩きで憂さを晴らすしか能がない。「木を見て森を見ず」と言うのは、そんな輩にこそ言うべき言葉だ。
コメント (1)
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