アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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どうしたら安倍政権を倒せるか?

2020年01月26日 22時27分00秒 | モリカケも忖度もない公平な社会を
 
次回のブログ更新は、アイヌの歴史について書くつもりでいた。書こうと思ったきっかけは、麻生太郎の「日本は2千年来、天皇を戴く単一民族国家」発言だった。
この発言がトンデモである事は明白だ。「万世一系」で「日本の象徴」とされる天皇家も、実際は壬申の乱や院政、南北朝の争乱で同族が相争って来た。その挙句に平家や源氏の台頭を招き、武士に覇権を奪われて来た。天皇が再び脚光を浴びるようになったのは、明治以降のたかだか150年余りに過ぎない。そんな物を「日本古来の伝統」と呼ぶ事は出来ない。

「日本は単一民族国家」と言うのも大嘘だ。実際は大和朝廷とは別に、沖縄では琉球王国が栄え、東北・北海道でもアイヌ人が大陸と交易活動を行なっていた。ところが、日本では大和朝廷以外の歴史は全て闇の中に葬られて来た。島津藩の琉球侵略、松前藩のアイヌ侵略についても、学校の歴史の授業では一切教えられて来なかった。
だから、私はアイヌの歴史について、図書館で本を借りて読み、ブログでまとめるべく、資料もコピーしていた。

でも、何か気乗りがしないので止めた。気乗りがしない理由の一つは、本を読むのに時間が取られ、書くタイミングを逃してしまったからだ。その後も、河井案理の選挙汚職に新型肺炎流行と、次々と新しいニュースが流れ、麻生発言はいつしか後景に退けられてしまった。
もう一つの理由は、私自身も来月初めに転居を控え、もう麻生発言だけに構っていられなくなったからだ。今の私にとっては、少しでも預金の目減りを防ぐべく、より家賃の安い賃貸物件に移る事の方が最優先課題なのだ。

そこでハタと気が付いた。安倍政権がこれだけ不祥事を重ねても、何故、内閣支持率が高止まりしているのか?その最も大きな理由も、ロスジェネ世代の「諦め」「消極的支持」にあるのではないか。「ロスジェネ」とは「ロスト・ジェネレーション」の略だ。訳せば「失われた世代」となる。日本でバブルがはじけ、構造不況に突入した1990年代以降に社会人デビューした世代の事だ。
1990年代以降に社会人としてデビューし、現在50歳より下の世代は、「就職氷河期世代」として、それまでの50年間ずっと、不況の中で生活して来た。好景気を一度も経験していないのだ。特に1995年以降は終身雇用の見直し、正社員から非正規雇用への置き換えが進み、派遣切りにも遭って来た。
また、この時期は、社会党・総評ブロックの消滅や、ソ連・東欧圏の崩壊で、社会主義運動や労働運動が後退して行った時期に当たる。それ以前には普通に見られた春闘やストライキが、今やほとんど見られなくなった。今や労働組合がある職場は大企業に限られ、頼みの労組も正社員の事しか考えない御用組合が大半を占めるようになってしまった。

そんなロスジェネ世代からすれば、今の安倍政権の時代は、たとえブラックな求人ばかりだったとしても、求人そのものがはるかに少なかった民主党政権時代と比べたら、まだマシにしか見えないのだ。それがどれだけ日銀の株買い支え、株価バブルによるはかないものであったとしても、だ。
何故なら、それ以前のバブル景気や高度経済成長時代の事を知らないのだから。安保闘争や全共闘運動、沖縄返還闘争やベトナム反戦運動の経験もなく、ストライキの経験もないのだから。
実際、朝日新聞の最新世論調査でも、60歳代では31%対54%と不支持率の方が高いのに、29歳以下になると48%対26%と、支持率の方が上回るという数値が出ている。(上図参照)

権力と戦って何かを勝ち取った事もなく、ずっと続く不況の中で、我慢を強いられた経験ばかり。物心ついた時に経験した数少ない「革命」体験である自民党から民主党への政権交代も、惨めな失敗に終わった。
そんな境遇に何十年も身を置いていたら、たとえ官製相場であっても、実際に最低賃金や有効求人倍率を引き上げて来た第二次安倍政権を、積極的に支持しないまでも、容認する気持ちになるのも不思議ではない。

勿論、今の相対的「好景気」は決してアベノミクスのお陰ではない。長く続いた不況のせいで、生活が悪化し、結婚や子育ても出来なくなる中で、少子高齢化が進み、それが人手不足となり、たまたま最低賃金や有効求人倍率の増加となって現れているに過ぎない。これらは「自然増」に過ぎず、決してアベノミクスの成果なんかではない。
むしろ、今の日本は、1990年以降ずっと続いた不況のせいで、とっくに先進国の座から滑り落ちてしまっている。この30年もの間、GDP(国内総生産)はほとんど伸びなかった。中国・インド等の新興国だけでなく、欧米諸国も何倍もGDPを伸ばして来たにも関わらず。

日本に外国人観光客が殺到しているのも、別に外国人が日本文化に魅せられたからではない。デフレが長く続いたせいで、今や欧米だけでなく中国や東南アジア諸国よりも物価が安くなってしまったからだ。その安い物価でも日本人は生活に汲々としているのだ。どれだけ生活が悪化したか分かるだろう。
長い目で見れば、むしろデフレの弊害の方が大きい。小泉構造改革やアベノミクスによる規制緩和で、経済格差が広がり、労基法の骨抜きで、長時間労働や過労死が蔓延する事になった。昔は年間数万円だった国立大学の学費も、今や百万円を超えるようになり、学生はバイトや奨学金の返済に追われるようになった。社会保障も切り捨てられ、整骨院にも満足に通えなくなった。安くなったのは百均や牛丼、ドンキ等の「ド貧民が買う商品」だけなのだ。

今のロスジェネ世代は、決してアベノミクスや安倍政権の進める憲法改正、戦前回帰の政策を容認している訳ではない。モリカケや裁量労働制データ改ざん、「桜を見る会」疑惑を容認している訳ではない。それが証拠に、各種世論調査の結果を見ても、これらの項目については、安倍政権に否定的な回答が多数を占める。
ところが、安倍政権全体に対する評価となると、途端に内閣支持率が高止まりしたままとなる。個別の政策については、安倍政権の政策に反対の意見の方が多いのに、何故、全体評価となると、安倍政権支持が多数になるのか?

生活を守るのに精一杯で、投票に行く余裕もない中で、政治を変える事を諦めてしまっているからだ。それを安倍政権も良く知っているからこそ、民主党政権から返り咲いてからは、第一次政権の時みたいな改憲一本槍ではなく、アベノミクスで見せかけの「好景気」を演出しながら、それを改憲策動に利用しているのだ。
これは決して安倍晋三の力では出来ない。安倍晋三は、首相でありながら、一人では答弁原稿も振り仮名付きでないと読めない人物なのだ。誰でも読める「画一的」「背後」「云々」等の漢字ですら、「がいちてき」「せいご」「でんでん」と誤読する程の無能者なのだ。そんな無能者であるにも関わらず、何故、第二次政権では第一次政権とは対照的に、8年も政権を維持して来れたのか?政権中枢の中に、安倍晋三を操る策士がいるからだろう。おそらくCIAとも繋がりのある人物が。

それを唯一分かっているのが山本太郎だ。山本太郎率いる新党「れいわ新選組」が、何故、結党間もない参院選で、いきなり200万票以上も得票し、2名の新人議員を当選させる事が出来たのか?それは、「消費税廃止」「奨学金返済チャラ」等の分かりやすい言葉で、ロスジェネ世代にアピールする公約を前面に押し出したからだ。
「れいわ新選組」の公約も、格差是正に規制緩和反対と、他の野党の公約と余り代わり映えはしない。違いと言えば、財政出動を容認している(その一点でアベノミクスの手法も一定評価している)点ぐらいだ。でも、同じ格差是正を言うにしても、「奨学金返済チャラ」「公営住宅増設」を前面に押し出すのと、そうでないのとでは、有権者の受け取る印象は全く違う。ロスジェネ世代にとっては、「桜を見る会」疑惑追及よりも、「奨学金返済チャラ」の方が、より切羽詰まった問題なのだ。

「消費税廃止」の公約もそうだ。非正規雇用の労働者にとっては、住宅減税やベースアップなんかよりも、こちらの公約実現の方がはるかに重要だ。幾ら住宅減税やベースアップが実現した所で、自分の時給が上がる訳ではない。しかし、消費税が下がれば、惣菜屋で買えるメニューは確実に増える。
「桜を見る会」その他の疑惑追及も勿論大切だ。何故なら、それ自体が安倍政権の身びいき、不公平体質の追及に繋がるからだ。しかし、それだけを前面に出していては、ロスジェネ世代は動かない。彼らにとっては、疑惑追及よりも「消費税廃止」等の方が、自分の生活により直結する公約だからだ。同じ公平を訴えるなら、疑惑追及よりも、消費税や高い住宅家賃の不公正さを、もっと訴えるべきだ。
コメント (2)
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