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逆ギレパラダイス

2021年12月19日 05時30分59秒 | 職場人権レポートVol.3
 
一昨日、放火事件のあったクリニックの現場を昨日観て来ました。地下鉄四つ橋線西梅田駅近くの雑居ビル4階にそのクリニックはありました。昨日もまだ周囲には非常線が張られ、マスコミの取材陣でごった返していました。
 
このクリニックは心療内科で、職場でうつ病を発症した患者が多数詰めかけていました。良心的な治療で評判も良かったようです。昨日の放火犯も患者の一人で、症状が改善されないのを逆恨みして、クリニック待合室の暖房器具の前にガソリンを撒いて発火させたのです。
 
その後、本屋で宮口幸治・著「ケーキの切れない非行少年たち」(新潮新書)を買って来て半分ぐらい読みました。この本によると、現在、医療少年院に収監されている虞犯(ぐはん)少年(罪を犯した少年)の半数近くが、何らかの知的障害を抱えているそうです。
 
彼らに「丸いケーキを3人で分けるにはどう切れば良いか?」という問題を出しても、きちんと3分の1ずつ切り分ける事が出来ずに、2等分+4等分で切り分けてしまったり、縦に3つに切り分けてしまったりするそうです。こんな切り方では均等にならずケーキの取り合いになってしまいます。
 
この認識の歪みはどこから来るのか?元々、脳に障害があった所に、幼少期のネグレクト(育児放棄)や家庭内暴力、学校内での虐めが加わり、勉強に付いて行けず、進学にも就職にも失敗し、犯罪に巻き込まれてしまった少年が大半なのだそうです。
 
それらの虞犯少年には下記の特徴が多く見られるそうです。
 
①認知機能(判断力)が弱い。空気が読めず、相手の立場になって考えられない。
②怒りを抑える事が出来ず、直ぐに逆ギレする。
③融通が利かず、一つの考え方にとらわれ、自分の思い込みだけで行動する。
④劣等感の裏返しで妙にプライドが高い。自分の事は棚に上げ他人の欠点ばかり論う。
⑤人づきあいが下手で、自分の言いたい事もちゃんと言えない。簡単な漢字も読めず計算も出来ない。
⑥不器用、注意散漫で、しょっちゅう物を倒したり壊したりする。
 
いずれもアスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)ADHD(注意欠陥・多動性障害)の典型的な症状です。その為に、複数の作業を同時に進める事が出来ずに、注意散漫で落ち着きがなく、よく仕事でミスし、しょっちゅう物を壊したり倒したりするのです。直ぐに逆ギレしたり、他人の注意に耳を貸さないのも、今まで失敗ばかりして注意されっぱなしだったので、意固地になってしまったからだそうです。
 
私は昨日の放火事件のニュースを聞いて、直ぐこの本の内容が思い浮かびました。これは別に医療少年院だけに限った話ではないでしょう。まさにウチの会社にも多分に当てはまる事象ではないでしょうか?
 
前記①~⑥の特徴は、うちの社員のIやバイトのH、同じセンター内で仕事をしている系列会社社員Tにも多く見られます。例えば、Hは掛け算・割り算が出来ないので、検品も間違いだらけ。Iも社員のくせに簡単な伝票処理も出来ない。
 
その中でも、特に酷いのが系列会社社員Tです。私達が作業しているのもお構いなしに平気で商品を持ってきて、危うくぶつけられそうに何度もなった。注意しても全然聞かず(当時の記事)。逆に、なかなか商品を持って来ないので、こちらから取りに行ったら加工室の出口に置きっぱなし。それを持って行こうとしたら「勝手に持って行くな」と逆ギレ。
 
商品の置き方も乱雑で、検品の済んだ商品の前に、まだ検品していない商品を置こうとする。以前、商品の積んだ台車をTが転倒させてしまった事がありました。その時も、Tは商品の破損状況もろくに確かめずに、ただ積み直しただけで済まそうとしました。私が後で確かめたら、ケースがちゃんとかみ合っていませんでした。私がそれをTに指摘したら、何と「分かってんなら、そっちで積み直せや!」と捨て台詞を吐きやがったのです。余りの沙汰に、私は絶句してしまいました。自分が台車を倒しといて、よくそんな事が言えたものです。
 
余りにもTの出勤日と公休日で状況が違うので、Tが休みの日に、交代勤務の人に、普段のTの仕事ぶりについて、さりげなく聞いてみました。そうしたら、何とTは商品を置きっぱなしにして、何か「別の自分の仕事」をやっているようなのです。その「別の仕事」が何なのかは、その交代勤務の人にも分からないようでした。どんな大事な仕事か知りませんが、商品を持ってくるのが先でしょうが。こちらは、その商品を店別に仕分けして、午後一番の配送出発時間までに、待機場所まで持って行かなければならないのですから。
 
そもそも、Tが外の商品移動係に回された理由も、加工室内で商品をパートにぶつけてケガさせてしまったからだそうです。昨年の年末繁忙期は、Tはまだ加工室内で作業していました。お陰で室内はT一人の為に大混乱。それで外の仕事に回されたのだそうです。これでは今年の年末が思いやられます。そんな酷い状況なのに、Tは別会社の社員だからと、うちの社員はなかなか注意してくれない。直ぐに逆ギレするのは、うちの会社のIやHも同じ。これではまるで、うちの会社は、「逆ギレした者勝ち」の「逆ギレパラダイス」じゃないですか((# ゚Д゚)。
 
医療少年院の非行少年たちも、適切なフォローさえあれば、偉人になれたかも知れません。現に発明家のエジソンや起業家のビルゲイツも、幼少期には知恵遅れとみなされ、学校も満足に卒業出来ませんでした。それでも母親が育児を放棄せず、彼ら特有の「変なこだわり」を探究心にまで高める事が出来たので、彼らは犯罪者にはならずに、逆に偉人として成功する事が出来たのです。
 
翻って、今の会社にそれだけの覚悟はあるでしょうか?IやH、系列会社社員のTが障がい者かどうかは分かりませんが、およそまともでない事は確かです。本来なら採用されるはずのない人たちです。でも、採用してしまった以上は、ちゃんと会社の責任で彼らを一人前にしなければなりません。ところが現状は、雇い入れたら後は知らんふりで、現場のバイトに丸投げ。こんな無責任な事では、西梅田のクリニックで起こった事が、最悪うちの職場でも起こるんじゃないでしょうか?

コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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Unknown (鈴木のび太)
2021-12-21 15:21:23
火災の現場は実際は写真の右のビルの4階ですよ。
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Unknown (プレカリアート)
2021-12-21 20:47:39
鈴木さんから掲載写真に誤りの指摘がありましたので、早速写真を差し替えました。鈴木さん、ご指摘有難うございました。
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Unknown (ぶた猫ぶーにゃん)
2021-12-25 08:18:17
私も、そして私の父親も「ケーキの切れない非行少年たち」と同じ「特徴」を抱えてしまっております。
お互い短絡的にものごとを考えてしまいすぐに喧嘩になる(今朝もしました)
あと、ネトウヨはじめネット、SNSで侮蔑、差別発言する連中も同じ「特徴」があるように感じます。
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