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二重国籍なんかより裏金疑惑の方がよっぽど問題だ

2024年05月30日 20時08分31秒 | 未完の政権交代
法務省ホームページ記載の重国籍(二重国籍)離脱手続き。離脱手続きはあくまで「努力義務」とされ、違反しても罰則が課されない事に注意。

またしばらくブログ更新が滞ってしまいました。滞った理由は、仕事やプライベートで何かと忙しかった事もありますが、やはり最大の理由は、今の野党が余りにも不甲斐ないので、政治の話題を取り上げる気になれなかったからです。
 
私のブログは、近年でこそ旅行記や競馬などの趣味の話題、身辺雑記などの記事も少なくありませんが、元々はイラク戦争反対を掲げて立ち上げたのがきっかけです。今でも政治的な話題が記事の中心です。その私のブログにとって、昨今の自民党の不人気ぶりは、まさにブログで取り上げるべき内容です。
 
でも、幾ら安倍や維新のメッキが剥げて、自民党の人気が凋落し、同じく人気絶頂だった維新も、同党幹事長が自らゲロしたように、「第二自民党」としての正体が明らかになり、万博・カジノの浪費で人気にかげりが見られるようになっても。政権交代の軸になるべき野党が今のままでは、頑張ってそれをアシストする気には、どうもなれないのです。
 
野党第一党の立憲民主党は、肝心の執行部が自民党と同じような体質で、「第二自民」の維新に擦り寄り。確かな野党を自認していた共産党も、松竹除名問題を機に独善的な体質が全然変わっていない事が分かり。唯一期待していた「れいわ新選組」も、唯我独尊という意味では共産党と似たり寄ったりで。社民党は余りにも弱過ぎて、もはや応援する気にもなれず。
 
それでも、選挙を棄権してしまったら、自公与党や維新の思う壺なので、投票だけは必ず行き、共産党か「れいわ新選組」のどちらかには必ず入れるようにはしています。政治資金の問題でも、自民党はいまだに反省せず、言い逃れに汲々とするばかり。何とかお灸を据えたいと思うのですが、岸田政権は解散封じに走り、意思表示の機会がなかなかやって来ません。
 
その中で、ようやく巡って来た7月7日投開票の東京都知事選挙。一自治体の選挙ではありますが、同時に、首都の首長を選ぶ一大決戦の場でもあります。都政の問題だけでなく、政治資金や今までの自民党政治に審判を下す絶好の機会です。
 
東京都政も、今までは石原慎太郎や小池百合子などの自民・保守系の知事が専横をほしいままにしていましたが、今回ようやく蓮舫氏が出馬表明。反自民・反小池の立場で、野党統一候補に名乗りを上げてくれました。
 
蓮舫氏は、かつては民主党政権の行政改革推進大臣として、その後は民進党や立憲民主党の参院議員として活躍して来ました。特に東京では知名度抜群。共産党や「れいわ新選組」と比べたら、反自民色は若干落ちるものの、それでも自公与党や維新、都民ファーストの金権政治家と比べたら、はるかにマシな政治家です。実際、イメージも小池なんかよりは、はるかに清新そうだし。
 
ただ唯一の懸念が二重国籍問題です。蓮舫氏は、この問題の為に、一時期は民進党(今の立憲民主党などの前身政党)の代表辞任にまで追い込まれました。この二重国籍問題ですが、私にとっては、ほとんど馴染みのなかった問題です。果たして、どこまで理解出来るか不安です。でも、知らないでは済まされないので、これを機に自分なりに色々調べてみました。その上で、現時点での私の意見を述べます。
 
蓮舫氏は台湾人の父と日本人の母の間に生まれ、ハーフとして生きて来ました。その美貌を生かして、キャンペーンガールとして活躍していたのを政治家に見そめられ、やがて政界の道に。当時の国籍法の規定では、父の国籍しか選べなかった為に、台湾人の謝蓮舫として生きていくしかなかった。ところが、1984年の国籍法改正で、母方の国籍も選べるようになったので、翌年に日本国籍を取得。
 
本当は、この時に台湾の国籍を離脱しなければならなかったのですが、当時まだ10代の若者だった彼女には、そんな複雑な離脱の手続きなぞ想像もつかず。政治家になった後で、二重国籍である事が明らかになり、2016年に、台湾当局から国籍離脱証明をもらい、改めて日本国籍を選ぶ事を宣言する事で、ようやく二重国籍状態から抜け出す事が出来ました。
 
自公与党や小池百合子は、それを経歴詐称と攻撃しているのです。でも私に言わせれば、自民党の裏金議員のように、故意に違法行為に手を染めた訳ではありません。
 
台湾が彼女の国籍離脱証明を発行しても、当の日本政府が、当時はもう台湾とは国交が途切れていたので、そんな未承認国の証明書なぞ受け取れないと、区役所が受け取りを拒否してしまったのです。
 
日本は昔は台湾(中華民国)と国交を結び、大陸の中華人民共和国とは国交がありませんでした。しかし、1972年の日中国交回復で、中華人民共和国を「中国を代表する唯一の国家」である事を認めるようになりました。それにより、台湾は逆に日本と国交断絶に陥りました。
 
経済的には、日本は中国だけでなく台湾とも関係を維持して来ましたが。こと国家レベルの話になると、あちら立たずばこちら立たずで、台湾の証明書を受け取る事が出来なかったのです。もし、そんな物を受け取ってしまったら、今度は中華人民共和国から猛反発を喰らう事になりますから。
 
そこで、台湾籍の離脱証明とは別に、日本国籍を選ぶ宣言もさせる事で、ようやく二重国籍状態を解消出来るようになったのです。
 
幾ら政治家とは言え、元はと言えば日本の戦後政治、冷戦時代の日本政府による中国(中華人民共和国)敵視政策にも責任の一端があるのに、それを棚に上げて、個人の些細な過去の過失、それも解決済みの過失を、ことさら針小棒大に取り上げるのは如何なものか?
 
もし仮に台湾の国籍離脱手続きが完了せず、今も蓮舫氏の二重国籍状態が解消していなかったとしても、それが一体何だと言うのでしょうか?台湾も日本の友好国ですよ。普段はあれだけ「台湾は親日だ、反日の韓国とは違う」と褒めそやしながら、相手が野党の政治家となると、途端に「反日のスパイ」呼ばわりするのは如何なものか?
 
在日ベトナム人の扱いについても同じ事が言えます。日本はベトナム戦争で、横田、横須賀、岩国、佐世保、嘉手納の米軍基地から、戦闘爆撃機を発進して、ベトナムを空爆しながら。その反省もなしに、ベトナムが中国と対立した途端に、今度はベトナムの肩を持ち。その裏で、ベトナム人を安い給料でこき使い。
 
こんな事では、「日本人は、外国人の足元を見て、使い捨てする事しか考えていない」と思われても仕方がありません。そんな事ばかりしていると、韓国・北朝鮮からも、台湾・中国からも、ベトナムやネパールからも、愛想を尽かされ、最後には、どの国からも相手にされなくなってしまいます。
 
そもそも欧米先進国では重国籍に対する罰則がありません。それらの国々では、植民地支配の影響で、元々移民が多く、米国のオバマ元大統領や、英国のスナク現首相のように、旧植民地にルーツを持つ政治家も多いからです。
 
重国籍を罰する規定があるのは、アジアやアフリカなどの第三世界諸国に多いです。これは多分、独立運動由来のナショナリズムの影響が大きいと思います。但し、同じ第三世界でも、南米諸国は欧米と同じ移民大国なので、重国籍者を罰する規定はありません。
 
日本の国籍法14条では、重国籍者は22歳までに、どの国籍を選択するか決めなければならないと定めています。しかし、この法律に対する罰則はありません。公職選挙法も「政治家は日本の国籍を有しないといけない」とあるだけで、別に日本国籍と他国籍を併せ持つ重国籍者を罰する規定はありません。経歴詐称で虚偽事項公表罪で罰せられる可能性はありますが、この罪も3年で時効となります。

なぜ国籍法14条違反でも罰せられないか?最近は国際結婚でハーフも別に珍しい存在ではなくなった。国籍の扱いも国によって異なる。重国籍が合法な国も少なくない。その中で、日本だけこの条項を厳格に適用しても、入管行政が麻痺してしまうわ、相手国とトラブルになるわで、ろくな事にならないから、敢えてグレーゾーンの扱いにしているのです。
 
更に日本の場合には特別永住者の扱いも考慮しなければなりません。特別永住者とは、日本の旧植民地だった朝鮮・台湾から日本に渡って来て住み着いた人達の事です。これらの人達は、日本の都合で勝手に日本人にされ、実際は二級国民として差別されて来ました。そして、第二次大戦で日本が連合国に敗れ、講和条約を受け入れた事で、今度は一夜にして日本国籍を剥奪されました。
 
それ以降、在日朝鮮・韓国・台湾人は、どこの国民でもない無国籍の状態に置かれ、無権利状態の中に放置されました。そして1991年になり、ようやく特定永住者として、ある程度は人並みの扱いを受けられるようになりました。国籍を問題にするなら、この旧植民地の人達に対する非人道的処遇についても問題にしなければ片手落ちです。
 
日本人の色眼鏡で、反日か親日かの恣意的基準で一方的に決めつけ、外国人を生身の人間として見ようとしない。そんな低俗な議論に組みする気はありません。国籍法違反の政治家よりも、政治資金規正法に違反して、政策活動費や政治資金パーティー、企業・団体献金を容認し、裏金をしこたま溜め込む政治家の方が、よっぽど悪質で「反国家的、反国民的」ではないでしょうか?私は蓮舫氏を支持します。
 
(参考資料)

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